丹東:鴨緑江ツアー (2019年3月29日)
鴨緑江ツアーについて書くと予告しておきながら、なかなか書けなかった。
過去記事に新義州や平壌ツアーをやっているという、ホテルのロビーにデスクを置いた旅行社に鴨緑江ツアーを申し込んでみた。本来199元なのだが、割引で100元となっていた(看板にはそう書いてあるのだが、下のチラシには、はじめから100元と書いてある)。9時頃出て4時頃戻るという1日ツアーなので、コスパ悪くない。

どこに行くのかは、パンフレットの写真を参照して欲しい。「朝鮮社員」と「朝鮮女兵」は、何のことだかよく分からないのだが、「朝鮮女兵」については、後述する清水郡に女性兵士の部隊兵舎あるということのようだ。また、「一歩跨」は、「この辺りです」というアナウンスだけで通過してしまった。列車の時間が迫っている参加者がいたためと思われるが、事情はよく分からない。
一番最初に行ったのが月亮島だ。ここは、丹東市西部の中砂のだが、中州に大規模なマンションとホテルを建設した。高層マンションに実際に居住している人は少ないようで、投機目的で所有している人が大部分のようだ。一方、島の端の方には普通のアパートが建設されており、元々この中州に住んでいた人々が暮らしているような雰囲気だった。中州内のコンビニに入っていたら、そこでも大同江ビールが売られていた。
中州から見た北朝鮮の造船所

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
次に行ったのが、「鴨緑江浮橋」だ。橋脚に使われていた木の杭だけが残されている。由来について「百度」で調べてみたところ、「抗米援朝の時に、志願軍が大きな川と運送の戦う物質を渡りためを保証する、アントン鉄道支局を通じて(通って)調査測量して、東北の軍区工兵部隊は建造を担当して、1951年1月1日に施工して、その年5月30日に作り上げて使用し始めます」(機械翻訳ママ)と書かれていた。例によって「米帝」の爆撃で破壊されたのかと思いきや、この橋については「戦後1954年7月に取り除きます。その時レールと橋のパネルをただ取り除いただけ、だから杭切り株順列が大きな川での中で残します」(機械翻訳ママ)と書かれており、中国側が自ら撤去したようだ。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
Google Earthでみると、朝鮮領の中州から先にも橋桁の一部が残っているようだ。

Source: Google Earth
昼食を食べた食堂。思えば、今回の旅行で唯一、朝鮮食堂以外で食べたのは、ここの昼食だけだ。おかずが数品とご飯だけという、極めてシンプル、恐らくは10元程度の食事だったが、田舎料理で美味しかった。特に、鴨緑江の川魚の味噌煮煮込みは泥臭さが全くなくとても美味しかった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
昼食後、再びマイクロバスに乗り上河駅に向かう。このツアーには中国語のガイドがおり、色々と案内はしているのだが、私には全く分からないので、ミステリーツアー。とにかく、人数もろくに確認せずマイクロバスは発車するので、同じグループの中国人の動きを見極めながら行動しないと面倒なことになる。ということで、ミステリーツアーでは、ここから列車に乗ることになった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
列車といっても観光列車である。動力は石炭車内に収められたディーゼルエンジンかディーゼル発電によるハイブリッドのような感じだった。左の建物は中国国境警備隊の建物。装甲車のような車両が1台止まっていた。

Source: 2019/03/29 筆者撮影 (中国側終点の「国門駅」にて)
客車

Source: 2019/03/29 筆者撮影 (鉄路抗美援朝博物館駅にて撮影)
30キロぐらいのゆっくりした速度で列車は走り、一つ目の停車駅である「鉄路抗美援朝博物館駅」に到着する。この博物館には、抗美援朝のために中国側の鉄道が建設され、鴨緑江に橋を架けて朝鮮側に繋げた経緯に関する展示物があるようなのだが、参観時間が短い上に、中国語で書かれているので詳しいことはよく分からかった。

Source: Google Earth
ホログラム。ストーリーはよく分からなかったのだが、どうやら橋の上にいる人物が国民党の残党で橋にダイナマイトを仕掛けて爆破しようと企てたようだ。その後、解放軍兵士が来てダイナマイトを撤去、無事朝鮮側に歩いて行くというストーリーのようだ。他の展示の中に国民党残党が解放軍に銃を突きつけられている展示もあった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
金日成が毛沢東に「出兵支援」を要請するために出したとされる手紙。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
残念だったのは、博物館に過去記事に書いた抗美援朝記念メダルが大量に展示されていたのだが、全部表向きになっており裏面の文字が確認できなかったことだ。「簡体字だから偽物」説を確認したかったのだが。
その後、銀色の抗美援朝記念メダルと功勲メダルを仕入れたので、ついでに紹介しておく。いずれも送料込みで数元だった。




