「20時報道」:旧正月を楽しむ朝鮮人民 (2013年2月10日 「朝鮮中央TV」)
昨年の今頃もこのような記事を書いたのかもしれないが、「20時報道」が旧正月を楽しむ朝鮮人民の姿を伝えている。日本の報道でも「春節」という用語が使われているので、日本の「旧正月」と区別するために「春節」と書いた方が良いのかもしれない。いずれにせよ、韓国でも北朝鮮でも「正月」は1月1日ではなく、「旧正:クジョン」のようで、年号は1月1日に変わるが、お祝いは「旧正」に合わせて行っている(韓国については、私がいた頃までは少なくとも。最近もそうだと思うが。)。
この記事を書いていて気がついたことなのだが、「主体歴」は奇妙である。というのは、同歴は金日成誕生と共に開始する訳なので、彼の誕生日である4月15日に歴が進むべきである。それにもかかわらず、金日成さんとは何の関わりもないイエスキリストの誕生日に「主体歴」の年号が変わってしまう。もちろんその方が合理的(西暦-1911=主体歴)な訳であるが、こだわるのであれば金日成さんの誕生日をもって歴を進めた方が良いような気がする。
さて、それでは「主体102(2013)」年の「旧正」の様子を見ていくことにする。
まず、やるべきことは銅像参拝である。報道では、各地の銅像に花束を捧げ、新年の挨拶をする朝鮮人民の姿を伝えている。この光景は「金日成教」の影響下にない我々にとっては実に異様に映るが、事実上宗教のない(正確には、「事実上認められていない」。北朝鮮憲法は別の話)北朝鮮では、「首領様」は心の拠り所であり、「首領様」にいろいろとお願い事をしているのかもしれない。それとも、朝鮮人民にも心の拠り所たるその他の「かみさま」があるのだろうか。つまり、願いがかなかどうかは分からないが、一応賽銭を投げておけば良いことがあるかもしれないという「かみさま」がである。下の写真は、万寿台の丘にある金日成・金正日銅像であるが、金正恩さんの花束も捧げられていた。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
続いて報道では、子供たちによる「正月公演『お日様の祝福』」が開催されたことを伝えている。「お日様」は過去記事にも書いたとおり、金日成さんのことである。以降紹介していく北朝鮮各地の公演でもそうであるが、「光明星3-2」号機が舞台に置かれている(恵山市の公演には映り込んでいなかった)。下の写真では、「光明星3-2」号にふんした人が中央にいる。
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金日成広場でたこ揚げをする子供たち
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
歌を歌う子供たち。背景の看板には、例によって「強盛大国」と書かれている。上に書いた「光明星3-2」号機だけではなく、雪だるまもあちこちに置かれている。昨年の「ソル名節(旧正、ソルは朝鮮・韓国語で正月のこと)」の映像と比べてみることはまだしていないのだが、雪だるまもモランボン公演の「光明星3-2」号機を持った雪だるまの影響なのであろうか。この雪だるまはロケットは持っていないように見える。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
凱旋門広場で縄跳びをする子供たち。アナウンサーは「テコンドーや縄跳びなど、様々な民俗の遊びをしている」と言っているので、縄跳びも朝鮮民族の遊びの一つなのであろう。韓国にいた頃を思い出してみたのだが、縄跳びが韓国の民俗遊びだという話は聞かなかったような記憶がある。韓国「民俗村」に久々に行ってみなくては。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
ビデオ撮影をする子供。これまで、デジカメで撮影をする朝鮮人民はしばしば紹介したが、「20時報道」の中でビデオカメラで撮影する様子を私が確認したのは初めてである。カメラのサイズからして、旧式のビデオカメラではなく、メモリに画像を収録するタイプのビデオカメラのようだ。わざわざビデオカメラの撮影シーンを出しているということは、朝鮮人民にとって「普通のことではない」はずなのだが、こういった機器もある徐々に普及してきているということであろう。北朝鮮の携帯電話にも動画撮影機能があるという話はどこかで読んだのだが。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
平壌体育館ローラースケート場では、雪の上で子供たちがローラースケートをしている。雪の上でローラースケートをするとどういうことが起こるのだろうか。やってみたことはないが、子供たちのローラーには雪がこびりついてあまり進んでいないようである。雪かきをしている人の姿も映っているが(この静止画ではない)、なんとも北朝鮮らしい光景である。子供たちが楽しければそれで良いのだが。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
