「戦術誘導弾検収射撃試験実施」：2020年3月に「引き渡された」ミサイルの「検収」試験、北京冬季五輪休戦開始前の「光明星節」祝砲の性格も、さらなる発射は「太陽節」にか、TELからの発射確認 （2022年1月18日 「労働新聞」）
18日、「朝鮮中央TV」放送開始直後に報道された。TELからの発射だった。
Source: KCTV, 2022/01/18
18日、『労働新聞』などに以下。
***********
戦術誘導弾検収試験射撃実施
전술유도탄검수사격시험 진행
国防科学院と第２経済委員会をはじめとした当該機関の計画にしたがい、1月17日、戦術誘導弾検収射撃試験が行われた。
국방과학원과 제２경제위원회를 비롯한 해당 기관의 계획에 따라 １월 １７일 전술유도탄검수사격시험이 진행되였다.
検収射撃試験は、生産、装備されている戦術誘導弾を選択的に検閲し、兵器システムの正確性を検証することを目的に行われた。
검수사격시험은 생산장비되고있는 전술유도탄들을 선택적으로 검열하고 무기체계의 정확성을 검증하기 위한데 목적을 두고 진행되였다.
我が国の西部地区から発射された２発の戦術誘導弾は、朝鮮東海上の島目標を精密打撃した。
우리 나라 서부지구에서 발사된 ２발의 전술유도탄은 조선동해상의 섬목표를 정밀타격하였다.
国防科学院は、生産されている兵器システムの正確性と安全性、運用効果性を確認した。
국방과학원은 생산되는 이 무기체계의 정확성과 안전성, 운용효과성을 확인하였다.
朝鮮中央通信
【조선중앙통신】
Source: 『労働新聞』、2022/01/18
*****************
18日に発射されたミサイルは「戦術誘導弾」とされているが、2020年3月21日に「元帥様」が「ご覧になる」中で発射された「戦術誘導弾」(イスカンデル型)と中央部にある太い白いある点で類似している。「鉄道機動ミサイル連隊」が14日に発射した「戦術誘導弾」と形状は似ているように見えるが、白くペイントされた部分がない点でデザインは異なる。
Source: 2020年3月22日の「戦術誘導弾」に関する記事。http://dprknow.jp/blog-entry-4114.html
2020年3月21日に発射されたミサイルは２発装填できるTELから発射されているので今回も同じだと思われるが、『労働新聞』に公開された写真は上の1枚だけである。
2020年3月の発射は「示範射撃は、人民軍部隊に引き渡される新兵器システムの戦術的特性と威力を再確証し、人民軍指揮官に直接見せることを目的に行われた」とされており、今回の発射は「検収射撃試験は、生産、装備されている戦術誘導弾を選択的に検閲し、兵器システムの正確性を検証することを目的に行われた」となっているので、10ヶ月あまりの期間で「戦術誘導弾」(イスカンデル型)が各部隊に生産、装備されたということになる。
「記事」では「計画にしたがい」とされているが、昨日の拙ブログに書いたとおり、在韓米軍群山基地を仮想標的として発射していることは明らかなので、米国に対する示威が主目的であることは間違いない。
北京冬季オリンピック（2月4日から2月20日）まであと２週間となったが、国連加盟国173カ国が共同提案した「北京冬期五輪開催期間の休戦決議」には「米国とその追従勢力（日、豪州、インド）」は参加しなかった。北朝鮮は、当然「追従勢力」ではないので173カ国に含まれているはずであり、この期間にはミサイル発射などはしないはずです。
北京冬期五輪期間には「光明星節」があるが、「国連休戦決議」に参加しているとなると、ミサイル発射は自粛せざるを得ない。米国の対北朝鮮独自制裁強化、そして「我々民族同士」の記事に書かれていた韓国軍の訓練に合わせて、在韓米軍基地を仮想標的としたミサイル発射をしているということになろう。
北京五輪まであと２週間となるが、その期間にさらなる発射をするのか、取りあえず在韓米軍本部と２つの空軍基地には壊滅的打撃を与えられることを誇示したので、次は何を出してくるのか。ここ数回の発射の状況からして、無意味な発射はしないであろう。
「光明星節」を盛り上げる「祝砲」は既にたくさん打ち上げたので取りあえずここで止めておき、米国の出方次第では、「太陽節」を盛り上げる１１軸TELから発射される長距離弾道ミサイルが「太陽節」前に発射されそうな気もしている。
＜追記＞
もしかすると、米国に「追従」して北京冬季五輪期間休戦決議の共同提案に加わらなかった日本にある在日米軍基地を仮想標的とした発射があるかもしれない。中国も休戦決議に加わらなかった日本をおもしろく思っていないはずなので、開催前に北朝鮮が「懲罰」したとしても、地域の平和を害したと怒ることはないであろう。
2021年9月15日に北朝鮮が発射した「鉄道機動ミサイル」（飛行距離約800km）と同種のものが平壌国際空港付近から発射されたとすると、岩国と佐世保が、元山付近のカルマ飛行場から発射されたとするとミサイル防衛用Xバンドレーダーが配備されている経ヶ岬通信所も射程距離に入ってくる。
Source: Google Earth
Source: Google Earth
ただ、日本海に向けて発射しても、この距離では標的に使える北朝鮮が領有する島もないので、「付近」となってしまいピンポイント性は薄れてしまうのだが。
＜追記＞
『聯合ニュースTV』で韓国・国防大学教授の解説を聞いていた。このミサイルには950個程度の子爆弾が入ったクラスター爆弾が搭載可ので、「ゴルフ場４～５個は破壊できる」と言っていた。在韓米軍群山基地を破壊するには最適ということになる。
https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20220118011600038?srt=l&d=Y
Source: KCTV, 2022/01/18
18日、『労働新聞』などに以下。
***********
戦術誘導弾検収試験射撃実施
전술유도탄검수사격시험 진행
国防科学院と第２経済委員会をはじめとした当該機関の計画にしたがい、1月17日、戦術誘導弾検収射撃試験が行われた。
국방과학원과 제２경제위원회를 비롯한 해당 기관의 계획에 따라 １월 １７일 전술유도탄검수사격시험이 진행되였다.
