トランプ、ツイート:遺骨返還で「サンキュー、金正恩」と、2018年の「戦勝節」、遺骨返還の日 (2018年7月27日)
27日、トランプがツイート。
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米国軍人の遺骨が間もなく米国に向けて北朝鮮を発つ。何年もの時を経た後、遺族にとってこれは偉大な瞬間である。ありがとう、金正恩。

Source: Twitter, 2018/07/28
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7月27日は、北朝鮮では「戦勝節」である。今年の「戦勝節」は、「第5回全国老兵大会」がメインイベントとなり、軍事パレード等は一切行われていない。「元帥様」は、「老兵大会」には出席しなかったものの「党中央委員会祝賀文」が崔龍海を通して伝達された。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版5面より写真部分の見切りだし、2018/07/27
そして、「老兵」達と記念写真を撮ったり、「祖国解放戦争参戦烈士の墓」を訪れ、花輪を贈呈し黙祷している。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/07/27
また、「中国人民支援軍烈士陵園」も訪れ、毛岸英の墓などに黙祷している。この報道では、これまでになく朝中関係の重要性について強く言及されていることが、「新たな発展段階の朝中関係」を象徴している。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版4面、2018/07/27
一連の報道は、「朝鮮中央TV」でも一部動画を使って昨日報じられた。聞いていて感じたのは、「戦勝」は強調するものの、「米帝」という言葉が一度も出てこなかったことだ。「帝国主義者」という言葉こそ使われていたものの、「米」は一度もない。一応、『労働新聞』のサイトで検索してみると、「米帝」は6月12日のシンガポール会談後は、1度だけ7月16日に歴史関連の記事の中で使われているものの、それ以外はない。
今年の「7.27」の異例さとは、それに留まらず、戦勝に関わる楽曲である。「戦勝節」に流されたにもかかわらず、極めて控えめなものが使われていることである。
「7月の空の下に響く勝利の歌」、この他にも多く流されているが、その一例。
Source: KCTV, 2018/07/27
そんな中、7月27日に米国に対して遺骨を返還しているわけで、この日を意識的に選んでいることは明白である。「戦勝」、遺骨返還、終戦宣言という流れを北朝鮮としては作りたいのであろう。
それを受け、トランプがツイートをし、「元帥様」に「ありがとう」と言っている(宣伝半分だとしても)。今年は、米朝間でビッグイベントがあり見落とされがちであるが、この7.27の有り様こそが、まさに2018年の朝米関係を象徴しているものであると言える。
北朝鮮メディアは、27日現在では、遺骨返還について報じていないが、今日の報道の中に出ているのかどうか、追って確認することにする。
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米国軍人の遺骨が間もなく米国に向けて北朝鮮を発つ。何年もの時を経た後、遺族にとってこれは偉大な瞬間である。ありがとう、金正恩。

Source: Twitter, 2018/07/28
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7月27日は、北朝鮮では「戦勝節」である。今年の「戦勝節」は、「第5回全国老兵大会」がメインイベントとなり、軍事パレード等は一切行われていない。「元帥様」は、「老兵大会」には出席しなかったものの「党中央委員会祝賀文」が崔龍海を通して伝達された。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版5面より写真部分の見切りだし、2018/07/27
そして、「老兵」達と記念写真を撮ったり、「祖国解放戦争参戦烈士の墓」を訪れ、花輪を贈呈し黙祷している。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/07/27
また、「中国人民支援軍烈士陵園」も訪れ、毛岸英の墓などに黙祷している。この報道では、これまでになく朝中関係の重要性について強く言及されていることが、「新たな発展段階の朝中関係」を象徴している。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版4面、2018/07/27
一連の報道は、「朝鮮中央TV」でも一部動画を使って昨日報じられた。聞いていて感じたのは、「戦勝」は強調するものの、「米帝」という言葉が一度も出てこなかったことだ。「帝国主義者」という言葉こそ使われていたものの、「米」は一度もない。一応、『労働新聞』のサイトで検索してみると、「米帝」は6月12日のシンガポール会談後は、1度だけ7月16日に歴史関連の記事の中で使われているものの、それ以外はない。
今年の「7.27」の異例さとは、それに留まらず、戦勝に関わる楽曲である。「戦勝節」に流されたにもかかわらず、極めて控えめなものが使われていることである。
「7月の空の下に響く勝利の歌」、この他にも多く流されているが、その一例。
Source: KCTV, 2018/07/27
そんな中、7月27日に米国に対して遺骨を返還しているわけで、この日を意識的に選んでいることは明白である。「戦勝」、遺骨返還、終戦宣言という流れを北朝鮮としては作りたいのであろう。
それを受け、トランプがツイートをし、「元帥様」に「ありがとう」と言っている(宣伝半分だとしても)。今年は、米朝間でビッグイベントがあり見落とされがちであるが、この7.27の有り様こそが、まさに2018年の朝米関係を象徴しているものであると言える。
北朝鮮メディアは、27日現在では、遺骨返還について報じていないが、今日の報道の中に出ているのかどうか、追って確認することにする。