「新年の辞」内容予測 (2019年12月30日)
もう2日もすれば「新年の辞」が発表されるのでそれを待てば良いのだが、2020年に朝米関係がどうなるのか予測しておく。
「新年の辞」では、「労働党中央委員会第7期第4回全員会議」で決定した「経済建設総邁進」路線は維持されると思う。「新しい道」は必ずしも核開発と経済建設を並進する「並進路線」に戻るのではなく、「防衛的国家武力強化」とか「戦略的国家武力強化」という表現を使いながら、「自力更生」を強く打ち出した「経済建設総邁進」路線を基本的に継続しつつ、軍事力強化にも力を入れるということになろう。それが「新しい道」ということになるのだろうが、レベルとしては2019年後半に行った「超大型放射砲」やSLBMの発射を維持することになろう。
その際、米国との「約束」についてどのような扱いをするのかが一つのポイントとなる。トランプが「年賀状」でも送っていれば話は別だが、そうでなければあと1日では何も起こらない。だとすると、北朝鮮は米国との「約束」に基づいて履行した「先制的措置」に対する相応措置を受けることなく「期限切れ」を迎えたことになるので、「先制的措置」の撤回は言う可能性がある。しかし撤回とはいうものの、核実験は当面しないので無駄に核実験場の再建はしないであろうし、衛星実験場については既にロケットエンジンのテストもやっており再稼働している。また、送還済み米軍遺骨を返せと言うこともない。むしろ米軍遺骨部分については、「人道的」などという理由を付けて、継続する可能性すらある(これは、トランプをにとっても自慢のネタになる)。
もう少し強く出るなら、米国との「約束」の撤回、あるいは留保を言うかもしれまい。「約束」には、核・ミサイル実験のモラトリアムが含まれているので、トランプにとっては多少、都合が悪い。しかし、だからといって、核実験を再開することもなく、ICBMを発射することもなかろう。するにしても、上記の通りトランプが「気にしない」と言ったレベルか、危ない橋を渡ることにはなるが、衛星打ち上げであろう。
なぜ核・ICBM実験をしないかといえば、過去記事にも書いたとおり、中露、とりわけ中国が北朝鮮を支援し続けているのは、北朝鮮が、とりわけ核実験を自制しているからである。そのことは北朝鮮も十分に分かっており、敢えて朝中関係を悪化させるような事はしないはずだ。習近平訪韓が2020年春頃に予定されていることからして、その前に「元帥様」の訪中も十分にあり得る。2019年も新春訪中をしている。
また、トランプとの関係からしても、核・ICBMは絶対にできない。というのは、北朝鮮にとって、少なくとも当面、トランプは最善の米国大統領であるからだ。現時点では、そして2020年も継続してトランプと「元帥様」の「友人関係」は維持されるであろう。トランプも「ロケットマン」と口を滑らせたが、その後、発言を控えており、北朝鮮の「国務委員長同志」も部下に「ボケ老いぼれ」呼ばわりはさせたものの、自分の口では言っていないことになっている。
とにかく、「友人」になった米国大統領は歴史上一人もいないのだから、この関係を維持することは北朝鮮にとって重要である。もし、11月の米大統領選挙でトランプが敗れることになれば、「友人」はいなくなり、朝米関係はゼロから出直しになる。しかも、民主党候補が勝てば、トランプがほとんど気にしなかった「人権」についてもうるさく言い出し、北朝鮮にとってはより面倒なことになる。北朝鮮の体制を否定する「人権」問題は、核・ミサイル以上に北朝鮮にとっては面倒な問題である。
しかし、トランプが継続して大統領で居続けてくれれば、とりあえず「友人」と中断あるいは停滞している交渉の「続き」ができ、リセットされることはない。だから、トランプに不利な核・ICBM実験はしない。しかし、100%トランプが再選される保証があるわけでもないから、しばらくは「防衛的国家武力強化」のための小さなミサイルを発射しながら11月の大統領選の結果を待つことになろう。その間、米韓合同軍事演習が再開されるようなことになれば、北朝鮮の定義による「放射砲」ではなく「ミサイル」になる可能性もある。
そんなことからすると、2020年の「新年の辞」では、2019年に続き「経済建設総邁進」、「自力更生」、「人民生活向上」があり、国内政治的には経済部門の不正・不敗・非効率排除、非(反)社会主義的思想排除、軍事的には「自衛的国防力」あるいは「戦略的国防力」強化、米国との関係では上に書いたこと、そして対南関係では「自主」を要求するようなものになるのではないだろうか。
