FC2ブログ

    トランプ、ツイート:信頼に感謝、一緒にやり抜こう (2018年9月6日)

    6日、トランプがツイート。

    **************
    北朝鮮の金正恩が、「トランプ大統領に対する揺るぎない信頼」を宣言している。金委員長、ありがとう。一緒にやり抜こう!

    20180906 trump tweet tokim
    Source: Twitter, 2018/09/06,
    **************

    文在寅がトランプとの電話会談で、特使団の訪問結果を受けてのツイートであろう。韓国・青瓦台は「元帥様」からトランプに対する非公開メッセージも持ち帰っているということなので、それも伝えられはずである。

    「元帥様」は、自分の「非核化の判断が正しかったと感じられるような条件の造成」を求めているとも特使団メンバーは話しており、北朝鮮が主張している核・ミサイル活動中断、核試験場破棄、遺骨送還の3つに対する何らかの見返りを求めているのであろう。

    北朝鮮がこうした主張をし、「元帥様」の口からこのような言葉が出ているのは、北朝鮮の国内政治の事情もあると思われる。北朝鮮では、「元帥様」が黒と言えば白いものも黒くなるように思われているが、実は、「最高領導者」の決定とはいえ、それが間違っていたと判断されれば、やはり「最高領導者」としても各方面からのプレッシャーを感じる構造なのではないかと思う。

    とりわけ、「非核化」に関しては軍部の反対を抑えて決定したはずなので、その成果を示さなければ、「元帥様」としても次のステップに進みにくいという事情があるのかも知れない。だから、米国の「制裁と圧迫」だけの現状には、「元帥様」に「確固たる非核化の意志」があったとしても、それを進めにくいので、象徴的な「終戦宣言」が必要になっていると考えられる。

    一方、トランプも事情は同じで、過去記事にも書いたように、当面の最大の課題は11月の中間選挙であり、そこで叩かれないような北朝鮮の非核化に向けた「成果」を示さなければならない。北朝鮮も認めているように、反トランプ派は、核・ミサイル活動中断、核施設廃棄、遺骨送還だけでは充分だと感じておらず、トランプとしてもそうした状況の中で「終戦宣言」には進みにくい状況なのであろう。

    興味深いことは、実は「元帥様」もトランプも同じことを言っている点である。トランプの政治集会での発言はこれまでも紹介してきたが、自分の成果として、北朝鮮が核・ミサイル実験を中断していることと遺骨送還は繰り返し述べている(核試験場廃棄については口にしないが)。そうしたことからすると、トランプも「元帥様」も現時点で北朝鮮がやったことを成果としたいところなのだろうが、あからさまな政敵がいるトランプとしては、もう1枚、何かカードがないと動けないという状況なのであろう。

    北朝鮮に対する揺さぶり的性格は大きいにしても、ポムペオ訪朝を突然中止した背景には、こうしたジレンマが存在するのだと思う。

    習近平は、9日の共和国創建70周年記念行事への出席を見送った。その代わりに栗戦書の派遣を決めたわけだが、この判断は上手い。2015年10月、労働党創建70周年記念行事に参加した劉雲山は序列5位(当時)、一方、今回訪朝する栗戦書は序列3位である。習近平が訪朝せずとも、2015年よりも格の高い人間を派遣すれば、「元帥様」の顔を潰さないことになる一方、習近平が直接出て行けば、結果がどうであれ、トランプからまたつべこべと言われることになる。ポムペオ訪朝が実現し、朝米関係が正常なトラックに戻っていれば、習近平が直接訪朝したはずであるが、今回はそれを見送っている。北朝鮮としても、その事情は十分に理解できるところであろう。9日には朝中友好が大きく宣伝され、「元帥様」の朝鮮半島非核意志が再び公に中国側に伝えられるということになろう。

    次に出てくるのが、今回の特使訪朝で「予想以上に大きな成果を得た」と言っている文在寅である。9日以降18日以前にポムペオ訪朝があるという見方もあるが、あってもなくても、文在寅訪朝の効果は韓米、北朝鮮双方にとって高い。韓米にとっては、非核化に関するトランプのメッセージを文在寅の口から「元帥様」に直接伝え、談判を求めることができ(事前の実務協議である程度決まっていたとしても、宣伝効果は抜群)、また、「元帥様」からしても、韓国大統領が「手土産」を持って平壌に来たとなれば成果となる。もちろん、韓国との経済協力という、ありがたくもどちらかと言えば「軽い」手土産も必要であろうが、やはりトランプからの「終戦宣言」に向けた「重い」手土産があれば、トランプの事情にも配慮して、北朝鮮もトランプへの手土産を文在寅に託せることになる。文在寅は、その手土産を手に、すぐさまワシントンに飛ぶことは間違いない。

    問題は、双方の手土産が双方の国内政治状況を抑えるに充分な威力があるかであるが、どこまで説得できるのかが文在寅の腕の見せ所であろう。

    ともかく、トランプと「元帥様」という、ある意味「普通ではない」2人だからこそ、お互いに「信頼している」という状況が今日まで続いているのは間違いない。そのトップの「信頼」が崩れる前に、実務レベルや文在寅がどこまで非核化へのロードマップを具体的に描けるのかが重要である。

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR