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    「北の崔ソンフィ『米、無道に出続けるなら、会談再考慮を指導部に提起』」:トランプ・ポムペオ組(対話派)とボルトン・ペンス組(強行派)、「元帥様」(対話派)と「外務省」(強行派)で構図をマッチさせる作戦 (2018年5月24日 「聯合ニュース」)

    24日、『聯合ニュース』が、北朝鮮外務省副相の崔ソンフィが「朝鮮中央通信談話」として「朝米会談を再考慮と指導部に提起」と述べたと。

    『聯合ニュース』、「北최선희 "美, 계속 무도하게 나오면 회담재고려 지도부에 제기"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2018/05/24/0505000000AKR20180524040951014.HTML?template=2085

    「朝鮮中央通信」HPには、まだこの報道は掲載されていない。金ゲグァン外務省第1副相の「談話」に続く第2弾。昨日書いた記事に、ペンス発言への抗議はあるはずだと書いたが、予想通りだった。「朝鮮中央通信」の記事が読めていないので、トランプ・ポムペオとボルトン・ペンスを区別しているのかどうかは不明。

    「指導部に提起」という表現も注目される。通常、「指導部」が決定しないこと、とりわけ最重要事項について、外務省の副相が先に口にすることはない。この系からすれば、北朝鮮も対話を望んでいる「元帥様」と、米国の態度に不満を感じている「外務省系」を分けて対応している形を取っている。もちろん、北朝鮮は「一心団結」、「一片丹心」の国なのだから、そんなことは少なくとも外目にはあり得ないわけだが、米国の構図と対応させているところはおもしろい。

    「朝鮮中央通信」HPで記事が見られ、以下。

    *****************
    朝鮮民主主義人民共和国外務省、崔ソンフィ副相談話
    조선민주주의인민공화국 외무성 최선희부상 담화

    21日、米国副大統領ペンスは、フォックス・ニュースとのインタビューで、北朝鮮がリビアの前轍を踏むだの、北朝鮮に対する軍事的選択案は排除されたことはないだの、米国が要求することは完全で検証可能であり不可逆的な非核化だのと、戯言を生意気にほざいた。
    21일 미국부대통령 펜스는 폭스 뉴스와의 인터뷰에서 북조선이 리비아의 전철을 밟을수 있다느니,북조선에 대한 군사적선택안은 배제된적이 없다느니,미국이 요구하는것은 완전하고 검증가능하며 되돌릴수 없는 비핵화라느니 뭐니 하고 횡설수설하며 주제넘게 놀아댔다.

    対米事業を行っている私としては、米国副大統領の口からこのような無知蒙昧な言葉がでたことについて、驚きを禁じ得ない。
    대미사업을 보는 나로서는 미국부대통령의 입에서 이런 무지몽매한 소리가 나온데 대해 놀라움을 금할수 없다.

    名目が「唯一超大国」の副大統領であれば、世の中がどのように回っているのかについて多少は理解し、対話の流れと情勢緩和気流もある程度感じてこそ正常である。
    명색이 《유일초대국》의 부대통령이라면 세상 돌아가는 물정도 좀 알고 대화흐름과 정세완화기류라도 어느 정도 느껴야 정상일것이다.

    核保有国である我が国刺激し、幾ばくもない設備を揃えて、弄くり回していたリビアと比較することだけを見ても、彼がどれほど政治的に愚鈍な間抜けなのかということは想像に余る。
    핵보유국인 우리 국가를 고작해서 얼마 되지 않는 설비들이나 차려놓고 만지작거리던 리비아와 비교하는것만 보아도 그가 얼마나 정치적으로 아둔한 얼뜨기인가를 짐작하고도 남음이 있다.

    ホワイトハウスの国家安保補佐官ボルトンに続き、副大統領ペンスが、我々がリビアの前轍を踏むことになると力説したが、まさに、リビアの前轍を踏まないために、我々は高い対価を払いながら、我々自身を守り、朝鮮半島と地域の平和と安全を守護できる強力で信頼できる力を育てた。
    백악관 국가안보보좌관 볼튼에 이어 이번에 또 부대통령 펜스가 우리가 리비아의 전철을 밟게 될것이라고 력설하였는데 바로 리비아의 전철을 밟지 않기 위해 우리는 값비싼 대가를 치르면서 우리 자신을 지키고 조선반도와 지역의 평화와 안전을 수호할수 있는 강력하고 믿음직한 힘을 키웠다.

