「<朝鮮記録映画>金正恩同志、トランプ米大統領と板門店で対面」のナレーションから分かること (2019年7月1日 「朝鮮中央TV」)
昨日も紹介した動画。
Source: KCTV, 2019/07/01
このナレーションを抽出して紹介しておく。
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敬愛する最高領導者金正恩同志がドナルド・トランプ米合衆国大統領と板門店で歴史的な対面をされた 主体108(2019)6.30
今世紀最初の朝米首脳対面と会談があった時から1年になる2019年6月、世界は再び重大で驚くべき歴史的事変を目撃しました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が6月29日から30日まで南朝鮮を訪問する機会に非武装地帯で金正恩国務委員長と会いたいという意思を伝えてきたことについて受諾され、板門店南側地域に行かれてトランプ大統領と電撃的に対面されました
トランプ大統領の板門店対面要請意思が世の中に伝えられた瞬間から劇的な事変が起こる瞬間まで1日あまりの時間の間は、全世界の目と耳が再び朝鮮半島へと集中され、板門店での朝米首脳対面ニュースに対する関心と期待が地球全てを熱く焼き、激情と興奮で熱狂しました
30日午後、全世界が注目し、見守る中、我が党と国家、武力の最高領導者金正恩同志が板門閣を出られました
両国間の不幸な過去を終わらせ、和解と協力の新たな未来を切り開こうとされている朝米最高首脳の思いと意志が一つに合わさる歴史のこの時、対決と敵対の象徴、板門店は希望の新たな機運で胎動していました
敬愛する最高領導者金正恩同志は、板門店の分解線の前でドナルド・トランプ米合衆国大統領と120日あまりぶりに再び対面されました
1953年停戦協定以後、66年ぶりに朝米両国の最高首脳が分断の象徴であった板門店でお互いの手を握り、歴史的な握手をする驚くべき現実が展開されました
最高領導者同志は、全世界が見ている、歴史上初めて我が国の地を踏む初の米国大統領になれと言われながら、トランプ大統領を我々側地域に招請されました
全ての予想と憶測、常識と慣例を超越した朝米首脳のこの破格的な対面は、世界を大きな衝撃と激動で煮えたぎらせました
トランプ大統領は、今日、板門店分解線を越えたことは大きな栄光だ、実に忘れられない瞬間だと自分の所感を述べました
朝米関係史で初めてとなるこの意味深いシーンは、敵対と不信の長い過去に終止符を打ち、新たに渡来した平和繁栄の時代に全的に合わせようという両国の最高首脳の立場と意志を再びはっきりと見せています
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、我々側の地域で板門閣を背景に意義深い記念撮影をされ、板門店南側地域へと向かわれました
朝鮮半島と地域、世界の平和繁栄に対する崇高な使命と責任感を抱かれ、朝米関係改善の大きな歩みを再び力強く踏み出された敬愛する最高領導者同志
最高領導者同志は、トランプ大統領が今日、板門店の分解線を越えたのは、両国間の不幸な過去を清算し、良い未来を開拓しようという人並みならぬ勇気の表現となると言われながら、今日の出会いが、単純に歴史の1ページに記録としてだけ残る対面ではなく、両国の関係発展を実質的に推し動かす意義ある契機となるはずだという確信を表明されました
トランプ大統領は、金正恩委員長が自分の提起を快く受諾し、善意と雅量を施して下さったことについて深い謝意を示しました
今回の出会いで両国関係で、多くの肯定的な変化が起こると言いながらトランプ大統領は、今日は、朝米両国と世界において歴史的な日として記録されると言いました
敬愛する最高領導者同志を文在寅大統領が自由の家の前で出迎えました
敵対と対決の産物である軍事分解線の非武装地帯で北南朝鮮と米国の最高首脳が分断の線を自由に越えて会う歴史的な場面は、全世界を大きな衝撃で覆い、長い歳月、不信と誤解、葛藤と反目の歴史を刻んできた板門店で和解と平和の新たな歴史が始まったことを示しました
世代と世紀の中で続いてきた朝米間の極端な敵対関係を終わらせ、両国人民の指向と発展する時代の要求に合うよう新たな未来を粘り強く切り開いて行かれる両国の最高首脳の確固不動な意志と広い度量により、朝米関係はあらゆる挑戦と障害を克服しながら果敢に前進しています
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領と共に会談場に向かわれました
最高領導者同志とトランプ大統領は、両国の国旗を背景に記念撮影をされました
朝米最高首脳の単独歓談が行われました
