北部核試験場までの鉄道、清津の来週の天気 (2018年5月19日)
18日、『聯合ニュース』が伝えたところによると、韓国側が板門店連絡通路で北部核試験場破棄を取材するための記者名簿を通知しようとしたところ、北朝鮮が受け取らなかったと韓国政府が発表したと報じた。
『聯合ニュース』、「통일부 "北, 핵실험장 폐기 취재 南기자단 명단 접수 안해"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2018/05/18/0200000000AKR20180518142951014.HTML?from=search
北朝鮮は、「天候の影響で変更はあり得るが、23日から25日に試験場廃棄の儀式」を行うとしている。取材する記者団は、北京-元山間の飛行機に乗り、元山から特別列車で北部核試験場付近まで移動することになっている。
下は、元山駅からプンゲリ駅までの鉄道駅を直線で結んだものである。

Source: Google Earth
直線なので不正確ではあるが、大凡370キロほどある。では、北朝鮮の列車は、370キロをどのぐらい時間を掛けて走るのであろうか。「北朝鮮、時刻表」で検索してみたら、どなたかのブログ「鉄道大学」(https://www4.hp-ez.com/hp/tetsudo-u/nkoria1)の中に、2002年の北朝鮮の時刻表があった。それによると、「3列車」なる列車は、西平壌から満浦366キロを約13時間かけて走っている。駅での停車時間なども含まれているのであろうが、専用列車をノンストップで走らせたとしても10時間ぐらいはかかるであろう。つまり、現実的には、元山からプンゲリまでの移動に丸1日要することになる。
「専用列車」は、ホテル兼用となるので、夜行列車にすることもできる。北朝鮮としては、普通は外国人が乗れない路線の線路沿線を撮影されるのは嫌だろうから、夜行列車編成で走らせる可能性が高い。暗闇の中を延々と走り続けることになろう。
そうなると、北京空港には22日朝に集合、北京-平壌が2時間、平壌-カルマが40分なので、北京-カルマの直航フライトであれば、3時間あれば充分に到着するので、9時頃発にすれば昼には元山に到着する。その後、元山市内や元山に設置したプレスセンターを見学させ、日暮れぐらいにプンゲリ行きの専用列車に乗せれば、23日朝にはプンゲリに到着している。
プンゲリ駅から北部核試験場までは、恐らく未舗装の山道をバスで移動することになるのだと思う。

Source: Google Earth
直線で18キロほどあるので、実際には20キロ~30キロぐらいの道程になるので、この移動に、最低1時間はかかるものと思われる。
23日に「儀式」が行われるのであれば、少なくとも代表取材団は、22日に北京空港にいる必要がある。22日に北京空港にいるためには、北京駐在所記者ではなく、ロンドンのBBCの記者がプンゲリに行くには、ロンドン-北京間のフライトに11時間要するので、日本時間の21日夕方(現地時間の20日午前)には、ヒースローを発たなければならない。
記者の入国について、北朝鮮がビザを発行するのかなど、諸条件があるが、日本時間の20日にはビザが発行され、旅行準備ができた記者が決まっていなければならない。だとすると、19日以前に北朝鮮に記者名簿を提出し、北朝鮮入国のために手続きが進んでいる必要がある。英国や米国から、そのような話は聞こえてきていないようだ。
北朝鮮が、とりあえず23日に「儀式」を実行できるようにスタンバイさせるのか、それとも天気予報を見た上で予定を決めようとしているのかは不明であるが、一応、清津の天気を調べてみた。
「tenki.jp」を見ると、25日までの清津の天気予報が出ていた。

Source: tenki.jp, http://www.tenki.jp/world/5/91/47008.html
22日から24日までは、雨が降るようで、完全な晴れマークが出ているのは25日で、風も吹かないようだ。もし、この天気予報が当たっていれば、25日には「儀式」を実行できそうだ。
さて、韓国の記者招待であるが、23日に「儀式」を行う可能性もあること前提で、元山に22日に到着させるためには、21日には北朝鮮が名簿を受け取らないと手続きが間に合わない。
「儀式」を報道するだけであれば、英米の記者がいれば充分であるが、北南関係改善という側面からは、韓国の記者が参加する意義は大きい。
<追記: 2018/05/20 0844>
清津の天気

