「忠誠で応える声『了解です』」:「気象水文局」と視聴率、「正面突破戦」宣言後によく流れる曲、「了解です」が適当な現実が新型コロナ対応で、「알다」は「分かる、知る」そして軍隊用語では (2020年8月4日 「朝鮮中央TV」)
4日に放送された「朝鮮中央TV」の番組を見直していた。
まず、豪雨に関する「気象水文局からのお知らせ」をインタビュー形式で欧州連盟戦サッカーの録画を中断して放送した。その数日前の放送では、「児童放送時間」の「少年大将」の合間(中断ではなく、部と部の間)に放送していた。放送時間が同じだったのかは確認していないが、サッカーも「少年大将」も朝鮮人民に人気がある番組なのだろう。その時間帯に放送するのは、やはり高視聴率を確保するためなのだろう。民間放送がない北朝鮮でも、それなりに視聴率は気にしているようだ。
「気象水文局からのお知らせ」
Source: KCTV, 2020/08/04
YouTubeのコメントを見ていると、この「放送員同志」のファンが日本に多いようだが、あまり意味のないインタビュー形式にしてこの「放送員同志」を出したのも朝鮮人民の視聴率と関係あるのだろうか。
新型コロナに対応するための「最大非常体制」に関するスローガン番組も放送された。
Source: KCTV, 2020/08/04
このスローガン番組、さらっとではあるが、非常に興味深いことを言っている。
*****************
今、我々が最も警戒しなければならないのは、今回の事態の深刻さに気付かず、安易な気持ちで非常防疫事業を慢性的に、機械的に、実務的に行う現象です
****************
党からの指示があっても、人々が「慢性的に、機械的に、実務的に」対応している現実を正直に言っているわけだが、「一心団結」や「一片丹心」が現実の社会では実現していないことが分かる。このスローガン番組の中では、「一心団結の威力を示そう」と呼びかけてはいるが、できていないからそうしようということなのだろう。とりわけ、新型コロナのような状況の中で長期間、「一心団結」を続けていくのは、そうした状況に比較的慣れている朝鮮人民にとっても厳しいのだろう。
その一方で、「元帥様」が昨年末に「正面突破戦」を宣言してからしばしば流される曲が放送された。この記事のタイトルにした「忠誠で応える声『了解です』」であるが、「了解です」と言っておきながら、「を慢性的に、機械的に、実務的に行う」ことが多いのかなと思いながら字幕を付けていた。
Source: KCTV, 2020/08/04
その字幕だが、「알았습니다」をなんと訳すかで悩んだ。日本語の軍隊用語でこれをどう言うのかが分からなかったからだ。日本軍がいた時代を生きていないので分からないのだが、日本軍を扱った古い劇映画を見ていると、上官から命令された場合、「はぁ!」とか「はい!」と返事している。これが現実であるならば、「알았습니다」は、「はぁ!」となるのだが、それでは何とも分かりにくい。
「了解です」という言葉が最近はよく使われるようになった気がする。数十年前は、「了解」という言葉は、無線通信などで使われており、一般的ではなかったような記憶がある。つまり、通信状態に問題なく、相手からの送信内容を良好に受信できたという意味合いで、「分かった」ということを示していた。ただし、「分かった」だけであり、それに同意するとか服従するという意味は含まれていないと思う。
この歌の「알았습니다」は、無条件的な服従(それが、「慢性的に、機械的に、実務的に行う」であっても)を意味するので、「了解です」は相応しくないと思うのだが、それ以外の適切な言葉が思いつかなかった。
朝鮮芸術映画に登場する日本軍人も「はぁ!」としばしば日本語で応えるが、朝鮮語字幕が出る場合は、「알았습니다」と書かれており、「예(はい)」とは書かれていない。
それと関連して、「<朝鮮芸術映画>ウォルミ島」のテーマ曲も流れたので字幕を付けておいた。この映画は、数日前に放送されたが、何回見ても良い映画だと思う。
Source: KCTV, 2020/08/04
しかし、この曲のタイトルにも「알았다」が入っており、初めは何となく「私は分かった」と訳したが、歌詞を訳しながら「分かった」ではなく「知った」だと思い訂正した。