    それなのに、その厳然たる現実を未だに認識できず、我々を悲劇的な末路を歩んだリビアと比較しているのを見ると、米国の高位政治家達が、我々を知らないにしても、知らなすぎるという考えが浮かぶ。
    그런데 이 엄연한 현실을 아직도 깨닫지 못하고 우리를 비극적인 말로를 걸은 리비아와 비교하는것을 보면 미국의 고위정객들이 우리를 몰라도 너무도 모른다는 생각이 든다.

    彼らの言葉をそのまま受け返せば、我々も米国が今まで体験することができず、想像もできなかったとてつもない悲劇を味合わせることができる。
    그들의 말을 그대로 되받아 넘긴다면 우리도 미국이 지금까지 체험해보지 못했고 상상도 하지 못한 끔찍한 비극을 맛보게 할수 있다.

    ペンスは、自分の相手が誰なのかもきちんと分からず、無分別な脅迫発言をする前に、その言葉がもたらす恐ろしい結果について熟考しなければならなかった。
    펜스는 자기의 상대가 누구인가를 똑바로 알지 못하고 무분별한 협박성발언을 하기에 앞서 그 말이 불러올 무서운 후과에 대해 숙고했어야 하였다.

    奴らが、まず対話を請託したのに、まるで我々が向かい合って座ろうと請託したように世論をミスリードしている底意が何なのか、いったい米国がそこで得られると打算しているものが何なのか、知りたいばかりだ。
    저들이 먼저 대화를 청탁하고도 마치 우리가 마주앉자고 청한듯이 여론을 오도하고있는 저의가 무엇인지,과연 미국이 여기서 얻을수 있다고 타산한것이 무엇인지 궁금할뿐이다.

    我々は、米国に対話を懇願しておらず、米国が我々と向かい合って座わらないというならば、それでも構わない。
    우리는 미국에 대화를 구걸하지 않으며 미국이 우리와 마주앉지 않겠다면 구태여 붙잡지도 않을것이다.

    米国が、我々と会談場で会うのか、そうでなければ核対核の対決場で会うのかは、全的に米国の決心と身の振り方次第である。
    미국이 우리를 회담장에서 만나겠는지 아니면 핵 대 핵의 대결장에서 만나겠는지는 전적으로 미국의 결심과 처신여하에 달려있다.

    米国が、我々の善意を冒涜し、不法無道に出続ける場合、私は、朝米首脳会談を再考慮することに関する問題を最高指導部に提起する。
    미국이 우리의 선의를 모독하고 계속 불법무도하게 나오는 경우 나는 조미수뇌회담을 재고려할데 대한 문제를 최고지도부에 제기할것이다.

    主体107(2018)年5月24日
    주체107(2018)년 5월 24일
    平壌
    평 양(끝)
    ****************************

    この「談話」も原文を読むと色々なことが見えてくる。

    まず、崔ソンフィは「対米事業を行っている私としては・・・驚きを禁じ得ない」と自分の感想から「談話」を始め、最後を「私は、朝米首脳会談を再考慮することに関する問題を最高指導部に提起する」と締めくくっている。つまり、この「談話」はあくまでも、崔ソンフィの対米担当副相としての個人的な考え方で、「最高指導部」すなわち、「元帥様」はそんなことを考えていないということがはっきりと分かる。

    また、北朝鮮が「核保有国」であり、核開発の準備をしていたリビアとは比較にならないと述べている。そして、核保有国にリビアモデルなど適用しようものなら、「米国が今まで体験することができず、想像もできなかったとてつもない悲劇を味合わせることができる」と言っている。ただ、その前の部分で、「彼らの言葉をそのまま受け返せば」とも述べており、自分たち(北朝鮮)の本意ではないことを示している。

    また、朝米対話は自分たちから「請託」したことではなく、米国が「向かい合って座らない」というのであれば、「構わない」とも言っている。この辺り、トランプの「会談が流れるなら、それでも構わない」発言への言い返しであろう。

    何か言われれば、言い返すのが北朝鮮である。崔ソンフィの「提起」はないであろうが、米国も北朝鮮も、お互いに交渉で自分が有利な立場に立とうと、このような「言い合い」を展開していると見るべきであろう。

    今日午後にある、「儀式」、そして、文在寅の「元帥様」へのホットライン通話、これらにより、また表面的な流れは変わるはずだ。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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