図們:日光山、山寺の恵み、朝鮮グッズ、橋、いかだ (2018年7月20日)
20日、図們に行った。延吉から図們までは高速鉄道で15分、料金は180円(日本円)程度と安い。15分なので、立ち席でもよいと適当な時間に出かけたのが失敗で、9時以降は12時まで図們に止まる列車は1本しかなかった。幸い、卒業生がいたので1時間半の待ち時間は苦痛ではなかった(前日、長春での2時間半待ちはきつかった)。
図們も延吉と変わらず暑かった。高速鉄道の図們北駅から市内まではバスが走っている。列車が到着する時間に合わせて運行されているので、都合が良い。驚いたのは、このバスが電気バスだったことだ。エアコンこそ無かったが、静かだし加速も良かった。図們北駅から市内までは、道路の拡張工事中で、未舗装部分がそうとうあり、土埃が舞い上がっていた。30度以上の気温なので窓を閉めるわけにもいかず、辛かった。
図們税関の前でバスを降りると、レンタル・タクシーを漢族のおばさんが声をかけてきた。実は、卒業生は数ヶ月前にこの場所を訪れており、その時にもこのおばさんが声をかけてきたと言っていた。図們の観光コースの地図が描かれたカードを示しながら、卒業生と中国語で話をしていた。中国語が分からない私は完全にお任せで、値段だけ確認。350元でコース+図們江観光いかだ(いかだ代は別途)+図們北駅まで送りということになった。安いのか高いのかは分からないが、ともかく暑かったし、他の選択肢もなさそうだったので、それで決めた。タクシーは直ぐ来て、運転手も以前、この卒業生が乗ったときと同じ人だと。おばさんと組んで仕事をしているのであろう。
我らの主な目的は、対岸の北朝鮮側を見ることと、朝中間を行き来するトラックの動き。対岸が非常によく見える場所ということで、まず行ったのが「図們江彫刻公園」だった。

一応、「彫刻公園」とのことで、世界の偉人の彫刻がいくつか置かれていた(「元帥様」や習近平はなかったが)。暑かったし、彫刻を鑑賞する目的はなかったので、そのまま通過した。この公園の丘を登り詰めると、北朝鮮が展望できる場所がある。
このように開けた場所で、図們江の対岸が北朝鮮。南陽市の南側が見える。運転手が車に積んであった双眼鏡を持って来てくれたのでそれで眺めたが、暑かったこともあり、北朝鮮側に人の動きはなかった。


Source: Google Earth
その後、寺に立ち寄り、日光山に向かった。舗装道路から外れると門があり、門から先は轍の深い未舗装道路。マイカーで来ていた中国人は、そこから徒歩で登っていたが、タクシーはそのままタイヤをスリップさせながら登っていった。道は乾ききっていたが、濡れていればタクシーでは登れなかったであろう。タクシーは、日光山への登山道がある山寺まで行った。
山寺から先は、登山道を15分ほど登っていく。猛暑の中の山登りは、運動不足のおじさんには厳しかった。しかし、苦労した甲斐あり、頂上からの展望は、彫刻公園以上のものだった。
黄緑矢印の撮影方向

オレンジ矢印の撮影方向

青矢印の撮影方向。共和国旗なら申し分ないのだが、ここは中国領。一応、着用しているのは、遠近両用レンズ入りの「将軍様」サングラス、COURREGES 8829(ebayなどでマルタとキプロスから2つのサングラスを仕入れ、2個1で製作)。


Source: Google Earth
登山道入口で気がついていたのだが、ペットボトルの水がほとんど無くなっていた。同行者や運転手もいたので、いざというとこには水を恵んでもらえば良いと思い、そのまま登っていった(お勧めはしない)。頂上から降りてきたところの山寺では、日本の絵馬のように願い事を書く瓦を売っていた。その瓦屋で水も売っているだろうと思い行ってみたが販売しておらず。「我要水」などと、下手くそな中国語で必死に言ったのがよかったのか、売り場にいた坊さんらしき人が、自分たち用の分を恵んでやれというようなことを言い、オバサンがお堂の中まで取りに行った。仏心とはまさにこのこと、20元でも買っているところだったが、恵んでもらえた。では、ということで瓦を買うと言ったら、「10元以上」と。お世話になったので、30元出したら、なんと3枚出してきた。1枚10元ということのようだ。
どんな願い事を書くか迷ったのだが、左から「日中友好」、「日朝友好」、「朝鮮半島平和、万歳」と書いておいた。

朝鮮語で書いていたら、おばさんが、朝鮮語でそれを読み出した。聞けば、朝鮮族。ここが延辺朝鮮族自治州だということを失念していた。「初めからそう言ってくれれば、苦労して中国語など使わないのに」などと冗談を言いながら、少し話をした後で、記念撮影。後で写真を見て分かったのだが、おばさんはピースサインをしていた。ま、平和ということだろう。