敬愛する最高領導者同志は、誰も予想できなかったこのような場を作ったトランプ大統領の決断と勇気に再び謝意を示されながら、不幸な過去を連想させる板門店で長い敵対関係にあった両国が平和の握手をすること自体が昨日と異なることを示すものであり、我々がもっと良く変わることができることを示すものとなると言われました
トランプ大統領は、今日、金正恩委員長と再び会ったことは、光栄に思うと言いながら、我々はとても素晴らし関係を結んでおり、今回の会談が大変成功裏な会談となると確信していると言いました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領との素晴らしい友好関係があったので、たった1日で今日のような劇的な出会いができたと言われながら、今後も自分とトランプ大統領との素晴らしい関係は、他人が予想できない良い結果を継続して作り出し、ぶつかる難関と障害を克服する神秘的な力として作用すると言われました
敬愛する最高領導者同志は、イバンカ・トランプ米大統領補佐官
スティーブン・モムティン米財務長官
ヘリー・ヘリス南朝鮮駐在米国大使をはじめとした米国側随行員と挨拶を交わされました
続けて、朝米最高首脳の会談が行われました
会談には我々側から朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員であり、外務相である李ヨンホ同志が、相手側からマイク・ポムペオ米合衆国国務長官が参席しました
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、朝米関係をさらに発展させるために、双方間の意思疎通と接触往来をより活性化させるための問題を真摯に論議されました
最高領導者同志とトランプ大統領は、朝鮮半島の緊張状態を緩和し、朝米両国間の不幸な関係を終わらせ、劇的に転換していくための方途的な問題と、これを解決することにおいて障害となっているお互いの憂慮事項と関心事となる問題について説明し、全的な理解と共感を示されました
朝米の最高首脳は、両国人民の念願と期待に合わせて、お互いの信頼を構築し、関係改善を積極的に進めていくことについて見解を一致させました
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、今後も緊密に連携し、朝鮮半島非核化と朝米関係で新たな突破口を切り開くための生産的な対話を再開し、積極的に推進していくことで合意されました
70年あまりの敵対関係の中で積もった反目と対決の障壁が高く、朝米関係の新たな歴史を切り開いていく旅程で予想できない難関と曲折があろうが、お互いに手を固く握りしめ知恵と忍耐を発揮して共に打ち砕いていけば、十分に両国人民の指向と念願に合うよう、朝米関係を発展させられることを示した板門店朝米首脳会談
世紀を超えて続いてきた両国間の不信と敵対の歴史からすると、これは瞬間に過ぎないが、転換の一歩を歩み出した朝米関係が紆余曲折と試練に勝ち抜き、前進していることを再びはっきりと刻み込みました
朝米の最高首脳は、このような出会いが継続して続き、お互いの理解が深まり、誠意ある努力と相互尊重の良い流れが持続する過程で、朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至るという確信を表明されました
板門店での両国最高首脳の歴史的な対面と会談は、根深く存在してきた極端な敵対関係を終息させ、朝米関係を両国人民の利益に合うようにさらに画期的に発展させ、朝鮮半島と地域、世界の平和と安全を積極的に推し進める重大な契機となりました
両国の最高首脳は、会談結果に大きな満足を示されました
敬愛する最高領導者同志は、遠路を往来し、今回の対面と会談の成果のために積極的な努力を傾けたことについて謝意を示されました
トランプ大統領は、今後も金正恩委員長ともっとしばしば向かい合って座り、朝米関係改善の素晴らし結実をもたらす意志を再び述べました
6.12朝米共同宣言の履行のために必ず経なければならない段階と経路を朝米双方の利害関係に適合するよう設定し、慎重で信頼的な措置をとっていけば、より素晴らしい未来を開拓していけることを今日の歴史的対面は再び実証しました
最高領導者同志をトランプ大統領と文在寅大統領が板門店分解線まで来て温かくお見送りしました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が今回の対面と会談に真の誠意を持って参加し、朝米関係改善の意志をよく示してくれたことについて評価され、新たな出会いを約束されながら惜別の握手をされました
