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    第7期第3回全員会議決定とトランプのツイート (2018年4月21日)

    下の記事で、労働党中央委員会第7期第3回全員会議決定とそれを受けてのトランプのツイートを訳出した。

    「元帥様」は、習近平との会談で述べた、「核・ミサイルの凍結」、「同時進行」を確認した形になっている。つまり、既存の核兵器とミサイルについては、「放棄する」とは言っていない。しかし、「核のない世界」にも言及しており、究極的には自らが保有する核兵器についても廃棄する準備があることを暗示している。

    一方で、「核による挑発」がなければ、北朝鮮は核を使用しないという従来の立場も繰り返しており、これは当然、米国が「対朝鮮敵対視政策」を終結させることが、北朝鮮が核放棄をする前提であることを意味する。現状、記事にしようと思いつつ書けなかったが、一昨日の米国務省定例記者会見でも、報道官が朝鮮半島における「終戦」実現に前向きな発言をしており、終戦を実現するためには、北朝鮮が従来から主張してきた、停戦協定を平和協定に切り換える作業を段階的に進めていかなければならない。北朝鮮としては、この作業と同時進行的に核廃棄を進めていく考えであろう。

    これに対して、トランプがツイートし、「前進だ」と評価している。これは、非常に重要なツイートで、北朝鮮の「核実験凍結」と「大規模実験場閉鎖」が、朝米対話の入口としては充分であるという認識を示したものであり、即核廃棄を求めるという非現実的な路線ではないと言うことを示している。

    もちろん、北朝鮮が核活動を「凍結」しているかどうかという検証が必要となるが、これについても「元帥様」は、「核試験中止のための国際的指向と努力に合勢する」と述べており、国際機関による査察受け入れの準備があることを暗示している。これは、米国が求める「検証可能な」という部分を受けれた形である。

    今回の全員会議では、北南会談については触れられなかったが、恐らく、北南会談については、文在寅との電話会談を大々的に報じることで、朝鮮人民に「民族和解偉業」を宣伝する形を取ると思われる。通話は、今日から24日までの間に行われるとみているが、韓国大統領が「全員会議」の決定を歓迎する意を示すために、「元帥様」に電話を掛けるという形式を取るのかも知れない。「全員会議」でオーソライズされた「元帥様」を韓国大統領が歓迎するとなれば、これは「元帥様」にとっても、北南首脳会談に臨む大きな理由となる。

    「決定書」では、「周辺国との対話」につても書かれており、「周辺国」には当然日本も含まれる。しかしながら、現時点では日本の出る幕はなく、安倍は国内向けの宣伝のために「拉致問題」について朝米会談で触れてくれるようトランプに懇願してきたが、トランプはリップサービスで応じてくれたものの、現実的には「拉致問題」は米国にとっての優先課題ではない。何回も書いてきたが、「拉致問題解決」は日本固有の問題であり、それは日本自らが解決していかなければならない。安倍も「制裁と圧力」を、北朝鮮の表現を借りれば、「念仏のように唱える」だけでは解決しないということが少し分かったのか、「日朝平壌宣言」について言及していた。この発言は、今の流れの中では、実に適切なものだと評価できる。

    <追記: 2018/04/21 0906>
    「全体会議」の残りの部分を翻訳しようと眺めていたのだが、北朝鮮が中止するのは「大陸間弾道ロケット」と書かれており「弾道ロケット」一般ではない。「大陸間」はつまり、米国に到達する能力がある「弾道ロケット」であり、非大陸間、つまり日本に落ちる「弾道ロケット実験発射を中止」するとは言っていない。もちろん、米国に到達しない弾道ロケットであったも、発射すれば今の流れはストップしてしまうので、発射することはなかろうが、この辺り、米国を意識する一方で、現状では日本が蚊帳の外に置かれているという傍証になっている。実に北朝鮮らしい細かな戦術である。


    朝中関係が改善したことで、「制裁と圧力」は明らかに緩んでいる。米国もそのことについて何も言わないので、現状を黙認しているのであろう。実は、卒業生が最近、丹東を訪問し、朝鮮食堂に行ってきた。丹東を見る限りでは、完全閉鎖した朝鮮食堂はあるものの、営業しているところもいくつもあり、満員で入れなかった店もあったとのことである。それと関連して、数日前の『聯合ニュースTV』では、安保理決議違反にならないよう所有者を中国人にした朝鮮食堂が次々と再び営業を再開していると伝えている。過去記事に書いた、朝鮮が経営していた瀋陽の七宝山ホテルも所有者を中国人にして営業を再開した(か、再開準備をしている)と報じていた。営業許可を出すのかどうかは中国当局のさじ加減次第なので、営業再開が相次いでいることからすれば、明らかに「元帥様」の訪中成果ということになる。

    今年も延吉に行くことになると思うが、定宿の「柳京ホテル」が再開できているのかどうか、電話で確認してみたい。

    <追記:2018/04/21 1145>
    「全員会議」の記事を翻訳しながらもう一つ気がついたことがある。読んでいると、「自力更生」「自立経済」を引き続き強調している。もちろん、これらは北朝鮮の社会主義経済の基本路線ではあるが、やはり、トランプが現時点で「制裁は緩めない」と言っている以上、制裁をされても「自立自強」で朝鮮は進んでいくというスタンスを明示しておきたいのであろう。実際には、上に書いたとおり、朝中間の経済の動きが活発になっており、「元帥様」が目指す経済総力戦の主導力となっていくのであろう。

    「新たな戦略的路線」が、「並進路線」に変わる「路線」名称なのであろうか。もう少し、具体的でかっこいい名称がつけられても良さそうなものだが。

    <追記: 2018/04/21 1300>
    北部核実験施設を「廃棄」と言っているが、思えば、かつて核合意したときに、遼寧の原子炉を派手に爆破して破壊している。今回も、このようなパフォーマンスがあるのか分からないが、規模の問題もあるし、地中には相当量の核物質も堆積しているだろうから、静かに入り口を閉鎖した方が良いと思う。加えて、最新の最大規模の核実験で地盤が崩れているという話もあり、どのみち、次の核実験には使用不可になっていた可能性もある。その意味からは、象徴的な「閉鎖」となるのであろうが、今後、核実験をしないという約束は重要である。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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