「金ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長談話」:北朝鮮に対する「挑発」をしなければ、北南共同連絡事務所再設置や首脳会談も可能、「(第1)副部長同志」の「個人的」は「元帥様」の「個人的」、ワクチン供給の契機になるか (2021年9月25日 「朝鮮中央通信」)
25日、「朝鮮中央通信」に以下。
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金ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長談話
김여정 조선로동당 중앙위원회 부부장 담화
昨日と今日、我々の鮮明な見解と当然な要求が込められた談話が出た後、南朝鮮政治圏の動きを注意深く見守った。
어제와 오늘 우리의 선명한 견해와 응당한 요구가 담긴 담화가 나간 이후 남조선정치권의 움직임을 주의깊게 살펴보았다.
私は、梗塞した北南関係を一日も早く回復し、平和的安定を達成しようという南朝鮮各界の雰囲気は遮ることができないほど強力だという感じを受けた。
나는 경색된 북남관계를 하루빨리 회복하고 평화적안정을 이룩하려는 남조선각계의 분위기는 막을수 없을 정도로 강렬하다는 느낌을 받았다.
我々もまた、そのような願いは違わない。
우리 역시 그같은 바램은 다르지 않다.
今、北と南がお互いにケチを付けて舌戦をし、時間の浪費をする必要はないと思う。
지금 북과 남이 서로를 트집잡고 설전하며 시간랑비를 할 필요가 없다고 본다.
南朝鮮が、北南関係回復と健全な発展を心から願うのであれば、一言言うにも毎時、熟考して正しい選択をしなければならない。
남조선이 북남관계회복과 건전한 발전을 진정으로 원한다면 말 한마디 해도 매사 숙고하며 옳바른 선택을 하여야 한다.
実例として、我々に向かって「挑発」というぞんざいな言葉を発しながら、北南間の舌戦を誘導してはならない。
실례로 우리를 향해 함부로 《도발》이라는 막돼먹은 평을 하며 북남간 설전을 유도하지 말아야 한다.
もう一度、明白に言うが、ダブルスタンダードについて、我々は絶対に譲歩してやることはできない。
다시한번 명백히 말하지만 이중기준은 우리가 절대로 넘어가줄수 없다.
現存する朝鮮半島地域の軍事的環境と可能な軍事的脅威に対応するための自衛権次元の行動は、全ての驚異的な「挑発」と決めつけ、自分たちの軍備増強活動は「対北抑止力確保」と美化している米国、南朝鮮式対朝鮮ダブルスタンダードは、非論理的であり、幼稚な主張であり、朝鮮民主主義人民共和国の自主権に対する露骨な無視であり、挑戦である。
현존하는 조선반도지역의 군사적환경과 가능한 군사적위협들에 대응하기 위한 우리의 자위권차원의 행동은 모두 위협적인 《도발》로 매도되고 자기들의 군비증강활동은 《대북억제력확보》로 미화하는 미국,남조선식대조선이중기준은 비론리적이고 유치한 주장이며 조선민주주의인민공화국의 자주권에 대한 로골적인 무시이고 도전이다.
南朝鮮は、米国をまねて、こうした非論理的で幼稚な無理な主張を出して、朝鮮半島地域で軍事力の均衡を破壊しようとしてはならない。
남조선은 미국을 본따 이런 비론리적이고 유치한 억지주장을 내들고 조선반도지역에서 군사력의 균형을 파괴하려들지 말아야 한다.
公正性を失ったダブルスタンダードと対朝鮮敵対視政策、あらゆる偏見と信頼を破壊する敵対的言動のような全ての火種を除去するための南朝鮮当局の動きが、目に見えるような実践として現れることを願うだけだ。
공정성을 잃은 이중기준과 대조선적대시정책,온갖 편견과 신뢰를 파괴하는 적대적언동과 같은 모든 불씨들을 제거하기 위한 남조선당국의 움직임이 눈에 띄는 실천으로 나타나기를 바랄뿐이다.
