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    「20時報道」:画質向上、金曜労働、蒼光院 (2012年1月11日 「朝鮮中央TV」)

    uriminzokkiriが配信する「朝鮮中央TV」の動画ファイルのエンコード時の画質を高めたようだ。今朝、「20時報道」のファイルをダウンロードしようとしたら235MBあり、記念日でもないのにやたらと長いニュースであり何事かと思った。ファイルを再生したら時間的には13分という普通の時間枠のニュースで、特別行事などの報道は特になかった。画質は確かに向上しており、特に動きが激しい場面、例えば画面下を流れるキャプションなどがはっきりと見えるようになり、フルスクリーンでの視聴にも耐えられるようになった。念のために、ダウンロードしたflvファイルを分析してみたところ、下記のような変更が見られた。比較のために1月10日に配信された「20時報道」と比べている。

    [ About file ]
    Name: 2013-01-10-14.flv(1月10日の「20時報道」)
    Date: Fri, 11 Jan 2013 06:48:30 +0900
    Size: 69,774,911 bytes (66.542541 MiB)(ファイルサイズは70MB)
    Duration: 00:11:33 (692.708008 s)(番組の時間11分33秒)

    Name: 2013-01-11-19.flv(1月11日の「20時報道」)
    Date: Sat, 12 Jan 2013 07:53:41 +0900
    Size: 246,199,753 bytes (234.794381 MiB)(ファイルサイズは235MB)
    Duration: 00:13:08 (788.47998 s)(番組の時間13分8秒)

    今日の「20時報道」が2分ほど長いが、ファイルのサイズは3倍以上になっている。

    1月10日の「20時報道」flv
    Resolution: 640 x 480
    Frame aspect ratio: 4:3 = 1.333333
    Pixel aspect ratio: 1:1 = 1
    Display aspect ratio: 4:3 = 1.333333
    Framerate: 24 fps
    Bitrate: 685.546875 kbps

    1月11日の「20時報道」flv
    Resolution: 720 x 480
    Frame aspect ratio: 3:2 = 1.5
    Pixel aspect ratio: 1:1 = 1
    Display aspect ratio: 3:2 = 1.5
    Framerate: 25 fps
    Bitrate: 2337.890625 kbps


    (分析に使ったソフトウェア:AVInaptic (18-12-2011))

    上の2つを比較すると解像度が向上しており、さらにビットレートも早くなっている。これらが、大画面表示での画質向上と動きが速い場面での残映を減少させているのだと思う。耳で聞いた限りは、オーディオの変化は分からないが、データを見ると、

    Frames (bs): 26,513 → Frames (bs): 30,181 と向上している。このオーディオにフレームはないと思うのだが、各フレームに貼り付けられたビット数のことであろうか。

    以上、技術的な根拠もない説明なので、全く間違っているのかもしれないが、数字を見ても画質を見ても向上していることだけは間違いない。

    現在、画質向上が確認されたファイルは「20時報道」のみであるが、今、ダウンロード中である「<短幕劇>愛の島」も約900MBある大きなファイルである。モランボン楽団公演などの1時間半近いファイルもここまで大きくはなかったので、この「短幕劇」も画質を向上させた設定でエンコードされているのかもしれない。現在、110~190KB/sでダウンロードしているが、まだ45分ぐらいかかりそうだ。

    uriminzokkiriが画質を向上してくれたのは良いのだが、配信サーバーの性能がそのままでは、接続集中時のダウンロードが厳しくなる。昨日だったか、「[기록영화] 백두의 선군혁명위업을 계승하시여」という、290MBの昨年10月末に放映された「金正日→金正恩権力継承ストーリー」をダウンロードしていたら、途中で何回か切断されていたし、著しい速度低下があった。もしかすると、サーバーに関しても何か作業をしていたのかもしれない。(「[기록영화] 백두의 선군혁명위업을 계승하시여」は、記事にしたのかどうかよく覚えていないが、内容的にはなかなかおもしろい。後で調べて、記事にしていなかったら、記事にしようと思う。)

