「元帥様」と文在寅会談前に記者の前でした発言 (2018年4月27日 「聯合ニュースTV」)
27日、以下。
文在寅:遠くから来られたお客さんが、先にご挨拶ください。
「元帥様」:さっき、私が(제という、目上に対する一人称を使っている)どのような気持ちで、200メートルの短い距離を歩きながら、先ほどお話ししましたが、本当に、軍事分離線を越えてみると、分離線も人が越えることが大変な高さということでもなく、簡単に分離線を越えながら、この歴史的な場まで11年かかったのですが、今日、歩きながら考えると、なぜこれほど時間がかかったのか、なぜ、来るのがこれほど大変だったのか、という思いがしました。今日、この歴史的な場で、先ほどもお話し申し上げましたが、期待される方も多く、過去のように、いくら良い合意や文書が出てきて、発表されても、しっかりと履行できなければ、むしろ、このような会談を持ってもよい結果が出て、良い方向に発展させられなければ、期待をされている方々をガッカリさせるのではないのか。これから、気持ちをしっかりと持って、我々が失った11年の歳月を惜しくないぐらいに、先ほど申し上げたように、本当に随時会って、引っかかった問題を解決し、気持ちを合わせて、意志を集めて、進めていけば、我々が失った11年が、惜しくないように、我々が良い方向に進んでいくのではないか、こんな考えもしながら、多くの出来事が行き交う中で、我々が歩んできました。今日、この場で、平和繁栄、北南関係が、本当に新たな歴史が刻まれるそんな瞬間に、このような出発点に立って、出発ラインで信号弾を打ち上げる、出発信号弾を打ち上げるという、そんな気持ちでここに来ました。今日、懸案問題、関心事となる問題、坦懐に話をし、よい結果を出し、今後、この場を借りて、我々が過去のように、再び原点に戻り、履行できず、そうした結果よりは、我々が今後、気持ちをしっかりと持って、未来を見詰めながら、実効性を持って手を繋いで歩んでいく契機となり、期待される方々の期待にも応え、今日もまた結果が良く、来る前に見たのですが、今日の夕方の晩餐の料理で多くの話があるのですが、平壌からわざわざ平壌冷麺を持って来ました。持って来たのですが、大統領が(敬語)が、楽な気持ちで平壌冷麺、遠くから来た平壌冷麺、遠いと言っては駄目だな(と、「第1副部長同志」の顔を見ながら)、美味しく召し上がっていただければと思います。今日、本当に湖心坦懐に真摯に正直にこのような気持ちで、今日、文在寅大統領様と良い話をして、必ず必要な話をして、よい結果を出すということを文在寅大統領の前でお話しし、記者の皆様方にも申し上げます。ありがとうございます。(笑い)
Source: YTN, YouTube
文在寅: 今日の我々の対面を祝賀するように、天気も非常に良いです。朝鮮半島の春が真っ盛りです。朝鮮半島の春を全世界が注目しています。全世界に視点が板門店に集中しています。南北の国民、海外同胞が掛ける期待もとても大きいです。それほど、私たち2人の肩は重いのだと思います。金正恩委員長が、史上初めて、軍事分界線を越えてきた瞬間、この板門店は分断の象徴ではなく、平和の象徴になりました。我々の国民、そして全世界の期待が大きいのですが、今日のこの状況を作り出した、私たちの(親しみを込めて)金正恩委員長の英断について、再び敬意を示したいと思います。(「元帥様」、うれしそうに笑う)
今日の我々の対話も、そのように太っ腹に対話をし、合意に至り、我々全民族と平和を願う、この世界の全ての人々に大きな贈り物を作れればよいと思います。今日は、一日中、話をする時間があるので、その間、10年間できなかった話、充分にできることを願っています。
****************
「元帥様」肉声、ほぼ生放送の名演説を聞いた。原稿を読んでいる様子もなく、考えては来たのだろうが、ジョークも交えて言うべきことが全て含まれた名演説をしている。領導者の一言一言を大切にする実に北朝鮮らしい演説である。