敬愛する最高領導者同志は、文在寅大統領と惜別されました
朝米対決と葛藤の象徴として固く閉じられていた板門店の分断の門を大きく開き、歴史を飛び越える世紀的な出会いを達成した朝米両国の最高首脳の果敢な大英断は、根深い敵対国家として反目、嫉視してきた両国間に前例のない信頼を創造した驚くべき事変となります
(ボールド筆者)
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習近平訪朝の「朝鮮記録映画」では、習近平を持ち上げる表現が多く登場する。しかし、読んでいると歴史的な朝中友好に基づいた形式的な表現が多いことが分かる。しかし、板門店朝米会談の「朝鮮記録映画」では、トランプに対する「元帥様」の真の気持ちを表すような表現が多く使われているのが特徴的である。
「和解と協力の新たな未来を切り開こうとされている朝米最高首脳の思いと意志が一つに合わさる歴史のこの時」と言っているが、結果が出た後に作った「記録映画」であるにしても、「元帥様」がトランプのツイートを見て、板門店に来ることを決断させた気持ちの表れだと思う。
「歴史上初めて我が国の地を踏む初の米国大統領になれと言われながら、トランプ大統領を我々側地域に招請されました」とも言っているが、これは「大元帥様達」も実現することができなかった大きな業績となる可能性がある。可能性があるというのは、この先に何が待ち構えているかにより、敵のボスを北朝鮮の地に招待したことが禍根に繋がることもあり得るからだ。「砂の一粒、雑草の一本も敵には与えない」と言ってきた北朝鮮だ。もちろん、成功を前提にトランプを招き入れた「元帥様」であろうが、よほどの覚悟があってのことであろう。そのまま、自らが分解線を越えて南側地域に進入し、自由の家に向かうこともできたはずだ。
このシーン、昨日の記事の中でホワイトハウスがインスタグラムで公開した動画を見ていると、トランプの方から「元帥様」に「私が入ることを望んでいるか」と声をかけている。しかし、「元帥様」は通訳の言葉を聞く前に「こちらに踏み入れれば我が国の地を踏む史上始まって以来初めての米大統領になる」と言っている。この辺り、「元帥様」はトランプを自国に入れる準備をして来ていることが分かる。ショーではあるが、このショーは朝米関係改善という結果に繋がらなければならない。だからこそ「全ての予想と憶測、常識と慣例を超越した朝米首脳のこの破格的な対面」なのだ。
「元帥様」は、「単純に歴史の1ページに記録としてだけ残る対面ではなく、両国の関係発展を実質的に推し動かす意義ある契機となる」と言っているが、「最高領導者」としては「歴史の1ページに記録される」ことが非常に重要になるのだが、そんなことよりも「両国の関係発展を実質的に推し動かす」ことに意義を見いだしているように読み取れる。この辺り、習近平訪朝の時には感じられなかった雰囲気だ。朝中間の「新たな高い段階へ昇華」と全く意味が異なることが分かる。
「両国の最高首脳の確固不動な意志と広い度量」と言っているところも興味深い。通常、「広い度量」は「元帥様」の側にあり、相手はその「度量」のおかげで対面できたという形式を取る。しかし今回は、「両国の最高首脳」の「広い度量」としており、トランプと「元帥様」が共に「朝米関係はあらゆる挑戦と障害を克服しながら果敢に前進」させると述べている。習近平に対する形式的な迎合とトランプに対する「共に進もう」という気持ちが表れている。
「誰も予想できなかったこのような場を作ったトランプ大統領の決断と勇気に再び謝意」を「元帥様」は示しているが、トランプも言っているとおり、「元帥様」の「決断と勇気」もなければ実現しなかった対面である。特に、親書交換こそあれ、事前の実務交渉が十分に行われていなかった状況で、下手をするとハノイの二の舞になる可能性があるにもかかわらず、板門店に出てきたのは、他ならぬ「元帥様」の「決断と勇気」だと言える。もちろん、上にも書いたように、その「決断と勇気」の評価は今後の朝米関係の展開によって決まってくる。
「我々はとても素晴らし関係を結んでおり、今回の会談が大変成功裏な会談となる」とトランプが言い、「元帥様」が「トランプ大統領との素晴らしい友好関係があったので、たった1日で今日のような劇的な出会いができた」と言っているが、拙ブログにも書いてきたように、これまでの朝米関係ではなかった最高指導者間のこうした関係こそが、朝米交渉の細い糸を繋いでいるのだと思う。トランプの肩を持つわけではないが、オバマであればこうした芸当はできなかったはずだ。「元帥様」の言葉通り、今の朝米関係を見ているとこの関係は「ぶつかる難関と障害を克服する神秘的な力」である。
