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    「核動力工業創設」:宣伝煽動放送で原子力発電に言及、朝米交渉で原発建設を条件にするのか (2021年6月6日 「朝鮮中央TV」)


    Source: KCTV, 2021/06/06

    6日、「朝鮮中央TV」で新しい経済関連の「宣伝煽動放送」が放送された。それ以前に放送があったのかはきちんと確認していないが、5月中は農業関連、とりわけ「田植え戦闘」の宣伝煽動放送が多かった。また、数日前には、「住宅1万世帯建設」の宣伝煽動放送も放送されていた。

    この宣伝煽動放送で、とりわけ新しいことが言われているわけでもなく、基本的には「党8回大会」や「党第8期第2回全員会議」の「決定貫徹」を宣伝、煽動している。今週中にも開催されると思われる「党第8期第3回全員会議」へ向けた内容と言え、この会議でもこうした「課業」の実施状況に関する点検が行われるのであろう。

    気になったのは、「電力工業部門」でとってつけたように「核動力工業創設に本格的に進入しなければなりません」と言っている点である。「核動力工業」、すなわち「原子力発電」に関する言及はこれまでもあったが、「本格的に進入」としていることから、これを今後の朝米交渉の一つの柱とするのではないかとも予想される。

    「将軍様」時代の核交渉でも、兵器級プルトニウム抽出可能な重水炉を「原子力発電用」として建設しておき、それを放棄する条件として軽水炉建設のための資金や技術を提供させた経験がある。当時はまだ核・ミサイルは開発過程であったが、「国家核武力完成」に至っている現段階では、この方法はより有効に使える可能性が高い。つまり、核の平和利用と「朝鮮半島の非核化」をセットで認めさせることを狙っているのではなかろうか。

    韓国では、韓米首脳会談の結果を受け、非核化と制裁緩和を段階的に進める方策を検討していると「聯合ニュースTV」が報じている。

    「"큰 걸음 내디딜 준비"…대북국면 '사전정지' 주목」、『聯合ニュースTV』、https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20210606010000038?srt=l&d=Y

    バイデンの北朝鮮政策レビューにも、段階的措置緩和が含まれているという。

    "South Korea: Background and U.S. Relations", CRS, https://fas.org/sgp/crs/row/IF10165.pdf

    であるとするならば、北朝鮮としては条件を一段高めた状況を作っておけば、有利に交渉に臨むことができる。

    いずれにせよ、「第3回全員会議」で朝米関係に何らかの言及があるのか、注目する必要がある。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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