「安心」の嘘 (2021年7月11日)
数日前、豊洲のビアガーデンでビールを飲んでいる外国人の話が写真誌で報道されたと思ったら、今日は五輪プレスセンター付近で公共交通機関を使ったり「食べ歩き」をする外国人に関する報道があった。
前者の報道では、当該外国人が五輪関係者なのか日本在住の外国人なのか分からなかったが、今回は「アクレディエーションカード」をぶら下げていたというから、五輪関係者であることは間違いない。メディアが問いかけると「We are not allowed.」と言ったそうなので、本人達も「プレイブック」に記載された事項に違反していることは重々承知しているのであろう。
「プレス公式プレイブック」(第3版)なるものをダウンロードして読んでみようと思ったが、書かれていることが細かくて読むのが嫌になってしまう。特に、「入国前」に守るべきことがゴチャゴチャと書かれているが、入国後に「We are not allowed.」と言いながらルールを平然と無視する人々が、入国前に定められたことをきちんと守っているとなど到底考えにくい。
「プレイブック」には「コンプライアンスと制裁」なるセクションがあるのだが、「コンプライアンス」が守られていないことがきちんと確認できる体制になければ、「制裁」など課すことができない。
そして、一番驚いたのが、五輪組織委のこうした状況に関する回答である。
「ご質問にあるような事例については様々な状況があるので一概には申し上げられませんが、大会関係者が守るべきルールについてはプレイブックに掲載しております」
AERA.dot、 「五輪プレスセンター内で食べ歩きにノーマスク 海外関係者の「ルール破り」に組織委の見解は?〈dot.〉」、2021/07/11, https://news.yahoo.co.jp/articles/f14c16fea6942afbbf3b3a1dda43d2a8453c044b?page=3
あれほど「安心」を謳ってきておきながら、他人事のように、こんな回答をしている組織委が信じられない。「大会関係者が守るべきルール」は、国民を「安心」させるためのルールであるはずだ。それにもかかわらず、「一概には申し上げられませんが」とは何事か。「安心」させるのであれば、GPSによる位置管理機能でもなんでも活用して、五輪関係者の位置情報を確認した上で、回答すべきである。
「プレイブック」には、「プレイブック不遵守について、疑いのある場合は、まずコロナ対策責任者に知らせてください。コロナ対策責任者が適切な次の対応を決定します。」と書かれている。これは、誰に対して「知らせてください」と要請しているのか明確ではないが、「疑い」のレベルで「知らせてください」と要請しているのだから、国民もこの「要請」に従う方が良いのであろう。金融機関を使って飲食店を脅す「要請」よりもよほどまともだ。
よっしゃ、知らせてやろうと思ったのだが、「プレイブック」を読んでも、「コロナ対策責任者」は
「コロナ対策責任者COVID-19LiaisonOfficers(CLO)すべてのコロナ対策責任者(COVID-19LiaisonOfficer(CLO))は指名されています。皆様のコロナ対策責任者は皆様に周知され、出発前に必要なすべての書類の作成をサポートする責任があります。コロナ対策責任者から所属組織の通常のコミュニケーションチャネルを通じて 連 絡 が さ れ ま す 。プ レ イ ブ ッ ク に つ い て 疑 問 や 懸 念 点 があればコロナ対策責任者に連絡してください。コロナ対策責任者は、このプレイブックを理解し、それに皆様が従うことを確実にする責任があります。コロナ対策責任者には役割についての詳細なガイダンスや更なる情報が提供されます。また、東京2020感染症対策センター(IDCC)及びIOC/IPC COVID-19サポートユニット( I C S U )と 連 携 し ま す 。所属メンバーの日本滞在期間中、コロナ対策責任者も日本に滞 在している必 要があります。」
と長々と書かれてはいるが、連絡を取ろうにも、どのように連絡したら良いのか分からない。
「安心」させるメカニズムさえきちんと機能しないように仕組まれている「安全安心の大会」ということが再び暴露された。
こんな「安心」できないところに、「元帥様」が朝鮮選手団を送らない決定をしたのは、「千万回正しい決定」だったと言えよう。
<追記>
組織委のHPを見ていたら、こんなことがまだ書かれていた。

Source: 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP、https://olympics.com/tokyo-2020/ja/games/food/, 2021/07/11
