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    「金正恩が指揮者を公開処刑、銃弾90発──韓国紙報道」:「シャドーマジック」? (2021年5月11日 「News Week」)

    11日、また、わけが分からない記事が出ていた。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/eb4196cb14fd34b48e92f6d35908e8d3867c9457

    元記事は、韓国の『東亜日報』に掲載された記事らしいが、元記事を書いた人物もさることながら、それを引用しながら拡散しているメディアは、少しは確認作業をしているのだろうか。

    「元帥様」は、確かに「女史」と共に「光明星節」に際して音楽公演を観覧している。この観覧は、「朝鮮中央TV」でも放送されている。『東亜日報』の記者は、その「公演」を確認したのか、演目としてありもしない「シャドーマジック」なるものを持ち出している。

    もちろん、テレビ放送に際して、「シャドーマジック」なる演目が削除された可能性はあるが、その公演の悪口に対して「元帥様」が激怒して「銃弾90発」で「公開処刑」するほどの演目であったなら、削除する理由など全くない。

    そもそも「シャドーマジック」であるが、北朝鮮の音楽公演の中で見た覚えがないばかりか、「国立曲芸団」などの公演の中でもあったような気がしない。魔術の中でシャドーを出すような演目はあったような気がするが、シャドーの中でマジックを演じる演目はあったとしても思い出せない。

    では、「シャドーマジック」なるものがどこから出てきたのかというと、思い当たる筋がある。拙ブログでも紹介した1月25日に「朝鮮中央TV」で放送された「労働党第8回大会慶祝大公演「党を歌おう」の中で、「黄金の木、朝鮮リンゴの木を山に植えた (황금나무 능금나무 산에 심었어)」の影絵演技があった。同記事にも書いたように、とても良くできた影絵演技で、その後、「朝鮮中央TV」ではこの演技だけを切り出して番組の合間に放送している。

    「シャドーマジック」という発想は、ここから来ているのではないだろうか。この公演も「元帥様」は観覧しているが、公演の表題からも分かるように、「光明星節」とは関係ない。

    毎日、公開処刑だ銃殺だと、韓国の反北団体の怪しげな情報を垂れ流ししている「人」ならまだしも、韓国の三大紙の一つの記事であるとはいえ、引用して拡散しているのがNews Weekというのは、情けない限りだ。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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