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    「漫画で見る発明の歴史、写真機(2)」 インスタントカメラの説明も違う (2021年2月24日 「朝鮮中央TV」)

    24日、「朝鮮中央TV」の「児童放送時間」帯に放送された「漫画で見る発明の歴史」シリーズの「写真機(2)」が再放送された。このシリーズは見ているとおもしろいのだが、昨夕も他事をしながら眺めていた。そしたら、何とチェキが出て来るではないか。

    チェキは拙宅にもあり、子供が喜んで写真を撮っていた。拙宅にあるのはinstax mini-7sという2008年に発売されたモデルなのだが、改めてFUJIFILMのページで調べてみると、チェキシリーズは1998年に発売され、2020年11月に発売されたSQUARE SQ1に至るまで色々なモデルが出されている。

    FUJIFILM、「歴代チェキの歩み」、https://instax.jp/history/

    なぜ、チェキに拘るのかというと、上記番組での解説が全く間違っているからである。一般的な「インスタントカメラ」の例としてチェキを持ち出していると思うのだが、インスタントカメラはデジタルカメラが登場する中で廃れてしまったと解説している。確かに、ある意味ではそうなのだろうが、チェキはデジタルカメラがスマホに押されて衰退しようとしている時代ですら、次々と新しいモデルを出しており、インスタントカメラの新しいコンセプト商品と言える。

    実は、私の知り合いにポラロイドのインスタントカメラを日本で普及させるのに活躍した方がいる。学生に対する講演を何回かお願いしたのだが、何でもポラロイドのインスタントカメラは、当時の女子高校生の間で人気となり、日本で普及したと言っていた。もちろん、デジタルカメラ時代の話であるが、そうした新しいコンセプトをポラロイドが持ち込み、そのコンセプトの流れの中でFUJIFILMのチェキが登場したのだと思う。

    では、北朝鮮にインスタントカメラがないのかというと、「首領様」はポラロイドかコダックのインスタントカメラを持っており、それを使って自ら人民の姿を撮影し、写真を与える様子が「朝鮮記録映画」の中で紹介されている。恐らく、「首領様」が使っていたインスタントカメラは、北朝鮮に存在した唯一ではないにしても、数少ないインスタントカメラであり、人民は「首領様」が使っていたということ以外は知らないのであろう。そして、彼らの中では、インスタントカメラは「首領様」の時代の古い技術であり、デジタルカメラの登場と共に廃れてしまったという認識なのだろう。

    そのチェキであるが、羅先に行ったとき、香港人が持ち込んだ。入国の時は問題になっていなかったのだが、出国時にさんざん税関職員に問い詰められていた。税関職員はインスタントカメラの存在を知らなかったようで、「(記憶媒体の)カードを出せ」と何回も言っていた。実演してやれば良かったのだろうが、北朝鮮で写真を撮り、人民に配っていたので、フィルム切れになっており、それもできずに困っていた。

    そんなわけで、この番組をYouTubeにアップロードし、最後に拙宅のチェキの実演を入れておいた。dprknowロゴの原画も少し見られるようにしておいたので、よろしければ、最後までご覧頂きたい。

    Source: KCTV, 2021/02/08

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
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    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
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