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    トランプ、文在寅会談の記者会見、6月会談が成就無くても次の機会がある、軍事的選択肢を口にせず、中朝国境が緩くなったことに不満、ペンス発言 (2018年5月22日 (CNN)」

    22日、CNNが中継したトランプ-文在寅会談の記者会見における、トランプ発言。

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    我々は、シンガポー朝米首脳会談について話し合う。もし、それが実現すれば、北朝鮮にとっても素晴らしいことである。開催されなければ、それは構わない。どうなろうが、それが結果だ。しかし、私はそのことについて、大統領と多くの時間を掛けたいし、多くの良いことが起こると思う。
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    「開催されなければ、それは構わない」と言っている。この意味は、後ではっきりする。

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    金正恩は、会談に対して真剣に考えていると思うし、会談をやりたいと思っているであろう。そしてまた、彼にはこれまでとは違う未来がある。とにかく、彼は絶対に真剣だと思う。
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    我々は、文大統領と共に進んでいる。我々が、求める一定の条件はある。私は、その条件を受け入れさせることができると思うし、もしそれが駄目なら、会談は開かれない。正直に、北朝鮮にとって、大変素晴らしい会談となる機会であり、世界にとっても素晴らしい会談となる。もし、会談がなくなれば、後日、行われることになろう。我々は、どうなるか見極めている。我々は、対話をしているし、会談はシンガポールで6月12日に予定されており、開催されるかどうかはまもなく分かる。とにかく、我々は今、対話をしているところだ。
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    「後日行われることになろう」というトランプの発言は非常に重要である。これまでは、会談が流れれば、「別の選択肢を進める」と言っていたが、この日は、今回会談が流れても、対話を求める意思を明らかにしている。それがいつまで続くのかは未知数であるが、直ぐにテーブルを蹴って、軍事的選択肢をちらつかせることを止めた点は評価できる。

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    非核化について強力な考えがある。非核化は、絶対に行われなければならない、それは私の強い考えだ。しかし、もう一方の私の強い考えは、北朝鮮は素晴らしい国(a great country)になる機会があるということだ。今の生き方では、素晴らしい国にはなれない。しかし、北朝鮮は、本当に素晴らしい国になるチャンスがある。私は、彼らが機会をつかむことだ。まもなく、彼らがそうしたいのかどうかは明らかになる。
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    (金正恩と話をしたのか?という質問に対し)、私はそれについて話したくない。我々は、北朝鮮と取引をしてきたし、3人の人質を取り戻すというよいこともあった。彼らは家に戻り、家族と暮らしている。彼らはとても幸せだ。まもなく私は明らかにするが、北朝鮮との関係は維持されており、どれくらい続くのかは分からないが、長く続くことを願っている。
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    私は、韓国大統領を固く信じている。彼は、北朝鮮との対話において新たな局面をもたらした。彼は、北朝鮮との取引を求めている。韓国では、対北強行政権が続いていたが、今は文大統領だ。文大統領の前には、他の大統領もいたが、多かれ少なかれそうした態度だった。文大統領は能力があり、とても信頼できる男だ。彼は、とても良い人であり、北とか南とかではなく、全ての朝鮮半島に良いことをしようとしている。私は、彼をとてつもなく信頼しており、彼のやり方は、我々の取引の潜在的可能性を助けている。取引が良いものになるのかは、分からない。取引の結果など分からない。100%確かな取引といわれても、失敗することがあるし、0%のチャンスと思われる取引でも、容易に成立してしまうこともある。私は多くの取引をした。私は、誰よりも取引をよく知っている。結果は誰にも分からない。もう一度言うが、彼はとてもいい男であり、実力もある。そして、韓国が彼のような大統領を持つことは、とてもラッキーなことだと思う。文大統領に通訳してやってくれ。
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    トランプ、文大統領を最高レベルで持ち上げている。文大統領のパーソナリティーもあろうが、やはり、現在進行中の朝米関係の流れの中における、文大統領の役割を高く評価しているのであろう。

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    金正恩との会談可能性は、かなり確実性がある。私は時間の無駄が嫌だし、彼も時間の無駄が嫌であろう。したがって、会談の実現可能性はとても高い。もし、開催ができないなら、それは構わない。今回できないことが、ずっと出来ないということを意味するのではないからだ。ともあれ、会談実現の可能性は高い。
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    ここでも繰り返し、会談が流れた場合について述べている。これを、現実的に会談が流れる可能性がかなり浮上しているからと読むべきかどうかは判断が難しいが、昨今の北南関係や米国に大した「金ゲグァン談話」などを念頭に置いているのかもしれない。