「劇的に転換していくための方途的な問題と、これを解決することにおいて障害となっているお互いの憂慮事項と関心事となる問題について説明し、全的な理解と共感」という部分が、懸案となっている核問題の「解法」「計算法」についての話となる。具体的に何がどうなったのかは分からないが、ハノイで問題となった「解法」と「計算法」について、今回は「全的な理解と共感」が得られたのであれば、前に進む可能性も大きい。「今後も緊密に連携し、朝鮮半島非核化と朝米関係で新たな突破口を切り開くための生産的な対話を再開し、積極的に推進していくことで合意」とも言っているので、期待しよう。
ハノイは実務→首脳という流れであったが、板門店は首脳→実務という流れになっている。トランプにとっては大きな賭でもあるが、首脳同士で決めたことを米国であっても実務がひっくり返すことは極めて難しい。北朝鮮ではあり得ない。
イバンカと「元帥様」が挨拶をしたと報じているが、もしかすると「第1副部長同志」とイバンカが、かなりいろいろな話をした可能性がある。ヒョン・ソンウォルもいたので、もしかすると朝米文化交流のような話が出たのかもしれない。
「南朝鮮駐在米国大使」というのは、「米帝」の「南朝鮮侵略」を象徴する悪の権現のような存在で、「元帥様」が会うことなど想像できないのであるが、トランプとの「歴史的な対面」の中で存在が薄れている。
今朝、トランプのツイートを紹介したが、その中でトランプは「しかし最終的に我々はそこに到達できると確信している!」と言っている。この「記録映画」の中でも「朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至る朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至る」と似たようなことを言っているので、恐らく、このようなやりとりが双方であったのであろう。
そして「慎重で信頼的な措置をとっていけば、より素晴らしい未来を開拓」とも言っており、トランプの「急いではいない」という発言につながるところがある。
トランプもツイートで「近々、再び会うのを楽しみにしている」と言っているが、「新たな出会いを約束」がニューヨークへの「元帥様」招請と平壌へのトランプ招聘を意味しているのであろう。どちらが実現するのか分からないが、「足」を考えれば、トランプが平壌を訪問する方が現実的であろう。「錦繍山迎賓館」の2人目のゲストがトランプになるのだろうか。
Source: KCTV, 2019/07/01
このナレーションを抽出して紹介しておく。
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敬愛する最高領導者金正恩同志がドナルド・トランプ米合衆国大統領と板門店で歴史的な対面をされた 主体108(2019)6.30
今世紀最初の朝米首脳対面と会談があった時から1年になる2019年6月、世界は再び重大で驚くべき歴史的事変を目撃しました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が6月29日から30日まで南朝鮮を訪問する機会に非武装地帯で金正恩国務委員長と会いたいという意思を伝えてきたことについて受諾され、板門店南側地域に行かれてトランプ大統領と電撃的に対面されました
トランプ大統領の板門店対面要請意思が世の中に伝えられた瞬間から劇的な事変が起こる瞬間まで1日あまりの時間の間は、全世界の目と耳が再び朝鮮半島へと集中され、板門店での朝米首脳対面ニュースに対する関心と期待が地球全てを熱く焼き、激情と興奮で熱狂しました
30日午後、全世界が注目し、見守る中、我が党と国家、武力の最高領導者金正恩同志が板門閣を出られました
両国間の不幸な過去を終わらせ、和解と協力の新たな未来を切り開こうとされている朝米最高首脳の思いと意志が一つに合わさる歴史のこの時、対決と敵対の象徴、板門店は希望の新たな機運で胎動していました
敬愛する最高領導者金正恩同志は、板門店の分解線の前でドナルド・トランプ米合衆国大統領と120日あまりぶりに再び対面されました
1953年停戦協定以後、66年ぶりに朝米両国の最高首脳が分断の象徴であった板門店でお互いの手を握り、歴史的な握手をする驚くべき現実が展開されました
最高領導者同志は、全世界が見ている、歴史上初めて我が国の地を踏む初の米国大統領になれと言われながら、トランプ大統領を我々側地域に招請されました
全ての予想と憶測、常識と慣例を超越した朝米首脳のこの破格的な対面は、世界を大きな衝撃と激動で煮えたぎらせました
トランプ大統領は、今日、板門店分解線を越えたことは大きな栄光だ、実に忘れられない瞬間だと自分の所感を述べました