また、「元帥様」が北朝鮮では使わないような目上に対する一人称「제(わたくし)」を使っている点も注目される。さらに、「期待しておられる方々」など、一般人民に対して敬語も使っている。
ポイントは、「過去のように、いくら良い合意や文書が出てきて、発表されても、しっかりと履行できなければ、むしろ、このような会談を持ってもよい結果が出て、良い方向に発展させられなければ、期待をされている方々をガッカリさせる」、「我々が過去のように、再び原点に戻り、履行できず、そうした結果よりは、我々が今後、気持ちをしっかりと持って、未来を見詰めながら、実効性を持って」と、ある意味、「将軍様」の北南合意の結果を否定的に評価しつつも、今回はそれを越える成果を出し、結果に結びつけていくという意志をはっきりと表明している。もちろん、合意がしっかりと履行できなかったのは北朝鮮の責任に帰すだけとは考えていないはずだが、それも含めて、過去の失敗をしっかりと認識しているという点が非常に重要である。このメッセージは、韓国に対してだけではなく、過去の核合意で失敗を繰り返したことを批判しているトランプに向けられたものでもある。
「湖心坦懐に真摯に正直にこのような気持ちで」、「必ず必要な話をして」と言っている。「必ず必要」と言っているが、これは、核問題に関する話を示していると思われる。この「必ず必要な話」が、今日午後に発表される文書や合同記者会見に繁栄されるのかどうかが注目される。
この様子からすると、西側指導者が行うような、「元帥様」の言葉での記者会見があるかも知れない。
「第1副部長同志」の方を見ながらジョークを飛ばす「元帥様」。

Source: 『聯合ニュースTV』、2018/04/27
一方、文在寅も「今日のこの状況を作り出した、私たちの(親しみを込めて)金正恩委員長の英断について、再び敬意を示したいと」しっかりと「元帥様」を持ち上げている。もう、明日の『労働新聞』1面トップを飾る記事に「南朝鮮大統領、最高領導者同志の英断を称賛」という一文が光っているのが目に浮かぶ。「元帥様」の話に比べると短かったが、「太っ腹」な話でよい結果を出して欲しいものである。
文在寅:遠くから来られたお客さんが、先にご挨拶ください。
「元帥様」:さっき、私が(제という、目上に対する一人称を使っている)どのような気持ちで、200メートルの短い距離を歩きながら、先ほどお話ししましたが、本当に、軍事分離線を越えてみると、分離線も人が越えることが大変な高さということでもなく、簡単に分離線を越えながら、この歴史的な場まで11年かかったのですが、今日、歩きながら考えると、なぜこれほど時間がかかったのか、なぜ、来るのがこれほど大変だったのか、という思いがしました。今日、この歴史的な場で、先ほどもお話し申し上げましたが、期待される方も多く、過去のように、いくら良い合意や文書が出てきて、発表されても、しっかりと履行できなければ、むしろ、このような会談を持ってもよい結果が出て、良い方向に発展させられなければ、期待をされている方々をガッカリさせるのではないのか。これから、気持ちをしっかりと持って、我々が失った11年の歳月を惜しくないぐらいに、先ほど申し上げたように、本当に随時会って、引っかかった問題を解決し、気持ちを合わせて、意志を集めて、進めていけば、我々が失った11年が、惜しくないように、我々が良い方向に進んでいくのではないか、こんな考えもしながら、多くの出来事が行き交う中で、我々が歩んできました。今日、この場で、平和繁栄、北南関係が、本当に新たな歴史が刻まれるそんな瞬間に、このような出発点に立って、出発ラインで信号弾を打ち上げる、出発信号弾を打ち上げるという、そんな気持ちでここに来ました。今日、懸案問題、関心事となる問題、坦懐に話をし、よい結果を出し、今後、この場を借りて、我々が過去のように、再び原点に戻り、履行できず、そうした結果よりは、我々が今後、気持ちをしっかりと持って、未来を見詰めながら、実効性を持って手を繋いで歩んでいく契機となり、期待される方々の期待にも応え、今日もまた結果が良く、来る前に見たのですが、今日の夕方の晩餐の料理で多くの話があるのですが、平壌からわざわざ平壌冷麺を持って来ました。持って来たのですが、大統領が(敬語)が、楽な気持ちで平壌冷麺、遠くから来た平壌冷麺、遠いと言っては駄目だな(と、「第1副部長同志」の顔を見ながら)、美味しく召し上がっていただければと思います。今日、本当に湖心坦懐に真摯に正直にこのような気持ちで、今日、文在寅大統領様と良い話をして、必ず必要な話をして、よい結果を出すということを文在寅大統領の前でお話しし、記者の皆様方にも申し上げます。ありがとうございます。(笑い)