博物館の出口には朝鮮製品などを売っている観光客向けの店がある。パッケージツアーなので、博物館が有料か無料かは分からないが、ここで買い物をさせて収益を上げ、一部がガイドにバックマージンとして手渡される仕組みになっているのであろう。いくつかのツアーグループが来ていたが、皆、入場する際に番号札を首からぶら下げるよう指示されていた。土産物屋で売っていた北朝鮮商品は、丹東市内の北朝鮮商品を扱う土産物屋同様、食品、健康食品、化粧品、酒類、タバコなどであった。この店で珍しかったのは、北朝鮮製という電位カミソリを売っていたことだ。北朝鮮製のタバコでは、「太陽」のカートンが45元で売っていた。他の北朝鮮産タバコと比べると格安で、朝鮮人民が普通に吸っているタバコなのであろう。
再び列車に乗り、長いトンネルを通り抜け「国門駅」に向かう。鴨緑江岸に鉄道を作ることもできたのだろうが、敢えてトンネルを掘ったのは、やはり戦略的な意図があったからであろう。トンネル内部の壁はこの観光鉄道を施設する際に整備され、きれいなコンクリートで固めてあった。朝鮮戦争中は、武器弾薬を保管できるようなスペースも設けられていたのかも知れない。
国門駅先のゲート。ゲートから先は標準軌(狭軌?)と広軌が併設されている。ドアの向こうには軍用犬らしき犬が犬小屋に繋がれていて、人が来ると吠える。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
展望台から眺めた朝鮮側。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
看板に「女子兵営」と書かれているので、やはりどこかに女性部隊があるのだろう。また、「清水市」と書かれているが、ここは「朔州郡(サックジュグン)」内にある「清水労働者地区」というのが正確な表現のようだ。なお、清水は「観光開発区」にも指定されている。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
朝鮮側の山に送電線用の鉄塔が見えるが、この送電線は中国側に繋がっている。中国から電力供給を受けているのか中国に電力を売っているのかは分からない。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
再び列車に乗り、列車はそのままバックして出発地点の上河口駅に戻る。そして、このツアーの目玉である鴨緑江クルージングがあるのだが、100元にセットされているのは観光船で、乗船時間が長く北朝鮮により接近するモーターボートは別料金となっている。後から分かったことだが、実は国門駅まで行く列車も別料金だったようだ。ホテルで予約する際に、モーターボートに乗るには1人300元払えと言われていたので、高いと思いつつ車内でガイドに300元支払った。するとガイドは、「日本のお客さんも行くのだから他の人も行きませんか」というようなことを言い出し、他の中国人観光客も誘った。どうやら、列車まではほとんどの中国人が申し込んでいたようなのだが、モーターボートは我々だけだったので、300元も取られる仕組みになっていたようだ。そうしたら、数人の中国人がモーターボートにも乗ると言いだし、結局、モーターボートと列車合わせて200元の追加となった。まあ、よく分からないのだが、そんなものなのだろうか。
モーターボートは1人150元となっている。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
コースには「女子兵舎」など色々書いてあるし、モーターボートの運転手が色々言っていたが、何だかよく分からなかった。
国境哨所に近づいたら人民軍人が出てきた。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
養殖場。人民軍の養殖場なのか民間の養殖場なのかは不明。中国側にもこの種の養殖場がたくさんある。昼食で食べた魚は、こうした養殖場で養殖した魚だったのかもしれない。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
中国側の養殖場。中州は中国領で観光地になっている。対岸は北朝鮮。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
人民軍の警備艇と軍人

Source: 2019/03/29 筆者撮影
稼働していない工場

Source: 2019/03/29 筆者撮影
作業をする人民軍人。白いフロートは養殖場と思われる。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
国門橋、朝鮮側の哨所

