「朝鮮民主主義人民共和国、金ミョンギル外務省巡回大使談話」:「第3国」を通じた提案に反発、「停戦協定と連絡事務所設置」は「副次的」、「国務委員会スポークスマン談話」との関係で「米韓合同軍事演習」を問題としているのか (2019年11月14日 「朝鮮中央通信」)
14日、「朝鮮中央通信」に以下。
***********
朝鮮民主主義人民共和国、金ミョンギル外務省巡回大使談話
조선민주주의인민공화국 김명길 외무성 순회대사 담화
最近、米国務省対朝鮮政策特別代表ビーガンは、第3国を通して朝米双方が12月に再び会い、交渉することを願っているという意思を伝達してきた。
최근 미국무성 대조선정책특별대표 비건은 제3국을 통하여 조미쌍방이 12월중에 다시 만나 협상하기를 바란다는 의사를 전달해왔다.
私は、米国務省対朝鮮政策特別代表が、朝米対話と関連して提起する問題でも考えている点があるならば、虚心に交渉相手である私と直接連係する考えをせず、第3者を通していわゆる朝米関係と関連した構想なるものを空中に浮かべていることについて理解できない。
나는 미국무성 대조선정책특별대표가 조미대화와 관련하여 제기할 문제나 생각되는 점이 있다면 허심하게 협상상대인 나와 직접 련계할 생각은 하지 않고 제3자를 통해 이른바 조미관계와 관련한 구상이라는것을 공중에 띄워놓고있는데 대하여 리해가 되지 않는다.
これは、道理であり、米国に対する懐疑心だけを増幅させている。
이것은 도리여 미국에 대한 회의심만을 증폭시키고있다.
我々は、交渉を通した問題解決が可能ならば、任意の場所で任意の時間に米国と向かい合って座る用意がある。
우리는 협상을 통한 문제해결이 가능하다면 임의의 장소에서 임의의 시간에 미국과 마주앉을 용의가 있다.
しかし米国が去る10月初め、スウェーデンで行われた朝米実務交渉の時のように年末の期限を無難に越えるために、我々を手名付けようという不純な目的を依然として追い求めているならば、そのような交渉には意欲がない。
하지만 미국이 지난 10월초 스웨리예에서 진행된 조미실무협상때처럼 년말시한부를 무난히 넘기기 위해 우리를 얼려보려는 불순한 목적을 여전히 추구하고있다면 그런 협상에는 의욕이 없다.
我々が既に米国側に我々の要求事項が何であり、いかなる問題が先行されなければならないのかについて明白にしているので、今は米国側がそれに対する答えと解決策を出す順である。
우리가 이미 미국측에 우리의 요구사항들이 무엇이고 어떤 문제들이 선행되여야 하는가에 대하여 명백히 밝힌것만큼 이제는 미국측이 그에 대한 대답과 해결책을 내놓을 차례이다.
米国が我々の生存権と発展権を阻害している対朝鮮敵対視政策を撤回するための根本的な解決策を提示せず、情勢変化により瞬間に紙くずに変わりえる停戦宣言や連絡事務所開設のような副次的な問題を持って我々を交渉へと誘導できると打算しているなら、問題解決はいつになっても望みがない。
미국이 우리의 생존권과 발전권을 저해하는 대조선적대시정책을 철회하기 위한 근본적인 해결책을 제시하지 않고 정세변화에 따라 순간에 휴지장으로 변할수 있는 종전선언이나 련락사무소개설과 같은 부차적인 문제들을 가지고 우리를 협상에로 유도할수 있다고 타산한다면 문제해결은 언제 가도 가망이 없다.
米国側が我々に提示する解決策を作るならば、それについて我々に直接説明すれば良い。
미국측이 우리에게 제시할 해결책을 마련하였다면 그에 대해 우리에게 직접 설명하면 될것이다.
