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    「金ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長談話」:「北南関係が完全破壊」されるのは「願っていない」と、王毅と文在寅の会談、韓国のSLBM発射への対抗か (2021年9月15日 「朝鮮中央通信」)

    15日、「朝鮮中央通信」に以下。

    *******
    金ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長談話
    김여정 조선로동당 중앙위원회 부부장 담화

    報道によると、ミサイル発射試験を参観した南朝鮮の文在寅大統領が「我々のミサイル戦力は、北韓の『挑発』を抑制するために十分だ」と不適切な失言をしたという。
    보도에 따르면 미싸일발사시험을 참관한 남조선의 문재인대통령이 《우리의 미싸일전력은 북한의 〈도발〉을 억지하기에 충분하다.》라는 부적절한 실언을 했다고 한다.

    報道に明らかにされた「大統領」の失言が事実ならば、いわゆる一つの「国」の「大統領」としては、愚蒙限りない。
    보도에 밝혀진 《대통령》의 실언이 사실이라면 소위 한개 《국가》의 《대통령》으로서는 우몽하기 짝이 없을것이다.

    「大統領」が、記者ごときがデタラメに使う「挑発」という言葉をそのまま使っていることについて非常に大きな遺憾を示しておく。
    《대통령》이 기자들따위나 함부로 쓰는 《도발》이라는 말을 망탕 따라하고있는데 대해 매우 큰 유감을 표시한다.

    我々は今、南朝鮮が憶測しているとおり、誰それを狙って、どのような時期を選択して「挑発」しているのではなく、我々の党大会決定貫徹のための国防科学発展と武器システム開発5カ年計画の初年の重点課題遂行のための正常で自衛的な活動を行っているのである。
    우리는 지금 남조선이 억측하고있는대로 그 누구를 겨냥하고 그 어떤 시기를 선택하여 《도발》하는것이 아니라 우리 당대회결정관철을 위한 국방과학발전 및 무기체계개발 5개년계획의 첫해 중점과제수행을 위한 정상적이며 자위적인 활동을 진행하고있는것이다.

    さらにもっと具体的に説明してやるなら、南朝鮮の「国家中期計画」と変わりのないものである。
    꼬집어 더 구체적으로 설명해준다면 남조선의 《국방중기계획》이나 다를바 없는것이다.

    南朝鮮が発表した「国防中期計画」が特定の誰某を狙ったものであり、朝鮮半島の緊張を高調させている望ましくないことであることを自ら認めるなら、我々も必死で南朝鮮が我々の計画と当該活動を問題視しても、当然だと考えてやる。
    남조선이 발표한 《국방중기계획》이 특정한 누구를 겨냥한것이고 조선반도의 긴장을 고조시키는 바람직하지 않은 일임을 스스로 인정한다면 우리도 한사코 남조선이 우리의 계획과 해당 활동을 걸고든다 해도 무방하고 당연하다 여겨줄것이다.

    我々は、現南朝鮮「大統領」が、平和のために強力な力が後ろ盾にならなければならないということを誰よりもよく知っている「大統領」だと思っている。
    우리는 현 남조선《대통령》이 평화를 위해 강력한 힘이 뒤받침되여야 한다는 말을 누구보다 잘 외우는 《대통령》으로 알고있다.

    自分たちの類似した行動は平和を支える為の正当な行動であり、我々の講堂は平和の脅威となる行動だと描写する非論理的で、慣習的な愚昧な態度に大きな遺憾を示し、北南関係発展について憂慮せざるを得ない。
    자기들의 류사행동은 평화를 뒤받침하기 위한 정당한 행동이고 우리의 행동은 평화를 위협하는 행동으로 묘사하는 비론리적이고 관습적인 우매한 태도에 커다란 유감을 표하며 장차 북남관계발전을 놓고 우려하지 않을수 없다.

