日本首相岸田「私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う覚悟」と、韓国とも協調を (2021年10月4日)
4日、PAGEが中継する日本首相岸田の記者会見を見ていた。
前任者の記者会見が酷かったこともあり、良い雰囲気の記者会見だったと思う。首相の記者会見としての平均値に戻っただけなのかも知れないが、答えなかったり、抽象論だけで終わったりした応答はあったものの、質問に真摯に向き合う姿勢には好感が持てた。首相自身ではないが、2代続いた記者会見をそそくさと切り上げようとする女性広報官から、記者の名前こそきちんと覚えていないが、できるだけ多くの質問を受け付けようとする男性広報官の采配も良かった。「追加質問をするな」というような指示もしていなかった。選挙前の出血大サービスで終わるのではなく、こうした姿勢はずっと続けてほしいものである。
拉致問題解決にについては「一刻の猶予もない」としながら、「私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う覚悟です」と述べた。「条件をつけず」に「元帥様」と会うというのは、前前首相から言ってきたことなので、決して新しい話ではないし、国内向けの宣伝の要素が多い。北朝鮮もまともには受け取らないであろう。
日本首相岸田は「新政権の北朝鮮政策のありようについても、しっかりと把握しながら、そしてその中で、日本としてどんな役割を果たせるのか。こういったことも考えながら具体的な取り組みを進めていくべきであると思っています」とも言っている。これもまた、北朝鮮には「追従」と批判されて終わるであろうが、トランプが朝米関係を推し進めた時に日本が「蚊帳の外」に置かれたような状況を作らないようにすることが重要である。
それとの関連で、日本首相は韓国について何も言わなかった。拉致問題に限らず、核・ミサイル問題への対処は、韓国抜きでは考えられない。韓国について言及しなかったのは、国内の保守勢力も韓国も刺激しないような曖昧戦術だったのかも知れないが、いずれはきちんと向き合わなければならない問題であることは間違いない。
日本首相はまた、「外務大臣時代、ストックホルム合意をはじめ、さまざまな取り組みを試みました。結果として、その結果、具体的な成果があがらなかったということについては、しっかりと反省しながら、、拉致問題についても、しっかりと考えていかなければならないと思います」とも述べている。ストックホルム合意、そしてその後の北朝鮮による調査で判明したこと、しなかったことは、きちんと報告されていない。「成果があがらなかった」ことをきちんと認め、「しっかりと反省」するのであれば、ストックホルム合意から北朝鮮による調査、そして調査中断に至る過程をきちんと検証し、国会で報告すべきである。何よりも、北朝鮮から通報されたという、拉致被害者について、きちんと公開し、対処すべきである。
拉致問題を国内向けの政治の道具として使っているうちは、拉致問題は一歩も前進しない。国内世論を煽って、北朝鮮非難の大合唱をしても、誰一人として帰ってこなかった過去をきちんと振り返り、「元帥様」の演説でしばしば使われた言葉で言えば、「실속있는 (中身のある」解決を模索しなければならない。
遅かれ早かれ、北朝鮮は日本首相岸田に関するコメントが入った報道を出すであろう。恐らく、「米国に追従」をしながら、条件をいっぱい付けているくせに「無条件」などと言っていると非難されることになろうが、衆院選で勝ち、安定勢力と見做され、そして安倍・菅ラインと一線を画すと判断すれば、積極的にコンタクトしてくる可能性もある。
ともあれ、現状では日本一国で何かをするのは極めて困難な状況にある。米国だけではなく、韓国ともしっかりと協調しながら、「蚊帳の外」に置かれぬように取り組んでいくことが必要である。
前任者の記者会見が酷かったこともあり、良い雰囲気の記者会見だったと思う。首相の記者会見としての平均値に戻っただけなのかも知れないが、答えなかったり、抽象論だけで終わったりした応答はあったものの、質問に真摯に向き合う姿勢には好感が持てた。首相自身ではないが、2代続いた記者会見をそそくさと切り上げようとする女性広報官から、記者の名前こそきちんと覚えていないが、できるだけ多くの質問を受け付けようとする男性広報官の采配も良かった。「追加質問をするな」というような指示もしていなかった。選挙前の出血大サービスで終わるのではなく、こうした姿勢はずっと続けてほしいものである。
拉致問題解決にについては「一刻の猶予もない」としながら、「私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う覚悟です」と述べた。「条件をつけず」に「元帥様」と会うというのは、前前首相から言ってきたことなので、決して新しい話ではないし、国内向けの宣伝の要素が多い。北朝鮮もまともには受け取らないであろう。
日本首相岸田は「新政権の北朝鮮政策のありようについても、しっかりと把握しながら、そしてその中で、日本としてどんな役割を果たせるのか。こういったことも考えながら具体的な取り組みを進めていくべきであると思っています」とも言っている。これもまた、北朝鮮には「追従」と批判されて終わるであろうが、トランプが朝米関係を推し進めた時に日本が「蚊帳の外」に置かれたような状況を作らないようにすることが重要である。
それとの関連で、日本首相は韓国について何も言わなかった。拉致問題に限らず、核・ミサイル問題への対処は、韓国抜きでは考えられない。韓国について言及しなかったのは、国内の保守勢力も韓国も刺激しないような曖昧戦術だったのかも知れないが、いずれはきちんと向き合わなければならない問題であることは間違いない。
日本首相はまた、「外務大臣時代、ストックホルム合意をはじめ、さまざまな取り組みを試みました。結果として、その結果、具体的な成果があがらなかったということについては、しっかりと反省しながら、、拉致問題についても、しっかりと考えていかなければならないと思います」とも述べている。ストックホルム合意、そしてその後の北朝鮮による調査で判明したこと、しなかったことは、きちんと報告されていない。「成果があがらなかった」ことをきちんと認め、「しっかりと反省」するのであれば、ストックホルム合意から北朝鮮による調査、そして調査中断に至る過程をきちんと検証し、国会で報告すべきである。何よりも、北朝鮮から通報されたという、拉致被害者について、きちんと公開し、対処すべきである。
拉致問題を国内向けの政治の道具として使っているうちは、拉致問題は一歩も前進しない。国内世論を煽って、北朝鮮非難の大合唱をしても、誰一人として帰ってこなかった過去をきちんと振り返り、「元帥様」の演説でしばしば使われた言葉で言えば、「실속있는 (中身のある」解決を模索しなければならない。
遅かれ早かれ、北朝鮮は日本首相岸田に関するコメントが入った報道を出すであろう。恐らく、「米国に追従」をしながら、条件をいっぱい付けているくせに「無条件」などと言っていると非難されることになろうが、衆院選で勝ち、安定勢力と見做され、そして安倍・菅ラインと一線を画すと判断すれば、積極的にコンタクトしてくる可能性もある。
ともあれ、現状では日本一国で何かをするのは極めて困難な状況にある。米国だけではなく、韓国ともしっかりと協調しながら、「蚊帳の外」に置かれぬように取り組んでいくことが必要である。