「朝鮮民主主義人民共和国 外務省声明」:国連制裁決議に対して (2013年1月23日 「朝鮮中央通信」)
北朝鮮外務省が、昨年12月のロケット発射を非難する国連安保理制裁強化決議に対するコメントを「朝鮮中央通信」を通じて発表した。この記事は、決議の具体的内容を確認してから書こうと思っていたのだが、国連安保理HPに未だに文書がアップロードされていないので、その具体的内容を読むことができない。安保理米代表部などのHPもチェックしたが、そちらにもないようである。決議の内容については、既に各国のマスコミが伝えているが、いずれもその概要であり詳細な内容は分からない。ある国に対して安保理決議が出された場合、何らかの形でその国に伝達されるのであろうが、そうであったとしても北朝鮮の反応は早かった。恐らく、先週、米中間で決議の骨子が決まった段階で中国側から北朝鮮に決議内容は伝えられていたのであろう。
伝えられているところの制裁強化決議の内容は、
1.現行の制裁対象を4人と6団体に拡大する。
2.新たな発射や核実験を強行すれば、安保理として「重大な行動を取る」と強く警告する。
である。
『朝日新聞デジタル』、「北朝鮮への制裁強化決議、全会一致で採択 国連安保理」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130123-00000008-asahi-int
これに対して、北朝鮮外務省は声明を通じて反発しているが、その骨子は以下のとおりである。
1.米国とその追随勢力は、我々の前進を妨害するために1月22日、我が共和国の神聖な自主権を乱暴に侵害する国連安保理「決議」をでっち上げた。
2.我々の平和的な衛星発射を非合法化し、我が国の経済発展と国防力強化を阻害するための「制裁」強化は我々に対する敵対的措置の一環である。
3.米国は衛星発射ロケットが彼らの脅威となる長距離弾道ミサイルに転換できるという理由で平和的な衛星発射もできないという論理で国連安保理を操っている。
4.我々の衛星発射を問題視する方便として利用されている「(複数の)決議」も、国連安保理が普遍的な国際法に反し、我々の武装解除と制度転覆を追求する米国の敵対視政策に盲従していることを表している。
5.米国が誤った行動を改めようとしないので、朝鮮半島と地域の平和と安定が日々損なわれている。
6.米国の我々に対する敵対視政策に対しては、言葉ではなく力で対応しなければならない。
7.朝鮮民主種主義人民共和国外務省は、このような状況に対処するために、次のように宣言する。
①我が国の自主権を乱暴に侵害し、我々の平和的衛星発射の権利を抹殺しようとする国連安保理の不当千万な動きを断固として糾弾する。国連安保理は、国際法を踏みにじり、米国の対朝鮮敵対視政策に追従して主権国家の自主権を厳重に蹂躙した自らの罪行について謝罪し、不当にでっち上げた全ての「決議」を直ちに撤回しなければならない。
②我々は、宇宙の平和的利用に関する普遍的な国際法に従い、自主的で合法的な平和的衛星発射の権利を継続して堂々と行使するであろう。我々の科学者は、通信衛星をはじめとした様々な実用衛星とより強力な運搬ロケットを開発・発射するであろう。
③米国の敵対視政策が今でも変化していないということが明白になった条件下で、世界の非核化が実現される前には、朝鮮半島の非核化も不可能であるという最終結論を出した。米国の積み重なる対朝鮮敵対視政策により、自主権尊重と平等の原則に基づく6者会談の9.19共同声明は死滅し、朝鮮半島の非核化は終末を告げた。今後、朝鮮半島と地域の平和と安定を保障するための対話はあっても、朝鮮半島非核化を議論する対話はないであろう。
④我々は、日々露骨になる米国の制裁圧迫策動に対処し、核抑止力を含む自衛的な軍事力を質量共に拡大強化する任意の物理的対応措置をとるであろう。我々は、敵対勢力の挑発が継続されるのであれば、その根源を根こそぎなくす重大な措置を執る確固不動の決意に満ちている。
以上であるが、注目すべき点は7-③と7-④である。北朝鮮は「世界の非核化が実現される前には」と言っているが、これは現実的に不可能であり、自らが核を放棄しないと宣言しているのと同じである。しかし、「米国の敵対視政策が変化しない」ということを前提条件としているので、基本的にはこれまでどおり米国との関係改善が核放棄の条件であるという姿勢には変わりがないのであろう。また、「9.19共同声明は死滅し、朝鮮半島の非核化は終末を告げた」と主張し、6者会談を一端リセットし米国との直接協議をより強く求めている。加えて、「朝鮮半島と地域の平和と安定を保障するための対話」、つまり北朝鮮の政権維持を保障しなければ、核放棄はしないと強調している。