本当にありがたかったので、別れ際に坊さんには手を合わせて「再見」と。そしたら、ありがたい念仏を中国語で唱えてくれた。それが、その夜、千年白雪会館における日朝友好指切りげんまんに繋がったのはいうまでもない。
その後、もう一カ所展望台のような所に止まってくれたが、暑かったこともありパス。図們江沿いの道路を通って、いかだ乗り場に向かった。正面が日光山。

図們江沿いの道路から。有刺鉄線の対岸が北朝鮮。車内より走行中に撮影。

いかだ乗り場に向かう途中で、北朝鮮製品を売っていると土産物屋に運転手は車を止めた。そこで確認できた北朝鮮製品は、平壌の地図、美容石鹸、歯磨き粉、高麗人参関連製品、蜂蜜などであった。定番の北朝鮮紙幣は置いてあったのだが、バッジは見当たらない。同行者がバッジがあるかと聞いたが、「ない」と。店員がタクシーの運転手に「この客は大丈夫なのか」というようなことを聞いた後に、引き出しの中から出してきたが、どう見ても偽物ばかりだった。以前は、バッジは公然と店先で販売していたのだが、最近では北朝鮮との関係でバッジの販売が禁止されているようだった。
図們と南陽は、道路橋と鉄道橋で連結されており、さらに朝鮮戦争中(のはず)に爆破された徒歩橋がある。

Source: Google Earth
鉄道橋については、北朝鮮側の写真撮影も可能なのだが、徒歩橋付近での写真撮影は、「敵対勢力」(米国、韓国、日本)の人については禁止されていた。中国人は、徒歩橋を渡り、写真撮影もしていたのだが、北朝鮮側の要請なのか、外国人というより、北朝鮮と外交関係がない国の人間は、規制しているという感じだった。運転手も、「外国人」とはいわず、ピンポイントで上記3国を言っていた。徒歩橋付近には、中国の警備当局の検問所があり、そこを車で通過するときは、運転手もピリピリしていた(特段、チェックされるわけではない)。
鉄道橋から見た北朝鮮側。

現在、新しい橋の工事が進行中であった。朝中関係が悪化したときは、工事が停止していたのかもしれないが、今回は作業員の姿も見えたし、クレーンも動いていた。この橋が完成し、北朝鮮側の道路が整備されれば、清津方面に向かうもう一つのルートができるのであろう。


Source: Google Earth
さて、最後のアトラクションの図們江いかだだが、想定内のつまらなさであった。見えたのは、背の高い草と鳥だけ。橋から北に向かって15分ほどを往復するコースであるが、60元の価値はなかった。
いかだ乗り場

見えたもの

北朝鮮側に近づいてくれるので、それがアトラクションといえばそれまでだが、北朝鮮側は図們江公園からの方がよほどよく見える。

図們も延吉と変わらず暑かった。高速鉄道の図們北駅から市内まではバスが走っている。列車が到着する時間に合わせて運行されているので、都合が良い。驚いたのは、このバスが電気バスだったことだ。エアコンこそ無かったが、静かだし加速も良かった。図們北駅から市内までは、道路の拡張工事中で、未舗装部分がそうとうあり、土埃が舞い上がっていた。30度以上の気温なので窓を閉めるわけにもいかず、辛かった。
図們税関の前でバスを降りると、レンタル・タクシーを漢族のおばさんが声をかけてきた。実は、卒業生は数ヶ月前にこの場所を訪れており、その時にもこのおばさんが声をかけてきたと言っていた。図們の観光コースの地図が描かれたカードを示しながら、卒業生と中国語で話をしていた。中国語が分からない私は完全にお任せで、値段だけ確認。350元でコース+図們江観光いかだ(いかだ代は別途)+図們北駅まで送りということになった。安いのか高いのかは分からないが、ともかく暑かったし、他の選択肢もなさそうだったので、それで決めた。タクシーは直ぐ来て、運転手も以前、この卒業生が乗ったときと同じ人だと。おばさんと組んで仕事をしているのであろう。
我らの主な目的は、対岸の北朝鮮側を見ることと、朝中間を行き来するトラックの動き。対岸が非常によく見える場所ということで、まず行ったのが「図們江彫刻公園」だった。

一応、「彫刻公園」とのことで、世界の偉人の彫刻がいくつか置かれていた(「元帥様」や習近平はなかったが)。暑かったし、彫刻を鑑賞する目的はなかったので、そのまま通過した。この公園の丘を登り詰めると、北朝鮮が展望できる場所がある。
このように開けた場所で、図們江の対岸が北朝鮮。南陽市の南側が見える。運転手が車に積んであった双眼鏡を持って来てくれたのでそれで眺めたが、暑かったこともあり、北朝鮮側に人の動きはなかった。


