「<政論>白頭山の虎が火の雷鳴を響かせる-『一当百』スローガン50周年に際して-」 (2013年2月6日 「朝鮮中央TV」)
標記のような番組が「朝鮮中央TV」で放送された。タイトルから、「一当百」、つまり兵士一人が百人の敵を倒すというスローガンについての歴史的解説番組の再放送かと思ったが、そうではなかった。内容的には「一当百」のいわれも分かるなかなか面白い番組である。
番組ではまず、「一当百」の聖地を紹介する。テドク山という山がその聖地なのだが、金日成さんが1963年2月6日に「新しい雪の道を踏み越え高地に」やってきて、「朝鮮人民軍のスローガンは一当百だ」といったのがその始まりだという。
テドク山
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「一当百」と書かれた石碑、2年後の1965年2月6日に建立されたようだ
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「人民軍隊を一当百の革命武力に強化しよう 朝鮮人民軍指揮官たちとした談話 1963年2月6日」というタイトルの本の章。金日成選集か何かであろう。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「朝鮮は大きな国ではないが、立ち向かう敵は核兵器も含む世界最大軍事力を持つ米帝」というナレーションと共に映る地球儀。過去記事でも話題にしたが、この地球儀の中国地名は音訳(「北京」ではなく「ベイジン」)となっている。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「一当百」の力の源泉として「主体の精神」、「強い攻撃力」、「鋼鉄の意志」を挙げている。
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この力こそが「白頭山の虎の力」だという。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「白頭山の虎の力」で「米帝」のスパイ船プエブロ号を1968年1月23日に拿捕
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
プエブロ号事件について「米帝」が署名した「謝罪文」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
1994年の核危機に際してクリントン大統領が金正日さんに送った書簡について伝える「労働新聞」。書簡には米国が軽水炉を建設することや原油供給をすることなどが書かれている。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
上書簡の日本語訳は下記を参照。
『朝鮮新報』、「金正日書記にクリントン大統領が送った保証書簡(94年10月20日)」
http://www1.korea-np.co.jp/special/gaikou/CHO-MI/chomi-file03.htm
ここで曲は「パルコルム」に変わり、現在の話になる。ナレーションは「今、この強大な虎の国の前で、米帝オオカミと李明博ネズミ野郎が歯をむき出してうなっている」と読み上げる。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
そして、安保理決議2078が採択されたことを受け、金正恩さんが党中央軍事委員会拡大会議を招集し「実質的で強度の高い結論を下し」、「このような偉大な名将と共にならば、米帝がでっち上げた国連安保理決議など(朝鮮人民にとって)なんでもない」、「敵と一騎打ちをするのであれば、我々は再び腹を減らしても、いつか必ず米国の首を取ってくると心を決めている」と続ける。
閲兵をする金正恩
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
2009年4月に光明星2号打ち上げをしたとき、反打撃司令官であった金正恩さんから命令を受けたという空軍飛行士。金正恩さんが反打撃司令官であったという話がこれまで公表されていたのかどうかは分からないが、私には初耳である。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
この飛行士は、金正恩打撃司令官に「帰還する航路の代わりに、打撃目標をもっと下さい!」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「我々には出撃だけがあり、着陸はない!」と誓ったという
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
そして「これこそが金正恩司令官の軍隊であり、このような軍隊はどこの国にもない」というが、その昔、どこかの国にも似たような航空隊があったような気がしてならない。
続いて、金正恩さんの言葉が紹介される。どこで語った言葉なのかは未確認だが、内容からすると金日成軍事総合大学での演説からかもしれない。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「時が流れ世の中が何百回変わっても、変わることができないことが我々の首領様と将軍様と全く同じ我が人民軍隊の革命的本質であり、労働党の旗を第一軍旗として高く掲げて進む白頭山革命強軍の闘争方式です 金正恩」
ここからモランボン楽団の演奏による「勝利者たち」が流れ、クライマックスに向けて盛り上げる。
「何十年間も最大の寛大さと自制心を持って語ってきた人間の言葉の全てが、オオカミどもとネズミ野郎どもには絶対に通じないというのが我々の結論である」
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「英雄的朝鮮人民軍よ!敬愛する元帥様が命令さえ下されれば」
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「一当百、この偉大な力で敵の牙城を煮えたぎる溶岩で永遠に覆い尽くし、世界の戦争史にない最も輝かしい戦勝を達成しろ!」
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「英雄的朝鮮人民よ!宇宙を征服したその精神、その気迫で」
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「この地に世界が羨む天下一の強国を打ち立てよう!」
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「世界よ!白頭山の虎の吠える火の雷鳴を聞け!」
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こうこの番組は終わっている。どうやら「一当百」の解説・回顧を兼ね、金正恩さんを持ち上げながら、「米帝」と決戦を鼓舞する内容のようだ。2009年4月当時、金正恩さんが「反打撃司令官」であったという話や、「天下第一強国」という新しい言葉も登場している(ただし、朝鮮語で「第一」は「一番(=最高、最も)」を意味するので、「天下一の強国」と言った方が適切かもしれない)。
