板門店脱走事件、韓国のミサイル射程範囲拡大(2012年10月8日)
板門店での人民軍兵脱走事件、韓国のミサイル射程範囲の拡大などについては、北朝鮮は未だに見解は表明していないようである。
板門店での脱出事件は、韓国では「帰順」という扱いであるが、北朝鮮にとっては「敵前逃亡」しかも同僚(小隊長)を殺害しているので「殺人事件」でもある。北朝鮮は、これに対して「人間の屑」と通常の脱北者のように切り捨てるのか、軍法はさておき、刑法上の「殺人罪」の「容疑者」なので送還を要求してくるのか、まだ分からない。韓国報道を読む限り、「警戒勤務中に小隊長と分隊長を射殺した」というのは脱走兵の供述であり、韓国軍は銃声しか確認していないようである。韓国側も慎重に調査しているであろうが、この脱走事件自体が韓国側に何か言いがかりを付けるための謀略の可能性も排除できない(銃声などいくらでも出せる)。国際法上、休戦状態の2国間で殺人を犯して脱出した軍人の扱いはどうなっているのであろうか。今後何らかの展開があろう。
「聯合ニュース」:「北朝鮮兵士の亡命 緊張感に包まれる韓国軍」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121007-00000000-yonh-kr
韓国のミサイル射程拡大については、韓国大統領は「北の脅威を防ぐ」とコメントしている。しかし、韓国が先制攻撃をかけない限り、例え北朝鮮全域をカバーするミサイルを配備したとしても「脅威を防ぐ」ことにはあまり貢献しないと思う。北朝鮮が韓国に対するミサイル攻撃を決定するとき、そうでなければ混乱の中で偶発的にミサイルが発射されるとき、韓国にミサイルがあるかないかなど関係ない。それは、ミサイル攻撃の決定であれば自滅覚悟であるし、偶発的発射であるならば合理的判断が入り込む余地などないからである。韓国がこれに対してミサイル攻撃を加えたとし、韓国側が受けるダメージをどれだけ軽減できるのかについても疑問である。
これまで、米国が射程拡大を許可しなかったのは、上記のように実質的に抑止力が低い上、周辺諸国、特に中国に対して脅威となることを憂慮したからである。日本についても大阪を含む西日本はその射程に収まっている。日韓関係が良好で、軍事協力関係強化(例えば、軍事情報包括保護協定(GSOMIA))が話し合われている時期ならまだしも、この時期にというのはタイミングが悪すぎる(海上自衛隊のヘリコプターが事前通告をした上で韓国の防空識別圏に侵入したことを騒ぎ立てているこの時期にである)。日本の防衛当局は、韓国軍のミサイルを「友軍のミサイル」とみるのか「潜在的敵軍のミサイル」とみるのか。日本がミサイル防衛システムを構築する上で、この判断はとても重要である。米国は、この決定について周辺諸国、とりわけ日本との調整をきちんとしたのであろうか。
「聯合ニュース」:「韓国軍弾道ミサイル破壊力 最大4倍へ=指針改定で」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121007-00000010-yonh-kr
日韓関係がこのまま最悪の方向に転がっていくとは決して思わない。竹島問題も尖閣問題も、日中韓の政権交代の時期が奇しくも重なり、それぞれの国の政府が外交を軽視しながら国内向けのパフォーマンスに奔走した結果である。日韓に関しては、麻生元首相が訪韓をして調整をするとのことである。首相としての麻生さんは余り評価しないが、麻生さんが持つパイプを使って日韓関係を前向きに転換させることができるのであれば、素晴らしいと思う。
「朝日新聞」:「日韓協力委7日から訪韓 麻生元首相ら大統領訪問へ調整」
http://www.asahi.com/politics/update/1006/TKY201210060232.html
板門店での脱出事件は、韓国では「帰順」という扱いであるが、北朝鮮にとっては「敵前逃亡」しかも同僚(小隊長)を殺害しているので「殺人事件」でもある。北朝鮮は、これに対して「人間の屑」と通常の脱北者のように切り捨てるのか、軍法はさておき、刑法上の「殺人罪」の「容疑者」なので送還を要求してくるのか、まだ分からない。韓国報道を読む限り、「警戒勤務中に小隊長と分隊長を射殺した」というのは脱走兵の供述であり、韓国軍は銃声しか確認していないようである。韓国側も慎重に調査しているであろうが、この脱走事件自体が韓国側に何か言いがかりを付けるための謀略の可能性も排除できない(銃声などいくらでも出せる)。国際法上、休戦状態の2国間で殺人を犯して脱出した軍人の扱いはどうなっているのであろうか。今後何らかの展開があろう。
「聯合ニュース」:「北朝鮮兵士の亡命 緊張感に包まれる韓国軍」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121007-00000000-yonh-kr
韓国のミサイル射程拡大については、韓国大統領は「北の脅威を防ぐ」とコメントしている。しかし、韓国が先制攻撃をかけない限り、例え北朝鮮全域をカバーするミサイルを配備したとしても「脅威を防ぐ」ことにはあまり貢献しないと思う。北朝鮮が韓国に対するミサイル攻撃を決定するとき、そうでなければ混乱の中で偶発的にミサイルが発射されるとき、韓国にミサイルがあるかないかなど関係ない。それは、ミサイル攻撃の決定であれば自滅覚悟であるし、偶発的発射であるならば合理的判断が入り込む余地などないからである。韓国がこれに対してミサイル攻撃を加えたとし、韓国側が受けるダメージをどれだけ軽減できるのかについても疑問である。
これまで、米国が射程拡大を許可しなかったのは、上記のように実質的に抑止力が低い上、周辺諸国、特に中国に対して脅威となることを憂慮したからである。日本についても大阪を含む西日本はその射程に収まっている。日韓関係が良好で、軍事協力関係強化(例えば、軍事情報包括保護協定(GSOMIA))が話し合われている時期ならまだしも、この時期にというのはタイミングが悪すぎる(海上自衛隊のヘリコプターが事前通告をした上で韓国の防空識別圏に侵入したことを騒ぎ立てているこの時期にである)。日本の防衛当局は、韓国軍のミサイルを「友軍のミサイル」とみるのか「潜在的敵軍のミサイル」とみるのか。日本がミサイル防衛システムを構築する上で、この判断はとても重要である。米国は、この決定について周辺諸国、とりわけ日本との調整をきちんとしたのであろうか。
「聯合ニュース」:「韓国軍弾道ミサイル破壊力 最大4倍へ=指針改定で」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121007-00000010-yonh-kr
日韓関係がこのまま最悪の方向に転がっていくとは決して思わない。竹島問題も尖閣問題も、日中韓の政権交代の時期が奇しくも重なり、それぞれの国の政府が外交を軽視しながら国内向けのパフォーマンスに奔走した結果である。日韓に関しては、麻生元首相が訪韓をして調整をするとのことである。首相としての麻生さんは余り評価しないが、麻生さんが持つパイプを使って日韓関係を前向きに転換させることができるのであれば、素晴らしいと思う。
「朝日新聞」:「日韓協力委7日から訪韓 麻生元首相ら大統領訪問へ調整」
http://www.asahi.com/politics/update/1006/TKY201210060232.html