しかし、私の直観では、米国が未だに我々に満足のいく答えを出す準備ができておらず、米国の対話提起が朝米間の会合程度を演出し、時間稼ぎをしようという術策にしか過ぎないと判断される。
그러나 나의 직감으로는 미국이 아직 우리에게 만족스러운 대답을 줄 준비가 되여있지 않으며 미국의 대화제기가 조미사이의 만남이나 연출하여 시간벌이를 해보려는 술책으로밖에 달리 판단되지 않는다.
もう一度明白にするが、私はそのような会談には興味がない。
다시한번 명백히 하건대 나는 그러한 회담에는 흥미가 없다.
主体108(2019)年11月14日
주체108(2019)년 11월 14일
平壌
평 양 (끝)
*****************
この「談話」は非常に興味深い。まず、ビーガンが「第3国を通して」北朝鮮に連絡をしてきたという点である。「第3国」がどこになるのか。中国なのかロシアなのか。あるいはベトナムなのか。中米は複雑な問題を抱えているので、昨今の情勢からするとロシアの可能性が高い。ところが、金ミョンギルは「直接言ってこい」と「第3国」経由で意思を伝えてきたことに反発をしている。米国が、朝鮮と関係が深い「第3国」を使って圧力をかけようとしたことに対する反発であろう。
また、米国がかなりの譲歩を提示していることを示すような発言もしている。「瞬間で紙くずになる停戦宣言や連絡事務所開設」を「副次的な問題」と退けているが、シンガポール会談の流れからすればこれら2つは重要な問題となったはずであり、朝米関係改善の入り口になり得る。この「談話」では、それすら拒否している形になっているが、では「対朝鮮敵対視政策」なるものが何であるのかは明らかにしていない。しかし、昨日出された「国務委員会スポークスマン談話」と合わせて読めば、米韓合同軍事演習がそれになることが分かる。全てではないにせよ、米韓合同軍事演習が「対朝鮮敵対視政策」の大きな要因であることは、「国務委員会」がそれを指摘していることからも明白である。
だとすると、米韓合同軍事演習を中止しすれば、米国が提示していると思われる「副次的」問題を受け入れる用意があるということになるのではなかろうか。もちろん、米韓合同軍事演習と並ぶ重要な問題は「制裁」であるが、これについてはそう簡単に米国が介助するとは考えにくい。合同演習であれば、2018年に中止したという実績があるので、これは可能であろう。
***********
朝鮮民主主義人民共和国、金ミョンギル外務省巡回大使談話
조선민주주의인민공화국 김명길 외무성 순회대사 담화
最近、米国務省対朝鮮政策特別代表ビーガンは、第3国を通して朝米双方が12月に再び会い、交渉することを願っているという意思を伝達してきた。
최근 미국무성 대조선정책특별대표 비건은 제3국을 통하여 조미쌍방이 12월중에 다시 만나 협상하기를 바란다는 의사를 전달해왔다.
私は、米国務省対朝鮮政策特別代表が、朝米対話と関連して提起する問題でも考えている点があるならば、虚心に交渉相手である私と直接連係する考えをせず、第3者を通していわゆる朝米関係と関連した構想なるものを空中に浮かべていることについて理解できない。
나는 미국무성 대조선정책특별대표가 조미대화와 관련하여 제기할 문제나 생각되는 점이 있다면 허심하게 협상상대인 나와 직접 련계할 생각은 하지 않고 제3자를 통해 이른바 조미관계와 관련한 구상이라는것을 공중에 띄워놓고있는데 대하여 리해가 되지 않는다.
これは、道理であり、米国に対する懐疑心だけを増幅させている。
이것은 도리여 미국에 대한 회의심만을 증폭시키고있다.
我々は、交渉を通した問題解決が可能ならば、任意の場所で任意の時間に米国と向かい合って座る用意がある。
우리는 협상을 통한 문제해결이 가능하다면 임의의 장소에서 임의의 시간에 미국과 마주앉을 용의가 있다.
しかし米国が去る10月初め、スウェーデンで行われた朝米実務交渉の時のように年末の期限を無難に越えるために、我々を手名付けようという不純な目的を依然として追い求めているならば、そのような交渉には意欲がない。
하지만 미국이 지난 10월초 스웨리예에서 진행된 조미실무협상때처럼 년말시한부를 무난히 넘기기 위해 우리를 얼려보려는 불순한 목적을 여전히 추구하고있다면 그런 협상에는 의욕이 없다.