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    (非核化は、一括であるべきか、順次的であるべきか?という問に対し、)それ以上のことは言えないが、非核化は一括方式が良いし、その方が良い。絶対そうであるべきかと言えば、はっきりは述べられないが、一括方式の方がはるかに良い。
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    非核化については、「一括方式」が良いとしているが、それが絶対かということについて柔軟性を示しているところに注目される。

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    物理的に時間を要することもあり得る。物理的な理由のために、一括でできないこともあり得る。物理的な理由があっても、短期間で行うことは必要だし、本質的には一括方式だ。
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    金正恩の安全は保証する。我々は、彼の安全は保証する。そのことは、初めからずっと言い続けている。彼は安全で、幸せで、彼の国は豊かになり、彼の国には勤勉で素晴らしい人々がいるのだ。韓国の事例を見れば分かる。我々は、韓国を援助するために、何兆ドル、何十億ではない、何兆ドルを長年の間に使って来たことを忘れるな(と、質問した記者に)。そして、韓国は、彼らがやって来たことで驚異的な国の一つとなり、あなたは韓国の記者だから分かるよね。(北朝鮮人も)同じ人々だ。だから、何かが成就できれば、金正恩はとてもハッピーになれる。もし成就できなければ、正直言って、彼はハッピーになれない。しかし、彼にはそうなるためのこれまでにやったことがないチャンスがある。25年先、50年先の未来に彼が過去を振り返れば、彼は自分が北朝鮮のためにやったことをとても誇れるし、それは世界のためでもある。かれは、北朝鮮のためにやったことをとても誇れることになる。
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    韓国語通訳が入り、

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    韓国、中国、そして日本、私は3カ国全てとこの場で話したが、彼らは手助けする意思があり、彼らは、北朝鮮を素晴らしくする(make North Korea great)ために大変多額を投資すると信じている。
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    トランプは、「韓国、中国、そして日本」という順番で、北朝鮮問題について話をしたと述べている。ここでもやはり、北朝鮮問題で日本がどのような位置にあるのかが分かる。それにもかかわらず、朝米関係が改善すれば、3国は「多額を投資すると信じている」とも述べている。「投資」という言葉を使っているが、トランプは、北朝鮮非核化後に多くの費用が発生した過去の事例を念頭に置いていることが分かる。現実的に、北朝鮮が投資対象国となるためには、インフラ整備など、多額の援助が必要になる。それを米国ではなく、地域の当事者である「韓国、中国、そして日本」に求めているともとれる発言である。

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    文大統領は、金正恩との会談での結果を私に伝えるためにここにいるのだし、彼は、シンガポールの前に金正恩と会うのかも知れないし、その後かもしれない。それが、文大統領がここに来て話し合う理由の一つだ。文大統領とは、電話でたくさん話をしている。だから、文大統領の会談はそんなに時間を要しない。
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    金正恩が習主席と中国で2回目に会ってから、態度を少し変えたことについて少し失望している。私は、金正恩が態度を変えたことが嫌だ。それは、中国が嫌だと思っているのと同じだ。(自分が中国を訪問したとき、最上の待遇を受けたと述べた上で)しかし、金正恩が2回目に中国を訪問してから、少し違ってきた。
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    習主席は、世界的なポーカー・プレーヤー(表と裏がある人間)だ。私も、彼と同じことをやっているのかも知れない。しかし、金正恩の2回目の訪中後、態度に何らかの変化が見え、私は少し驚いている。もしかすると、何事も起こっていないのかも知れないし、私は誰も責めていない。しかしとにかく、その会談後に北朝鮮の態度が変わった。だから、私は、2回目の会談が素晴らしい会談だったとは思わないし、誰もその会談について聞いていなかったし、突然、彼が中国にいるという報道があった。1度目は、誰もが金正恩の訪中を知っていた。2回目は、サプライズだった。あの会談後に何かが変わったと思う。私は、それがハッピーだとは言えない。
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    ここでトランプは、文在寅に2回目の金-習会談についての感想を求める。

