「朝鮮外務省、共和国北部核試験場廃棄と関連した公報発表、<追記>トランプのツイートなど (2018年5月12日 「朝鮮中央通信」)
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2018/05/12 2230JST
12日、「朝鮮中央通信」に、以下。
**************
朝鮮外務省、共和国北部核試験場廃棄と関連した公報発表
조선외무성 공화국 북부핵시험장페기와 관련한 공보 발표
(平壌 5月12日発 朝鮮中央通信)
(평양 5월 12일발 조선중앙통신)
朝鮮民主主義人民共和国外務省は、、12日、次のような公報を発表した。
조선민주주의인민공화국 외무성은 12일 다음과 같은 공보를 발표하였다.
朝鮮労働党中央委員会第7期第3回全員会議の決定により、核武器研究所をはじめとした当該機関では、核試験中止を透明性あるように保障するために、共和国北部核試験場を廃棄するための実務的対策を立てている。
조선로동당 중앙위원회 제7기 제3차전원회의 결정에 따라 핵무기연구소를 비롯한 해당 기관들에서는 핵시험중지를 투명성있게 담보하기 위하여 공화국 북부핵시험장을 페기하기 위한 실무적대책을 세우고있다.
核試験場を廃棄する儀式は、5月23日から5月25日の間に、気象条件を考慮しながら行うものと予定されている。
핵시험장을 페기하는 의식은 5월 23일부터 25일사이에 일기조건을 고려하면서 진행하는것으로 예정되여있다.
核試験場廃棄は、核試験場の全てのトンネルを爆発の方法で崩落させ、入口を完全に閉鎖した後、地上にある全ての観測設備と研究所、警備区分隊の構造物を撤去する順次的な方式で行われる。
핵시험장페기는 핵시험장의 모든 갱도들을 폭발의 방법으로 붕락시키고 입구들을 완전히 페쇄한 다음 지상에 있는 모든 관측설비들과 연구소들,경비구분대들의 구조물들을 철거하는 순차적인 방식으로 진행된다.
核試験場廃棄と同時に、警備人員と研究者を撤収させ、核試験場周辺を完全閉鎖する。
핵시험장페기와 동시에 경비인원들과 연구사들을 철수시키며 핵시험장주변을 완전페쇄하게 된다.
これと関連し、朝鮮外務省は、委任により次のような決定事項を公報する。
이와 관련하여 조선외무성은 위임에 따라 다음과 같은 결정사항들을 공보한다.
1.党中央委員会第7期第3回全員会議の決定により、北部核試験場廃棄を透明性を持って示すために、国内メディアはもちろん、国際記者団の現地取材活動を許容する用意がある。
첫째,당중앙위원회 제7기 제3차전원회의 결정에 따라 진행되는 북부핵시험장페기를 투명성있게 보여주기 위하여 국내언론기관들은 물론 국제기자단의 현지취재활동을 허용할 용의가 있다.
核試験場が狭小な点を考慮し、国際記者団を中国、ロシア、米国、英国、南朝鮮から来る記者に限定する。
핵시험장이 협소한 점을 고려하여 국제기자단을 중국,로씨야,미국,영국,남조선에서 오는 기자들로 한정시킨다.
2.国際記者団メンバーの訪問及び取材活動と関連し、次のような実務的措置を取ることとなる。
둘째,국제기자단 성원들의 방문 및 취재활동과 관련하여 다음과 같은 실무적조치들을 취하게 된다.
1)全ての国際記者団メンバーが、北京-元山航路を利用できるよう専用機を保障し、領空解放など、必要な措置を取ることになる。
1)모든 국제기자단 성원들이 베이징-원산항로를 리용할수 있도록 전용기를 보장하며 령공개방 등 필요한 조치들을 취하게 된다.
2)国際記者団メンバーのために、元山に特別に準備された宿所を保障し、記者センターを設置し、利用するようにする。
2)국제기자단 성원들을 위하여 원산에 특별히 준비된 숙소를 보장하며 기자쎈터를 설치하여 리용하도록 한다.
3)元山から北部核試験場まで、国際記者団メンバーのための特別専用列車を編成する。
3)원산으로부터 북부핵시험장까지 국제기자단 성원들을 위한 특별전용렬차를 편성한다.
4)核試験場が人跡がほとんどない深い山中に位置した点を考慮し、国際記者団メンバーが特別専用列車で宿泊するようにし、該当する便宜を提供する。
4)핵시험장이 인적이 드문 깊은 산골짜기에 위치한 점을 고려하여 국제기자단 성원들이 특별전용렬차에서 숙식하도록 하며 해당한 편의를 제공한다.