Source: 2019/03/29 筆者撮影
これといって感動的な光景はなかったが、敢えて言うならば、「元帥様」が積極的に取り組むよう指示した養魚場を間近に見られたのは良かった。
この後、マイクロバスは「一歩跨」は通過して、丹東市内に戻った。
過去記事に新義州や平壌ツアーをやっているという、ホテルのロビーにデスクを置いた旅行社に鴨緑江ツアーを申し込んでみた。本来199元なのだが、割引で100元となっていた(看板にはそう書いてあるのだが、下のチラシには、はじめから100元と書いてある)。9時頃出て4時頃戻るという1日ツアーなので、コスパ悪くない。

どこに行くのかは、パンフレットの写真を参照して欲しい。「朝鮮社員」と「朝鮮女兵」は、何のことだかよく分からないのだが、「朝鮮女兵」については、後述する清水郡に女性兵士の部隊兵舎あるということのようだ。また、「一歩跨」は、「この辺りです」というアナウンスだけで通過してしまった。列車の時間が迫っている参加者がいたためと思われるが、事情はよく分からない。
一番最初に行ったのが月亮島だ。ここは、丹東市西部の中砂のだが、中州に大規模なマンションとホテルを建設した。高層マンションに実際に居住している人は少ないようで、投機目的で所有している人が大部分のようだ。一方、島の端の方には普通のアパートが建設されており、元々この中州に住んでいた人々が暮らしているような雰囲気だった。中州内のコンビニに入っていたら、そこでも大同江ビールが売られていた。
中州から見た北朝鮮の造船所

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
次に行ったのが、「鴨緑江浮橋」だ。橋脚に使われていた木の杭だけが残されている。由来について「百度」で調べてみたところ、「抗米援朝の時に、志願軍が大きな川と運送の戦う物質を渡りためを保証する、アントン鉄道支局を通じて(通って)調査測量して、東北の軍区工兵部隊は建造を担当して、1951年1月1日に施工して、その年5月30日に作り上げて使用し始めます」(機械翻訳ママ)と書かれていた。例によって「米帝」の爆撃で破壊されたのかと思いきや、この橋については「戦後1954年7月に取り除きます。その時レールと橋のパネルをただ取り除いただけ、だから杭切り株順列が大きな川での中で残します」(機械翻訳ママ)と書かれており、中国側が自ら撤去したようだ。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
Google Earthでみると、朝鮮領の中州から先にも橋桁の一部が残っているようだ。

Source: Google Earth
昼食を食べた食堂。思えば、今回の旅行で唯一、朝鮮食堂以外で食べたのは、ここの昼食だけだ。おかずが数品とご飯だけという、極めてシンプル、恐らくは10元程度の食事だったが、田舎料理で美味しかった。特に、鴨緑江の川魚の味噌煮煮込みは泥臭さが全くなくとても美味しかった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
昼食後、再びマイクロバスに乗り上河駅に向かう。このツアーには中国語のガイドがおり、色々と案内はしているのだが、私には全く分からないので、ミステリーツアー。とにかく、人数もろくに確認せずマイクロバスは発車するので、同じグループの中国人の動きを見極めながら行動しないと面倒なことになる。ということで、ミステリーツアーでは、ここから列車に乗ることになった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
列車といっても観光列車である。動力は石炭車内に収められたディーゼルエンジンかディーゼル発電によるハイブリッドのような感じだった。左の建物は中国国境警備隊の建物。装甲車のような車両が1台止まっていた。

Source: 2019/03/29 筆者撮影 (中国側終点の「国門駅」にて)
客車

Source: 2019/03/29 筆者撮影 (鉄路抗美援朝博物館駅にて撮影)
30キロぐらいのゆっくりした速度で列車は走り、一つ目の停車駅である「鉄路抗美援朝博物館駅」に到着する。この博物館には、抗美援朝のために中国側の鉄道が建設され、鴨緑江に橋を架けて朝鮮側に繋げた経緯に関する展示物があるようなのだが、参観時間が短い上に、中国語で書かれているので詳しいことはよく分からかった。

Source: Google Earth
ホログラム。ストーリーはよく分からなかったのだが、どうやら橋の上にいる人物が国民党の残党で橋にダイナマイトを仕掛けて爆破しようと企てたようだ。その後、解放軍兵士が来てダイナマイトを撤去、無事朝鮮側に歩いて行くというストーリーのようだ。他の展示の中に国民党残党が解放軍に銃を突きつけられている展示もあった。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
金日成が毛沢東に「出兵支援」を要請するために出したとされる手紙。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
残念だったのは、博物館に過去記事に書いた抗美援朝記念メダルが大量に展示されていたのだが、全部表向きになっており裏面の文字が確認できなかったことだ。「簡体字だから偽物」説を確認したかったのだが。
その後、銀色の抗美援朝記念メダルと功勲メダルを仕入れたので、ついでに紹介しておく。いずれも送料込みで数元だった。