Source: tenki.jp, http://www.tenki.jp/world/5/91/47008.html
25日は依然として晴れて無風。22日(日本時間、同日夜)に韓米首脳会談があり、共同記者会見で非核化に関する言及が米韓双方からあろう。文在寅が24日に帰国し、25日に「儀式」を挙行。スケジュールとしては悪くない。
『聯合ニュース』、「통일부 "北, 핵실험장 폐기 취재 南기자단 명단 접수 안해"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2018/05/18/0200000000AKR20180518142951014.HTML?from=search
北朝鮮は、「天候の影響で変更はあり得るが、23日から25日に試験場廃棄の儀式」を行うとしている。取材する記者団は、北京-元山間の飛行機に乗り、元山から特別列車で北部核試験場付近まで移動することになっている。
下は、元山駅からプンゲリ駅までの鉄道駅を直線で結んだものである。

Source: Google Earth
直線なので不正確ではあるが、大凡370キロほどある。では、北朝鮮の列車は、370キロをどのぐらい時間を掛けて走るのであろうか。「北朝鮮、時刻表」で検索してみたら、どなたかのブログ「鉄道大学」(https://www4.hp-ez.com/hp/tetsudo-u/nkoria1)の中に、2002年の北朝鮮の時刻表があった。それによると、「3列車」なる列車は、西平壌から満浦366キロを約13時間かけて走っている。駅での停車時間なども含まれているのであろうが、専用列車をノンストップで走らせたとしても10時間ぐらいはかかるであろう。つまり、現実的には、元山からプンゲリまでの移動に丸1日要することになる。
「専用列車」は、ホテル兼用となるので、夜行列車にすることもできる。北朝鮮としては、普通は外国人が乗れない路線の線路沿線を撮影されるのは嫌だろうから、夜行列車編成で走らせる可能性が高い。暗闇の中を延々と走り続けることになろう。
そうなると、北京空港には22日朝に集合、北京-平壌が2時間、平壌-カルマが40分なので、北京-カルマの直航フライトであれば、3時間あれば充分に到着するので、9時頃発にすれば昼には元山に到着する。その後、元山市内や元山に設置したプレスセンターを見学させ、日暮れぐらいにプンゲリ行きの専用列車に乗せれば、23日朝にはプンゲリに到着している。
プンゲリ駅から北部核試験場までは、恐らく未舗装の山道をバスで移動することになるのだと思う。

Source: Google Earth
直線で18キロほどあるので、実際には20キロ~30キロぐらいの道程になるので、この移動に、最低1時間はかかるものと思われる。
23日に「儀式」が行われるのであれば、少なくとも代表取材団は、22日に北京空港にいる必要がある。22日に北京空港にいるためには、北京駐在所記者ではなく、ロンドンのBBCの記者がプンゲリに行くには、ロンドン-北京間のフライトに11時間要するので、日本時間の21日夕方(現地時間の20日午前)には、ヒースローを発たなければならない。
記者の入国について、北朝鮮がビザを発行するのかなど、諸条件があるが、日本時間の20日にはビザが発行され、旅行準備ができた記者が決まっていなければならない。だとすると、19日以前に北朝鮮に記者名簿を提出し、北朝鮮入国のために手続きが進んでいる必要がある。英国や米国から、そのような話は聞こえてきていないようだ。
北朝鮮が、とりあえず23日に「儀式」を実行できるようにスタンバイさせるのか、それとも天気予報を見た上で予定を決めようとしているのかは不明であるが、一応、清津の天気を調べてみた。
「tenki.jp」を見ると、25日までの清津の天気予報が出ていた。

Source: tenki.jp, http://www.tenki.jp/world/5/91/47008.html
22日から24日までは、雨が降るようで、完全な晴れマークが出ているのは25日で、風も吹かないようだ。もし、この天気予報が当たっていれば、25日には「儀式」を実行できそうだ。
さて、韓国の記者招待であるが、23日に「儀式」を行う可能性もあること前提で、元山に22日に到着させるためには、21日には北朝鮮が名簿を受け取らないと手続きが間に合わない。
「儀式」を報道するだけであれば、英米の記者がいれば充分であるが、北南関係改善という側面からは、韓国の記者が参加する意義は大きい。
<追記: 2018/05/20 0844>
清津の天気

Source: tenki.jp, http://www.tenki.jp/world/5/91/47008.html
25日は依然として晴れて無風。22日(日本時間、同日夜)に韓米首脳会談があり、共同記者会見で非核化に関する言及が米韓双方からあろう。文在寅が24日に帰国し、25日に「儀式」を挙行。スケジュールとしては悪くない。