「意味深い名節の日、首都の休養奉仕ネットワークでは、市民のための名節サービスで忙しかった」とアナウンサーは言っている。綿菓子を食べる家族連れ。敢えて綿菓子を食べる様子を映し出しているということは、綿菓子は特別な食べ物なのだろうか。北朝鮮では「短幕劇」などの中で「キャンディー」をかなり貴重なお菓子として、砂糖を使う綿菓子も「特別」なのかもしれない。思えば、北朝鮮の気候ではサトウキビは栽培できないので、全量輸入のはずである。であるとすれば、外貨が不足している北朝鮮にとっては、「甘い物」が貴重ということになっても不思議ではない。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
楽浪区域の総合食堂「忠誠清涼飲食店」。おもしろいのは、右下の白い看板に「結婚式」と書かれている。この食堂は結婚式場としても使われているようだ。
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「忠誠清涼飲食店」が提供する正月特別メニュー。店員によると、画像中央下の餅のスープを注文するお客さんが多いとのことだ。
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続いて、各地の正月様子を紹介する。江界市でも子供たちによる新年公演「世の中に羨ましいものはない」が行われたが、ロケットが置かれている。
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慈江道の芸術劇場で楽しむ女性同盟員。朝鮮双六やダイヤモンドゲームをやっている。
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江界広場でコマ回しをする子供たち。平壌の子供たちと比べると服が地味のようだ。
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沙里院市での少年公演。この公演では、左には「光明星3-2」、右には「朝鮮」と書かれたロケットが置かれている。
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元山市の少年公演「お日様と花」。モランボン楽団の演奏会に登場した「光明星3-2」を抱えた雪だるまがいる。
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羅先市での少年公演「元帥様の胸の中で私たちは幸福です」。こちらにもロケット雪だるまがいる。
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デジカメで家族写真を撮る一家
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開城市の広場で遊ぶ子供たち。蹴っているものは玉ではないが、蹴鞠のような遊びをしている。片足で物を蹴るこの遊び、私が知っているだけでも韓国はもちろん、中国やフィリピンでも行われている。
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北朝鮮の指導者も米国を含む周辺諸国の指導者も、この子たちを傷つけるような愚行だけは絶対にしてもらいたくないものである。
この記事を書いていて気がついたことなのだが、「主体歴」は奇妙である。というのは、同歴は金日成誕生と共に開始する訳なので、彼の誕生日である4月15日に歴が進むべきである。それにもかかわらず、金日成さんとは何の関わりもないイエスキリストの誕生日に「主体歴」の年号が変わってしまう。もちろんその方が合理的(西暦-1911=主体歴)な訳であるが、こだわるのであれば金日成さんの誕生日をもって歴を進めた方が良いような気がする。
さて、それでは「主体102(2013)」年の「旧正」の様子を見ていくことにする。
まず、やるべきことは銅像参拝である。報道では、各地の銅像に花束を捧げ、新年の挨拶をする朝鮮人民の姿を伝えている。この光景は「金日成教」の影響下にない我々にとっては実に異様に映るが、事実上宗教のない(正確には、「事実上認められていない」。北朝鮮憲法は別の話)北朝鮮では、「首領様」は心の拠り所であり、「首領様」にいろいろとお願い事をしているのかもしれない。それとも、朝鮮人民にも心の拠り所たるその他の「かみさま」があるのだろうか。つまり、願いがかなかどうかは分からないが、一応賽銭を投げておけば良いことがあるかもしれないという「かみさま」がである。下の写真は、万寿台の丘にある金日成・金正日銅像であるが、金正恩さんの花束も捧げられていた。
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続いて報道では、子供たちによる「正月公演『お日様の祝福』」が開催されたことを伝えている。「お日様」は過去記事にも書いたとおり、金日成さんのことである。以降紹介していく北朝鮮各地の公演でもそうであるが、「光明星3-2」号機が舞台に置かれている(恵山市の公演には映り込んでいなかった)。下の写真では、「光明星3-2」号にふんした人が中央にいる。
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金日成広場でたこ揚げをする子供たち
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
歌を歌う子供たち。背景の看板には、例によって「強盛大国」と書かれている。上に書いた「光明星3-2」号機だけではなく、雪だるまもあちこちに置かれている。昨年の「ソル名節(旧正、ソルは朝鮮・韓国語で正月のこと)」の映像と比べてみることはまだしていないのだが、雪だるまもモランボン公演の「光明星3-2」号機を持った雪だるまの影響なのであろうか。この雪だるまはロケットは持っていないように見える。
