トランプがツイート:「米韓合同演習は朝米会談では触れられていない」と、impossible deal、茶番、戦利品 (2019年3月5日)
5日、トランプがツイート。
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私が戦争ゲームと呼んでいる軍事訓練は、北朝鮮の金正恩との会談で議論されなかった。フェイク・ニュース!私は、とてつもないコストが返済されない「ゲーム」に米国は多すぎる金を費やしているので、私はこの決定をずっと以前にしていた!

Source: Twitter, 2019/03/05 06JST
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米国のメディアが、トランプが米韓合同軍事演習を終了、縮小させたことを北朝鮮への譲歩と非難していることへの反発であろう。確かにトランプは、ずっと以前から合同軍事演習のコストを問題にしているが、ハノイでこの問題が議論されたのかどうかは別とし、トランプが昨日ツイートしているように、朝米関係を一方では配慮したものであることは間違いない。
別記事に書くが、「元帥様」は5日未明、平壌に到着した。今後、ベトナム訪問の総集編「朝鮮記録映画」が出てくるであろうが、可能性は低いがキーリゾルブ終了についてその中で触れられるかどうか、そして触れられなければそのことをどのように評価するのかに注目する必要がある。
また憶測を書いておけば、今回は朝米の間で形としては残らないビッグ・ディールが行われたのではないかという気もしている。というのは、トランプにとって元顧問弁護士のマイケル・コーエンの議会証言は衝撃的で、Anything but Trump(トランプでなければ何でも良い)という状況では、北朝鮮とどのような合意をしようがトランプは非難されることになる。そのため、ボルトンが言っているような事前交渉で妥結したレベルを遙かに超える、北朝鮮が到底受け入れ難い要求事項が記されたimpossible dealの「紙」を「元帥様」に手渡したのであろう。北朝鮮としては、そんなimpossible dealを提示されれば、トランプが言っているように全ての制裁解除を要求してきても不思議ではない。
しかし、impossible dealへの流れは茶番だった可能性がある。トランプは「元帥様」にimpossible dealについて午前の単独会談の際に伝えてあり、茶番への協力を求めたのではないだろうか。「元帥様」は、なぜ自分の外交成果を犠牲にしてまでimpossible dealで会談決裂に協力したのかと言えば、「元帥様」もトランプがいないと困るという事情があるからである。米国内でトランプの力が弱まったり、あるいは弾劾されるようなことになれば、朝米交渉は振り出しに戻る。まさに、2000年末に米国の政権交替で実現しなかったクリントン訪朝の悪夢が再来することになる。なので、形式的にはトランプが北朝鮮に対しimpossible dealを提示した形にして交渉を決裂させ、米国の国内情勢が落ち着いた時点で再び会談をして、今回準備した合意書あるいはそれに一定のプラスαをしたような合意をするのではないだろうか。そのように考えれば、今回の茶番「決裂」こそが、「ビッグ・ディール」だったのかもしれない。
そしてトランプは、「元帥様」に一定の配慮をしながら、「米国が金を使いすぎている」という北朝鮮とは直接的に関わりのない「米国第一主義」を理由に米韓合同演習の終了・縮小を決めたのかもしれない。
トランプの立場を考慮すれば、合同演習の終了をハノイ会談の戦利品と北朝鮮は公に宣伝しないであろうが、非公式に北朝鮮内、とりわけ軍部との関係では、合同軍事演習を終了、縮小させたことは充分な戦利品となり、「元帥様」が朝米交渉を進めていく上で軍部を説得する材料になる。
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私が戦争ゲームと呼んでいる軍事訓練は、北朝鮮の金正恩との会談で議論されなかった。フェイク・ニュース!私は、とてつもないコストが返済されない「ゲーム」に米国は多すぎる金を費やしているので、私はこの決定をずっと以前にしていた!

Source: Twitter, 2019/03/05 06JST
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米国のメディアが、トランプが米韓合同軍事演習を終了、縮小させたことを北朝鮮への譲歩と非難していることへの反発であろう。確かにトランプは、ずっと以前から合同軍事演習のコストを問題にしているが、ハノイでこの問題が議論されたのかどうかは別とし、トランプが昨日ツイートしているように、朝米関係を一方では配慮したものであることは間違いない。
別記事に書くが、「元帥様」は5日未明、平壌に到着した。今後、ベトナム訪問の総集編「朝鮮記録映画」が出てくるであろうが、可能性は低いがキーリゾルブ終了についてその中で触れられるかどうか、そして触れられなければそのことをどのように評価するのかに注目する必要がある。
また憶測を書いておけば、今回は朝米の間で形としては残らないビッグ・ディールが行われたのではないかという気もしている。というのは、トランプにとって元顧問弁護士のマイケル・コーエンの議会証言は衝撃的で、Anything but Trump(トランプでなければ何でも良い)という状況では、北朝鮮とどのような合意をしようがトランプは非難されることになる。そのため、ボルトンが言っているような事前交渉で妥結したレベルを遙かに超える、北朝鮮が到底受け入れ難い要求事項が記されたimpossible dealの「紙」を「元帥様」に手渡したのであろう。北朝鮮としては、そんなimpossible dealを提示されれば、トランプが言っているように全ての制裁解除を要求してきても不思議ではない。
しかし、impossible dealへの流れは茶番だった可能性がある。トランプは「元帥様」にimpossible dealについて午前の単独会談の際に伝えてあり、茶番への協力を求めたのではないだろうか。「元帥様」は、なぜ自分の外交成果を犠牲にしてまでimpossible dealで会談決裂に協力したのかと言えば、「元帥様」もトランプがいないと困るという事情があるからである。米国内でトランプの力が弱まったり、あるいは弾劾されるようなことになれば、朝米交渉は振り出しに戻る。まさに、2000年末に米国の政権交替で実現しなかったクリントン訪朝の悪夢が再来することになる。なので、形式的にはトランプが北朝鮮に対しimpossible dealを提示した形にして交渉を決裂させ、米国の国内情勢が落ち着いた時点で再び会談をして、今回準備した合意書あるいはそれに一定のプラスαをしたような合意をするのではないだろうか。そのように考えれば、今回の茶番「決裂」こそが、「ビッグ・ディール」だったのかもしれない。
そしてトランプは、「元帥様」に一定の配慮をしながら、「米国が金を使いすぎている」という北朝鮮とは直接的に関わりのない「米国第一主義」を理由に米韓合同演習の終了・縮小を決めたのかもしれない。
トランプの立場を考慮すれば、合同演習の終了をハノイ会談の戦利品と北朝鮮は公に宣伝しないであろうが、非公式に北朝鮮内、とりわけ軍部との関係では、合同軍事演習を終了、縮小させたことは充分な戦利品となり、「元帥様」が朝米交渉を進めていく上で軍部を説得する材料になる。