トランプ、「元帥様」から手紙を受け取る、ビーガン訪中、猪木訪朝 (2018年9月11日 「ホワイトハウス」)
10日(米現地時間)、ホワイトハウスの定例記者会見で、報道官がトランプが「元帥様」から手紙を受け取ったと明らかにした。詳細(はないのだが)、以下。
***************
大統領は金正恩から手紙を受け取った。手紙はとても温かく、ポジティブなものだった。北朝鮮の指導者が認めなければ、その内容の完全公開はしない。手紙の主要な目的は要請であり、大統領との再会談を求めている。我々は階段の扉を開いており、既にそのための準備を進めている。最近行われた北朝鮮のパレードは、今回だけは彼らの核兵器に関するものではなかった。大統領は、現時点において彼の(対北朝鮮)政策で大きな成功を達成した。この手紙は、朝米関係で進展があることのさらなる証拠である。多くのことが(朝米間で)行われている。米兵遺骨の返還、人質の解放、核・ミサイルの実験が行われていない、そして、歴史的な首脳会談が開催された。そして、この手紙はさらなる進展があることを示すものである。我々は、この進展を続けられることを願っている。
(記者からのワシントン会談に関する質問に対して)会談の場所については、今後、発表するが、ワシントンでの会談が実現することを願っている。そして、それを実現するための作業に入っている。
(記者からの「進展」とは何かという質問に対して)今週末のパレードで初めて核・ミサイルを見せなかった。彼らはこうしたパレードを以前にも行ったが、今回は核・ミサイルをハイライトとしなかった。これは誠意の印である。そして、金正恩が大統領に宛てた手紙では、明らかに対話を継続し、数ヶ月前の会談で話し合われた朝米関係を進展させる意志を示すものである。そして、朝鮮半島非核化の約束履行に焦点を当てたものである。
関連部分は、27分後半から。
Source: White House, YouTube, 2018/09/10
*********************
6月の会談前、トランプが「元帥様」から手紙を受け取った際、彼はすぐさま手紙のコピーをツイートで公開した。しかし今回それをしないのは、手紙の内容が非核化に関する詳細なものだからなのか、トランプの「元帥様」に対する外交上の礼儀であろう。そもそも、指導者間の親書は通常公開されない。
今回、この親書は板門店において米朝間で行われた遺骨送還に関する会談の場で米国側に手渡されたという。6月の会談の際には、韓国大統領特使が「元帥様」のメッセージを持ってホワイトハウスに飛んだが、今回は韓国特使を経ずに直接米国側に手渡された。
朝鮮問題特使ビーガンが韓国を訪問し、チャン・ギョンファや文在寅と会談した。恐らくは、米国経由で「元帥様」の手紙に関する内容が伝えられたものと思われる。ビーガンは、韓国から中国、日本に向かうとされており、その後、再び韓国に戻ると報じられている。
『聯合ニュースTV』、「문 대통령, 비건 대북특별대표 접견…비핵화 논의 속도」、http://www.yonhapnewstv.co.kr/MYH20180911021600038/
日本に行くだけなら普通であるが、今回は中国にも行くことが重要である。これは、中国側にも「手紙」の内容について伝え、同時に共和国創建70周年で訪朝した習近平特使が「元帥様」と話したことに関する情報を求め、中国側に協力を要請するためのものであろう。ビーガンがポムペオでないところが非常に重要で、彼の任務は米中貿易戦争とは関係ない「北朝鮮問題」なので、ピンポイントで朝鮮半島非核化についてのみ集中的に話をしてくるのではないかと思われる。
日本は依然として事実上蚊帳の外なので、状況報告を聞くのと、いざというときのために金庫の準備をしておけという要請を受ける程度であろう。
今回の共和国創建70周年関連行事には、例によって猪木議員が参加した。

Source: 『労働新聞』6面、2018/09/08
多くの外国賓客が訪問しているので写真は小さいが、一応、9日には「朝日友好親善協会顧問」の李スヨンと会談している。
『労働新聞』8面、「조일우호친선협회 고문이 일본국회 참의원 의원일행을 만났다」、2018/09/09
うっかりしていたが、かなりの大物が「朝日親善友好協会顧問」であることに気づき、驚いている。韓国・統一部の資料によると、2016年9月に「顧問」に就任したことが確認されたようである。このような大物が「顧問」だとすると、朝日関係が動き出せば、モメンタムは維持できそうな気はする。
話が逸れたが、日本を離れたビーガンは再び韓国に戻り、中国と日本との会談内容を韓国に報告する予定という。当然、18日から予定されている文在寅訪朝のための情報提供と協力要請であろう。ビーガンが中国とどこまで共調できるのかが焦点となるが、もしこれが上手くいけば、朝鮮半島非核化の進展に期待ができる。
