「我が党と祖国の歴史に特記すべき大慶事 敬愛する金正恩元帥様の直接的な発議により 戦勝節慶祝行事が盛大に開かれることになった」(2012年7月24日 「労働新聞」)
「労働新聞」のこの記事のタイトルは読んでいたのだが、内容までは読まなかった。しかし、昨夜放送の「20時報道」を見ていたら、軍服を着た「老兵」数名がこの行事が行われることについて「喜び」を表明していた。「戦勝」という行事の名称からして、人民軍の士気を高める行事だと思っていたのだが、どうやらそうではなく、「老兵」たちの功績を評価する行事のようだ。それで、「労働新聞」の記事をきちんと読んでみた。
「労働新聞」:
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-07-24-0001
「20時報道」:
http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-07-24-17.flv
記事によると「敬愛する金正恩元帥様は、前世代が達成した業績と闘争精神を後代が代を継いで輝かしく継承しなければならないと言われ、意味深い今年、戦勝節を盛大に記念するよう発議され、全国の戦争老兵代表を平壌に招請し慶祝行事に参加させるという恩情深い措置を執られた」としている。どうやらこの行事は、全国の少年団員を平壌に集めた「少年団66周年行事」の「老兵」版ということのようだ。
「20時報道」に登場した「老兵」たちは皆、平壌在住者であったが、平壌に来る機会がない地方の「老兵」にとっては、嬉しいことであろう。「少年団行事」に参加した地方の子供たちが列車や飛行機で地元に帰る姿を「20時報道」は伝えていたが、皆たくさんのお土産を抱えていた。子供たちが抱えていたお土産は、自分の金で買った物なのか金正恩さんの「恩情」によるものなのかはわからないが、いずれにせよ平壌見物をさせてもらい、なにがしのお土産はもらえたのであろうから、彼らにとっては良い経験になったはずである。
今度は、それを「老兵」にということのようだが、これも、子供を愛し、「老兵」を大切にするという金正恩スタイルの演出であろう。行事の様子は「朝鮮中央TV」で伝えられるだろうが、若い金正恩さんがどれだけ「老兵」を敬うのかというのが見物である。
こうした行事を実施すれば、少なからず北朝鮮政府の財政は圧迫されるであろうが、軍事や記念碑ではなく朝鮮人民に還元されるという点ではよいことであろう。
李英浩解任は、金正恩さんの「改革・開放路線」を批判したためだという記事が「東亜日報」に出ていたが、こうした行事につぎ込む資金を確保するためにも、経済の立て直しは喫緊の課題である。もちろん、李英浩さんが言うように、体制維持をしながら改革・開放を進めるのは非常に困難であることは間違いない。そのためにも、金正恩さんは朝鮮人民からの支持を確固たるものにする必要があるわけで、それが今回の行事などに繋がっているのであろう。
北朝鮮は「一心団結」を強調するが、今、それを金正恩さんに向けて新しい形で再構築する作業を行っているのではないだろうか。
「東亜日報」:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120725-00000041-jij-int
「労働新聞」:
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-07-24-0001
「20時報道」:
http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-07-24-17.flv
記事によると「敬愛する金正恩元帥様は、前世代が達成した業績と闘争精神を後代が代を継いで輝かしく継承しなければならないと言われ、意味深い今年、戦勝節を盛大に記念するよう発議され、全国の戦争老兵代表を平壌に招請し慶祝行事に参加させるという恩情深い措置を執られた」としている。どうやらこの行事は、全国の少年団員を平壌に集めた「少年団66周年行事」の「老兵」版ということのようだ。
「20時報道」に登場した「老兵」たちは皆、平壌在住者であったが、平壌に来る機会がない地方の「老兵」にとっては、嬉しいことであろう。「少年団行事」に参加した地方の子供たちが列車や飛行機で地元に帰る姿を「20時報道」は伝えていたが、皆たくさんのお土産を抱えていた。子供たちが抱えていたお土産は、自分の金で買った物なのか金正恩さんの「恩情」によるものなのかはわからないが、いずれにせよ平壌見物をさせてもらい、なにがしのお土産はもらえたのであろうから、彼らにとっては良い経験になったはずである。
今度は、それを「老兵」にということのようだが、これも、子供を愛し、「老兵」を大切にするという金正恩スタイルの演出であろう。行事の様子は「朝鮮中央TV」で伝えられるだろうが、若い金正恩さんがどれだけ「老兵」を敬うのかというのが見物である。
こうした行事を実施すれば、少なからず北朝鮮政府の財政は圧迫されるであろうが、軍事や記念碑ではなく朝鮮人民に還元されるという点ではよいことであろう。
李英浩解任は、金正恩さんの「改革・開放路線」を批判したためだという記事が「東亜日報」に出ていたが、こうした行事につぎ込む資金を確保するためにも、経済の立て直しは喫緊の課題である。もちろん、李英浩さんが言うように、体制維持をしながら改革・開放を進めるのは非常に困難であることは間違いない。そのためにも、金正恩さんは朝鮮人民からの支持を確固たるものにする必要があるわけで、それが今回の行事などに繋がっているのであろう。
北朝鮮は「一心団結」を強調するが、今、それを金正恩さんに向けて新しい形で再構築する作業を行っているのではないだろうか。
「東亜日報」:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120725-00000041-jij-int