新型コロナウィルス公共の場所での予防対策:感染確定者がいるような表現も、最高人民会議常任委員会幹部の白頭山登山、「元帥様」の感染防止と「現地指導」 (2020年2月26日 「朝鮮中央TV」)
26日、「朝鮮中央TV」では、新型コロナウィルス感染を公共の場所で防ぐ対策に関する番組を放送していた。日本でも25日に出された「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」なるものに「クラスター感染」なる概念が含まれているが、この番組でも「クラスター」という用語こそ使っていないが、それに近い概念について説明している。
番組は、依然として「我が国に新型コロナウィルスを侵入させないように」と締めくくっているが、内容を見ていると、既に侵入していることを思わせる部分がある。
それは、医療専門家の次の解説である。
「手が余り触れない野外の場所や対象には、汚染されたとことが確定していない場合は、特に感染者がいない場合、手が触れた後にだけ消毒し、残りの部分は清潔に掃除をすればいいです」
注目されるのは、「特に感染者がいない場合」という部分であるが、「感染者」は意訳で、原文は「確診者(확진자)」と言っている。この語をuriminzokkiriの「朝鮮語大辞典」で調べると、下の通りである。
**************
▷1 : 확진 @[確診]
품사: [명]
確実な診断を下すこと、あるいはそうした診断
확실한 진단을 내리는것 또는 그러한 진단.
례구: 예진과 ~. ~을 내리다. ~이 없다.
확진하다 [동](타)
확진되다 [동](자)
***************
であり、「確診者」は新型コロナウィルス感染という「確実な診断」が下された人ということになる。そのため、日本語字幕では「感染者」と訳しているが、北朝鮮に「確診者」がいないのであれば、全ての場所で簡易消毒と清掃をすればよいということになる。そうではなく、徹底した消毒などを行っていることからすれば、やはり「確診者」がいて、それ以上の感染を防ぐための対策を講じていいると考えることができる。
こうしたことからして、北朝鮮が「侵入されないよう」と言っているのは、0%を意味するのではなく、「これ以上」と解釈するのが妥当であろう。
「元帥様」は光明星節の際の少数幹部を同行させた錦繍山太陽宮殿参拝以外出てこないし、27日の『労働新聞』には『最高人民会議常任委員会幹部が白頭山に登った」という記事が出ているが、登った幹部の名前の書かれていなし、皆、マスクをしているので誰なのかも分からない。「イルクン」と言っても、低級幹部のことで、高級幹部は「元帥様」同様、感染しないように引きこもっているはずである。
栄養状態が良くない朝鮮人民の感染も心配ではあるが、「元帥様」とて何らかの慢性疾患を患っていても不思議ではないあの肥満体なのだから、新型コロナウィルス感染の可能性は極めて高いはずだ。だから、外に出てこないという理由は分かるが、北朝鮮のような国で「元帥様」がいつまでも引きこもっていては国が回らないし、北朝鮮式に言えば「青史」が記されていかない。新型コロナウィルス感染がいつまで続くのかも含めて、「元帥様」の感染防止と「現地指導」は北朝鮮にとって非常に頭の痛い問題になっているに違いない。
また、新型コロナウィルスが発生しているのであれば、それについて早めにはっきりとした数字を出し、国際社会と情報を共有していくことも重要だし、必要に応じて援助を要請することもしなければならない。南朝鮮で感染者数が増えていることは連日報道しているが、自国の状況もそろそろはっきりと報じるべき時に来ているのではないだろうか。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2020/02/26
番組は、依然として「我が国に新型コロナウィルスを侵入させないように」と締めくくっているが、内容を見ていると、既に侵入していることを思わせる部分がある。
それは、医療専門家の次の解説である。
「手が余り触れない野外の場所や対象には、汚染されたとことが確定していない場合は、特に感染者がいない場合、手が触れた後にだけ消毒し、残りの部分は清潔に掃除をすればいいです」
注目されるのは、「特に感染者がいない場合」という部分であるが、「感染者」は意訳で、原文は「確診者(확진자)」と言っている。この語をuriminzokkiriの「朝鮮語大辞典」で調べると、下の通りである。
**************
▷1 : 확진 @[確診]
품사: [명]
確実な診断を下すこと、あるいはそうした診断
확실한 진단을 내리는것 또는 그러한 진단.
례구: 예진과 ~. ~을 내리다. ~이 없다.
확진하다 [동](타)
확진되다 [동](자)
***************
であり、「確診者」は新型コロナウィルス感染という「確実な診断」が下された人ということになる。そのため、日本語字幕では「感染者」と訳しているが、北朝鮮に「確診者」がいないのであれば、全ての場所で簡易消毒と清掃をすればよいということになる。そうではなく、徹底した消毒などを行っていることからすれば、やはり「確診者」がいて、それ以上の感染を防ぐための対策を講じていいると考えることができる。
こうしたことからして、北朝鮮が「侵入されないよう」と言っているのは、0%を意味するのではなく、「これ以上」と解釈するのが妥当であろう。
「元帥様」は光明星節の際の少数幹部を同行させた錦繍山太陽宮殿参拝以外出てこないし、27日の『労働新聞』には『最高人民会議常任委員会幹部が白頭山に登った」という記事が出ているが、登った幹部の名前の書かれていなし、皆、マスクをしているので誰なのかも分からない。「イルクン」と言っても、低級幹部のことで、高級幹部は「元帥様」同様、感染しないように引きこもっているはずである。
栄養状態が良くない朝鮮人民の感染も心配ではあるが、「元帥様」とて何らかの慢性疾患を患っていても不思議ではないあの肥満体なのだから、新型コロナウィルス感染の可能性は極めて高いはずだ。だから、外に出てこないという理由は分かるが、北朝鮮のような国で「元帥様」がいつまでも引きこもっていては国が回らないし、北朝鮮式に言えば「青史」が記されていかない。新型コロナウィルス感染がいつまで続くのかも含めて、「元帥様」の感染防止と「現地指導」は北朝鮮にとって非常に頭の痛い問題になっているに違いない。
また、新型コロナウィルスが発生しているのであれば、それについて早めにはっきりとした数字を出し、国際社会と情報を共有していくことも重要だし、必要に応じて援助を要請することもしなければならない。南朝鮮で感染者数が増えていることは連日報道しているが、自国の状況もそろそろはっきりと報じるべき時に来ているのではないだろうか。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2020/02/26