朝米関係史で初めてとなるこの意味深いシーンは、敵対と不信の長い過去に終止符を打ち、新たに渡来した平和繁栄の時代に全的に合わせようという両国の最高首脳の立場と意志を再びはっきりと見せています
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、我々側の地域で板門閣を背景に意義深い記念撮影をされ、板門店南側地域へと向かわれました
朝鮮半島と地域、世界の平和繁栄に対する崇高な使命と責任感を抱かれ、朝米関係改善の大きな歩みを再び力強く踏み出された敬愛する最高領導者同志
最高領導者同志は、トランプ大統領が今日、板門店の分解線を越えたのは、両国間の不幸な過去を清算し、良い未来を開拓しようという人並みならぬ勇気の表現となると言われながら、今日の出会いが、単純に歴史の1ページに記録としてだけ残る対面ではなく、両国の関係発展を実質的に推し動かす意義ある契機となるはずだという確信を表明されました
トランプ大統領は、金正恩委員長が自分の提起を快く受諾し、善意と雅量を施して下さったことについて深い謝意を示しました
今回の出会いで両国関係で、多くの肯定的な変化が起こると言いながらトランプ大統領は、今日は、朝米両国と世界において歴史的な日として記録されると言いました
敬愛する最高領導者同志を文在寅大統領が自由の家の前で出迎えました
敵対と対決の産物である軍事分解線の非武装地帯で北南朝鮮と米国の最高首脳が分断の線を自由に越えて会う歴史的な場面は、全世界を大きな衝撃で覆い、長い歳月、不信と誤解、葛藤と反目の歴史を刻んできた板門店で和解と平和の新たな歴史が始まったことを示しました
世代と世紀の中で続いてきた朝米間の極端な敵対関係を終わらせ、両国人民の指向と発展する時代の要求に合うよう新たな未来を粘り強く切り開いて行かれる両国の最高首脳の確固不動な意志と広い度量により、朝米関係はあらゆる挑戦と障害を克服しながら果敢に前進しています
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領と共に会談場に向かわれました
最高領導者同志とトランプ大統領は、両国の国旗を背景に記念撮影をされました
朝米最高首脳の単独歓談が行われました
敬愛する最高領導者同志は、誰も予想できなかったこのような場を作ったトランプ大統領の決断と勇気に再び謝意を示されながら、不幸な過去を連想させる板門店で長い敵対関係にあった両国が平和の握手をすること自体が昨日と異なることを示すものであり、我々がもっと良く変わることができることを示すものとなると言われました
トランプ大統領は、今日、金正恩委員長と再び会ったことは、光栄に思うと言いながら、我々はとても素晴らし関係を結んでおり、今回の会談が大変成功裏な会談となると確信していると言いました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領との素晴らしい友好関係があったので、たった1日で今日のような劇的な出会いができたと言われながら、今後も自分とトランプ大統領との素晴らしい関係は、他人が予想できない良い結果を継続して作り出し、ぶつかる難関と障害を克服する神秘的な力として作用すると言われました
敬愛する最高領導者同志は、イバンカ・トランプ米大統領補佐官
スティーブン・モムティン米財務長官
ヘリー・ヘリス南朝鮮駐在米国大使をはじめとした米国側随行員と挨拶を交わされました
続けて、朝米最高首脳の会談が行われました
会談には我々側から朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員であり、外務相である李ヨンホ同志が、相手側からマイク・ポムペオ米合衆国国務長官が参席しました
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、朝米関係をさらに発展させるために、双方間の意思疎通と接触往来をより活性化させるための問題を真摯に論議されました
最高領導者同志とトランプ大統領は、朝鮮半島の緊張状態を緩和し、朝米両国間の不幸な関係を終わらせ、劇的に転換していくための方途的な問題と、これを解決することにおいて障害となっているお互いの憂慮事項と関心事となる問題について説明し、全的な理解と共感を示されました
朝米の最高首脳は、両国人民の念願と期待に合わせて、お互いの信頼を構築し、関係改善を積極的に進めていくことについて見解を一致させました
敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、今後も緊密に連携し、朝鮮半島非核化と朝米関係で新たな突破口を切り開くための生産的な対話を再開し、積極的に推進していくことで合意されました
