「羅先-元汀道路開通式開催」(2012年10月26日 「朝鮮中央通信」)
羅先経済貿易地帯と朝中国境の町である元汀をつなぐ道路が完成したと「朝鮮中央通信」が伝えた。「朝鮮中央通信」は、この他にも「羅先経済貿易地帯管理委員会事務庁舎着工式開催」、「羅先経済貿易地帯管理委員会看板除幕式開催」についても報道した。
羅先-元汀道路

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
そもそも、羅先-元汀道路の元汀なる場所がよく分からなかったので、いろいろ調べていたら日本の国交省のHPに出ていた。
国交省 「アジアハイウェイ路線とその現状」

Source: 国交省HP、http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000103.html
国交省HPによると、羅先-元汀道路は、上の地図右上のAH32区間で、総延長は60kmとのことである。写真にも見られるように、しっかりとしたガードレールも設置された、きれいな道である。元汀は北朝鮮領内なので、中国の 圏河へは図們江を渡らなければならない。現在も元汀と圏河間には橋があるが、古い橋なので重量の重いトラックが大量に通過させるには不安があるとのことである。そこで、2013年の着工を目指して新しい橋の測量作業が進められているようだ。
「毎日中国新聞」:「中国と北朝鮮の国境を繋ぐ2本目の橋、13年に着工へ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000002-xinhua-cn
この橋が完成すれば、今回の道路の開通と合わせ中国東北部と羅先間の物流ルートは格段に改善されることになる。中国は「北朝鮮・羅津(ナジン)港の4-6号埠頭を開発し、50年間使用する」契約を北朝鮮と締結しているので、これらの埠頭を利用しながら中国南部や海外との物流コストや輸送時間を減らすことができるであろう。
「中央日報(日本語版)」:「中国、北朝鮮羅津港4-6号埠頭50年使用協約を締結」
http://japanese.joins.com/article/113/136113.html?servcode=500§code=500
ところで、「朝鮮中央通信」の報道で興味深いのは、今回の報道では「朝中共同開発、共同管理羅先経済貿易地帯」と冒頭で紹介した同通信の3つの報道全てで書いているのだが、今年7月2日付の同通信報道「羅先経済貿易地帯開発事業活発」という報道では、「朝中共同開発、共同管理」という語句は見当たらない。よく分からないのは、羅先経済貿易地帯を区切って「朝中共同開発、共同管理」区域を設けているのか、それともプロジェクト毎に「共同開発、共同管理」が行われているのか、可能性は低いと思うが羅先全体を「共同開発、共同管理」区域としてしまったのかということである。
「朝鮮中央通信」の記事には「道路工事全過程は、両国間の親善関係を進展させ、羅先経済貿易地帯朝中共同開発、共同管理事業の正当性と活力を誇る契機となった」と羅先市人民委員会副委員長が祝辞の中で述べたと伝えている。詳細は伝えられていないが、この道路工事は資金と資材を中国側が提供し、北朝鮮側は労働力のみを提供したのであろう。中朝間の羅先については利益が一致する部分が大きいので、共同開発も比較的順調に進んでいるが、黄金坪や威化島の開発はなかなか北朝鮮の思惑どおりに進まない現状にある。
開通式の様子

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
しかし、「アジアハイウェイ」などというプロジェクトがあったことを忘れていた。釜山から圏河まで朝鮮半島を縦断する道路が完成した折には、是非、自分の車で走ってみたいものである。
国交省HP、「アジアハイウェイ」トップページ:
http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000071.html
羅先-元汀道路

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
そもそも、羅先-元汀道路の元汀なる場所がよく分からなかったので、いろいろ調べていたら日本の国交省のHPに出ていた。
国交省 「アジアハイウェイ路線とその現状」

Source: 国交省HP、http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000103.html
国交省HPによると、羅先-元汀道路は、上の地図右上のAH32区間で、総延長は60kmとのことである。写真にも見られるように、しっかりとしたガードレールも設置された、きれいな道である。元汀は北朝鮮領内なので、中国の 圏河へは図們江を渡らなければならない。現在も元汀と圏河間には橋があるが、古い橋なので重量の重いトラックが大量に通過させるには不安があるとのことである。そこで、2013年の着工を目指して新しい橋の測量作業が進められているようだ。
「毎日中国新聞」:「中国と北朝鮮の国境を繋ぐ2本目の橋、13年に着工へ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000002-xinhua-cn
この橋が完成すれば、今回の道路の開通と合わせ中国東北部と羅先間の物流ルートは格段に改善されることになる。中国は「北朝鮮・羅津(ナジン)港の4-6号埠頭を開発し、50年間使用する」契約を北朝鮮と締結しているので、これらの埠頭を利用しながら中国南部や海外との物流コストや輸送時間を減らすことができるであろう。
「中央日報(日本語版)」:「中国、北朝鮮羅津港4-6号埠頭50年使用協約を締結」
http://japanese.joins.com/article/113/136113.html?servcode=500§code=500
ところで、「朝鮮中央通信」の報道で興味深いのは、今回の報道では「朝中共同開発、共同管理羅先経済貿易地帯」と冒頭で紹介した同通信の3つの報道全てで書いているのだが、今年7月2日付の同通信報道「羅先経済貿易地帯開発事業活発」という報道では、「朝中共同開発、共同管理」という語句は見当たらない。よく分からないのは、羅先経済貿易地帯を区切って「朝中共同開発、共同管理」区域を設けているのか、それともプロジェクト毎に「共同開発、共同管理」が行われているのか、可能性は低いと思うが羅先全体を「共同開発、共同管理」区域としてしまったのかということである。
「朝鮮中央通信」の記事には「道路工事全過程は、両国間の親善関係を進展させ、羅先経済貿易地帯朝中共同開発、共同管理事業の正当性と活力を誇る契機となった」と羅先市人民委員会副委員長が祝辞の中で述べたと伝えている。詳細は伝えられていないが、この道路工事は資金と資材を中国側が提供し、北朝鮮側は労働力のみを提供したのであろう。中朝間の羅先については利益が一致する部分が大きいので、共同開発も比較的順調に進んでいるが、黄金坪や威化島の開発はなかなか北朝鮮の思惑どおりに進まない現状にある。
開通式の様子

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
しかし、「アジアハイウェイ」などというプロジェクトがあったことを忘れていた。釜山から圏河まで朝鮮半島を縦断する道路が完成した折には、是非、自分の車で走ってみたいものである。
国交省HP、「アジアハイウェイ」トップページ:
http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000071.html