***************
大統領は金正恩から手紙を受け取った。手紙はとても温かく、ポジティブなものだった。北朝鮮の指導者が認めなければ、その内容の完全公開はしない。手紙の主要な目的は要請であり、大統領との再会談を求めている。我々は階段の扉を開いており、既にそのための準備を進めている。最近行われた北朝鮮のパレードは、今回だけは彼らの核兵器に関するものではなかった。大統領は、現時点において彼の(対北朝鮮)政策で大きな成功を達成した。この手紙は、朝米関係で進展があることのさらなる証拠である。多くのことが(朝米間で)行われている。米兵遺骨の返還、人質の解放、核・ミサイルの実験が行われていない、そして、歴史的な首脳会談が開催された。そして、この手紙はさらなる進展があることを示すものである。我々は、この進展を続けられることを願っている。
(記者からのワシントン会談に関する質問に対して)会談の場所については、今後、発表するが、ワシントンでの会談が実現することを願っている。そして、それを実現するための作業に入っている。
(記者からの「進展」とは何かという質問に対して)今週末のパレードで初めて核・ミサイルを見せなかった。彼らはこうしたパレードを以前にも行ったが、今回は核・ミサイルをハイライトとしなかった。これは誠意の印である。そして、金正恩が大統領に宛てた手紙では、明らかに対話を継続し、数ヶ月前の会談で話し合われた朝米関係を進展させる意志を示すものである。そして、朝鮮半島非核化の約束履行に焦点を当てたものである。
関連部分は、27分後半から。
Source: White House, YouTube, 2018/09/10
*********************
6月の会談前、トランプが「元帥様」から手紙を受け取った際、彼はすぐさま手紙のコピーをツイートで公開した。しかし今回それをしないのは、手紙の内容が非核化に関する詳細なものだからなのか、トランプの「元帥様」に対する外交上の礼儀であろう。そもそも、指導者間の親書は通常公開されない。
今回、この親書は板門店において米朝間で行われた遺骨送還に関する会談の場で米国側に手渡されたという。6月の会談の際には、韓国大統領特使が「元帥様」のメッセージを持ってホワイトハウスに飛んだが、今回は韓国特使を経ずに直接米国側に手渡された。
朝鮮問題特使ビーガンが韓国を訪問し、チャン・ギョンファや文在寅と会談した。恐らくは、米国経由で「元帥様」の手紙に関する内容が伝えられたものと思われる。ビーガンは、韓国から中国、日本に向かうとされており、その後、再び韓国に戻ると報じられている。
『聯合ニュースTV』、「문 대통령, 비건 대북특별대표 접견…비핵화 논의 속도」、http://www.yonhapnewstv.co.kr/MYH20180911021600038/
日本に行くだけなら普通であるが、今回は中国にも行くことが重要である。これは、中国側にも「手紙」の内容について伝え、同時に共和国創建70周年で訪朝した習近平特使が「元帥様」と話したことに関する情報を求め、中国側に協力を要請するためのものであろう。ビーガンがポムペオでないところが非常に重要で、彼の任務は米中貿易戦争とは関係ない「北朝鮮問題」なので、ピンポイントで朝鮮半島非核化についてのみ集中的に話をしてくるのではないかと思われる。
日本は依然として事実上蚊帳の外なので、状況報告を聞くのと、いざというときのために金庫の準備をしておけという要請を受ける程度であろう。
今回の共和国創建70周年関連行事には、例によって猪木議員が参加した。

Source: 『労働新聞』6面、2018/09/08
多くの外国賓客が訪問しているので写真は小さいが、一応、9日には「朝日友好親善協会顧問」の李スヨンと会談している。
『労働新聞』8面、「조일우호친선협회 고문이 일본국회 참의원 의원일행을 만났다」、2018/09/09
うっかりしていたが、かなりの大物が「朝日親善友好協会顧問」であることに気づき、驚いている。韓国・統一部の資料によると、2016年9月に「顧問」に就任したことが確認されたようである。このような大物が「顧問」だとすると、朝日関係が動き出せば、モメンタムは維持できそうな気はする。
話が逸れたが、日本を離れたビーガンは再び韓国に戻り、中国と日本との会談内容を韓国に報告する予定という。当然、18日から予定されている文在寅訪朝のための情報提供と協力要請であろう。ビーガンが中国とどこまで共調できるのかが焦点となるが、もしこれが上手くいけば、朝鮮半島非核化の進展に期待ができる。