70年あまりの敵対関係の中で積もった反目と対決の障壁が高く、朝米関係の新たな歴史を切り開いていく旅程で予想できない難関と曲折があろうが、お互いに手を固く握りしめ知恵と忍耐を発揮して共に打ち砕いていけば、十分に両国人民の指向と念願に合うよう、朝米関係を発展させられることを示した板門店朝米首脳会談
世紀を超えて続いてきた両国間の不信と敵対の歴史からすると、これは瞬間に過ぎないが、転換の一歩を歩み出した朝米関係が紆余曲折と試練に勝ち抜き、前進していることを再びはっきりと刻み込みました
朝米の最高首脳は、このような出会いが継続して続き、お互いの理解が深まり、誠意ある努力と相互尊重の良い流れが持続する過程で、朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至るという確信を表明されました
板門店での両国最高首脳の歴史的な対面と会談は、根深く存在してきた極端な敵対関係を終息させ、朝米関係を両国人民の利益に合うようにさらに画期的に発展させ、朝鮮半島と地域、世界の平和と安全を積極的に推し進める重大な契機となりました
両国の最高首脳は、会談結果に大きな満足を示されました
敬愛する最高領導者同志は、遠路を往来し、今回の対面と会談の成果のために積極的な努力を傾けたことについて謝意を示されました
トランプ大統領は、今後も金正恩委員長ともっとしばしば向かい合って座り、朝米関係改善の素晴らし結実をもたらす意志を再び述べました
6.12朝米共同宣言の履行のために必ず経なければならない段階と経路を朝米双方の利害関係に適合するよう設定し、慎重で信頼的な措置をとっていけば、より素晴らしい未来を開拓していけることを今日の歴史的対面は再び実証しました
最高領導者同志をトランプ大統領と文在寅大統領が板門店分解線まで来て温かくお見送りしました
敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が今回の対面と会談に真の誠意を持って参加し、朝米関係改善の意志をよく示してくれたことについて評価され、新たな出会いを約束されながら惜別の握手をされました
敬愛する最高領導者同志は、文在寅大統領と惜別されました
朝米対決と葛藤の象徴として固く閉じられていた板門店の分断の門を大きく開き、歴史を飛び越える世紀的な出会いを達成した朝米両国の最高首脳の果敢な大英断は、根深い敵対国家として反目、嫉視してきた両国間に前例のない信頼を創造した驚くべき事変となります
(ボールド筆者)
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習近平訪朝の「朝鮮記録映画」では、習近平を持ち上げる表現が多く登場する。しかし、読んでいると歴史的な朝中友好に基づいた形式的な表現が多いことが分かる。しかし、板門店朝米会談の「朝鮮記録映画」では、トランプに対する「元帥様」の真の気持ちを表すような表現が多く使われているのが特徴的である。
「和解と協力の新たな未来を切り開こうとされている朝米最高首脳の思いと意志が一つに合わさる歴史のこの時」と言っているが、結果が出た後に作った「記録映画」であるにしても、「元帥様」がトランプのツイートを見て、板門店に来ることを決断させた気持ちの表れだと思う。
「歴史上初めて我が国の地を踏む初の米国大統領になれと言われながら、トランプ大統領を我々側地域に招請されました」とも言っているが、これは「大元帥様達」も実現することができなかった大きな業績となる可能性がある。可能性があるというのは、この先に何が待ち構えているかにより、敵のボスを北朝鮮の地に招待したことが禍根に繋がることもあり得るからだ。「砂の一粒、雑草の一本も敵には与えない」と言ってきた北朝鮮だ。もちろん、成功を前提にトランプを招き入れた「元帥様」であろうが、よほどの覚悟があってのことであろう。そのまま、自らが分解線を越えて南側地域に進入し、自由の家に向かうこともできたはずだ。
このシーン、昨日の記事の中でホワイトハウスがインスタグラムで公開した動画を見ていると、トランプの方から「元帥様」に「私が入ることを望んでいるか」と声をかけている。しかし、「元帥様」は通訳の言葉を聞く前に「こちらに踏み入れれば我が国の地を踏む史上始まって以来初めての米大統領になる」と言っている。この辺り、「元帥様」はトランプを自国に入れる準備をして来ていることが分かる。ショーではあるが、このショーは朝米関係改善という結果に繋がらなければならない。だからこそ「全ての予想と憶測、常識と慣例を超越した朝米首脳のこの破格的な対面」なのだ。
