「再資源化と我々の生活」:カメラ目線でない司会者、収買所、リサイクル、「原料が豊かだった時代」 (2021年4月25日 「朝鮮中央TV」)
25日、「朝鮮中央TV」で「再資源化と我々の生活」という番組が放送された。昨年辺りから、盛んに言い出した「再資源化」の事例を紹介しながら、人民に再資源化を宣伝・煽動する番組だが、新たに作られた番組だけあって、作りも良い。
「朝鮮中央TV」の司会者は、1人の場合、ほとんどカメラ目線で話しているが、この番組では敢えてカメラ目線を外しているだけではなく、司会者を撮影しているカメラも写している。番組の流れからして、その意図はくみ取れないのだが、新しい制作手法であることは間違いない。
内容として興味深いのは、「収買所」を詳しく紹介している点である。「収買所」については、これまでも何回か記事にしたことがあるが、廃品回収所としての機能もあるようで、人民がリサイクル可能な空瓶や古紙を持ち込んでいるようだ。朝鮮語では「収買」も「収売」も「スメ」と発音されるので区別がつかないが、廃品回収所では買い取り(収買)をし、人民はそこで売り(収売)をしているのであろう。この番組では、「収買所」の「買い取り」機能だけ紹介しているが、以前、何かの「朝鮮芸術映画」の中では、中古品販売所(日本のハードオフ)のような機能もしているようだ。
番組でインタビューを受けている人民は「原料が豊かだった時代は・・・」と言っている点も興味深い。社会主義が崩壊し、加えて安保理制裁、さらには新型コロナで北朝鮮の原料調達状況が厳しくなっていることが垣間見える。
ともあれ、環境保護と自力更生が両立できるのであれば、悪い話ではない。
Source: KCTV, 2021/04/25
「朝鮮中央TV」の司会者は、1人の場合、ほとんどカメラ目線で話しているが、この番組では敢えてカメラ目線を外しているだけではなく、司会者を撮影しているカメラも写している。番組の流れからして、その意図はくみ取れないのだが、新しい制作手法であることは間違いない。
内容として興味深いのは、「収買所」を詳しく紹介している点である。「収買所」については、これまでも何回か記事にしたことがあるが、廃品回収所としての機能もあるようで、人民がリサイクル可能な空瓶や古紙を持ち込んでいるようだ。朝鮮語では「収買」も「収売」も「スメ」と発音されるので区別がつかないが、廃品回収所では買い取り(収買)をし、人民はそこで売り(収売)をしているのであろう。この番組では、「収買所」の「買い取り」機能だけ紹介しているが、以前、何かの「朝鮮芸術映画」の中では、中古品販売所(日本のハードオフ)のような機能もしているようだ。
番組でインタビューを受けている人民は「原料が豊かだった時代は・・・」と言っている点も興味深い。社会主義が崩壊し、加えて安保理制裁、さらには新型コロナで北朝鮮の原料調達状況が厳しくなっていることが垣間見える。
ともあれ、環境保護と自力更生が両立できるのであれば、悪い話ではない。
Source: KCTV, 2021/04/25