博物館の出口には朝鮮製品などを売っている観光客向けの店がある。パッケージツアーなので、博物館が有料か無料かは分からないが、ここで買い物をさせて収益を上げ、一部がガイドにバックマージンとして手渡される仕組みになっているのであろう。いくつかのツアーグループが来ていたが、皆、入場する際に番号札を首からぶら下げるよう指示されていた。土産物屋で売っていた北朝鮮商品は、丹東市内の北朝鮮商品を扱う土産物屋同様、食品、健康食品、化粧品、酒類、タバコなどであった。この店で珍しかったのは、北朝鮮製という電位カミソリを売っていたことだ。北朝鮮製のタバコでは、「太陽」のカートンが45元で売っていた。他の北朝鮮産タバコと比べると格安で、朝鮮人民が普通に吸っているタバコなのであろう。
再び列車に乗り、長いトンネルを通り抜け「国門駅」に向かう。鴨緑江岸に鉄道を作ることもできたのだろうが、敢えてトンネルを掘ったのは、やはり戦略的な意図があったからであろう。トンネル内部の壁はこの観光鉄道を施設する際に整備され、きれいなコンクリートで固めてあった。朝鮮戦争中は、武器弾薬を保管できるようなスペースも設けられていたのかも知れない。
国門駅先のゲート。ゲートから先は標準軌(狭軌?)と広軌が併設されている。ドアの向こうには軍用犬らしき犬が犬小屋に繋がれていて、人が来ると吠える。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
展望台から眺めた朝鮮側。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
看板に「女子兵営」と書かれているので、やはりどこかに女性部隊があるのだろう。また、「清水市」と書かれているが、ここは「朔州郡(サックジュグン)」内にある「清水労働者地区」というのが正確な表現のようだ。なお、清水は「観光開発区」にも指定されている。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
朝鮮側の山に送電線用の鉄塔が見えるが、この送電線は中国側に繋がっている。中国から電力供給を受けているのか中国に電力を売っているのかは分からない。

Source: 2019/03/29 筆者撮影

Source: Google Earth
再び列車に乗り、列車はそのままバックして出発地点の上河口駅に戻る。そして、このツアーの目玉である鴨緑江クルージングがあるのだが、100元にセットされているのは観光船で、乗船時間が長く北朝鮮により接近するモーターボートは別料金となっている。後から分かったことだが、実は国門駅まで行く列車も別料金だったようだ。ホテルで予約する際に、モーターボートに乗るには1人300元払えと言われていたので、高いと思いつつ車内でガイドに300元支払った。するとガイドは、「日本のお客さんも行くのだから他の人も行きませんか」というようなことを言い出し、他の中国人観光客も誘った。どうやら、列車まではほとんどの中国人が申し込んでいたようなのだが、モーターボートは我々だけだったので、300元も取られる仕組みになっていたようだ。そうしたら、数人の中国人がモーターボートにも乗ると言いだし、結局、モーターボートと列車合わせて200元の追加となった。まあ、よく分からないのだが、そんなものなのだろうか。
モーターボートは1人150元となっている。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
コースには「女子兵舎」など色々書いてあるし、モーターボートの運転手が色々言っていたが、何だかよく分からなかった。
国境哨所に近づいたら人民軍人が出てきた。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
養殖場。人民軍の養殖場なのか民間の養殖場なのかは不明。中国側にもこの種の養殖場がたくさんある。昼食で食べた魚は、こうした養殖場で養殖した魚だったのかもしれない。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
中国側の養殖場。中州は中国領で観光地になっている。対岸は北朝鮮。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
人民軍の警備艇と軍人

Source: 2019/03/29 筆者撮影
稼働していない工場

Source: 2019/03/29 筆者撮影
作業をする人民軍人。白いフロートは養殖場と思われる。

Source: 2019/03/29 筆者撮影
国門橋、朝鮮側の哨所

Source: 2019/03/29 筆者撮影
これといって感動的な光景はなかったが、敢えて言うならば、「元帥様」が積極的に取り組むよう指示した養魚場を間近に見られたのは良かった。
この後、マイクロバスは「一歩跨」は通過して、丹東市内に戻った。