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    「終戦は誰かが誰かに与える贈り物ではない」:読み解きにくい「論評」、7日にポムペオ訪朝 (2018年9月2日 「朝鮮中央通信」)

    2日、「朝鮮中央通信」に以下。

    ********
    終戦は誰かが誰かに与える贈り物ではない-朝鮮中央通信論評-
    종전은 누가 누구에게 주는 선사품이 아니다

    --조선중앙통신사 론평--


    (평양 10월 2일발 조선중앙통신)

    最近、米国のいわゆる朝鮮問題専門家の中で、米国が終戦宣言に応じてくれる対価として、北朝鮮から核計画申告と検証はもちろん、寧辺核施設廃棄やミサイル施設廃棄などを受け取らなければならないという荒唐無稽極まりない詭弁が出ている。
    최근 미국의 이른바 조선문제전문가들속에서 미국이 종전선언에 응해주는 대가로 북조선으로부터 핵계획신고와 검증은 물론 녕변핵시설페기나 미싸일시설페기 등을 받아내야 한다는 황당무계하기 짝이 없는 궤변들이 나오고있다.

    終戦は、停戦協定により既に半世紀前に解決しなければならない問題として、米国も公約した新たな朝米関係樹立と朝鮮半島の平和体制樹立のための最も基礎的で優先的な工程である。
    종전은 정전협정에 따라 이미 반세기전에 해결되였어야 할 문제로서 미국도 공약한 새로운 조미관계수립과 조선반도의 평화체제수립을 위한 가장 기초적이고 선차적인 공정이다.

    事実、終戦問題は、10年あまり前、ブッシュ2世政権の時期、米国が先に提起し、2007年10月4日に採択された「北南関係発展と平和繁栄のための宣言」と、去る4月27日に採択された「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」に明記されていることなので、我々よりも米国をはじめとした他の当事者がさらに熱意を示した問題である。
    사실 종전문제는 10여년전 부쉬2세행정부시기 미국이 먼저 제기한바 있으며 2007년 10월 4일에 채택된 《북남관계발전과 평화번영을 위한 선언》과 지난 4월 27일에 채택된 《조선반도의 평화와 번영,통일을 위한 판문점선언》에 명기되여있는것으로 하여 우리보다도 미국을 비롯한 다른 당사자들이 더 열의를 보인 문제이다.

    朝米双方だけではなく、朝鮮半島の平和を願う東北アジア地域の国々の利害関係に全て適合する終戦は、決して誰かが誰かに与える贈り物ではなく、我々の非核化措置と交換できる取引材料ではなおさらない。
    조미쌍방뿐아니라 조선반도의 평화를 원하는 동북아시아지역 나라들의 리해관계에 다 부합되는 종전은 결코 누가 누구에게 주는 선사품이 아니며 우리의 비핵화조치와 바꾸어먹을수 있는 흥정물은 더더욱 아니다.

    朝米が6.12朝米共同声明に従い、新たな関係樹立を指向していく時に、朝米間の交戦関係に終止符を打つことは、当然のことであるが、米国が終戦を願わないならば、我々も敢えてそれに執着しない。
    조미가 6.12조미공동성명에 따라 새로운 관계수립을 지향해나가는 때에 조미사이의 교전관계에 종지부를 찍는것은 당연한것이지만 미국이 종전을 바라지 않는다면 우리도 구태여 이에 련련하지 않을것이다.

    寧辺核施設について言うならば、米国をはじめとした全世界が認めているように、我々の核計画の心臓部のような核施設である。
    녕변핵시설에 대해 말한다면 미국을 비롯한 온 세계가 인정하는바와 같이 우리 핵계획의 심장부와도 같은 핵심시설이다.

