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    平昌オリンピック北朝鮮ピンバッジ:偽物か本物かは気分次第 (2018年4月8日)

    何となく北朝鮮関係の記事を読んでいたら、下の記事があった。

    『日刊サイゾー』、「メルカリ「北朝鮮バッジ」大量出品の裏で詐欺事件も? 被害者が怒りの告発!」、https://news.infoseek.co.jp/article/cyzo_20170430_964591/

    要は、ネットオークションに出品された北朝鮮系バッジを買ったが偽物であったという話であるが、警察に被害届を出す云々以前にこの種のバッジが本物か偽物かなど、普通の人では分からない。北朝鮮の人が胸に付けているバッジを外してもらい、裏に何か記号でも付けられているのか調べてみたいと思っているが、そんな機会は今のところない。

    ただ、上の記事の中に総連系の学校の生徒達が、修学旅行等で北朝鮮を訪れたときに使用したバッジを売っているという話が出ているが、これはあり得るだろう。生徒達が使うバッジの原産国が日本なのか北朝鮮なのか、はたまた中国なのかは分からないが、素性という意味合いからは本物のカテゴリーに入れても良いであろう。私が2010年に平壌から瀋陽まで高麗航空機に乗った際、日本に戻る朝鮮学校の生徒達がたくさん乗っていたが、瀋陽空港の中国入管に列を作っているときには、皆、バッジを外していた。その時彼らが付けていたバッジは、「首領様」1人の長方形のバッジだったと思うが、はっきりと覚えていない。

    ヤフオクを見てもebayを見ても、北朝鮮のバッジはたくさん売られている。一番多いのは、もちろん「大元帥様達」のバッジであるが、明らかに偽物っぽいものから、かなり精巧にできているものまでいろいろあり、値段も様々、そして必ずしも作り相応というものではない。

    私は、過去記事にも掲載した「首領様」単独の長方形バッジと、白くて丸い「首領様」と「将軍様」のバッジを持っているが、白いバッジは非常に作りが悪い(90年代に北朝鮮に行った人からお土産としてもらった。もちろん、中国で購入した物だが)。長方形の「首領様」バッジの方は、図們の土産物屋で店のオバサンが「本物」と言いながら、隠してあった箱から出してきたバッジで、50元した。10元程度の安物バッジは、店先に並べてあるのだが、これだけ奥の箱から出してきたわけだが、客を引っかけるための商法であろう。店頭に置かれているものよりも明らかに質は良いので、「本物」と信じたくなるという客の心理を突いた上手な売り方である(本物か偽物かは売っている当人も分からなければ詐欺ではないのだし)。

    少し前の記事で、「元帥様(人形)」にお持ち頂いた写真を使って紹介した高麗航空と朝鮮民航の2つのバッジもあるが、これは本物だと思っている。理由は、東欧の旧社会主義圏からの出品で、しかもそんな売る気がないセラーがさして高くもない価格で売っており、高麗航空の方は、明らかに使用済のものである。記事にも書いたと思うが、朝鮮民航の方は古いにもかかわらず、保存状態が良かったのか、新品に近い状態である。セラー2名は、航空グッズのコレクターのようで、その後、これらの北朝鮮のバッジを出品することはなかった。と、まあ、事後調査までしたところで、一応、本物と判定している。

    さて、本記事のタイトルである平昌オリンピックに参加した北朝鮮チームのバッジである。

    20180408P4080030ss.jpg

    左側の小さなバッジの裏には「2018 DPRK」と刻印があるが、出品数も多く値段が安いので偽物だと思っている(一応、このデザインは北朝鮮オリンピック委員会のもので、私の携帯の待ち受け画面になっている。そして、メール着信はアニメ「少年大将」の曲の始まり、電話着信は「朝鮮中央TV」のIDを使っている)。一方、右側のバッジであるが、裏には「DPRK」と刻印がある。こちらは、本物ではないかと思っている。右側の大きなバッチは出品数も少なく、価格も相対的にも絶対的にも高い。私が見た限り、2万円ぐらいで落札されたものもある。

    もちろん、だからといって本物という保証はないのであるが、ある出品者がおもしろいエピソードを書いていた。この出品者、平昌五輪のボランティアか関係者であったようで(韓国人ではなく西欧人)、北朝鮮応援団に接近するチャンスもあったとのことだ。北朝鮮応援団は各自、自分用のバッジと予備のバッジを2個持っており、予備のバッジについては、外国人との交換に応じており、その人は自分のバッジと交換してもらったとのことである。2個交換してもらったら、韓国の警備関係者が走ってきて、「北朝鮮のバッジを1個くれ」と言って取られたというオチまで書いてあった。

    その他、欧米系の出品者中心に出品があったが、いずれも平昌オリンピックのボランティアなど関係者であり、中には名前と写真だけボカシを入れた、オリンピック関係者証の写真まで添付している人もいた。

    ということで、右側のバッジについては、こうした人々が持ち帰ったものと推測されるが、偽物など直ぐに出回るので、「大元帥様達」バッジと同様、本物と思っているしかない。

    私は、オリンピック・グッズのコレクターでもないどころか、普通の大会であれば、それほど一生懸命フォローしなかったであろう。しかし今回は、北朝鮮チームの参加、女子ホッケーでの単一チームの結成、そして今の北南関係の流れと続いているので、ただのオリンピックではないと思い、記念にグッズも収集している。

    今、到着を待っているのは、女子ホッケー単一チームのグッズで、統一旗、統一旗ステッカー、統一バッジ、統一ワッペン、統一壁掛けの旗のセットである。これは、平昌大会に参加した欧米の大会関係者が入手して持ち帰った物のようである。ステッカーや統一旗は偽物がたくさん出回っているが、チーム名が入った旗はこれまで出品例がなく(この人が他に1つ出品した以外は)、本物の可能性が高いと思っている。本当は、統一チームが着用していた白いロングコートもほしいのだが、桁が違うので手が出ない。あと、同じ出品者が、選手村内で使われていたGEO BANDなるSMARTBANDも安く出品していたので、購入して一緒に送ってもらっている。Andoroid端末との相性は今一つ不明ながら、平昌オリンピックのロゴも入っているので、腕時計としてぐらいは使えるのではないかと思っている。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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