果たして「白頭山の虎」は「火の雷鳴(核爆発の音)」のように吠えるのであろうか。
番組ではまず、「一当百」の聖地を紹介する。テドク山という山がその聖地なのだが、金日成さんが1963年2月6日に「新しい雪の道を踏み越え高地に」やってきて、「朝鮮人民軍のスローガンは一当百だ」といったのがその始まりだという。
テドク山
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「一当百」と書かれた石碑、2年後の1965年2月6日に建立されたようだ
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「人民軍隊を一当百の革命武力に強化しよう 朝鮮人民軍指揮官たちとした談話 1963年2月6日」というタイトルの本の章。金日成選集か何かであろう。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「朝鮮は大きな国ではないが、立ち向かう敵は核兵器も含む世界最大軍事力を持つ米帝」というナレーションと共に映る地球儀。過去記事でも話題にしたが、この地球儀の中国地名は音訳(「北京」ではなく「ベイジン」)となっている。
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「一当百」の力の源泉として「主体の精神」、「強い攻撃力」、「鋼鉄の意志」を挙げている。
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この力こそが「白頭山の虎の力」だという。
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「白頭山の虎の力」で「米帝」のスパイ船プエブロ号を1968年1月23日に拿捕
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プエブロ号事件について「米帝」が署名した「謝罪文」
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1994年の核危機に際してクリントン大統領が金正日さんに送った書簡について伝える「労働新聞」。書簡には米国が軽水炉を建設することや原油供給をすることなどが書かれている。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
上書簡の日本語訳は下記を参照。
『朝鮮新報』、「金正日書記にクリントン大統領が送った保証書簡(94年10月20日)」
http://www1.korea-np.co.jp/special/gaikou/CHO-MI/chomi-file03.htm
ここで曲は「パルコルム」に変わり、現在の話になる。ナレーションは「今、この強大な虎の国の前で、米帝オオカミと李明博ネズミ野郎が歯をむき出してうなっている」と読み上げる。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
そして、安保理決議2078が採択されたことを受け、金正恩さんが党中央軍事委員会拡大会議を招集し「実質的で強度の高い結論を下し」、「このような偉大な名将と共にならば、米帝がでっち上げた国連安保理決議など(朝鮮人民にとって)なんでもない」、「敵と一騎打ちをするのであれば、我々は再び腹を減らしても、いつか必ず米国の首を取ってくると心を決めている」と続ける。
閲兵をする金正恩
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2009年4月に光明星2号打ち上げをしたとき、反打撃司令官であった金正恩さんから命令を受けたという空軍飛行士。金正恩さんが反打撃司令官であったという話がこれまで公表されていたのかどうかは分からないが、私には初耳である。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
この飛行士は、金正恩打撃司令官に「帰還する航路の代わりに、打撃目標をもっと下さい!」
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「我々には出撃だけがあり、着陸はない!」と誓ったという
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そして「これこそが金正恩司令官の軍隊であり、このような軍隊はどこの国にもない」というが、その昔、どこかの国にも似たような航空隊があったような気がしてならない。
続いて、金正恩さんの言葉が紹介される。どこで語った言葉なのかは未確認だが、内容からすると金日成軍事総合大学での演説からかもしれない。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「時が流れ世の中が何百回変わっても、変わることができないことが我々の首領様と将軍様と全く同じ我が人民軍隊の革命的本質であり、労働党の旗を第一軍旗として高く掲げて進む白頭山革命強軍の闘争方式です 金正恩」
ここからモランボン楽団の演奏による「勝利者たち」が流れ、クライマックスに向けて盛り上げる。
「何十年間も最大の寛大さと自制心を持って語ってきた人間の言葉の全てが、オオカミどもとネズミ野郎どもには絶対に通じないというのが我々の結論である」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「英雄的朝鮮人民軍よ!敬愛する元帥様が命令さえ下されれば」
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「一当百、この偉大な力で敵の牙城を煮えたぎる溶岩で永遠に覆い尽くし、世界の戦争史にない最も輝かしい戦勝を達成しろ!」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「英雄的朝鮮人民よ!宇宙を征服したその精神、その気迫で」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「この地に世界が羨む天下一の強国を打ち立てよう!」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
「世界よ!白頭山の虎の吠える火の雷鳴を聞け!」
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-02-06-17.flv
こうこの番組は終わっている。どうやら「一当百」の解説・回顧を兼ね、金正恩さんを持ち上げながら、「米帝」と決戦を鼓舞する内容のようだ。2009年4月当時、金正恩さんが「反打撃司令官」であったという話や、「天下第一強国」という新しい言葉も登場している(ただし、朝鮮語で「第一」は「一番(=最高、最も)」を意味するので、「天下一の強国」と言った方が適切かもしれない)。
果たして「白頭山の虎」は「火の雷鳴(核爆発の音)」のように吠えるのであろうか。