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    大使館・軍隊・諜報機関御用達受信機 51S-1 (2021年2月4日)

    このところ、受信機ブログのようになってしまっているが、北朝鮮について書きたくても、あまりネタが見つからない。

    数日前、ずっと欲しかったコリンズ社製の51S-1という受信機が届いた。格安だったので、壊れていることを覚悟していたのだが、輸送中に真空管が1本割れただけで、本体は全く問題なかった。この種の古い機械を入手して、そのまま使えることは珍しい(少なくとも私の場合は)。真空管は、別の受信機のもので取りあえず代用している。

    数日前に紹介したB-29に搭載されていたBC-348Rは1945年前後の機械であるのに対し、51S-1はシリアル・ナンバーからすると1975年ぐらいの製造になる。30年ぐらいのギャップがあるわけだが、やはり30年で相当進化している。進化しているというよりも、もしかするとSDRや新しい受信機よりも優れているかも知れない。

    嬉しくて、ずっと「平壌放送」を聞いているのだが、感度は素晴らしく、RF GAINがまともに使えている。今まで使った受信機では、RF GAINはよほどローカルの強い信号の場合に下げる程度の使い方であったが、51S-1だとAF GAINと合わせて調整するとノイズや音質、さらにフェージングから受ける影響(受信音)を改善することができる。

    電解コンデンサー爆発が心配なのだが、最近まで使っていたようで、古いコンデンサの状態は悪くないような気がする。

    後日、「平壌放送」シリーズで紹介しようと思う。

    電源投入後の目視検査
    DSC04667.jpg

    7580KHzの「朝鮮中央放送」を試験受信中
    DSC04666.jpg

    <追記>
    この受信機の製造履歴を調べていたらおもしろいことが分かった。シリアルナンバーは上の写真にあるように10269なのだがが、米国のコリンズ受信機クラブのサイトを見ると、10XXXのシリアルナンバーは10229を最後に1974年で終わっている。1975年からは別のシーケンスのシリアルナンバーが振られ、同時にランダムに古いナンバーも振られたと書いてある。それで、一度は1975年製だと決めつけていたのだが、先ほどブログにアップロードした内部写真と同クラブサイトの内部写真を見比べると、Collins Rockwellの四角エンブレムが着いた1976年製以降と内部が同じだということに気付いた(真空管シールド・カバーが一番分かりやすい)。ところが、本機のエンブレムは大型円形で1975年まで使われていたものだ。前ユーザーの趣味で交換したのかも知れないが、そうでなければ実に興味深い。1975年以降は製造拠点が頻繁に変わっているので、その過程で製造された異端児だったのかも知れない。

    「平壌放送」を聞きながら、こんなことを調べるのも悪くない。

    Collins Collectors Association, http://www.collinsradio.org/cca-collins-historical-archives/the-equipment-of-collins-radio/the-grey-boxes/the-collins-51s-1-hf-receiver-blocksome/

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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