公正性とお互いに対する尊重の姿勢が維持されてはじめて、北南間の円滑な疎通がなされ、さらに意味ある終戦が機会を失わず宣言されるのはもちろん、北南共同連絡事務所の再設置、北南首脳会談のような関係改善の各問題も建設的な論議を経て早い期日内に一つ一つ意味を持って、見た目も良く解決されると思う。
공정성과 서로에 대한 존중의 자세가 유지될 때만이 비로소 북남사이의 원활한 소통이 이루어질수 있을것이고 나아가 의의있는 종전이 때를 잃지 않고 선언되는것은 물론 북남공동련락사무소의 재설치,북남수뇌상봉과 같은 관계개선의 여러 문제들도 건설적인 론의를 거쳐 빠른 시일내에 하나하나 의의있게,보기 좋게 해결될수 있다고 생각한다.
しかし、これはあくまでも個人的な見解だという点をはっきりとさせておきたいと思う。
그러나 이것은 어디까지나 개인적인 견해라는 점을 꼭 밝혀두자고 한다.
南朝鮮が正確な選択をしなければならないという勧めは、去る8月にもしたことがある。
남조선이 정확한 선택을 해야 한다는 권언은 지난 8월에도 한적이 있었다.
今後、暖かい風が吹き込むのか、暴風が吹き荒れるのかは、予断することはしない
앞으로 훈풍이 불어올지,폭풍이 몰아칠지 예단하지는 않겠다.
主体110(2021)年9月25日
주체110(2021)년 9월 25일
平壌
평 양(끝)
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「(第1)副部長同志」が、2日連日で「談話」を出した。前日に自分が出した「談話」を聞いて、韓国側がどのように反応しているのかについてという形を取っているが、前日に出した「談話」よりも「ダブルスタンダード」や暴言についてより具体的に述べ、さらに北南関係改善についてより踏み込んだ「個人的」な発言をしている。
北朝鮮が行うミサイル等の実験を「挑発」として騒ぎ立てるなということであるが、9月に行われた巡航ミサイルと鉄道機動ミサイル発射は、韓国側が行ったSLBM実験に対する示威行動であったといえる。韓国は「(第1)副部長同志」が中止するよう「勧めた」にもかかわらず、韓米合同軍事演習を強行した。これについて、北朝鮮側は特段の動きに出なかったが、さすがにSLBM発射実験は、北朝鮮にとっても我慢の限界を超えたということであろう。
現下の状況からすると、北朝鮮としてもやたらとミサイルを発射したくはないのにもかかわらず、それこそ韓国側がSLBMを発射するなどして「挑発」をするので、やむをえず「自衛権次元の行動」をしているのだという主張が読み取れる。
当面、韓米の軍事演習は予定されておらず、新兵器の実験は韓国側が抑制すれば、実施しないことはできる。北朝鮮が、もう一度、ミサイルを発射して、韓国側がそれにどう反応するのかを見極める可能性はある。そのときに、北朝鮮は安保理決議に抵触しない巡航ミサイルを使うのか、あるいは敢えて短距離弾道ミサイルを使うのかにより、韓国側の反応も異なるだろうが、北朝鮮が事を荒立てないことを望んでいるのなら、発射するとしても巡航ミサイルの方が無難である。
「(第1)副部長同志」は、自分が爆破した北南共同連絡事務所の再設置も言っているが、物理的に連絡事務所が再設置されるのであれば、「非常防疫体系」の最中、開城に韓国人を入れるという、北朝鮮にとっては重大な決定となる。そして、それに続く、「終戦宣言」、「北南首脳会談」についても具体的に言及しているが、これらもかなり踏み込んだ発言と言える。北朝鮮は今、食料と共に新型コロナのワクチンも必要としていることは間違いない。北南関係の改善を通して、特にワクチンが北朝鮮に供給されることになれば、北南関係のみならず、中国との国境も開いていくことが可能になる。
「(第1)副部長同志」は、敢えて「個人的」と言っているが、「(第1)副部長同志」の「個人的」こそ、まさしく組織決定を超越した「元帥様」の意思であるという点からしても、「個人的」という言葉にはそうとうな重みがある。
28日には、「最高人民会議」が招集されているが、それを前にこうした「談話」を連発している点も注目される。
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金ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長談話
김여정 조선로동당 중앙위원회 부부장 담화
昨日と今日、我々の鮮明な見解と当然な要求が込められた談話が出た後、南朝鮮政治圏の動きを注意深く見守った。
어제와 오늘 우리의 선명한 견해와 응당한 요구가 담긴 담화가 나간 이후 남조선정치권의 움직임을 주의깊게 살펴보았다.