    「大統領」まで出てきて、他方を中傷して問題視するのに加勢しながら、仕方なく正面から対応する性格の行動がその後に続くものであり、そのようになれば、北南関係は残すところなく完全破壊に直面することになる。
    《대통령》까지 나서서 대방을 헐뜯고 걸고드는데 가세한다면 부득이 맞대응성격의 행동이 뒤따르게 될것이고 그렇게 되면 북남관계는 여지없이 완전파괴에로 치닫게 될것이다.

    我々はそれを願っていない。
    우리는 그것을 바라지 않는다.

    全てにおいて、言動に注意しなければならない。
    매사 언동에 심사숙고하여야 한다.

    座っていて「北韓」に勝てると「力自慢」をするのが「大統領」がすることではないと思う。
    앉아서 《북한》을 이길수 있다는 《힘자랑》이나 하는것이 《대통령》이 할 일인것 같지는 않아보인다.

    主体110(2021)年9月15日
    주체110(2021)년 9월 15일
    平壌
    평 양(끝)
    *********************

    「(第1)副部長同志」が出した「談話」であるが、巡航ミサイル発射についての「挑発」であるのか、今日発射したミサイルについての「挑発」であるのか、はたまた両方についてであるのか、文在寅の発言を追って見なければ分からない。

    いずれにせよ、連続してミサイル発射をしておいて、直ぐにこのようなメッセージを出してくるのは、今回のミサイル発射が、米国ではなく、韓国に対する抗議の意味が含まれているものと思われる。

    一つ前の記事にも訳出しておいたが、北朝鮮としては、王毅が韓国を訪問して、文在寅と会談したことも気に入らなかったのかも知れない。訪問前に中国側と北朝鮮がで何らかの話し合いがされていたとすれば、このような反応はしなかっただろうし、わざわざ台湾問題を持ち出してきて「一つの中国」を強調していることからしても、事前の調整が行われなかったか、あるいは上手くいかなかったのであろう。

    王毅と文在寅が「非核化」について具体的にどのような話し合いをされたのかは明らかにされていないが、北朝鮮としては、自分たちの頭越しで話し合いが行われたことを不満を感じている可能性がある。

    また、少し前の記事に書いた、韓国のSLBM発射実験成功も今回の発射に繋がっている可能性がある。過去記事にも書いたように、本来であれば、北朝鮮も軍事パレードで見せた新型のSLBMを新型の潜水艦から発射することが望ましかったのであろうが、いずれかが実験段階に至っていなかった可能性がある。そうでなければ、新型のSLBMの飛行距離が長すぎて、このタイミングで発射するには相応しくないと考えた可能性もある。

    そのために、安保理決議に違反しない巡航ミサイルと、トランプは「構わない」といった短距離ミサイルを発射したのかも知れない。まだ、今日発射したミサイルに関する北朝鮮の報道はないが、日本が同ミサイルの着水地点を正確に発表できなかったのは、今日発射されたミサイルが通常の弾道ミサイルではなく、イスカンダル型の変形軌道を飛行するミサイルだった可能性がある。

    今日のミサイル発射を「元帥様」が「現地指導」したのかも含めて、明日の報道が注目される。

    「(第1)副部長同志」の「談話」では、文在寅を非難しつつも呼び捨てにしていない点、「北南関係が完全破壊」するのを「我々は願っていない」としている点からも、依然として南側と関係改善の機会は伺っているものとみられる。

    <追記>
    『聯合ニュースTV』の報道を見たら、文在寅の「ミサイル」発言は、北朝鮮が発射したミサイルについてではなく、過去記事にした自国のSLBMについてであることが分かった。「参観」と書かれていたので変だとは思ったのだが、「(第1)副部長同志」お得意の皮肉かと思い、文在寅が言及した「ミサイル」が北朝鮮のものだと勘違いした。

    だとすると、巡航ミサイルや昨日発射した「鉄道機動ミサイル」が、やはり韓国のSLBMに対抗する目的だという部分については、昨夜、書いたことは正しかったのだと思う。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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