Source: Google Earth
その後、寺に立ち寄り、日光山に向かった。舗装道路から外れると門があり、門から先は轍の深い未舗装道路。マイカーで来ていた中国人は、そこから徒歩で登っていたが、タクシーはそのままタイヤをスリップさせながら登っていった。道は乾ききっていたが、濡れていればタクシーでは登れなかったであろう。タクシーは、日光山への登山道がある山寺まで行った。
山寺から先は、登山道を15分ほど登っていく。猛暑の中の山登りは、運動不足のおじさんには厳しかった。しかし、苦労した甲斐あり、頂上からの展望は、彫刻公園以上のものだった。
黄緑矢印の撮影方向

オレンジ矢印の撮影方向

青矢印の撮影方向。共和国旗なら申し分ないのだが、ここは中国領。一応、着用しているのは、遠近両用レンズ入りの「将軍様」サングラス、COURREGES 8829(ebayなどでマルタとキプロスから2つのサングラスを仕入れ、2個1で製作)。


Source: Google Earth
登山道入口で気がついていたのだが、ペットボトルの水がほとんど無くなっていた。同行者や運転手もいたので、いざというとこには水を恵んでもらえば良いと思い、そのまま登っていった(お勧めはしない)。頂上から降りてきたところの山寺では、日本の絵馬のように願い事を書く瓦を売っていた。その瓦屋で水も売っているだろうと思い行ってみたが販売しておらず。「我要水」などと、下手くそな中国語で必死に言ったのがよかったのか、売り場にいた坊さんらしき人が、自分たち用の分を恵んでやれというようなことを言い、オバサンがお堂の中まで取りに行った。仏心とはまさにこのこと、20元でも買っているところだったが、恵んでもらえた。では、ということで瓦を買うと言ったら、「10元以上」と。お世話になったので、30元出したら、なんと3枚出してきた。1枚10元ということのようだ。
どんな願い事を書くか迷ったのだが、左から「日中友好」、「日朝友好」、「朝鮮半島平和、万歳」と書いておいた。

朝鮮語で書いていたら、おばさんが、朝鮮語でそれを読み出した。聞けば、朝鮮族。ここが延辺朝鮮族自治州だということを失念していた。「初めからそう言ってくれれば、苦労して中国語など使わないのに」などと冗談を言いながら、少し話をした後で、記念撮影。後で写真を見て分かったのだが、おばさんはピースサインをしていた。ま、平和ということだろう。

本当にありがたかったので、別れ際に坊さんには手を合わせて「再見」と。そしたら、ありがたい念仏を中国語で唱えてくれた。それが、その夜、千年白雪会館における日朝友好指切りげんまんに繋がったのはいうまでもない。
その後、もう一カ所展望台のような所に止まってくれたが、暑かったこともありパス。図們江沿いの道路を通って、いかだ乗り場に向かった。正面が日光山。

図們江沿いの道路から。有刺鉄線の対岸が北朝鮮。車内より走行中に撮影。

いかだ乗り場に向かう途中で、北朝鮮製品を売っていると土産物屋に運転手は車を止めた。そこで確認できた北朝鮮製品は、平壌の地図、美容石鹸、歯磨き粉、高麗人参関連製品、蜂蜜などであった。定番の北朝鮮紙幣は置いてあったのだが、バッジは見当たらない。同行者がバッジがあるかと聞いたが、「ない」と。店員がタクシーの運転手に「この客は大丈夫なのか」というようなことを聞いた後に、引き出しの中から出してきたが、どう見ても偽物ばかりだった。以前は、バッジは公然と店先で販売していたのだが、最近では北朝鮮との関係でバッジの販売が禁止されているようだった。
図們と南陽は、道路橋と鉄道橋で連結されており、さらに朝鮮戦争中(のはず)に爆破された徒歩橋がある。

Source: Google Earth
鉄道橋については、北朝鮮側の写真撮影も可能なのだが、徒歩橋付近での写真撮影は、「敵対勢力」(米国、韓国、日本)の人については禁止されていた。中国人は、徒歩橋を渡り、写真撮影もしていたのだが、北朝鮮側の要請なのか、外国人というより、北朝鮮と外交関係がない国の人間は、規制しているという感じだった。運転手も、「外国人」とはいわず、ピンポイントで上記3国を言っていた。徒歩橋付近には、中国の警備当局の検問所があり、そこを車で通過するときは、運転手もピリピリしていた(特段、チェックされるわけではない)。
鉄道橋から見た北朝鮮側。

現在、新しい橋の工事が進行中であった。朝中関係が悪化したときは、工事が停止していたのかもしれないが、今回は作業員の姿も見えたし、クレーンも動いていた。この橋が完成し、北朝鮮側の道路が整備されれば、清津方面に向かうもう一つのルートができるのであろう。


Source: Google Earth
さて、最後のアトラクションの図們江いかだだが、想定内のつまらなさであった。見えたのは、背の高い草と鳥だけ。橋から北に向かって15分ほどを往復するコースであるが、60元の価値はなかった。
いかだ乗り場

見えたもの

北朝鮮側に近づいてくれるので、それがアトラクションといえばそれまでだが、北朝鮮側は図們江公園からの方がよほどよく見える。
