「第8期第2回政治局拡大会議」:批判対象者を静止画でチェック (2021年6月30日 「朝鮮中央TV」)
6月30日に「朝鮮中央TV」で放送された「第8期第2回政治局拡大会議」の気になる部分を静止画で切り出してみた。
まず、入場シーンであるが、崔龍海の後を歩く李ビョンチョルが少し見えたところでこのシーンはカットされている。下の写真はカット直前。

Source: KCTV, 2021/06/30
最近開催されている会議では、全幹部が先に入っているか、チョ・ヨンウォンと案内係のヒョン・ソンウォルだけが「元帥様」と一緒に入場するというパターンが多かったが、今回はヒョン・ソンウォルを除外して3人(チョ・ヨンウォン、李イルファン、金ジェリョン)が一緒に入ってきている。

Source: KCTV, 2021/06/30
格からすれば「常務委員」である崔龍海と李ビョンチョルが含まれているはずだが、彼らは一番上の写真にあるように、階段を上らされている。別記事にも書いたように、李ビョンチョルは問題がありそうだが、崔龍海も同じ待遇を受けているところが気になる。懲罰の対象ではないにしても、今回の会議を契機に序列が、上の写真の「元帥様」の後に続く順に変わり、崔龍海はポストは維持しつつも(形式的な役職はそのままで)、事実上、彼らの下になった可能性がある。
会議が始まった直後、朴ジョンチョンはそれほど落ち込んでいないように見える。

Source: KCTV, 2021/06/30
冒頭演説があった後、議題決議をするのだが、朴ジョンチョンは他のメンバーよりも手を挙げるタイミングが遅くなっている。単なる偶然なのかもしないが、内心穏やかでなかったからという可能性もある。

Source: KCTV, 2021/06/30
動画報道では、「元帥様」が会議中に何回か誰かを指さしているシーンが確認できる(下は冒頭演説)。

Source: KCTV, 2021/06/30
指の先に誰がいるのかは動画からは分からないが、壇上に少し斜めに設置された演台とからすれば、崔サンゴンか朴ジョンチョンがいそうだ。
その後、チョ・ヨンウォンが問題幹部に関する資料報告をするのだが、会議場の人々の驚いたような顔が、いつもひたすらメモをする会議との違いを際立たせている。

Source: KCTV, 2021/06/30
チョ・ヨンウォン報告後、「全党の組織的意思であり、至上命令である党中央の決定、指示を貫徹するために最大に慎重に、献身、奮闘せず」というナレーションが流れる辺りで、李ビョンチョルと朴ジョンチョンの落ち込みが目立ち始める。

Source: KCTV, 2021/06/30
続けて、「主体カレンダー」にも使った「元帥様」の怖い顔シーンに至るのだが、注目すべきは後ろにいる軍人達が誰かを睨み付けている点である。

Source: KCTV, 2021/06/30
「元帥様」も誰かに対して怖い顔をしており、軍人達も誰かを睨み付けているということになると、視線からして睨まれているのは壇上の人物ではない可能性もある。そして、その次に出る会議場シーンが下の写真であるが、もしかしたら、この中に睨まれている人物がいるのかも知れない。

Source: KCTV, 2021/06/30
次に討論が始まるが、ある討論者が誰かに向かって「てめーだろうが!」という雰囲気で怒鳴りつけている。

Source: KCTV, 2021/06/30
その直後に立たされているのがチョ・ヨンウォンで、「元帥様」に何か言われている。チョ・ヨンウォンは「元帥様」に質問されて、アシストしているようなシーンが多いが、このシーンでは「元帥様」に何か言われて「예(はい)」とだけ返事をしているように見える。

Source: KCTV, 2021/06/30
そして、崔サンゴンが立たされて、チョ・ヨンウォンが何かを言い、それを聞きながら「元帥様」が笑うという奇妙なシーンに至る。

Source: KCTV, 2021/06/30
この流れからすると、上の写真の討論者は、「党秘書のくせに何をやってやがる!」と崔サンゴンを批判し、「第1秘書」のチョ・ヨンウォンが「元帥様」に「お前がきちんと指導しているのか」と叱られ、その後、崔サンゴンが立たされ、チョ・ヨンウォンが辛らつな言葉で崔を批判する。その言葉に「犬野郎(개새끼)」ぐらいの悪口が含まれており、「元帥様」も思わず笑ってしまっているという構図ではないだろうか。チョ・ヨンウォンにとっては、せっかく得たポジションを守るためなのだから、何を言っても不思議はない。
その後、「元帥様」の「結論」になるが、「元帥様」は2本指を立てている。この動画の中では「元帥様」が2本指を立てるシーンは2回あるが、1回目は「第2議題」のナレーションと重なっているのでその話であろう。そして、「結論」部分の下のシーンでは、「2人」を示しているのではないかと想像される。

Source: KCTV, 2021/06/30
問題は、2人だとしてそれが誰なのかということになるのだが、崔サンゴンと朴ジョンチョンなのか、崔については既に批判済みなので、朴ジョンチョンと李ビョンチョルなのか、どちらかであろう。
下は、朴ジョンチョンと李ビョンチョルが挙手をしていない「組織問題」議決後のシーンであるが、朴ジョンチョンが非常に深刻な顔つきである一方、李ビョンチョルは「ちょっとまずい」ぐらいの表情をしかしてない。そうしたことからすると、李ビョンチョルは「常務委員」からは除外され格下げされるものの、「政治局員」として残るのではないだろうか。そしてその内に、早ければ7.27辺りで手柄を立てて、「常務委員」に復帰するのかも知れない。先ほど、「先軍カレンダー」を作りながら気がついたのだが、7月3日は「戦略軍の日」となっている。もっと早ければ、「戦略軍の日」に何らかのミサイルを発射し、手柄とされる可能性すらある。

