「北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ (LIBERATION DAY)」:朝鮮人民との公演準備が見物、ずっと音楽が流れる明るい映画 (2018年4月24日)
24日、マスコミ向け試写会で『北朝鮮路をロックした日』という映画を見た。2016年に制作された、ノルウェーとラトビア2国が関わった映画で、主演はスロベニアの「ライバッハ」というロックバンドだ。
この映画は、2015年夏にライバッハが北朝鮮で公演を行うまでのドキュメンタリーである。ライバッハというバンドは、印象でいうとネオナチ・バンドである。このようなバンドをなぜ北朝鮮が招いたのか、旧社会主義圏のバンドであるという理由を除いては何も思い当たらない。その理由について、北朝鮮側の担当者がおもしろおかしく冗談半分に「ネオナチ的な雰囲気のバンド」云々と散々悪口を言った上で、「でも、信頼したからこそ、我が国に招致したんだ」というようなことを言っていた。
さて、このバンドが平壌のポンファ劇場で公演をやることになるのだが、この映画では、北朝鮮側担当者との打ち合わせから始まり、ステージ・セッティングの様子の詳細、共演をすることになっているクムソン音楽学園の学生たちとの練習風景、白いシートが被された幹部用の特別席、ステージ上(上下左右)など、色々なものが見られる。これだけでも、北朝鮮ワッチャーにとっては感動ものである。
一番おもしろかったのは、このバンドがアレンジした『行こう、白頭山』へだった。北朝鮮の検閲が入り、結局この曲はステージで演じられることはなかったが、映画の中で聞くことができる。探してみたら、YouTubeにもアップロードされていた。
上の動画は音源だけであるが、映画の中で画像と一緒に見るともっと感動する。
この映画は、ずっと音楽が流れている。北朝鮮の楽曲もあるし、ライバッハの楽曲もある。その点においては、音楽映画である。
そして、よかったのは、よくある北朝鮮の裏側暴露映画ではなかった点である。その点では実に明るい映画である。彼らの公演には様々な障害があるが、北朝鮮側の担当者と力を合わせながら、何とか公演にこぎつける。映画の中では、バンドリーダーが強い言葉で北朝鮮側に抗議している場面もある。その抗議を受けた北朝鮮担当者が折れるようなシーンもあるし、基本は英語が使われているが、ときどき北朝鮮担当者がポロッという朝鮮語もおもしろい。
ライバッハのネオナチ的な暗い雰囲気と上に書いた明るさが絶妙な対照をなしながらストーリーが展開する。
北朝鮮ワッチャーの立場からすると、おなじみのどうでもよいカットがかなりあったことも事実であるが、ともあれ、一般大衆を対象に作った映画という点からすれば、そうしたシーンが含まれていることも十分に理解できる。
詳細は、下記のページで。
http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/1546/
http://kitachousen-rock.espace-sarou.com/
<追記: 2018/05/01 1551>
資料が届いた。


©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
ポンファ劇場のステージの様子。朝鮮語字幕は「我々は火星へ行くんだ、恐れることなく」と書かれている。今思えば、「火星」が北朝鮮に受けた可能性がある。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
LAIBACHのメンバーと北朝鮮側のコーディネーター(右側の男性)が話し合っている様子。このおじさん、LAIBACHと検閲当局の間で奮闘する。英語も達者。横にいる女性は北朝鮮側の音楽関係者だったような記憶があるが、もう忘れてしまった。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
それで、上のおじさんが一番苦労しているのが、下の写真を撮るシーン。中央の男性の帽子がNAZI的なので脱ぐように要請するが、LAIBACHは聞き入れない。このおじさん、NAZIという言葉を口にするのも怖かったのか、LAIBACH側の担当者の掌に「こんなふうに見えるから」といいながら、指でNAZIと書いている。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
金星(クムソン)音楽学院の学生たち。LAIBACHの関係者は、彼女たちの歌を聞いて、「正直言って、俺たちの歌手(女性)よりもうまいぞ」、「独特の声だ」などと称賛している。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
この動画の中にいる一番左の学生が、上の写真の左から3番目の学生と似ているが。

Source: KCTV, 2015/04/25
LAIBACHメンバーの女性。朝鮮服を着ての出演を楽しみにしていたが、結局、それはなくなってしまった・・・ようだった。字幕は、「何も私の世界を変えられない」。どの歌かは不明。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
この映画で感動し、自宅でビールを飲んだ勢いで、LAIBACHグッズを買ってしまった。
「信念」Tシャツ。朝鮮文字がなければ買わなかったし、あっても「信念」でなければ買わなかった。「朝鮮」だの「平壌」だのというありふれた語彙でないとこが最高。

LAIBACH赤旗バッジ。この写真では、LIBERATION DAYとなっているが、届いた物はアルファベットはなく、朝鮮文字で左上に「信念」と。想定外でラッキーだった。

