「帰らなかった密使」:「鉄道唱歌」がBGM (2019年2月1日 「朝鮮中央TV」)
1日、「朝鮮中央TV」で放送中。初めて見る面白い映画。追って、詳細。
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「帰らなかった密使」は決して新しい映画ではないのだが、韓国統一部のDBによると、2016年10月3日に1度だけ放送されている。この日の拙ブログを振り返っても、この映画についての記述はないので、見落としたのか、そうでなければサーバーの配信に問題があったのだろう。
このところ、「朝鮮中央TV」では、初めて見るような映画の放送がなかったが、この映画はとてもおもしろかった。色々調べてみると、どうやらこの映画は1984年に制作され、「帰らざる密使」というタイトルで、日本語字幕が付いたビデオも存在するようだ。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E5%B8%B0%E3%82%89%E3%81%96%E3%82%8B%E5%AF%86%E4%BD%BF/28249/
内容は、1980年代(と思われる時期)にオランダのハーグに大型漁船購入契約に訪れた人物が、1907年の万国平和会議で1905年に締結された乙巳保護条約の不当性を訴え、自決した李ジュンの墓を訪れるシーンから始まる。そしてこの人物が、李ジュンが万国平和会議に参加するためにハーグを訪れたときに自分の家に泊めてやったという老女と出会う。
その後、その老女の話を聞きながら、李ジュンがハーグを訪れた時代へとシーンは変わる。
この映画で興味深いのは、映画のBGMとして「鉄道唱歌」のメロディーが頻繁に使われていることである。以前も「鉄道唱歌」のメロディーについて記事を書いた記憶があるが、この映画で分かったことは、「鉄道唱歌」は、「勧学歌」のメロディーとして朝鮮で使われていたということだ。映画での「鉄道唱歌」メロディーの扱いが史実に基づいているのかどうかはさておき、朝鮮の学校教育の中で使われていたようだ。
下の動画で歌われているのが、映画で扱われている旧「勧学歌」であるが、朱子の「少年老い易く学成り難し」として知られている、「朱文公勧学文」に基づいて歌詞が付けられている。
Source: KCTV, 2019/02/01
一部、朝鮮語が分からない部分があるので字幕に不正確な部分があるかも知れないが、大体正しいと思う。
この映画の主人公の李ジュンは、乙巳保護条約に憤慨し割腹自殺をしようとするが、子供たちが歌うこの曲を耳にし、自殺を思いとどまる。そして、朝鮮の人々に新たな文明の教育を施し、日本に対抗することを思い立つ。
その結果、李ジュンが新たに歌手を付けた新「勧学歌」は、次の動画にある。この歌の歌詞は、黒板に書かれた文字から拾っているので、正しい。
Source: KCTV, 2019/02/01
もう一つのこの映画の特徴は、外国人(ロシア人らしき名前の人物)をたくさん使っている点である。ロケも朝鮮の映画撮影所だけではなく、ソ連で行ったようである。北朝鮮が単独制作した映画にも外国人は登場するが、とても少ないか、西洋人メークをした朝鮮人を使っている。しかし、この映画ではロシア人をたくさん使っているので、外国のムードが充分出でている。基本的には外国人も朝鮮語を話すのだが、朝鮮人がフランス語(多分)で話すようなシーンもある。
機会があれば字幕を付けたいが、長い映画なので、やるとなると大変そうだ。
忘れていた。日本の外交使節が朝鮮密使の活動を封鎖するために活動するシーンでの「さくら、さくら」なぜか途中までの繰り返しなのだが。確か、以前、別の記事で紹介した日本人が登場する映画かドラマでもレピートさくら・さくらは使われていたような。
Source: KCTV, 2019/02/01
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「帰らなかった密使」は決して新しい映画ではないのだが、韓国統一部のDBによると、2016年10月3日に1度だけ放送されている。この日の拙ブログを振り返っても、この映画についての記述はないので、見落としたのか、そうでなければサーバーの配信に問題があったのだろう。
このところ、「朝鮮中央TV」では、初めて見るような映画の放送がなかったが、この映画はとてもおもしろかった。色々調べてみると、どうやらこの映画は1984年に制作され、「帰らざる密使」というタイトルで、日本語字幕が付いたビデオも存在するようだ。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E5%B8%B0%E3%82%89%E3%81%96%E3%82%8B%E5%AF%86%E4%BD%BF/28249/
内容は、1980年代(と思われる時期)にオランダのハーグに大型漁船購入契約に訪れた人物が、1907年の万国平和会議で1905年に締結された乙巳保護条約の不当性を訴え、自決した李ジュンの墓を訪れるシーンから始まる。そしてこの人物が、李ジュンが万国平和会議に参加するためにハーグを訪れたときに自分の家に泊めてやったという老女と出会う。
その後、その老女の話を聞きながら、李ジュンがハーグを訪れた時代へとシーンは変わる。
この映画で興味深いのは、映画のBGMとして「鉄道唱歌」のメロディーが頻繁に使われていることである。以前も「鉄道唱歌」のメロディーについて記事を書いた記憶があるが、この映画で分かったことは、「鉄道唱歌」は、「勧学歌」のメロディーとして朝鮮で使われていたということだ。映画での「鉄道唱歌」メロディーの扱いが史実に基づいているのかどうかはさておき、朝鮮の学校教育の中で使われていたようだ。
下の動画で歌われているのが、映画で扱われている旧「勧学歌」であるが、朱子の「少年老い易く学成り難し」として知られている、「朱文公勧学文」に基づいて歌詞が付けられている。
Source: KCTV, 2019/02/01
一部、朝鮮語が分からない部分があるので字幕に不正確な部分があるかも知れないが、大体正しいと思う。
この映画の主人公の李ジュンは、乙巳保護条約に憤慨し割腹自殺をしようとするが、子供たちが歌うこの曲を耳にし、自殺を思いとどまる。そして、朝鮮の人々に新たな文明の教育を施し、日本に対抗することを思い立つ。
その結果、李ジュンが新たに歌手を付けた新「勧学歌」は、次の動画にある。この歌の歌詞は、黒板に書かれた文字から拾っているので、正しい。
Source: KCTV, 2019/02/01
もう一つのこの映画の特徴は、外国人(ロシア人らしき名前の人物)をたくさん使っている点である。ロケも朝鮮の映画撮影所だけではなく、ソ連で行ったようである。北朝鮮が単独制作した映画にも外国人は登場するが、とても少ないか、西洋人メークをした朝鮮人を使っている。しかし、この映画ではロシア人をたくさん使っているので、外国のムードが充分出でている。基本的には外国人も朝鮮語を話すのだが、朝鮮人がフランス語(多分)で話すようなシーンもある。
機会があれば字幕を付けたいが、長い映画なので、やるとなると大変そうだ。
忘れていた。日本の外交使節が朝鮮密使の活動を封鎖するために活動するシーンでの「さくら、さくら」なぜか途中までの繰り返しなのだが。確か、以前、別の記事で紹介した日本人が登場する映画かドラマでもレピートさくら・さくらは使われていたような。
Source: KCTV, 2019/02/01