朝鮮語は難しい。
まず、豪雨に関する「気象水文局からのお知らせ」をインタビュー形式で欧州連盟戦サッカーの録画を中断して放送した。その数日前の放送では、「児童放送時間」の「少年大将」の合間(中断ではなく、部と部の間)に放送していた。放送時間が同じだったのかは確認していないが、サッカーも「少年大将」も朝鮮人民に人気がある番組なのだろう。その時間帯に放送するのは、やはり高視聴率を確保するためなのだろう。民間放送がない北朝鮮でも、それなりに視聴率は気にしているようだ。
「気象水文局からのお知らせ」
Source: KCTV, 2020/08/04
YouTubeのコメントを見ていると、この「放送員同志」のファンが日本に多いようだが、あまり意味のないインタビュー形式にしてこの「放送員同志」を出したのも朝鮮人民の視聴率と関係あるのだろうか。
新型コロナに対応するための「最大非常体制」に関するスローガン番組も放送された。
Source: KCTV, 2020/08/04
このスローガン番組、さらっとではあるが、非常に興味深いことを言っている。
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今、我々が最も警戒しなければならないのは、今回の事態の深刻さに気付かず、安易な気持ちで非常防疫事業を慢性的に、機械的に、実務的に行う現象です
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党からの指示があっても、人々が「慢性的に、機械的に、実務的に」対応している現実を正直に言っているわけだが、「一心団結」や「一片丹心」が現実の社会では実現していないことが分かる。このスローガン番組の中では、「一心団結の威力を示そう」と呼びかけてはいるが、できていないからそうしようということなのだろう。とりわけ、新型コロナのような状況の中で長期間、「一心団結」を続けていくのは、そうした状況に比較的慣れている朝鮮人民にとっても厳しいのだろう。
その一方で、「元帥様」が昨年末に「正面突破戦」を宣言してからしばしば流される曲が放送された。この記事のタイトルにした「忠誠で応える声『了解です』」であるが、「了解です」と言っておきながら、「を慢性的に、機械的に、実務的に行う」ことが多いのかなと思いながら字幕を付けていた。
Source: KCTV, 2020/08/04
その字幕だが、「알았습니다」をなんと訳すかで悩んだ。日本語の軍隊用語でこれをどう言うのかが分からなかったからだ。日本軍がいた時代を生きていないので分からないのだが、日本軍を扱った古い劇映画を見ていると、上官から命令された場合、「はぁ!」とか「はい!」と返事している。これが現実であるならば、「알았습니다」は、「はぁ!」となるのだが、それでは何とも分かりにくい。
「了解です」という言葉が最近はよく使われるようになった気がする。数十年前は、「了解」という言葉は、無線通信などで使われており、一般的ではなかったような記憶がある。つまり、通信状態に問題なく、相手からの送信内容を良好に受信できたという意味合いで、「分かった」ということを示していた。ただし、「分かった」だけであり、それに同意するとか服従するという意味は含まれていないと思う。
この歌の「알았습니다」は、無条件的な服従(それが、「慢性的に、機械的に、実務的に行う」であっても)を意味するので、「了解です」は相応しくないと思うのだが、それ以外の適切な言葉が思いつかなかった。
朝鮮芸術映画に登場する日本軍人も「はぁ!」としばしば日本語で応えるが、朝鮮語字幕が出る場合は、「알았습니다」と書かれており、「예(はい)」とは書かれていない。
それと関連して、「<朝鮮芸術映画>ウォルミ島」のテーマ曲も流れたので字幕を付けておいた。この映画は、数日前に放送されたが、何回見ても良い映画だと思う。
Source: KCTV, 2020/08/04
しかし、この曲のタイトルにも「알았다」が入っており、初めは何となく「私は分かった」と訳したが、歌詞を訳しながら「分かった」ではなく「知った」だと思い訂正した。
朝鮮語は難しい。