Source: KCTV, 2021/06/30
まず、入場シーンであるが、崔龍海の後を歩く李ビョンチョルが少し見えたところでこのシーンはカットされている。下の写真はカット直前。

Source: KCTV, 2021/06/30
最近開催されている会議では、全幹部が先に入っているか、チョ・ヨンウォンと案内係のヒョン・ソンウォルだけが「元帥様」と一緒に入場するというパターンが多かったが、今回はヒョン・ソンウォルを除外して3人(チョ・ヨンウォン、李イルファン、金ジェリョン)が一緒に入ってきている。

Source: KCTV, 2021/06/30
格からすれば「常務委員」である崔龍海と李ビョンチョルが含まれているはずだが、彼らは一番上の写真にあるように、階段を上らされている。別記事にも書いたように、李ビョンチョルは問題がありそうだが、崔龍海も同じ待遇を受けているところが気になる。懲罰の対象ではないにしても、今回の会議を契機に序列が、上の写真の「元帥様」の後に続く順に変わり、崔龍海はポストは維持しつつも(形式的な役職はそのままで)、事実上、彼らの下になった可能性がある。
会議が始まった直後、朴ジョンチョンはそれほど落ち込んでいないように見える。

Source: KCTV, 2021/06/30
冒頭演説があった後、議題決議をするのだが、朴ジョンチョンは他のメンバーよりも手を挙げるタイミングが遅くなっている。単なる偶然なのかもしないが、内心穏やかでなかったからという可能性もある。

Source: KCTV, 2021/06/30
動画報道では、「元帥様」が会議中に何回か誰かを指さしているシーンが確認できる(下は冒頭演説)。

Source: KCTV, 2021/06/30
指の先に誰がいるのかは動画からは分からないが、壇上に少し斜めに設置された演台とからすれば、崔サンゴンか朴ジョンチョンがいそうだ。
その後、チョ・ヨンウォンが問題幹部に関する資料報告をするのだが、会議場の人々の驚いたような顔が、いつもひたすらメモをする会議との違いを際立たせている。

Source: KCTV, 2021/06/30
チョ・ヨンウォン報告後、「全党の組織的意思であり、至上命令である党中央の決定、指示を貫徹するために最大に慎重に、献身、奮闘せず」というナレーションが流れる辺りで、李ビョンチョルと朴ジョンチョンの落ち込みが目立ち始める。

Source: KCTV, 2021/06/30
続けて、「主体カレンダー」にも使った「元帥様」の怖い顔シーンに至るのだが、注目すべきは後ろにいる軍人達が誰かを睨み付けている点である。

Source: KCTV, 2021/06/30
「元帥様」も誰かに対して怖い顔をしており、軍人達も誰かを睨み付けているということになると、視線からして睨まれているのは壇上の人物ではない可能性もある。そして、その次に出る会議場シーンが下の写真であるが、もしかしたら、この中に睨まれている人物がいるのかも知れない。

Source: KCTV, 2021/06/30
次に討論が始まるが、ある討論者が誰かに向かって「てめーだろうが!」という雰囲気で怒鳴りつけている。

Source: KCTV, 2021/06/30
その直後に立たされているのがチョ・ヨンウォンで、「元帥様」に何か言われている。チョ・ヨンウォンは「元帥様」に質問されて、アシストしているようなシーンが多いが、このシーンでは「元帥様」に何か言われて「예(はい)」とだけ返事をしているように見える。

Source: KCTV, 2021/06/30
そして、崔サンゴンが立たされて、チョ・ヨンウォンが何かを言い、それを聞きながら「元帥様」が笑うという奇妙なシーンに至る。

Source: KCTV, 2021/06/30
この流れからすると、上の写真の討論者は、「党秘書のくせに何をやってやがる!」と崔サンゴンを批判し、「第1秘書」のチョ・ヨンウォンが「元帥様」に「お前がきちんと指導しているのか」と叱られ、その後、崔サンゴンが立たされ、チョ・ヨンウォンが辛らつな言葉で崔を批判する。その言葉に「犬野郎(개새끼)」ぐらいの悪口が含まれており、「元帥様」も思わず笑ってしまっているという構図ではないだろうか。チョ・ヨンウォンにとっては、せっかく得たポジションを守るためなのだから、何を言っても不思議はない。
その後、「元帥様」の「結論」になるが、「元帥様」は2本指を立てている。この動画の中では「元帥様」が2本指を立てるシーンは2回あるが、1回目は「第2議題」のナレーションと重なっているのでその話であろう。そして、「結論」部分の下のシーンでは、「2人」を示しているのではないかと想像される。

Source: KCTV, 2021/06/30
問題は、2人だとしてそれが誰なのかということになるのだが、崔サンゴンと朴ジョンチョンなのか、崔については既に批判済みなので、朴ジョンチョンと李ビョンチョルなのか、どちらかであろう。
下は、朴ジョンチョンと李ビョンチョルが挙手をしていない「組織問題」議決後のシーンであるが、朴ジョンチョンが非常に深刻な顔つきである一方、李ビョンチョルは「ちょっとまずい」ぐらいの表情をしかしてない。そうしたことからすると、李ビョンチョルは「常務委員」からは除外され格下げされるものの、「政治局員」として残るのではないだろうか。そしてその内に、早ければ7.27辺りで手柄を立てて、「常務委員」に復帰するのかも知れない。先ほど、「先軍カレンダー」を作りながら気がついたのだが、7月3日は「戦略軍の日」となっている。もっと早ければ、「戦略軍の日」に何らかのミサイルを発射し、手柄とされる可能性すらある。

Source: KCTV, 2021/06/30