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    「朝鮮中央通信社報道」:米国公民が大犯罪で抑留 (2012年12月21日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が米国人が北朝鮮で抑留されていると伝えた。報道によると、この米国人は韓国系と思われるペ・ジュンホさんで、11月3日に羅先市に観光目的で入国し、「反共和国的大犯罪」を行ったとして抑留(逮捕)されている。ペさんは、取り調べで証拠物件を提示され、犯罪行為を認めているという。12月21日に北朝鮮で「米国の利権を代表する」スウェーデン大使館関係者とペさんと領事件を行使して面会した。北朝鮮は、刑事訴訟法に従い法的手続きを行っているという。

    12月21日の米国務省定例記者会見では、この問題が再び取り上げられたが、ベントレル報道官は個人情報を理由に詳細は明かさなかった。したがって、米国は公式的には米国市民が北朝鮮に拘留されていていること、スウェーデン大使館が仲介し北朝鮮側と何らかの交渉を行っていること以上を明らかにしていない。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing,
    http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2012/12/202360.htm#NORTHKOREA

    北朝鮮の言う「大犯罪」が一体何かは分からない。外国人が比較的容易に入ることができる羅先で拘束されたわけだが、これまでしばしばあったような「不法入国」ではなく、入国の時点では「観光目的」で合法的に入国したようだ。「反共和国的大犯罪」は、体制を批判するビラを所持または配付したという程度のことから銅像破壊を謀ったことまで色々考えられるが、後者であれば死刑も十分にあり得る。

    このタイミングで米国市民の逮捕を北朝鮮が公開したことは、過去記事にも書いたとおり、この件を契機に米国との交渉を始めたいという考えがあるからであろう。これまでのパターンであれば、北朝鮮とパイプのある米国の有力者、例えばリチャードソンさん(ニューメキシコ州知事、現かどうかは未確認)が米国人を連れ帰るために訪朝し、そのついでに「別件について」の米国からのメッセージを伝えたり話し合いをしてくるということが考えられる。北朝鮮は、今回もそれを狙っているのであろうが、米国は相当慎重にこの件に対応していることが定例記者会見のやりとりからも伺える。

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    川口智彦

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
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