そして7-④では、「核抑止力も含む・・・任意の物理的対応措置をとるであろう」としているが、これは3回目の核実験のことを意味しているのであろう。また、「敵対勢力の根源を根こそぎなくす重大な措置を採る」として、対南攻撃も臭わせている。しかし、これらは米国の反応を確かめるためのブラフであろう。依然として安保理決議の全文はアップロードされていないので読めないが、「重大な措置」というのは安保理決議に含まれる「重大な行動」に対するお返しであることは間違いない。
伝えられているところの制裁強化決議の内容は、
1.現行の制裁対象を4人と6団体に拡大する。
2.新たな発射や核実験を強行すれば、安保理として「重大な行動を取る」と強く警告する。
である。
『朝日新聞デジタル』、「北朝鮮への制裁強化決議、全会一致で採択 国連安保理」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130123-00000008-asahi-int
これに対して、北朝鮮外務省は声明を通じて反発しているが、その骨子は以下のとおりである。
1.米国とその追随勢力は、我々の前進を妨害するために1月22日、我が共和国の神聖な自主権を乱暴に侵害する国連安保理「決議」をでっち上げた。
2.我々の平和的な衛星発射を非合法化し、我が国の経済発展と国防力強化を阻害するための「制裁」強化は我々に対する敵対的措置の一環である。
3.米国は衛星発射ロケットが彼らの脅威となる長距離弾道ミサイルに転換できるという理由で平和的な衛星発射もできないという論理で国連安保理を操っている。
4.我々の衛星発射を問題視する方便として利用されている「(複数の)決議」も、国連安保理が普遍的な国際法に反し、我々の武装解除と制度転覆を追求する米国の敵対視政策に盲従していることを表している。
5.米国が誤った行動を改めようとしないので、朝鮮半島と地域の平和と安定が日々損なわれている。
6.米国の我々に対する敵対視政策に対しては、言葉ではなく力で対応しなければならない。
7.朝鮮民主種主義人民共和国外務省は、このような状況に対処するために、次のように宣言する。
①我が国の自主権を乱暴に侵害し、我々の平和的衛星発射の権利を抹殺しようとする国連安保理の不当千万な動きを断固として糾弾する。国連安保理は、国際法を踏みにじり、米国の対朝鮮敵対視政策に追従して主権国家の自主権を厳重に蹂躙した自らの罪行について謝罪し、不当にでっち上げた全ての「決議」を直ちに撤回しなければならない。
②我々は、宇宙の平和的利用に関する普遍的な国際法に従い、自主的で合法的な平和的衛星発射の権利を継続して堂々と行使するであろう。我々の科学者は、通信衛星をはじめとした様々な実用衛星とより強力な運搬ロケットを開発・発射するであろう。
③米国の敵対視政策が今でも変化していないということが明白になった条件下で、世界の非核化が実現される前には、朝鮮半島の非核化も不可能であるという最終結論を出した。米国の積み重なる対朝鮮敵対視政策により、自主権尊重と平等の原則に基づく6者会談の9.19共同声明は死滅し、朝鮮半島の非核化は終末を告げた。今後、朝鮮半島と地域の平和と安定を保障するための対話はあっても、朝鮮半島非核化を議論する対話はないであろう。
④我々は、日々露骨になる米国の制裁圧迫策動に対処し、核抑止力を含む自衛的な軍事力を質量共に拡大強化する任意の物理的対応措置をとるであろう。我々は、敵対勢力の挑発が継続されるのであれば、その根源を根こそぎなくす重大な措置を執る確固不動の決意に満ちている。
以上であるが、注目すべき点は7-③と7-④である。北朝鮮は「世界の非核化が実現される前には」と言っているが、これは現実的に不可能であり、自らが核を放棄しないと宣言しているのと同じである。しかし、「米国の敵対視政策が変化しない」ということを前提条件としているので、基本的にはこれまでどおり米国との関係改善が核放棄の条件であるという姿勢には変わりがないのであろう。また、「9.19共同声明は死滅し、朝鮮半島の非核化は終末を告げた」と主張し、6者会談を一端リセットし米国との直接協議をより強く求めている。加えて、「朝鮮半島と地域の平和と安定を保障するための対話」、つまり北朝鮮の政権維持を保障しなければ、核放棄はしないと強調している。
そして7-④では、「核抑止力も含む・・・任意の物理的対応措置をとるであろう」としているが、これは3回目の核実験のことを意味しているのであろう。また、「敵対勢力の根源を根こそぎなくす重大な措置を採る」として、対南攻撃も臭わせている。しかし、これらは米国の反応を確かめるためのブラフであろう。依然として安保理決議の全文はアップロードされていないので読めないが、「重大な措置」というのは安保理決議に含まれる「重大な行動」に対するお返しであることは間違いない。