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凱旋門広場で縄跳びをする子供たち。アナウンサーは「テコンドーや縄跳びなど、様々な民俗の遊びをしている」と言っているので、縄跳びも朝鮮民族の遊びの一つなのであろう。韓国にいた頃を思い出してみたのだが、縄跳びが韓国の民俗遊びだという話は聞かなかったような記憶がある。韓国「民俗村」に久々に行ってみなくては。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
ビデオ撮影をする子供。これまで、デジカメで撮影をする朝鮮人民はしばしば紹介したが、「20時報道」の中でビデオカメラで撮影する様子を私が確認したのは初めてである。カメラのサイズからして、旧式のビデオカメラではなく、メモリに画像を収録するタイプのビデオカメラのようだ。わざわざビデオカメラの撮影シーンを出しているということは、朝鮮人民にとって「普通のことではない」はずなのだが、こういった機器もある徐々に普及してきているということであろう。北朝鮮の携帯電話にも動画撮影機能があるという話はどこかで読んだのだが。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
平壌体育館ローラースケート場では、雪の上で子供たちがローラースケートをしている。雪の上でローラースケートをするとどういうことが起こるのだろうか。やってみたことはないが、子供たちのローラーには雪がこびりついてあまり進んでいないようである。雪かきをしている人の姿も映っているが(この静止画ではない)、なんとも北朝鮮らしい光景である。子供たちが楽しければそれで良いのだが。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
「意味深い名節の日、首都の休養奉仕ネットワークでは、市民のための名節サービスで忙しかった」とアナウンサーは言っている。綿菓子を食べる家族連れ。敢えて綿菓子を食べる様子を映し出しているということは、綿菓子は特別な食べ物なのだろうか。北朝鮮では「短幕劇」などの中で「キャンディー」をかなり貴重なお菓子として、砂糖を使う綿菓子も「特別」なのかもしれない。思えば、北朝鮮の気候ではサトウキビは栽培できないので、全量輸入のはずである。であるとすれば、外貨が不足している北朝鮮にとっては、「甘い物」が貴重ということになっても不思議ではない。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
楽浪区域の総合食堂「忠誠清涼飲食店」。おもしろいのは、右下の白い看板に「結婚式」と書かれている。この食堂は結婚式場としても使われているようだ。
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「忠誠清涼飲食店」が提供する正月特別メニュー。店員によると、画像中央下の餅のスープを注文するお客さんが多いとのことだ。
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続いて、各地の正月様子を紹介する。江界市でも子供たちによる新年公演「世の中に羨ましいものはない」が行われたが、ロケットが置かれている。
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慈江道の芸術劇場で楽しむ女性同盟員。朝鮮双六やダイヤモンドゲームをやっている。
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江界広場でコマ回しをする子供たち。平壌の子供たちと比べると服が地味のようだ。
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沙里院市での少年公演。この公演では、左には「光明星3-2」、右には「朝鮮」と書かれたロケットが置かれている。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
元山市の少年公演「お日様と花」。モランボン楽団の演奏会に登場した「光明星3-2」を抱えた雪だるまがいる。
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羅先市での少年公演「元帥様の胸の中で私たちは幸福です」。こちらにもロケット雪だるまがいる。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
デジカメで家族写真を撮る一家
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
開城市の広場で遊ぶ子供たち。蹴っているものは玉ではないが、蹴鞠のような遊びをしている。片足で物を蹴るこの遊び、私が知っているだけでも韓国はもちろん、中国やフィリピンでも行われている。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=13508
北朝鮮の指導者も米国を含む周辺諸国の指導者も、この子たちを傷つけるような愚行だけは絶対にしてもらいたくないものである。