私は、梗塞した北南関係を一日も早く回復し、平和的安定を達成しようという南朝鮮各界の雰囲気は遮ることができないほど強力だという感じを受けた。
나는 경색된 북남관계를 하루빨리 회복하고 평화적안정을 이룩하려는 남조선각계의 분위기는 막을수 없을 정도로 강렬하다는 느낌을 받았다.
我々もまた、そのような願いは違わない。
우리 역시 그같은 바램은 다르지 않다.
今、北と南がお互いにケチを付けて舌戦をし、時間の浪費をする必要はないと思う。
지금 북과 남이 서로를 트집잡고 설전하며 시간랑비를 할 필요가 없다고 본다.
南朝鮮が、北南関係回復と健全な発展を心から願うのであれば、一言言うにも毎時、熟考して正しい選択をしなければならない。
남조선이 북남관계회복과 건전한 발전을 진정으로 원한다면 말 한마디 해도 매사 숙고하며 옳바른 선택을 하여야 한다.
実例として、我々に向かって「挑発」というぞんざいな言葉を発しながら、北南間の舌戦を誘導してはならない。
실례로 우리를 향해 함부로 《도발》이라는 막돼먹은 평을 하며 북남간 설전을 유도하지 말아야 한다.
もう一度、明白に言うが、ダブルスタンダードについて、我々は絶対に譲歩してやることはできない。
다시한번 명백히 말하지만 이중기준은 우리가 절대로 넘어가줄수 없다.
現存する朝鮮半島地域の軍事的環境と可能な軍事的脅威に対応するための自衛権次元の行動は、全ての驚異的な「挑発」と決めつけ、自分たちの軍備増強活動は「対北抑止力確保」と美化している米国、南朝鮮式対朝鮮ダブルスタンダードは、非論理的であり、幼稚な主張であり、朝鮮民主主義人民共和国の自主権に対する露骨な無視であり、挑戦である。
현존하는 조선반도지역의 군사적환경과 가능한 군사적위협들에 대응하기 위한 우리의 자위권차원의 행동은 모두 위협적인 《도발》로 매도되고 자기들의 군비증강활동은 《대북억제력확보》로 미화하는 미국,남조선식대조선이중기준은 비론리적이고 유치한 주장이며 조선민주주의인민공화국의 자주권에 대한 로골적인 무시이고 도전이다.
南朝鮮は、米国をまねて、こうした非論理的で幼稚な無理な主張を出して、朝鮮半島地域で軍事力の均衡を破壊しようとしてはならない。
남조선은 미국을 본따 이런 비론리적이고 유치한 억지주장을 내들고 조선반도지역에서 군사력의 균형을 파괴하려들지 말아야 한다.
公正性を失ったダブルスタンダードと対朝鮮敵対視政策、あらゆる偏見と信頼を破壊する敵対的言動のような全ての火種を除去するための南朝鮮当局の動きが、目に見えるような実践として現れることを願うだけだ。
공정성을 잃은 이중기준과 대조선적대시정책,온갖 편견과 신뢰를 파괴하는 적대적언동과 같은 모든 불씨들을 제거하기 위한 남조선당국의 움직임이 눈에 띄는 실천으로 나타나기를 바랄뿐이다.