5)国際記者団メンバーが、核試験場廃棄状況を現地で取材撮影した後、記者センターから通信できるよう必要な条件を保障し、協調する。
5)국제기자단 성원들이 핵시험장페기상황을 현지에서 취재촬영한 다음 기자쎈터에서 통신할수 있도록 필요한 조건을 보장하고 협조한다.
朝鮮民主主義人民共和国は、今後も、朝鮮半島と世界の平和と安定を守護するために、周辺国と国際社会との緊密な関係と対話を積極的に行っていく。
조선민주주의인민공화국은 앞으로도 조선반도와 세계의 평화와 안정을 수호하기 위하여 주변국들과 국제사회와의 긴밀한 련계와 대화를 적극화해나갈것이다.(끝)
************
<追記: 2018/05/13 0912>
13日、『労働新聞』紙面pdf版3面に掲載された「外務省公報」。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版3面、 2018/05/13
取材できる「記者団」に日本は含まれていない。記者の国籍を限定する理由は、取材地の「狭小さ」を挙げているが、六者会談の参加国でもあった日本を除外しているのは、今回の朝鮮半島和解局面に日本が含まれていないという北朝鮮側の見解を再び明らかにしたものといえる。注目されるのは、英国を入れている点である。英国は、朝鮮半島和解局面への関与水準からすれば、日本と同じかそれ以下であろう。しかし、英国指導者の現状況に関する発言はきちんと確認していないが、日本首相や外相のように世界各地で「最大の圧迫継続」を訴え続けるという、北朝鮮から見れば「こざかしい」ことはしていないと思う。また、欧州の国も入れておくということ、核保有国であること、BBCという強い発信力を持つメディアを持っているということも、「記者団」に含めた大きな理由であろう。もちろん、英国は北朝鮮と外交関係がある。外交関係についていえば、同じく核保有国であるにもかかわらず、外交関係がないフランスは含まれていない。
ところで、北朝鮮は以前、「専門家」の「儀式」視察受け入れを表明していた。しかし、今回の「外務省公報」には「専門家」は書かれていない。この点については、「儀式」が文字通り「儀式」だけで終わってしまう原因となってしまう可能性に繋がる。今回、「専門家」と「記者団」を現実的にどのように区別するのか、持ち込むことができる機材をどこまで制限するのかも今後明らかになるだろうが、注目する必要がある。
事前交渉も含めて、朝米首脳会談では、「検証」は当然重要な焦点となっているはずだし、「検証」については、「儀式」に含めず、朝米会談で提示されると予想される「核廃棄ロードマップ」の中で明らかにすることを考えているのかも知れない。
ともあれ、G7前に「儀式」を挙行することは、トランプにとっても、少なくとも「視覚的な」成果宣伝のよい材料となることは間違いない。3人の米国人解放は、トランプは大きな業績と考えており、自身のTwitterのトップにその写真を入れている。そして「儀式」は2つ目の業績となり、「元帥様」との会談はかなりよい気分で臨めることになれる。

Source: Twitter, 2018/05/13 0934
と思って見ていたら、トランプがやはりツイートしていた。
***************
北朝鮮が、6月12日の大きな首脳会談を前に、北部核試験場を解体すると発表した。ありがとう、まさに第一歩であり、親切な行為だ!

Source: Twitter, 2018/05/13
****************
3人の米国人解放、核施設廃棄は一方的なサービスでないことは間違いない。北朝鮮は、それに対する対価が決まりつつあるか、高い確率で既に決まっているので、このようなサービスを提供したはずである。ある意味、これまで米国が言ってきた「北朝鮮が先に行動をする」という形に半分はなっている。この点も想定外と思えるほど、上手く進んでいる。これまで米国は、北朝鮮が「先に行動」するまで対話はしないという姿勢を貫いてきた。しかし、ポムペオによる「公式」対話があったにせよ、世界が注目している朝米首脳会談をクローズアップさせておけば、見方によっては、北朝鮮が「先に(非核化に向けた)行動をした」と言える。これは、ある意味、米国のこれまでの主張が「正しかった」という証拠にも使える。そして、朝米首脳会談で、米国が求めるような「核廃棄ロードマップ」が提示できれば、トランプの株はますます上がる。本当に、ノーベル平和賞が授与されてもおかしくない。
一方北朝鮮は、「核廃棄ロードマップ」の終着点に、米国との「平和協定締結」と「国交樹立」があれば、これまた北朝鮮が言ってきたように、「米国の対朝鮮敵対視政策が終息すれば、核武器など不要」という主張と合致する。もちろん、そこに到達する前でには紆余曲折があろうが、ともかく現時点では、その終着駅に向かうトラックの上を走っていると言っても間違いない。そして、「元帥様」も、「並進路線」の正しさが「千百倍」証明され、「新たな戦略」である「経済建設総集中」を急速に実現していくことができる。「元帥様」の株も上がる。
上に書いた過程で、「人権」が引っかかってくる可能性がある。これについては、別記事で。
Source: KCTV, 2018/05/12 2230JST
12日、「朝鮮中央通信」に、以下。
**************
朝鮮外務省、共和国北部核試験場廃棄と関連した公報発表
조선외무성 공화국 북부핵시험장페기와 관련한 공보 발표
(平壌 5月12日発 朝鮮中央通信)
(평양 5월 12일발 조선중앙통신)
朝鮮民主主義人民共和国外務省は、、12日、次のような公報を発表した。
조선민주주의인민공화국 외무성은 12일 다음과 같은 공보를 발표하였다.