我々が既に米国側に我々の要求事項が何であり、いかなる問題が先行されなければならないのかについて明白にしているので、今は米国側がそれに対する答えと解決策を出す順である。
우리가 이미 미국측에 우리의 요구사항들이 무엇이고 어떤 문제들이 선행되여야 하는가에 대하여 명백히 밝힌것만큼 이제는 미국측이 그에 대한 대답과 해결책을 내놓을 차례이다.
米国が我々の生存権と発展権を阻害している対朝鮮敵対視政策を撤回するための根本的な解決策を提示せず、情勢変化により瞬間に紙くずに変わりえる停戦宣言や連絡事務所開設のような副次的な問題を持って我々を交渉へと誘導できると打算しているなら、問題解決はいつになっても望みがない。
미국이 우리의 생존권과 발전권을 저해하는 대조선적대시정책을 철회하기 위한 근본적인 해결책을 제시하지 않고 정세변화에 따라 순간에 휴지장으로 변할수 있는 종전선언이나 련락사무소개설과 같은 부차적인 문제들을 가지고 우리를 협상에로 유도할수 있다고 타산한다면 문제해결은 언제 가도 가망이 없다.
米国側が我々に提示する解決策を作るならば、それについて我々に直接説明すれば良い。
미국측이 우리에게 제시할 해결책을 마련하였다면 그에 대해 우리에게 직접 설명하면 될것이다.
しかし、私の直観では、米国が未だに我々に満足のいく答えを出す準備ができておらず、米国の対話提起が朝米間の会合程度を演出し、時間稼ぎをしようという術策にしか過ぎないと判断される。
그러나 나의 직감으로는 미국이 아직 우리에게 만족스러운 대답을 줄 준비가 되여있지 않으며 미국의 대화제기가 조미사이의 만남이나 연출하여 시간벌이를 해보려는 술책으로밖에 달리 판단되지 않는다.
もう一度明白にするが、私はそのような会談には興味がない。
다시한번 명백히 하건대 나는 그러한 회담에는 흥미가 없다.
主体108(2019)年11月14日
주체108(2019)년 11월 14일
平壌
평 양 (끝)
*****************
この「談話」は非常に興味深い。まず、ビーガンが「第3国を通して」北朝鮮に連絡をしてきたという点である。「第3国」がどこになるのか。中国なのかロシアなのか。あるいはベトナムなのか。中米は複雑な問題を抱えているので、昨今の情勢からするとロシアの可能性が高い。ところが、金ミョンギルは「直接言ってこい」と「第3国」経由で意思を伝えてきたことに反発をしている。米国が、朝鮮と関係が深い「第3国」を使って圧力をかけようとしたことに対する反発であろう。
また、米国がかなりの譲歩を提示していることを示すような発言もしている。「瞬間で紙くずになる停戦宣言や連絡事務所開設」を「副次的な問題」と退けているが、シンガポール会談の流れからすればこれら2つは重要な問題となったはずであり、朝米関係改善の入り口になり得る。この「談話」では、それすら拒否している形になっているが、では「対朝鮮敵対視政策」なるものが何であるのかは明らかにしていない。しかし、昨日出された「国務委員会スポークスマン談話」と合わせて読めば、米韓合同軍事演習がそれになることが分かる。全てではないにせよ、米韓合同軍事演習が「対朝鮮敵対視政策」の大きな要因であることは、「国務委員会」がそれを指摘していることからも明白である。
だとすると、米韓合同軍事演習を中止しすれば、米国が提示していると思われる「副次的」問題を受け入れる用意があるということになるのではなかろうか。もちろん、米韓合同軍事演習と並ぶ重要な問題は「制裁」であるが、これについてはそう簡単に米国が介助するとは考えにくい。合同演習であれば、2018年に中止したという実績があるので、これは可能であろう。