公正性とお互いに対する尊重の姿勢が維持されてはじめて、北南間の円滑な疎通がなされ、さらに意味ある終戦が機会を失わず宣言されるのはもちろん、北南共同連絡事務所の再設置、北南首脳会談のような関係改善の各問題も建設的な論議を経て早い期日内に一つ一つ意味を持って、見た目も良く解決されると思う。
공정성과 서로에 대한 존중의 자세가 유지될 때만이 비로소 북남사이의 원활한 소통이 이루어질수 있을것이고 나아가 의의있는 종전이 때를 잃지 않고 선언되는것은 물론 북남공동련락사무소의 재설치,북남수뇌상봉과 같은 관계개선의 여러 문제들도 건설적인 론의를 거쳐 빠른 시일내에 하나하나 의의있게,보기 좋게 해결될수 있다고 생각한다.
しかし、これはあくまでも個人的な見解だという点をはっきりとさせておきたいと思う。
그러나 이것은 어디까지나 개인적인 견해라는 점을 꼭 밝혀두자고 한다.
南朝鮮が正確な選択をしなければならないという勧めは、去る8月にもしたことがある。
남조선이 정확한 선택을 해야 한다는 권언은 지난 8월에도 한적이 있었다.
今後、暖かい風が吹き込むのか、暴風が吹き荒れるのかは、予断することはしない
앞으로 훈풍이 불어올지,폭풍이 몰아칠지 예단하지는 않겠다.
主体110(2021)年9月25日
주체110(2021)년 9월 25일
平壌
평 양(끝)
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「(第1)副部長同志」が、2日連日で「談話」を出した。前日に自分が出した「談話」を聞いて、韓国側がどのように反応しているのかについてという形を取っているが、前日に出した「談話」よりも「ダブルスタンダード」や暴言についてより具体的に述べ、さらに北南関係改善についてより踏み込んだ「個人的」な発言をしている。
北朝鮮が行うミサイル等の実験を「挑発」として騒ぎ立てるなということであるが、9月に行われた巡航ミサイルと鉄道機動ミサイル発射は、韓国側が行ったSLBM実験に対する示威行動であったといえる。韓国は「(第1)副部長同志」が中止するよう「勧めた」にもかかわらず、韓米合同軍事演習を強行した。これについて、北朝鮮側は特段の動きに出なかったが、さすがにSLBM発射実験は、北朝鮮にとっても我慢の限界を超えたということであろう。
現下の状況からすると、北朝鮮としてもやたらとミサイルを発射したくはないのにもかかわらず、それこそ韓国側がSLBMを発射するなどして「挑発」をするので、やむをえず「自衛権次元の行動」をしているのだという主張が読み取れる。
当面、韓米の軍事演習は予定されておらず、新兵器の実験は韓国側が抑制すれば、実施しないことはできる。北朝鮮が、もう一度、ミサイルを発射して、韓国側がそれにどう反応するのかを見極める可能性はある。そのときに、北朝鮮は安保理決議に抵触しない巡航ミサイルを使うのか、あるいは敢えて短距離弾道ミサイルを使うのかにより、韓国側の反応も異なるだろうが、北朝鮮が事を荒立てないことを望んでいるのなら、発射するとしても巡航ミサイルの方が無難である。
「(第1)副部長同志」は、自分が爆破した北南共同連絡事務所の再設置も言っているが、物理的に連絡事務所が再設置されるのであれば、「非常防疫体系」の最中、開城に韓国人を入れるという、北朝鮮にとっては重大な決定となる。そして、それに続く、「終戦宣言」、「北南首脳会談」についても具体的に言及しているが、これらもかなり踏み込んだ発言と言える。北朝鮮は今、食料と共に新型コロナのワクチンも必要としていることは間違いない。北南関係の改善を通して、特にワクチンが北朝鮮に供給されることになれば、北南関係のみならず、中国との国境も開いていくことが可能になる。
「(第1)副部長同志」は、敢えて「個人的」と言っているが、「(第1)副部長同志」の「個人的」こそ、まさしく組織決定を超越した「元帥様」の意思であるという点からしても、「個人的」という言葉にはそうとうな重みがある。
28日には、「最高人民会議」が招集されているが、それを前にこうした「談話」を連発している点も注目される。