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    「朝日政府間会談が開催される」(2012年11月9日 「朝鮮中央通信」)

    「2012年8月の朝日2国間の外務省課長級接触に続き、双方の合意に基づき11月15日と16日、モンゴルのウランバートルで朝日政府間会談が開催することになった」という短い記事が配信された。この報道は、日本政府の発表とほぼ同時に配信されている。北朝鮮が記事を配信するタイミングとしては実に早く、「朝米2.29合意」の時と様相が似ている。今回は「合意」ではなく会議の開催が決まっただけであるが、北朝鮮のこの会議に向けた意気込みの表示であろう。

    日本政府は「双方が関心を有する事項を議題として、幅広く協議することとな」るとし、藤村官房長官は記者の質問に対し「拉致問題についての考え方は従来から述べている通りだ。そうした日本政府の基本的立場に基づいて協議を行う」と述べている。

    首相官邸内閣官房長官記者会見「平成24年11月9日(金)午後」:
    http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201211/09_p.html

    一方、北朝鮮側は、今回の会談では「両国間の関係改善のための問題(複数)を協議する」としている。そもそもこの協議が始まったきっかけは、日本人遺骨収集問題なので、この点については、日朝双方とも議題とすることに難色は示さないであろう。問題となるのは、日本側が提示するであろう「拉致問題」、北朝鮮側が提示するであろう「過去清算問題」であるが、日本側は前に書いたとおり官房長官の認識を示している一方、北朝鮮側は、巧妙に別の記事の中「過去の清算こそが日朝関係改善の鍵である」ことを主張している。

    その記事とは、ウランバートル会談の記事とほぼ同時に同通信で配信された「朝日友好親善のための大学生の集い開催」という記事である。この集いは、10月31日に朝鮮大学校で開催されたとのことであるが、このタイミングで報道したのは、やはり「今年は朝日平壌宣言発表10年となる年なので、宣言に盛り込まれた精神を再び深く刻まなければならない」とし、日朝平壌宣言に盛り込まれた精神の半分、つまり北朝鮮側の主張である「日本の過去清算こそが、朝日関係改善の前提条件であるということ」を学生の言葉を借りて主張したかったからであろう。

    過去記事にも書いたとおり、日朝平壌宣言には最も重要な問題である「核・ミサイル」問題も書かれているのであるが、北朝鮮側はともかくも、日本側も余り触れる気はないようである。確かに、「核・ミサイル」など日朝間で解決できる問題ではないので、今回の会談では確認程度におさえ、日朝交渉を足がかり米朝交渉に繋がるような道筋が付けられれば御の字である。

    北朝鮮側も選挙日程の話をしているような政権をどれほどまともに相手にする気があるのかは分からないが、この時点で会談を飲んだのは、野田政権が日朝交渉で結果を出し、選挙を有利にしたいという「焦り」を利用しようとしているのかもしれない。もちろん、野田政権を選挙で有利にしたところで北朝鮮に何もメリットはないので、その見返りを要求するつもりであろう。そうだとすると、野田政権にとっては日本人遺骨返還問題を解決し拉致問題は「継続協議」、北朝鮮にとっては日本人遺骨返還の手数料収入獲得というところが良いところではないだろうか。

    政治や外交というものは、そういう駆け引きの連続なので、別にそれは構わないと思う。重要なことは、話し合いを続けることで「日朝間の懸案」と「国際的な懸案」の解決に向けたステップを踏むことだと思う。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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