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    トランプ-安倍会談 (2018年6月7日)

    7日、安倍がホワイトハウスを訪問してトランプと会談をした。その後、行われた両首脳による共同記者会見を見た。

    1.拉致問題
    トランプは、「拉致問題は、安倍、個人にとって重要な問題」「安倍との会談では、安倍が拉致問題解決について多くを語った」「だから、拉致問題については北朝鮮と協議する」

    2.「元帥様」親書
    「公開するには、(「元帥様」)の許可を得る必要があろうが、とても温かいものだった。しかし、特段のことは書かれておらず、『会うのを楽しみにしている』」程度だった。

    3.会談の回数
    「既に何十年も掛かっている問題なので、1度では終わらない」

    4.会談が成功すれば
    「中国、韓国、日本と北朝鮮を支援する。それは、安倍と話した」
    再び繰り返して、「文と安倍は、北朝鮮に対して大きな支援を与えると約束した。我々は、北朝鮮から遠く離れている。」「中国も肯定的な方向に進むことを期待しており、経済的な支援もするであろう」

    5.中朝国境
    「習近平はこれまでになく中朝国境を厳しく統制しているが、私はもっと厳しくしてもらいたいと思っている」

    6.終戦宣言
    「12日に、終戦宣言に署名することは、可能だ。それはファースト・ステップだからだ」「変に聞こえるかも知れないが、終戦宣言への署名は容易な部分だ」

    7.北朝鮮との国交締結
    「全てが完了した時点で、国交正常化をすることに期待している」

    8.「最大限の圧迫」
    「友好的な交渉をするのだから、その言葉は使わない。しかし、制裁は続いており、交渉が決裂すれば、300以上の追加制裁が準備されている」「『最大限の圧迫』という表現を使えば、交渉はうまくいかないだろう」「そして、それらの追加制裁は必要なくなると思っている」

    9.「元帥様」招請、椅子を蹴って出て行く
    「交渉が上手くいけば、米国へ招く。マ・ラ・ラゴではなく、ホワイトハウスが先だと思う」「交渉が上手くいかなければ、椅子を蹴って出て行くかであるが、私は既に1度やった。」「イランとの取引は蹴った。イランに対しては、北朝鮮も経験したことがないような制裁を課す」

    ***************
    以上、トランプの発言のみ。時間がないので、コメントは追って。


    Source: White House, You Tube, 2018/06/07

    <追記:2018/06/08 0955>

    安倍は、拉致問題についてトランプに多くのことを熱心に語ったということが、トランプの発言から分かる。トランプも朝米首脳会談では、拉致問題について「触れる」ことはするであろう。問題は、トランプが拉致問題をどれほど真剣に考え、彼の「ビッグ・ディール」に組み込むのかということである。

    「核が第一」と言っているとおり、安倍がどれだけ語ろうが、拉致問題の優先順位が上がることはあり得ないが、トランプが「核ディール」の中に拉致問題をうまく取り込んだ話をしてくれるのかどうか。トランプは、この記者会見でも「米国は遠いから金は出さない。金を出すのは、日本、韓国、そして中国」と言っている。トランプは、「核を放棄した北朝鮮の明るい未来」との関連で、これらの国が「金を出す」ことをはっきりと「元帥様」に言うであろう。

    過去記事にも書いたが、韓国は過去にも経済協力の経験があり、既に様々な経済協力パッケージを検討している。中国については、トランプが「国境の緩さ」に不満を漏らしているように、北朝鮮との経済関係はかなり復活している。日本は、その系では何もできていない。ここまでは、過去記事に書いた。

    トランプがシンガポールで「元帥様」に言うのであれば、「日本は金を出す用意があると言っているが、拉致問題をなんとかしないと出さない」と伝えることだ。トランプは、「ビッグ・ディール」が成立すれば、日本に金を出させるつもりだし、「安倍がそれに約束した」(発言を再度聞き直す必要はあるが)と言っている。北朝鮮からすれば、「将軍様」の「日朝平壌宣言」は有効なので、「過去の清算と拉致問題」について日本後協議することは十分に可能である。

    トランプは、「核問題解決」には時間がかかるという認識も示している。北朝鮮は「同時行動」を要求しており、これについて、シンガポール会談後、朝米間でどのような見解が出されるのかが注目される。CVIDと体制保証の関連もあり、大変難しい問題であろう。

    安倍が本当に米国との共調をしながら、拉致被害者を帰国させる決意があるのならば、トランプの「ビッグ・ディール」プロセスの中に、「過去の清算と拉致問題」を組み込んでおいてもらう必要がある。プロセスが完結するまで待つという選択肢もあり得るが、それにはどれだけ時間がかかるか分からない。安倍はよく、過去の朝米交渉が失敗したとき、「自分は金を出さなかった」と自慢げに述べているが、それは結果としてそうなっただけである。

    今回は、トランプの「ビッグ・ディール」の中にきちんと組み込んでもらい、その枠組みの中で拉致被害者の帰国を進めなければならない。「犯罪者、北朝鮮、拉致被害者を即時帰国させなさい」、こんな正論は通用しないことは、もうはっきりしている。また、ディールには正論などなく、勝ちか負けしかない。トランプは勝ちを狙っている。その「勝ち」に乗せてもらうことこそが、ベストフレンド・シンゾーのすべきことだと思う。その系では、今回ホワイトハウスに足を運び、トランプに拉致問題解決に対する熱い熱意を語ったのは、ファースト・ステップとしても、またタイミングとしても悪くはなかった。

    核問題と拉致問題は同列ではない。ましてやトランプにとっては、全く別問題である。ここは正しく認識しなければならない。しかし、核問題解決のプロセスの中で「金を出す」役割を演じさせられることになる日本は、その「金」と機会を十分有効に活用しなければならない。

    朝米首脳会談の結果待ちではあるが、ここからが安倍の腕のみせどころである。

    <追記: 2018/06/08 1222 >
    日本とは直接的に関係ないが、「終戦宣言署名」も重要である。トランプは、「終戦宣言署名」を会談の流れ次第では、6月12日にやってしまうような勢いである。「終戦宣言」なるものが、1953年7月27日から続いている「休戦協定」に基づく「休戦状態」を終戦にするするものなのか、あるいは、現状を追認する「宣言」としての「終戦」を意味するのかは今ひとつ分からない。前者であるのならば、「休戦協定に署名」した、国連軍、中国、北朝鮮が「休戦協定」を破棄し、「終戦協定」になるのかどうかは別とし、新たな「協定」を締結する必要がある。後者の現状追認的な「宣言」であるのなら、「北南板門店宣言」のような形で、「休戦協定」が有効な中で出せるであろう。もちろん、「宣言」であっても、事実上の戦争当事者、敵同士であるトランプと「元帥様」の署名がある「宣言」は非常に重要で、事実上の「終戦協定」とも言える。もちろん、「休戦協定」の効力は生き続けるので、「宣言」との齟齬は残ることになるが、トランプはそれを一つの足かせとしておきながら、北朝鮮にCVIDを要求し、それが完結した時点で、国交樹立と同時に休戦協定を平和協定に切り替えることを考えているのであろう。それが、彼が言う「終戦宣言はファースト・ステップ、始まりである」という言葉の意味だと思う。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

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