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    五輪開会式は最悪のタイミング (2021年7月23日)

    22日、ホロコーストをお笑いネタに使った五輪ショー・ディレクターは、即刻解雇された。当然の措置だと思う。

    五輪組織委は、当該ディレクターが関与した部分を切り分けることができないことを理由に「開会式」は決行すると発表している。

    この問題について、ナチス犯罪に敏感な欧米のメディアがどのタイミングで報じているかいくつか確認してみた。やはり、この問題が日本で大きく報じられたのが、欧米では夜中ということもあり、概ね、日本時間の昨夜(22日夜から23日未明)にかけて報じられている。

    こうしたことからすると、日本時間の昨夜、この事件を知った欧米の人々は、今夜、全世界に中継される中(40億人が視聴するかどうかは別とし)日本時間の20時から放送される「開会式」の様子は当然、注目する。本来、「注目」されるのは、開催国の文化や伝統を発信するという意味からして望ましいことなのだが、今回は、ホロコーストを笑いネタにしたディレクターがどのようにコミットしたのか、そして当該問題にどのように日本政府や組織委が責任を取るのかに大きな関心が集中されることになろう。

    その際、「切り分けることができないから」などという理由は、通用しないと考えるべきだ。逆に言えば、少しでも関与が疑われる部分があれば削除することが求められるわけで、それができないのであれば、パフォーマンスは一切中止すべきであろう。

    日本首相菅は、この事件について「言語道断」だと強く批判したが、「言語道断」だと思っているのであれば、口先だけではなく、世界に向けて、きちんとした「措置」という形でそれを示さないと理解されない。「やめるのは簡単」ではなく、「言うのは簡単」なのである。

    もう一つ懸念されるのは、天皇の開会宣言である。これまでは、日本国民が新型コロナで苦しんでいる中、開会の辞として定められている「celebrating(祝い)」という言葉を使えるのかどうかという点だけであった。しかし、今回、ホロコースト問題が発生し、「日独伊三国同盟」を想起させる状況になっている。天皇の今回の五輪に対する「気持ち」は「拝察」という形で既に伝わってきており、それに輪をかけたようにホロコースト問題が発生したことにより、ますます辛い「公務」を強いることになったということは、一国民として辛い思いがする。

    ホロコースト問題自体は、一人のディレクターの認識不足だったのであろう。そして、それを笑いのネタとして何の抵抗もなく受け入れてしまった日本社会が20年以上前にあったことも否定できない。

    そして、さらに言えば、平時にオリンピックが国民の熱狂的な声援の中で開催されていれば、一連の過去の「過ち」は発掘されることもなかったであろう(だからといって、許されるものではないにしても)。

    今夜、派手な開会式のパフォーマンスで日本国内は盛り上がるかも知れない。しかし、それが世界に対してどのようなメッセージとなり、その後、いかなる結果に繋がっていくのかを時間が残っている間に真剣に考えるべきだ。

    <追記>
    バッハのスピーチ中、「予期せぬ出来事」の部分でブーイングがあったような(要確認)。

    天皇の開会宣言は「celebrating」を「記念」と。

    ミュンヘンオリンピックにおけるテロでイスラエル選手団犠牲者の追悼は、後付けか、そもそもあったのか。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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