「朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマン声明」(2012年7月21日 「労働新聞」)
前の記事にも書いた、金日成銅像爆破計画を巡り、北朝鮮外務省が「スポークスマン声明」という形で韓国と米国を非難した。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-07-21-0032&chAction=L
記事では、「白頭山の絶世の偉人たちの銅像を敢えてどうこうしようとする敵対行為は、我々の最高尊厳と我々人民の心の柱に対する最も露骨な冒涜であり、物理的な攻撃行為なので、武力侵攻にも劣らない戦争行為に当たる」と強く非難している。
ここまで書いていることからすると、実際に銅像爆破計画はあったのかもしれない。ただし、米国や韓国が直接的に関与するものではなく、脱北者団体のような民間団体が企てたものではないだろうか。だからこそ、遂行計画が稚拙で、北朝鮮に阻止されたのかもしれない。北朝鮮からすれば、彼らのいう「人間のゴミ」の集まりである民間の脱北者団体など非難しても意味がないので、矛先を米国に向けておく方が得策である。また、金正恩体制が「改革的」な色彩を出しながら社会の締め付けを緩めている一方で、そうであっても一線を越えてはならぬという人民に対する警告なのかもしれない。
声明では、「米国が我々に対して敵対意思がないと宣言した2000年10月12日の朝米共同コミュニケと我が共和国を攻撃したり侵攻する意思がないということを確言し、朝米がお互いの自主権を尊重し、平和的に共存するとした9.19共同声明の基本条項を根幹からひっくりかいしている」とも述べている。そして、「米国の旧態依然たる対朝鮮敵視政策により朝鮮半島では、対決と緊張激化の悪循環が繰り返され、朝鮮半島非核化も遠離っている」とした上で、「諸般の状況は、我々が核問題を全面的に再検討せざる終えない状況にしている」と核問題に連関させている。
北朝鮮のいう「核問題の再検討」とは何であろうか。少し前に北朝鮮は「核実験をする予定もない」ということを言ったが、それを受けているのであれば「こうした状況では、核実験も辞さない」という威嚇になる。ただし、米韓の大統領選挙を年末を控えるこのタイミングで、北朝鮮が敢えて核実験をする意味はあまりない。やるのであれば、その結果、さらにはその後の交渉を踏まえてからの方が効果的である。したがって、「核問題の再検討」とは「とりあえずは凍結しているのだから」、朝米共同コミュニケや9.19声明に立ち返って欲しいという訴えかもしれない。2.29については触れていないが、当然、これらのコミュニケや声明を受けた、直近の2.29に立ち返って欲しいという訴えではないだろうか。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-07-21-0032&chAction=L
記事では、「白頭山の絶世の偉人たちの銅像を敢えてどうこうしようとする敵対行為は、我々の最高尊厳と我々人民の心の柱に対する最も露骨な冒涜であり、物理的な攻撃行為なので、武力侵攻にも劣らない戦争行為に当たる」と強く非難している。
ここまで書いていることからすると、実際に銅像爆破計画はあったのかもしれない。ただし、米国や韓国が直接的に関与するものではなく、脱北者団体のような民間団体が企てたものではないだろうか。だからこそ、遂行計画が稚拙で、北朝鮮に阻止されたのかもしれない。北朝鮮からすれば、彼らのいう「人間のゴミ」の集まりである民間の脱北者団体など非難しても意味がないので、矛先を米国に向けておく方が得策である。また、金正恩体制が「改革的」な色彩を出しながら社会の締め付けを緩めている一方で、そうであっても一線を越えてはならぬという人民に対する警告なのかもしれない。
声明では、「米国が我々に対して敵対意思がないと宣言した2000年10月12日の朝米共同コミュニケと我が共和国を攻撃したり侵攻する意思がないということを確言し、朝米がお互いの自主権を尊重し、平和的に共存するとした9.19共同声明の基本条項を根幹からひっくりかいしている」とも述べている。そして、「米国の旧態依然たる対朝鮮敵視政策により朝鮮半島では、対決と緊張激化の悪循環が繰り返され、朝鮮半島非核化も遠離っている」とした上で、「諸般の状況は、我々が核問題を全面的に再検討せざる終えない状況にしている」と核問題に連関させている。
北朝鮮のいう「核問題の再検討」とは何であろうか。少し前に北朝鮮は「核実験をする予定もない」ということを言ったが、それを受けているのであれば「こうした状況では、核実験も辞さない」という威嚇になる。ただし、米韓の大統領選挙を年末を控えるこのタイミングで、北朝鮮が敢えて核実験をする意味はあまりない。やるのであれば、その結果、さらにはその後の交渉を踏まえてからの方が効果的である。したがって、「核問題の再検討」とは「とりあえずは凍結しているのだから」、朝米共同コミュニケや9.19声明に立ち返って欲しいという訴えかもしれない。2.29については触れていないが、当然、これらのコミュニケや声明を受けた、直近の2.29に立ち返って欲しいという訴えではないだろうか。