実際に届いた物

それとポスターも注文したのだが、別途発送されているのでまだ届いていない。

いずれも下記から注文。拙宅には1週間ほどでTシャツとバッジは届いた。
https://wtc.laibach.org/collections/clothing
<追記: 2018/05/02 1340>
ポスターも届いた。サイズは書かれていたが、実際に来てみると巨大でしかも質の良い厚紙を使っている。コメントに書かれていたとおりの商品だった。朝鮮人民のように描かれている人々は、NAZI風の帽子をかぶった1人だけがLAINBACHのメンバーかと思ったが、よく見れば、全員がそうだった。どこに飾るか悩んでいるが、職場の研究室かなと思っている。
この映画は、2015年夏にライバッハが北朝鮮で公演を行うまでのドキュメンタリーである。ライバッハというバンドは、印象でいうとネオナチ・バンドである。このようなバンドをなぜ北朝鮮が招いたのか、旧社会主義圏のバンドであるという理由を除いては何も思い当たらない。その理由について、北朝鮮側の担当者がおもしろおかしく冗談半分に「ネオナチ的な雰囲気のバンド」云々と散々悪口を言った上で、「でも、信頼したからこそ、我が国に招致したんだ」というようなことを言っていた。
さて、このバンドが平壌のポンファ劇場で公演をやることになるのだが、この映画では、北朝鮮側担当者との打ち合わせから始まり、ステージ・セッティングの様子の詳細、共演をすることになっているクムソン音楽学園の学生たちとの練習風景、白いシートが被された幹部用の特別席、ステージ上(上下左右)など、色々なものが見られる。これだけでも、北朝鮮ワッチャーにとっては感動ものである。
一番おもしろかったのは、このバンドがアレンジした『行こう、白頭山』へだった。北朝鮮の検閲が入り、結局この曲はステージで演じられることはなかったが、映画の中で聞くことができる。探してみたら、YouTubeにもアップロードされていた。
上の動画は音源だけであるが、映画の中で画像と一緒に見るともっと感動する。
この映画は、ずっと音楽が流れている。北朝鮮の楽曲もあるし、ライバッハの楽曲もある。その点においては、音楽映画である。
そして、よかったのは、よくある北朝鮮の裏側暴露映画ではなかった点である。その点では実に明るい映画である。彼らの公演には様々な障害があるが、北朝鮮側の担当者と力を合わせながら、何とか公演にこぎつける。映画の中では、バンドリーダーが強い言葉で北朝鮮側に抗議している場面もある。その抗議を受けた北朝鮮担当者が折れるようなシーンもあるし、基本は英語が使われているが、ときどき北朝鮮担当者がポロッという朝鮮語もおもしろい。
ライバッハのネオナチ的な暗い雰囲気と上に書いた明るさが絶妙な対照をなしながらストーリーが展開する。
北朝鮮ワッチャーの立場からすると、おなじみのどうでもよいカットがかなりあったことも事実であるが、ともあれ、一般大衆を対象に作った映画という点からすれば、そうしたシーンが含まれていることも十分に理解できる。
詳細は、下記のページで。
http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/1546/
http://kitachousen-rock.espace-sarou.com/
<追記: 2018/05/01 1551>
資料が届いた。


©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
ポンファ劇場のステージの様子。朝鮮語字幕は「我々は火星へ行くんだ、恐れることなく」と書かれている。今思えば、「火星」が北朝鮮に受けた可能性がある。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
LAIBACHのメンバーと北朝鮮側のコーディネーター(右側の男性)が話し合っている様子。このおじさん、LAIBACHと検閲当局の間で奮闘する。英語も達者。横にいる女性は北朝鮮側の音楽関係者だったような記憶があるが、もう忘れてしまった。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
それで、上のおじさんが一番苦労しているのが、下の写真を撮るシーン。中央の男性の帽子がNAZI的なので脱ぐように要請するが、LAIBACHは聞き入れない。このおじさん、NAZIという言葉を口にするのも怖かったのか、LAIBACH側の担当者の掌に「こんなふうに見えるから」といいながら、指でNAZIと書いている。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
金星(クムソン)音楽学院の学生たち。LAIBACHの関係者は、彼女たちの歌を聞いて、「正直言って、俺たちの歌手(女性)よりもうまいぞ」、「独特の声だ」などと称賛している。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
この動画の中にいる一番左の学生が、上の写真の左から3番目の学生と似ているが。

Source: KCTV, 2015/04/25
LAIBACHメンバーの女性。朝鮮服を着ての出演を楽しみにしていたが、結局、それはなくなってしまった・・・ようだった。字幕は、「何も私の世界を変えられない」。どの歌かは不明。

©VFS FILMS / TRAAVIK.INFO 2016
この映画で感動し、自宅でビールを飲んだ勢いで、LAIBACHグッズを買ってしまった。
「信念」Tシャツ。朝鮮文字がなければ買わなかったし、あっても「信念」でなければ買わなかった。「朝鮮」だの「平壌」だのというありふれた語彙でないとこが最高。

LAIBACH赤旗バッジ。この写真では、LIBERATION DAYとなっているが、届いた物はアルファベットはなく、朝鮮文字で左上に「信念」と。想定外でラッキーだった。

実際に届いた物

それとポスターも注文したのだが、別途発送されているのでまだ届いていない。

いずれも下記から注文。拙宅には1週間ほどでTシャツとバッジは届いた。
https://wtc.laibach.org/collections/clothing
<追記: 2018/05/02 1340>
ポスターも届いた。サイズは書かれていたが、実際に来てみると巨大でしかも質の良い厚紙を使っている。コメントに書かれていたとおりの商品だった。朝鮮人民のように描かれている人々は、NAZI風の帽子をかぶった1人だけがLAINBACHのメンバーかと思ったが、よく見れば、全員がそうだった。どこに飾るか悩んでいるが、職場の研究室かなと思っている。