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    だが、文大統領は中国の直ぐ横に住んでいるので、トラブルに巻き込み得たくはない。(余談ではあるが、大統領の通訳が誤訳をしている。トランプは「中国の直ぐ横」と言っているにもかかわらず、通訳の女性は「北朝鮮の直ぐ横」と誤訳している。大統領付の通訳官でもこのような単純なエラーをするものだと妙に感心した。ちなみに、文在寅についている、韓国側通訳もそのエラーを正そうとしなかった。それが外交辞令なのかどうかは分からないが。)
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    (文在寅)
    北米首脳会談が成功するのか、北朝鮮の完全な非核化が実現するのか、それについて懐疑的見方が米国内にたくさんあるという事実をよく知っています。しかし、過去に失敗したからといって、今回も失敗するだろうと初めから悲観するなら、歴史発展というものはあり得ません。これまで、朝米間に何回も合意がありましたが、首脳間での合意を行おうとしているのは、今回が史上初めてです。特に、首脳会談を率いているのがトランプ大統領です。トランプ大統領は、今の劇的な変化、肯定的な状況変化を引き出しました。私は、トランプ大統領が、朝米首脳会談も必ずや成功させ、65年間終えることができなかった朝鮮戦争を終息させ、北朝鮮の完全な非核化を達成するのと同時に、朝鮮半島の恒久的な平和体制を構築し、朝米間でも修交するなど、正常的な関係を樹立されることと確信しています。それは、世界史において大きな転換となります。その大きな転換の偉業をトランプ大統領が必ず達成すると信じており、私も最善を尽くして支えていきます。そしてそれは、北朝鮮にとっても体制の安全を保障するのと同時に、北朝鮮に平和と繁栄をもたらす、とてもよいこととなるでしょう。
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    文在寅は、上手く中国に対する評価を避けた。中国が、朝鮮半島情勢、とりわけ北朝鮮に強い影響力を持つ当事者であることを認識しており、トランプに便乗して下手なことをいえば、中国を刺激し、朝鮮半島の和解ムードにネガティブな影響をもたらすことを警戒したのであろう。一方で、トランプをかなり持ち上げたので、トランプも文在寅の立場は了解したのだと思う。

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    (習近平は、北朝鮮の非核化を望んでいるのか?という質問に対し、)私はそう考えたいし、そう望んでいる。中国とは、貿易に関する取引をしているが、私は中国と貿易に関する取引をしているとき、別のことを考えている。それは中朝国境だ。中朝国境は、今、我々がやっていることにとってとても重要であり、中朝国境を通過する貿易は大きく減少している。しかし、最近、国境貿易は少し開かれており、私はそれが気に入らない。・・・中国についていえば、貿易が我々がやっている北朝鮮との平和のためにどれだけ役立つのか、それがとても重要な要素である。成り行きを見よう。しかし、何でか分からないが、上手くいくことになっている。
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    トランプが不満に感じているのは、中朝国境での貿易が再開しており、それが北朝鮮の態度を変化させることに繋がっているからであることが分かる。この点については、少し前に拙ブログで紹介したトランプのツイートの中にも見られる。

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    (南北朝鮮は統一すべきか?という質問に対し、)初めは、2つのコリアからスタートするべきであろう。統一するのかどうかは、韓国と北朝鮮次第だ。南北国境は何年も前に人為的に造られたものであり、それは、我々によって作られたものだ。それは人為的な国境であはあるが、現実のものでもある。我々は今、2つの成功したコリア、とても成功した北朝鮮、既にとても成功した韓国。韓国の状況は過去、北朝鮮同様に最悪であった。しかし、韓国は偉大な(経済発展の)実験を開始し、そして成功した。サムソン、LG、彼らが作っている船、彼らがやっていることは信じられないほど素晴らしい。達成して来たことが素晴らしい。2つのコリアは、未来のいつか、1つのコリアになりこともあり得ると思っている。彼らがそれを求めるのであれば、私にとってそれは問題ない。
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    トランプは、意識していないのであろうが、この「我々民族同士」を後押しするような発言は、北朝鮮を喜ばせたであろう。やはり、トランプの頭の中には、北朝鮮の非核化があり、それが実現すれば、南北関係には深く関与せず、当事者同士で解決していけという考えがあることが分かる。

    関連で、ペンスが文-トランプ会談を前に、リビア・モデルを取り上げながら、カダフィに言及したという話を『聯合ニュースTV』の解説者が言っていた。ソースは確認していないが、意図的な発言であるとすれば、とてもうまい。つまり、北朝鮮からすれば、ペンスは依然として嫌われ者のはずである。だとすると、ボルトンとペンスを悪者に仕立て上げ、そういう国内の反対を抑え込み北朝鮮との対話を前進させようとしているトランプとポムペオの姿勢を北朝鮮に示すことができる。現実として、過去記事にも書いたように、「金ゲグァン談話」では、トランプ・ペンスとボルトンを完全に分けて扱っていた。ペンスについて、北朝鮮が何か論評を出すのかどうかは分からないが、出すとしても平昌で北朝鮮代表団に「無礼無道」であったペンス自身を攻撃し、トランプとポムペオ攻撃は控えるという前回と同じパターンを取るのではないかと思われる。

    20180522 trump-mun cnn
    Source: CNN, https://www.youtube.com/watch?v=o4Bh3Q18vqw&t=307s

    <追記: 2018/05/23 2230>
    ずっと「下書き」のままだった。
    書き忘れたが、トランプが言った Make North Korea Great
    印象的だ。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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