朝鮮労働党中央委員会第7期第3回全員会議の決定により、核武器研究所をはじめとした当該機関では、核試験中止を透明性あるように保障するために、共和国北部核試験場を廃棄するための実務的対策を立てている。
조선로동당 중앙위원회 제7기 제3차전원회의 결정에 따라 핵무기연구소를 비롯한 해당 기관들에서는 핵시험중지를 투명성있게 담보하기 위하여 공화국 북부핵시험장을 페기하기 위한 실무적대책을 세우고있다.
核試験場を廃棄する儀式は、5月23日から5月25日の間に、気象条件を考慮しながら行うものと予定されている。
핵시험장을 페기하는 의식은 5월 23일부터 25일사이에 일기조건을 고려하면서 진행하는것으로 예정되여있다.
核試験場廃棄は、核試験場の全てのトンネルを爆発の方法で崩落させ、入口を完全に閉鎖した後、地上にある全ての観測設備と研究所、警備区分隊の構造物を撤去する順次的な方式で行われる。
핵시험장페기는 핵시험장의 모든 갱도들을 폭발의 방법으로 붕락시키고 입구들을 완전히 페쇄한 다음 지상에 있는 모든 관측설비들과 연구소들,경비구분대들의 구조물들을 철거하는 순차적인 방식으로 진행된다.
核試験場廃棄と同時に、警備人員と研究者を撤収させ、核試験場周辺を完全閉鎖する。
핵시험장페기와 동시에 경비인원들과 연구사들을 철수시키며 핵시험장주변을 완전페쇄하게 된다.
これと関連し、朝鮮外務省は、委任により次のような決定事項を公報する。
이와 관련하여 조선외무성은 위임에 따라 다음과 같은 결정사항들을 공보한다.
1.党中央委員会第7期第3回全員会議の決定により、北部核試験場廃棄を透明性を持って示すために、国内メディアはもちろん、国際記者団の現地取材活動を許容する用意がある。
첫째,당중앙위원회 제7기 제3차전원회의 결정에 따라 진행되는 북부핵시험장페기를 투명성있게 보여주기 위하여 국내언론기관들은 물론 국제기자단의 현지취재활동을 허용할 용의가 있다.
核試験場が狭小な点を考慮し、国際記者団を中国、ロシア、米国、英国、南朝鮮から来る記者に限定する。
핵시험장이 협소한 점을 고려하여 국제기자단을 중국,로씨야,미국,영국,남조선에서 오는 기자들로 한정시킨다.
2.国際記者団メンバーの訪問及び取材活動と関連し、次のような実務的措置を取ることとなる。
둘째,국제기자단 성원들의 방문 및 취재활동과 관련하여 다음과 같은 실무적조치들을 취하게 된다.
1)全ての国際記者団メンバーが、北京-元山航路を利用できるよう専用機を保障し、領空解放など、必要な措置を取ることになる。
1)모든 국제기자단 성원들이 베이징-원산항로를 리용할수 있도록 전용기를 보장하며 령공개방 등 필요한 조치들을 취하게 된다.
2)国際記者団メンバーのために、元山に特別に準備された宿所を保障し、記者センターを設置し、利用するようにする。
2)국제기자단 성원들을 위하여 원산에 특별히 준비된 숙소를 보장하며 기자쎈터를 설치하여 리용하도록 한다.
3)元山から北部核試験場まで、国際記者団メンバーのための特別専用列車を編成する。
3)원산으로부터 북부핵시험장까지 국제기자단 성원들을 위한 특별전용렬차를 편성한다.
4)核試験場が人跡がほとんどない深い山中に位置した点を考慮し、国際記者団メンバーが特別専用列車で宿泊するようにし、該当する便宜を提供する。
4)핵시험장이 인적이 드문 깊은 산골짜기에 위치한 점을 고려하여 국제기자단 성원들이 특별전용렬차에서 숙식하도록 하며 해당한 편의를 제공한다.
5)国際記者団メンバーが、核試験場廃棄状況を現地で取材撮影した後、記者センターから通信できるよう必要な条件を保障し、協調する。
5)국제기자단 성원들이 핵시험장페기상황을 현지에서 취재촬영한 다음 기자쎈터에서 통신할수 있도록 필요한 조건을 보장하고 협조한다.