Source: YTN, YouTube
文在寅: 今日の我々の対面を祝賀するように、天気も非常に良いです。朝鮮半島の春が真っ盛りです。朝鮮半島の春を全世界が注目しています。全世界に視点が板門店に集中しています。南北の国民、海外同胞が掛ける期待もとても大きいです。それほど、私たち2人の肩は重いのだと思います。金正恩委員長が、史上初めて、軍事分界線を越えてきた瞬間、この板門店は分断の象徴ではなく、平和の象徴になりました。我々の国民、そして全世界の期待が大きいのですが、今日のこの状況を作り出した、私たちの(親しみを込めて)金正恩委員長の英断について、再び敬意を示したいと思います。(「元帥様」、うれしそうに笑う)
今日の我々の対話も、そのように太っ腹に対話をし、合意に至り、我々全民族と平和を願う、この世界の全ての人々に大きな贈り物を作れればよいと思います。今日は、一日中、話をする時間があるので、その間、10年間できなかった話、充分にできることを願っています。
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「元帥様」肉声、ほぼ生放送の名演説を聞いた。原稿を読んでいる様子もなく、考えては来たのだろうが、ジョークも交えて言うべきことが全て含まれた名演説をしている。領導者の一言一言を大切にする実に北朝鮮らしい演説である。
また、「元帥様」が北朝鮮では使わないような目上に対する一人称「제(わたくし)」を使っている点も注目される。さらに、「期待しておられる方々」など、一般人民に対して敬語も使っている。
ポイントは、「過去のように、いくら良い合意や文書が出てきて、発表されても、しっかりと履行できなければ、むしろ、このような会談を持ってもよい結果が出て、良い方向に発展させられなければ、期待をされている方々をガッカリさせる」、「我々が過去のように、再び原点に戻り、履行できず、そうした結果よりは、我々が今後、気持ちをしっかりと持って、未来を見詰めながら、実効性を持って」と、ある意味、「将軍様」の北南合意の結果を否定的に評価しつつも、今回はそれを越える成果を出し、結果に結びつけていくという意志をはっきりと表明している。もちろん、合意がしっかりと履行できなかったのは北朝鮮の責任に帰すだけとは考えていないはずだが、それも含めて、過去の失敗をしっかりと認識しているという点が非常に重要である。このメッセージは、韓国に対してだけではなく、過去の核合意で失敗を繰り返したことを批判しているトランプに向けられたものでもある。
「湖心坦懐に真摯に正直にこのような気持ちで」、「必ず必要な話をして」と言っている。「必ず必要」と言っているが、これは、核問題に関する話を示していると思われる。この「必ず必要な話」が、今日午後に発表される文書や合同記者会見に繁栄されるのかどうかが注目される。
この様子からすると、西側指導者が行うような、「元帥様」の言葉での記者会見があるかも知れない。
「第1副部長同志」の方を見ながらジョークを飛ばす「元帥様」。

Source: 『聯合ニュースTV』、2018/04/27
一方、文在寅も「今日のこの状況を作り出した、私たちの(親しみを込めて)金正恩委員長の英断について、再び敬意を示したいと」しっかりと「元帥様」を持ち上げている。もう、明日の『労働新聞』1面トップを飾る記事に「南朝鮮大統領、最高領導者同志の英断を称賛」という一文が光っているのが目に浮かぶ。「元帥様」の話に比べると短かったが、「太っ腹」な話でよい結果を出して欲しいものである。