「新年の辞」では、「労働党中央委員会第7期第4回全員会議」で決定した「経済建設総邁進」路線は維持されると思う。「新しい道」は必ずしも核開発と経済建設を並進する「並進路線」に戻るのではなく、「防衛的国家武力強化」とか「戦略的国家武力強化」という表現を使いながら、「自力更生」を強く打ち出した「経済建設総邁進」路線を基本的に継続しつつ、軍事力強化にも力を入れるということになろう。それが「新しい道」ということになるのだろうが、レベルとしては2019年後半に行った「超大型放射砲」やSLBMの発射を維持することになろう。
その際、米国との「約束」についてどのような扱いをするのかが一つのポイントとなる。トランプが「年賀状」でも送っていれば話は別だが、そうでなければあと1日では何も起こらない。だとすると、北朝鮮は米国との「約束」に基づいて履行した「先制的措置」に対する相応措置を受けることなく「期限切れ」を迎えたことになるので、「先制的措置」の撤回は言う可能性がある。しかし撤回とはいうものの、核実験は当面しないので無駄に核実験場の再建はしないであろうし、衛星実験場については既にロケットエンジンのテストもやっており再稼働している。また、送還済み米軍遺骨を返せと言うこともない。むしろ米軍遺骨部分については、「人道的」などという理由を付けて、継続する可能性すらある(これは、トランプをにとっても自慢のネタになる)。
もう少し強く出るなら、米国との「約束」の撤回、あるいは留保を言うかもしれまい。「約束」には、核・ミサイル実験のモラトリアムが含まれているので、トランプにとっては多少、都合が悪い。しかし、だからといって、核実験を再開することもなく、ICBMを発射することもなかろう。するにしても、上記の通りトランプが「気にしない」と言ったレベルか、危ない橋を渡ることにはなるが、衛星打ち上げであろう。
なぜ核・ICBM実験をしないかといえば、過去記事にも書いたとおり、中露、とりわけ中国が北朝鮮を支援し続けているのは、北朝鮮が、とりわけ核実験を自制しているからである。そのことは北朝鮮も十分に分かっており、敢えて朝中関係を悪化させるような事はしないはずだ。習近平訪韓が2020年春頃に予定されていることからして、その前に「元帥様」の訪中も十分にあり得る。2019年も新春訪中をしている。
また、トランプとの関係からしても、核・ICBMは絶対にできない。というのは、北朝鮮にとって、少なくとも当面、トランプは最善の米国大統領であるからだ。現時点では、そして2020年も継続してトランプと「元帥様」の「友人関係」は維持されるであろう。トランプも「ロケットマン」と口を滑らせたが、その後、発言を控えており、北朝鮮の「国務委員長同志」も部下に「ボケ老いぼれ」呼ばわりはさせたものの、自分の口では言っていないことになっている。
とにかく、「友人」になった米国大統領は歴史上一人もいないのだから、この関係を維持することは北朝鮮にとって重要である。もし、11月の米大統領選挙でトランプが敗れることになれば、「友人」はいなくなり、朝米関係はゼロから出直しになる。しかも、民主党候補が勝てば、トランプがほとんど気にしなかった「人権」についてもうるさく言い出し、北朝鮮にとってはより面倒なことになる。北朝鮮の体制を否定する「人権」問題は、核・ミサイル以上に北朝鮮にとっては面倒な問題である。
しかし、トランプが継続して大統領で居続けてくれれば、とりあえず「友人」と中断あるいは停滞している交渉の「続き」ができ、リセットされることはない。だから、トランプに不利な核・ICBM実験はしない。しかし、100%トランプが再選される保証があるわけでもないから、しばらくは「防衛的国家武力強化」のための小さなミサイルを発射しながら11月の大統領選の結果を待つことになろう。その間、米韓合同軍事演習が再開されるようなことになれば、北朝鮮の定義による「放射砲」ではなく「ミサイル」になる可能性もある。
そんなことからすると、2020年の「新年の辞」では、2019年に続き「経済建設総邁進」、「自力更生」、「人民生活向上」があり、国内政治的には経済部門の不正・不敗・非効率排除、非(反)社会主義的思想排除、軍事的には「自衛的国防力」あるいは「戦略的国防力」強化、米国との関係では上に書いたこと、そして対南関係では「自主」を要求するようなものになるのではないだろうか。