    そうではあるが、我々は「9月平壌共同宣言」で、朝米首脳会談共同声明を誠実に履行していく確固たる立場から、米国が相応の措置を取れば、寧辺核施設の永久的廃棄のような追加的措置を継続して取っていく用意があることを闡明にした。
    그렇지만 우리는 《9월평양공동선언》에서 조미수뇌회담 공동성명을 성실히 리행해나가려는 확고한 립장으로부터 미국이 상응한 조치를 취한다면 녕변핵시설의 영구적페기와 같은 추가적조치를 계속 취해나갈 용의가 있다는것을 천명하였다.
    *********************
    我々が朝米首脳会談共同声明の履行のために実質的で重大な措置をとり続けている反面、米国は旧態依然として対朝鮮制裁圧迫強化を念仏のように唱えながら、制裁で誰それを屈服させようとしている。
    우리가 조미수뇌회담 공동성명의 리행을 위하여 실질적이고도 중대한 조치들을 계속 취하고있는 반면에 미국은 구태의연하게 대조선제재압박강화를 념불처럼 외우면서 제재로 그 누구를 굴복시켜보려 하고있다.

    特に、朝鮮問題を専門に取り扱っている人々が、60年あまり前に既に取られなければならなかった措置について、今になって値を付けながら対価なるものを要求する茶番を演じている。
    더우기 조선문제를 전문으로 다룬다는 사람들이 60여년전에 이미 취했어야 할 조치를 두고 이제 와서 값을 매기면서 그 무슨 대가를 요구하는 광대극을 놀고있다.

    誰であれ、本当に朝鮮半島の核問題解決に関心があるのなら、朝鮮半島核問題発生の歴史的根源とその本質に対する正しい理解を持って、問題解決に臨むべきである。
    그 누구든 진정으로 조선반도의 핵문제해결에 관심이 있다면 조선반도핵문제발생의 력사적근원과 그 본질에 대한 옳바른 리해를 가지고 문제해결에 림하는것이 좋을것이다.(끝)
    ****************

    大学入試の国語の難問になりそうな読み解きにくい「論評」である。北朝鮮は、これまで「終戦宣言」を非核化に対する「相応の措置」としてきたが、この「論評」では、「朝米間の交戦関係に終止符を打つことは、当然のことであるが、米国が終戦を願わないならば、我々も敢えてそれに執着しない」としている。これを「交戦」状態を続けたいのであれば、非核化に向けた米国との対話はこれ以上続けないと読むべきなのか、米国がそれほどまでに「終戦宣言」を嫌がるのであれば、それとは異なる「相応の措置」でも構わないと言っているのか、今一つ分からない。終わりの部分で「朝鮮半島核問題発生の歴史的根源とその本質に対する正しい理解を持って、問題解決に臨むべき」とも言っているので、「歴史的根源とその本質」が「交戦状態」にあるとも取れるが、拡大して解釈をすれば「対朝鮮敵対視政策」とも取れる。

    それと関連して、一つ前に紹介した李ヨンホは演説の中で「米国は制裁の追加ばかりしており、解除や緩和もしない」と言っている。彼が「解除」だけではなく「緩和」と言っている点は注目される。トランプは基本的に「非核化が始まる(occurs)まで制裁は継続」と言っているが、過去記事に書いたとおり、occursを北朝鮮が米国が了解する非核化のステップに入った時点であると解すれば、「緩和」はあり得る。

    米国務省は、ポムペオが東京→平壌→ソウル→北京を10月6日から訪問し、7日には平壌で「金正恩委員長と会見」と発表した。東京で取りあえずの方向性を説明し、平壌での結果を韓国に伝え、さらに中国に結果を伝えつつ協力を要請するというルートになっている。「元帥様」との会談があることからすれば、既に朝米間での事前交渉は成立しており、ポムペオが平壌に行き明示的にそれを確認し、その後にあると予想される第2回朝米首脳会談で正式妥結ということになろう。事前交渉の内容が「元帥様」との間で確認されれば、朝米首脳会談の具体的な日時や場所についても決められる可能性が高い。11月7日の中間選挙での宣伝用に使うためには、10月中旬以降が良いであろう。あまり早い時期にやり過ぎると、非核化の成果のデモンストレーション効果が薄れ、また別のスキャンダルが持ち上がってしまうかも知れない。「元帥様」からすれば、10月10日の朝鮮労働党創建記念日に朝米関係の進展を宣伝する材料が提供される可能性もある。ポムペオとの会談が成功すれば、8日から「朝鮮中央TV」で動画報道が繰り返し流され、北南関係、朝米関係両面での「元帥様」の成果が宣伝できる。

    今週末から朝鮮半島でまた大きな動きがありそうだ。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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