「金正恩の妹が核問題終結に向けた対話開始のために米国へ」:あり得るが妊娠中 (2018年3月8日 「South China Morning Post」)
8日、South China Morning Postが、「第1副部長同志」が、「米朝対話を開始するために米国に派遣される」可能性について、匿名の韓国政府関係者が述べたと伝えた。
South China Morning Post, Kim Jong-un’s sister could be sent to US to launch talks on ending nuclear crisis, http://www.scmp.com/news/asia/article/2136217/kim-jong-uns-sister-could-be-sent-us-launch-talks-ending-nuclear-crisis
記事では、今日、米国に向けて発つ北朝鮮を訪問した韓国大統領特使メンバーが「米国側に伝えるメッセージの一つであろう」と報じている。
北南関係改善に一役買った「第1副部長同志」を米国に派遣する可能性はある。今回、韓国大統領特使が訪朝した際も、「第1副部長同志」は同席している。金ヨンチョルも同席していたが、彼は韓国との関係で同席していたはずで、米国との関係はあっても薄いはずである。金永南は、公開された限りでは、韓国大統領特使とは接触していない。
今回、韓国大統領特使が訪米し、米国側が北朝鮮との対話開始を承諾したとしても、最初から踏み込んだ内容の対話はないであろう。形式的には、「元帥様」のメッセージを携えた使者が米国に行き、可能であれば、トランプに直接、そのメッセージを伝達するというセレモニーが行われるであろう。これは、平昌五輪を契機に動き出した北南関係改善ムードと同じである。となると、誰が適任者なのか。トランプと「元帥様」の共通点は、家族を重用している点である。トランプも「元帥様」同様、心の奥底では家族以外に信じていないのかも知れない。だからこそ、イバンカをあれほどに重用しているのであろう。そして、トランプも「元帥様」もデモンストレーション効果を重要視する。そうなると無粋な労働党幹部や軍人よりも、華やかな女性を使った方が効果的と考えるはずである。イバンカが韓国を訪れたとき、ペンス以上の厚遇を受けたのはその結果である。これは、「第1副部長同志」と金ヨンチョルについても同じことが言える。
北南関係改善の実績、そして「元帥様」とトランプの嗜好やスタイルからすれば、同紙が報じるような「第1副部長同志」を使者に使う可能性は充分にある。問題があるとすれば、「第1副部長同志」が妊娠中であることだ。韓国であれば、体調が急変しても、1~2時間で平壌に戻ることができる(ヘリコプターでも使って緊急輸送すれば)。ただ、米国ではそういうわけにはいかない。もちろん、韓国であれ米国であれ、北朝鮮以上の医療施設があるので医療的対処という点では心配はなかろうが、心情的には「元帥様」も心配でならないであろう。
「第1副部長同志」の体調がネックとなるが、ニコニコしながら「元帥様」親書をトランプに手渡すという儀式は、「入口」としては悪い設定ではないと思う。
South China Morning Post, Kim Jong-un’s sister could be sent to US to launch talks on ending nuclear crisis, http://www.scmp.com/news/asia/article/2136217/kim-jong-uns-sister-could-be-sent-us-launch-talks-ending-nuclear-crisis
記事では、今日、米国に向けて発つ北朝鮮を訪問した韓国大統領特使メンバーが「米国側に伝えるメッセージの一つであろう」と報じている。
北南関係改善に一役買った「第1副部長同志」を米国に派遣する可能性はある。今回、韓国大統領特使が訪朝した際も、「第1副部長同志」は同席している。金ヨンチョルも同席していたが、彼は韓国との関係で同席していたはずで、米国との関係はあっても薄いはずである。金永南は、公開された限りでは、韓国大統領特使とは接触していない。
今回、韓国大統領特使が訪米し、米国側が北朝鮮との対話開始を承諾したとしても、最初から踏み込んだ内容の対話はないであろう。形式的には、「元帥様」のメッセージを携えた使者が米国に行き、可能であれば、トランプに直接、そのメッセージを伝達するというセレモニーが行われるであろう。これは、平昌五輪を契機に動き出した北南関係改善ムードと同じである。となると、誰が適任者なのか。トランプと「元帥様」の共通点は、家族を重用している点である。トランプも「元帥様」同様、心の奥底では家族以外に信じていないのかも知れない。だからこそ、イバンカをあれほどに重用しているのであろう。そして、トランプも「元帥様」もデモンストレーション効果を重要視する。そうなると無粋な労働党幹部や軍人よりも、華やかな女性を使った方が効果的と考えるはずである。イバンカが韓国を訪れたとき、ペンス以上の厚遇を受けたのはその結果である。これは、「第1副部長同志」と金ヨンチョルについても同じことが言える。
北南関係改善の実績、そして「元帥様」とトランプの嗜好やスタイルからすれば、同紙が報じるような「第1副部長同志」を使者に使う可能性は充分にある。問題があるとすれば、「第1副部長同志」が妊娠中であることだ。韓国であれば、体調が急変しても、1~2時間で平壌に戻ることができる(ヘリコプターでも使って緊急輸送すれば)。ただ、米国ではそういうわけにはいかない。もちろん、韓国であれ米国であれ、北朝鮮以上の医療施設があるので医療的対処という点では心配はなかろうが、心情的には「元帥様」も心配でならないであろう。
「第1副部長同志」の体調がネックとなるが、ニコニコしながら「元帥様」親書をトランプに手渡すという儀式は、「入口」としては悪い設定ではないと思う。