    <追記>
    uriminzookiriでの配信であるが、翌日からまた元の設定に戻った。担当者がflv作成時に設定を間違ったのか、画質を向上させた状況で配信サーバーの負荷テストをしたのか分からないが、ともかく戻っている。しかし、高画質配信のお陰で、金正日訪中の記録映画など、いくつかは高画質バージョンをダウンロードできた。

    画質向上の話はこのぐらいにして、「20時報道」の中身である。まず、「金曜労働」なる話が出てくる。

    「金曜労働」でリヒョン野菜専門共同農場を支援しに来た国家計画委員会、教育委員会、国家検疫委員会、文化省、鉄道省、水産省など、省・中央機関の幹部と職員たち。(この静止画キャプチャーからも画質が向上していることが確認できると思う。)
    2013-01-11-19flv_000344840.jpg
    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-01-11-19.flv

    「金曜労働」もやはり「金正恩新年の辞」を受けてのもので、人民軍や青年団が行っている農村支援の一環である。しかし今回の農村支援はそうであったとしても、「金曜労働」という活動はそれ以前から存在したようだ。ただしそれがなぜ「金曜」なのかというのはよく分からないし、休日でもない日に本務をほっぽらかして農村支援に出かけていては、本務がよほど暇でない限りは、そちらに支障を及ぼすことになる。動画を見る限りでは、周囲もまだ明るいので、本務終了後に支援に出かけている様子はなく、周辺に大型バスも止まっており、幹部たちは形式的にバスに乗ってやってきたのであろう。例によって「口先だけ」の表象であるが、それでも昨年よりは農業再建に対する「意識」は高まっているようである。ともあれ、問題は「実質的」な支援がどれほど行われるのかということである。

    『労働新聞』、「성,중앙기관 정무원들 새해 첫 금요로동 협동벌에서 진행」
    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-01-12-0007&chAction=D

    昨年の今頃から拙ブログを書き始めたのだが、その時「蒼光院(チャンガンウォン)」という施設の話が出て、何のことだか分からなかったので、朝鮮大学校にメールで質問したところ、丁寧に教えて頂いた。1月12日は1980年に金正日さんが完工間近の「蒼光院」を現地指導した日ということで、この日の「20時報道」でも「蒼光院」のその話の紹介を兼ねて紹介している。

    「蒼光院」全景
    2013-01-11-19flv_000556200.jpg
    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-01-11-19.flv

    野外プールについて説明する支配人
    2013-01-11-19flv_000576680.jpg
    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-01-11-19.flv

    支配人の説明では、金正日さんが「野外プールの水温を30度以上に保てば、冬にでも使える」と述べたそうである。箱根の小涌園ユネッサンの野外温泉の水温がどれぐらいなのかは分からないが、このインタビューを受けているときの気温は零下13度ということである。スキーに行ったときに露天風呂に入るが、30度では出たときに寒すぎるような気がする。ともあれ、子供たちは寒さも忘れて楽しそうに遊んでいるので良いのだが。しかし、燃料供給が「緊張状態(不足状態)」にある北朝鮮で、立派な屋内プールがあるにもかかわらず「将軍様」のお言葉に忠実に野外プールの運用を続けるというのは、非合理的な話である。

    室内プール
    2013-01-11-19flv_000564040.jpg
    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2013-01-11-19.flv

    「蒼光院」の作業班長は、30年余りの間の「蒼光院」延べ利用者は6000万人といっているので、年間200万人、平壌市民が年に1度は訪れているという計算になろうか。

    こんなことを書いていたら、「<短幕劇>愛の島」のダウンロードが終わっていた。flvファイルを分析すると、やはり高画質化されている。これからはこの画質でのアップロードとなるのかもしれないが、取りあえず内容を知りたいときなどは、ダウンロードに時間がかかるので苦労しそうである。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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