「元帥様」は、「単純に歴史の1ページに記録としてだけ残る対面ではなく、両国の関係発展を実質的に推し動かす意義ある契機となる」と言っているが、「最高領導者」としては「歴史の1ページに記録される」ことが非常に重要になるのだが、そんなことよりも「両国の関係発展を実質的に推し動かす」ことに意義を見いだしているように読み取れる。この辺り、習近平訪朝の時には感じられなかった雰囲気だ。朝中間の「新たな高い段階へ昇華」と全く意味が異なることが分かる。
「両国の最高首脳の確固不動な意志と広い度量」と言っているところも興味深い。通常、「広い度量」は「元帥様」の側にあり、相手はその「度量」のおかげで対面できたという形式を取る。しかし今回は、「両国の最高首脳」の「広い度量」としており、トランプと「元帥様」が共に「朝米関係はあらゆる挑戦と障害を克服しながら果敢に前進」させると述べている。習近平に対する形式的な迎合とトランプに対する「共に進もう」という気持ちが表れている。
「誰も予想できなかったこのような場を作ったトランプ大統領の決断と勇気に再び謝意」を「元帥様」は示しているが、トランプも言っているとおり、「元帥様」の「決断と勇気」もなければ実現しなかった対面である。特に、親書交換こそあれ、事前の実務交渉が十分に行われていなかった状況で、下手をするとハノイの二の舞になる可能性があるにもかかわらず、板門店に出てきたのは、他ならぬ「元帥様」の「決断と勇気」だと言える。もちろん、上にも書いたように、その「決断と勇気」の評価は今後の朝米関係の展開によって決まってくる。
「我々はとても素晴らし関係を結んでおり、今回の会談が大変成功裏な会談となる」とトランプが言い、「元帥様」が「トランプ大統領との素晴らしい友好関係があったので、たった1日で今日のような劇的な出会いができた」と言っているが、拙ブログにも書いてきたように、これまでの朝米関係ではなかった最高指導者間のこうした関係こそが、朝米交渉の細い糸を繋いでいるのだと思う。トランプの肩を持つわけではないが、オバマであればこうした芸当はできなかったはずだ。「元帥様」の言葉通り、今の朝米関係を見ているとこの関係は「ぶつかる難関と障害を克服する神秘的な力」である。
「劇的に転換していくための方途的な問題と、これを解決することにおいて障害となっているお互いの憂慮事項と関心事となる問題について説明し、全的な理解と共感」という部分が、懸案となっている核問題の「解法」「計算法」についての話となる。具体的に何がどうなったのかは分からないが、ハノイで問題となった「解法」と「計算法」について、今回は「全的な理解と共感」が得られたのであれば、前に進む可能性も大きい。「今後も緊密に連携し、朝鮮半島非核化と朝米関係で新たな突破口を切り開くための生産的な対話を再開し、積極的に推進していくことで合意」とも言っているので、期待しよう。
ハノイは実務→首脳という流れであったが、板門店は首脳→実務という流れになっている。トランプにとっては大きな賭でもあるが、首脳同士で決めたことを米国であっても実務がひっくり返すことは極めて難しい。北朝鮮ではあり得ない。
イバンカと「元帥様」が挨拶をしたと報じているが、もしかすると「第1副部長同志」とイバンカが、かなりいろいろな話をした可能性がある。ヒョン・ソンウォルもいたので、もしかすると朝米文化交流のような話が出たのかもしれない。
「南朝鮮駐在米国大使」というのは、「米帝」の「南朝鮮侵略」を象徴する悪の権現のような存在で、「元帥様」が会うことなど想像できないのであるが、トランプとの「歴史的な対面」の中で存在が薄れている。
今朝、トランプのツイートを紹介したが、その中でトランプは「しかし最終的に我々はそこに到達できると確信している!」と言っている。この「記録映画」の中でも「朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至る朝米関係は必ずお互いに有益な終着点に至る」と似たようなことを言っているので、恐らく、このようなやりとりが双方であったのであろう。
そして「慎重で信頼的な措置をとっていけば、より素晴らしい未来を開拓」とも言っており、トランプの「急いではいない」という発言につながるところがある。
トランプもツイートで「近々、再び会うのを楽しみにしている」と言っているが、「新たな出会いを約束」がニューヨークへの「元帥様」招請と平壌へのトランプ招聘を意味しているのであろう。どちらが実現するのか分からないが、「足」を考えれば、トランプが平壌を訪問する方が現実的であろう。「錦繍山迎賓館」の2人目のゲストがトランプになるのだろうか。