検収射撃試験は、生産、装備されている戦術誘導弾を選択的に検閲し、兵器システムの正確性を検証することを目的に行われた。
검수사격시험은 생산장비되고있는 전술유도탄들을 선택적으로 검열하고 무기체계의 정확성을 검증하기 위한데 목적을 두고 진행되였다.
我が国の西部地区から発射された２発の戦術誘導弾は、朝鮮東海上の島目標を精密打撃した。
우리 나라 서부지구에서 발사된 ２발의 전술유도탄은 조선동해상의 섬목표를 정밀타격하였다.
国防科学院は、生産されている兵器システムの正確性と安全性、運用効果性を確認した。
국방과학원은 생산되는 이 무기체계의 정확성과 안전성, 운용효과성을 확인하였다.
朝鮮中央通信
【조선중앙통신】
Source: 『労働新聞』、2022/01/18
*****************
18日に発射されたミサイルは「戦術誘導弾」とされているが、2020年3月21日に「元帥様」が「ご覧になる」中で発射された「戦術誘導弾」(イスカンデル型)と中央部にある太い白いある点で類似している。「鉄道機動ミサイル連隊」が14日に発射した「戦術誘導弾」と形状は似ているように見えるが、白くペイントされた部分がない点でデザインは異なる。
Source: 2020年3月22日の「戦術誘導弾」に関する記事。http://dprknow.jp/blog-entry-4114.html
2020年3月21日に発射されたミサイルは２発装填できるTELから発射されているので今回も同じだと思われるが、『労働新聞』に公開された写真は上の1枚だけである。
2020年3月の発射は「示範射撃は、人民軍部隊に引き渡される新兵器システムの戦術的特性と威力を再確証し、人民軍指揮官に直接見せることを目的に行われた」とされており、今回の発射は「検収射撃試験は、生産、装備されている戦術誘導弾を選択的に検閲し、兵器システムの正確性を検証することを目的に行われた」となっているので、10ヶ月あまりの期間で「戦術誘導弾」(イスカンデル型)が各部隊に生産、装備されたということになる。
「記事」では「計画にしたがい」とされているが、昨日の拙ブログに書いたとおり、在韓米軍群山基地を仮想標的として発射していることは明らかなので、米国に対する示威が主目的であることは間違いない。
北京冬季オリンピック（2月4日から2月20日）まであと２週間となったが、国連加盟国173カ国が共同提案した「北京冬期五輪開催期間の休戦決議」には「米国とその追従勢力（日、豪州、インド）」は参加しなかった。北朝鮮は、当然「追従勢力」ではないので173カ国に含まれているはずであり、この期間にはミサイル発射などはしないはずです。
北京冬期五輪期間には「光明星節」があるが、「国連休戦決議」に参加しているとなると、ミサイル発射は自粛せざるを得ない。米国の対北朝鮮独自制裁強化、そして「我々民族同士」の記事に書かれていた韓国軍の訓練に合わせて、在韓米軍基地を仮想標的としたミサイル発射をしているということになろう。
北京五輪まであと２週間となるが、その期間にさらなる発射をするのか、取りあえず在韓米軍本部と２つの空軍基地には壊滅的打撃を与えられることを誇示したので、次は何を出してくるのか。ここ数回の発射の状況からして、無意味な発射はしないであろう。
「光明星節」を盛り上げる「祝砲」は既にたくさん打ち上げたので取りあえずここで止めておき、米国の出方次第では、「太陽節」を盛り上げる１１軸TELから発射される長距離弾道ミサイルが「太陽節」前に発射されそうな気もしている。
＜追記＞
もしかすると、米国に「追従」して北京冬季五輪期間休戦決議の共同提案に加わらなかった日本にある在日米軍基地を仮想標的とした発射があるかもしれない。中国も休戦決議に加わらなかった日本をおもしろく思っていないはずなので、開催前に北朝鮮が「懲罰」したとしても、地域の平和を害したと怒ることはないであろう。
2021年9月15日に北朝鮮が発射した「鉄道機動ミサイル」（飛行距離約800km）と同種のものが平壌国際空港付近から発射されたとすると、岩国と佐世保が、元山付近のカルマ飛行場から発射されたとするとミサイル防衛用Xバンドレーダーが配備されている経ヶ岬通信所も射程距離に入ってくる。
Source: Google Earth
Source: Google Earth
ただ、日本海に向けて発射しても、この距離では標的に使える北朝鮮が領有する島もないので、「付近」となってしまいピンポイント性は薄れてしまうのだが。
＜追記＞
『聯合ニュースTV』で韓国・国防大学教授の解説を聞いていた。このミサイルには950個程度の子爆弾が入ったクラスター爆弾が搭載可ので、「ゴルフ場４～５個は破壊できる」と言っていた。在韓米軍群山基地を破壊するには最適ということになる。
https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20220118011600038?srt=l&d=Y