ルール違反を見逃すのも「お・も・て・な・し」なのかもしれない。というか、「表なし」の「裏ばかり」という話かも。
前者の報道では、当該外国人が五輪関係者なのか日本在住の外国人なのか分からなかったが、今回は「アクレディエーションカード」をぶら下げていたというから、五輪関係者であることは間違いない。メディアが問いかけると「We are not allowed.」と言ったそうなので、本人達も「プレイブック」に記載された事項に違反していることは重々承知しているのであろう。
「プレス公式プレイブック」(第3版)なるものをダウンロードして読んでみようと思ったが、書かれていることが細かくて読むのが嫌になってしまう。特に、「入国前」に守るべきことがゴチャゴチャと書かれているが、入国後に「We are not allowed.」と言いながらルールを平然と無視する人々が、入国前に定められたことをきちんと守っているとなど到底考えにくい。
「プレイブック」には「コンプライアンスと制裁」なるセクションがあるのだが、「コンプライアンス」が守られていないことがきちんと確認できる体制になければ、「制裁」など課すことができない。
そして、一番驚いたのが、五輪組織委のこうした状況に関する回答である。
「ご質問にあるような事例については様々な状況があるので一概には申し上げられませんが、大会関係者が守るべきルールについてはプレイブックに掲載しております」
AERA.dot、 「五輪プレスセンター内で食べ歩きにノーマスク 海外関係者の「ルール破り」に組織委の見解は?〈dot.〉」、2021/07/11, https://news.yahoo.co.jp/articles/f14c16fea6942afbbf3b3a1dda43d2a8453c044b?page=3
あれほど「安心」を謳ってきておきながら、他人事のように、こんな回答をしている組織委が信じられない。「大会関係者が守るべきルール」は、国民を「安心」させるためのルールであるはずだ。それにもかかわらず、「一概には申し上げられませんが」とは何事か。「安心」させるのであれば、GPSによる位置管理機能でもなんでも活用して、五輪関係者の位置情報を確認した上で、回答すべきである。
「プレイブック」には、「プレイブック不遵守について、疑いのある場合は、まずコロナ対策責任者に知らせてください。コロナ対策責任者が適切な次の対応を決定します。」と書かれている。これは、誰に対して「知らせてください」と要請しているのか明確ではないが、「疑い」のレベルで「知らせてください」と要請しているのだから、国民もこの「要請」に従う方が良いのであろう。金融機関を使って飲食店を脅す「要請」よりもよほどまともだ。
よっしゃ、知らせてやろうと思ったのだが、「プレイブック」を読んでも、「コロナ対策責任者」は
「コロナ対策責任者COVID-19LiaisonOfficers(CLO)すべてのコロナ対策責任者(COVID-19LiaisonOfficer(CLO))は指名されています。皆様のコロナ対策責任者は皆様に周知され、出発前に必要なすべての書類の作成をサポートする責任があります。コロナ対策責任者から所属組織の通常のコミュニケーションチャネルを通じて 連 絡 が さ れ ま す 。プ レ イ ブ ッ ク に つ い て 疑 問 や 懸 念 点 があればコロナ対策責任者に連絡してください。コロナ対策責任者は、このプレイブックを理解し、それに皆様が従うことを確実にする責任があります。コロナ対策責任者には役割についての詳細なガイダンスや更なる情報が提供されます。また、東京2020感染症対策センター(IDCC)及びIOC/IPC COVID-19サポートユニット( I C S U )と 連 携 し ま す 。所属メンバーの日本滞在期間中、コロナ対策責任者も日本に滞 在している必 要があります。」
と長々と書かれてはいるが、連絡を取ろうにも、どのように連絡したら良いのか分からない。
「安心」させるメカニズムさえきちんと機能しないように仕組まれている「安全安心の大会」ということが再び暴露された。
こんな「安心」できないところに、「元帥様」が朝鮮選手団を送らない決定をしたのは、「千万回正しい決定」だったと言えよう。
<追記>
組織委のHPを見ていたら、こんなことがまだ書かれていた。

Source: 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP、https://olympics.com/tokyo-2020/ja/games/food/, 2021/07/11
ルール違反を見逃すのも「お・も・て・な・し」なのかもしれない。というか、「表なし」の「裏ばかり」という話かも。