朝鮮民主主義人民共和国は、今後も、朝鮮半島と世界の平和と安定を守護するために、周辺国と国際社会との緊密な関係と対話を積極的に行っていく。
조선민주주의인민공화국은 앞으로도 조선반도와 세계의 평화와 안정을 수호하기 위하여 주변국들과 국제사회와의 긴밀한 련계와 대화를 적극화해나갈것이다.(끝)
************
<追記: 2018/05/13 0912>
13日、『労働新聞』紙面pdf版3面に掲載された「外務省公報」。

Source: 『労働新聞』紙面pdf版3面、 2018/05/13
取材できる「記者団」に日本は含まれていない。記者の国籍を限定する理由は、取材地の「狭小さ」を挙げているが、六者会談の参加国でもあった日本を除外しているのは、今回の朝鮮半島和解局面に日本が含まれていないという北朝鮮側の見解を再び明らかにしたものといえる。注目されるのは、英国を入れている点である。英国は、朝鮮半島和解局面への関与水準からすれば、日本と同じかそれ以下であろう。しかし、英国指導者の現状況に関する発言はきちんと確認していないが、日本首相や外相のように世界各地で「最大の圧迫継続」を訴え続けるという、北朝鮮から見れば「こざかしい」ことはしていないと思う。また、欧州の国も入れておくということ、核保有国であること、BBCという強い発信力を持つメディアを持っているということも、「記者団」に含めた大きな理由であろう。もちろん、英国は北朝鮮と外交関係がある。外交関係についていえば、同じく核保有国であるにもかかわらず、外交関係がないフランスは含まれていない。
ところで、北朝鮮は以前、「専門家」の「儀式」視察受け入れを表明していた。しかし、今回の「外務省公報」には「専門家」は書かれていない。この点については、「儀式」が文字通り「儀式」だけで終わってしまう原因となってしまう可能性に繋がる。今回、「専門家」と「記者団」を現実的にどのように区別するのか、持ち込むことができる機材をどこまで制限するのかも今後明らかになるだろうが、注目する必要がある。
事前交渉も含めて、朝米首脳会談では、「検証」は当然重要な焦点となっているはずだし、「検証」については、「儀式」に含めず、朝米会談で提示されると予想される「核廃棄ロードマップ」の中で明らかにすることを考えているのかも知れない。
ともあれ、G7前に「儀式」を挙行することは、トランプにとっても、少なくとも「視覚的な」成果宣伝のよい材料となることは間違いない。3人の米国人解放は、トランプは大きな業績と考えており、自身のTwitterのトップにその写真を入れている。そして「儀式」は2つ目の業績となり、「元帥様」との会談はかなりよい気分で臨めることになれる。

Source: Twitter, 2018/05/13 0934
と思って見ていたら、トランプがやはりツイートしていた。
***************
北朝鮮が、6月12日の大きな首脳会談を前に、北部核試験場を解体すると発表した。ありがとう、まさに第一歩であり、親切な行為だ!

Source: Twitter, 2018/05/13
****************
3人の米国人解放、核施設廃棄は一方的なサービスでないことは間違いない。北朝鮮は、それに対する対価が決まりつつあるか、高い確率で既に決まっているので、このようなサービスを提供したはずである。ある意味、これまで米国が言ってきた「北朝鮮が先に行動をする」という形に半分はなっている。この点も想定外と思えるほど、上手く進んでいる。これまで米国は、北朝鮮が「先に行動」するまで対話はしないという姿勢を貫いてきた。しかし、ポムペオによる「公式」対話があったにせよ、世界が注目している朝米首脳会談をクローズアップさせておけば、見方によっては、北朝鮮が「先に(非核化に向けた)行動をした」と言える。これは、ある意味、米国のこれまでの主張が「正しかった」という証拠にも使える。そして、朝米首脳会談で、米国が求めるような「核廃棄ロードマップ」が提示できれば、トランプの株はますます上がる。本当に、ノーベル平和賞が授与されてもおかしくない。
一方北朝鮮は、「核廃棄ロードマップ」の終着点に、米国との「平和協定締結」と「国交樹立」があれば、これまた北朝鮮が言ってきたように、「米国の対朝鮮敵対視政策が終息すれば、核武器など不要」という主張と合致する。もちろん、そこに到達する前でには紆余曲折があろうが、ともかく現時点では、その終着駅に向かうトラックの上を走っていると言っても間違いない。そして、「元帥様」も、「並進路線」の正しさが「千百倍」証明され、「新たな戦略」である「経済建設総集中」を急速に実現していくことができる。「元帥様」の株も上がる。
上に書いた過程で、「人権」が引っかかってくる可能性がある。これについては、別記事で。