「第5回党細胞委員長大会」:1日目の動画から、崔龍海の特段の格上げ、チョ・ヨンウォンは妹の夫か?、「政治局員候補同志」の序列、居眠りは禁物 (2017年12月22日 (朝鮮中央TV)」
22日、「朝鮮中央TV」で21日に開催された「第5回党細胞委員長大会」の様子を紹介する番組が放送された。
今回は、幹部が次々とベンツで会場に到着する場面が放送されているが、崔龍海だけが「元帥様」と同じタイプのリムジンで到着し、ドアも開けてもらっている。崔龍海が会場に入ってからの場面も長く見せるという、「元帥様」並の扱いとなっており、崔龍海の扱いがこれまでと異なることが分かる。
リムジンから降りる崔龍海。

Source: KCTV, 2017/12/22
会場内を歩く崔龍海。他の幹部にはこのような映像は使っていない。

Source: KCTV, 2017/12/22
「元帥様」の到着シーンは少し引いた映像を使っているが、モデルは異なるが(ホイールの形状が違う)、片側3ドアのリムジンである。

Source: KCTV, 2017/12/22
一方、今回の大会で「元帥様」の左側に座っている事実上の事実上序列3位と思われる朴クァンホ(「党中央委員会第7回第2期全員会議」で政治局員に選出)が到着するシーンも見せているが、片面2ドアのセダン型ベンツで到着しており、明らかな崔龍海との格差を示している。

Source: KCTV, 2017/12/22
崔龍海は「元帥様」の開会の辞に続き、「報告」演説をする。

Source: KCTV, 2017/12/22
これまでの報道ときちんと比較したわけではないが、いつもと違うなと思う点は、主語を「崔龍海同志は」としており、普段使われる「報告者は」という言い方をしていない。しかも、1回ならず、何回もこの言い方をしている。随分、耳障りであることからして、崔龍海の名前を連呼するこの報道原稿には、崔龍海を持ち上げるための意図があるのもと思われる。
昨日の記事に、「軍人は見えない」と書いたが、会場の様子を紹介する映像の中に軍人が写っており、アナウンスも良く聞けば「人民軍」からの参加者があると言っている。

Source: KCTV, 2017/12/22
崔龍海をこれだけ持ち上げ、人民軍からの参加者がいるにもかかわらず、「人民軍総政治局長」という人民軍内の政治部門の最高責任者である黄炳瑞が参加していないのは、やはりおかしい。これまで、黄炳瑞の病気説に偏っていたが、どうも韓国メディアが伝えるのように、処分・格下げされたというのが事実のような気がしてきた。
今回の「大会」では、もう1人、注目すべき人物がいるが、チョ・ヨンウォンである。彼は、「元帥様」の現地指導に頻繁に同行し、そういう顔つきだということもあろうが、いつもヘラヘラとしているように見える。他の同行者が「元帥様」の前で緊張しているにもかかわらず、彼にはそのような様子があまり見えない(繰り返すが、そういう顔だということもあろうが)。
ほんの一瞬しか見せないが、下の写真はかなり決定的である(一瞬に意味がある「朝鮮中央TV」である)。

Source: KCTV, 2017/12/22
あまりにも短いので動画再生ソフトでのキャプチャが上手くいかず、動画を止めてツールで切り取ったのだが、「政治局員候補同志」とチョ・ヨンウォンが一緒に「元帥様」を出迎えている。警護員以外は見えないので、やはりこの2人は相当特別で、「政治局員候補同志」が兄貴の周囲をチョロチョロと動いている映像はこれまでもあったのだが、チョ・ヨンウォンと2人セットで登場するというのは、今回が初めてである。
今までも思っていたのだが、チョ・ヨンウォンを突然これほどまでに重用するようになったのは、彼の実力以上のものがあり、妹(「政治局員候補同志」)の夫だからなのかもしれない。彼の年齢は不詳であるが、禿げ上がってはいるものの、30代後半から40代初めのように見える。
そして、「大会」中も「元帥様」は2回も彼を呼びつけている。

Source: KCTV, 2017/12/22
チョ・ヨンウォンが呼びつけられている場面で流れるアナウンスは、以下である(文字は『労働新聞』記事より抜粋)。
***********
朝鮮労働党の百勝の領導と革命の最強の武器である一心団結があり、しっかりとした自立的経済土台と自力更生の闘争伝統があるので、我々の偉業は必勝不敗であるという不滅の信念を植え付けるための思想教養事業を攻勢的に展開しなければならない。
조선로동당의 백승의 령도와 혁명의 최강의 무기인 일심단결이 있고 튼튼한 자립적경제토대와 자력갱생의 투쟁전통이 있기에 우리의 위업은 필승불패이라는 억척불변의 신념을 심어주기 위한 사상교양사업을 공세적으로 벌려야 한다.
困難なときほど、民心を正確に把握し、群衆の中で提起されている問題をその時々に解決してやりながら、異色的な風潮の根を抜くための闘争を高い強度で展開することで、敵共の悪辣な内部瓦解策動を断固として粉砕しなければならない。
어려울 때일수록 민심을 정확히 파악하고 군중속에서 제기되는 문제를 제때에 풀어주며 이색적인 사상과 풍조를 뿌리뽑기 위한 투쟁을 강도높이 벌림으로써 적들의 악랄한 내부와해책동을 단호히 짓부셔버려야 한다.
*************
この内容は、「宣伝・扇動活動」をしっかりとやり、思想を強固にしろと言っているようにも取れるが、だとすると、チョ・ヨンウォンは「宣伝・扇動部」の幹部(副部長?)の可能性があり、さらに序列的には上の「政治局員候補同志」が同部の「部長」である可能性が見えてきた。これも、韓国情報を裏付ける物になりそうな気がする。
お父さんは妹の夫選びに失敗したわけだが、「元帥様」はその轍を踏まないようにしているということを示すためにも、妹の夫を何回も呼びつけて指示を出しているのかも知れない。
2回目。この時のアナウンスは「党と首領の偉大性を習得し・・・」という内容。

Source: KCTV, 2017/12/22
合計3回、「元帥様」が呼びつけているシーンは出てくるが、残る一つは崔龍海と誰か。この時、崔龍海はしばらく座ったまま「元帥様」の話を聞いた後で、立ち上がっている。上の写真に見られる朴クァンホとは「元帥様」に対する態度が明らかに異なる。

Source: KCTV, 2017/12/22
ところで、入場シーンを見ると「政治局員候補同志」の序列が推測できる。並び順からすると、金ヨジョンは14番目にいる。

Source: KCTV, 2017/12/22
また、上記のチョ・ヨンウォンはさらに後ろから出てくる。右側のカーテンの左横でヘラヘラしているのがチョ・ヨンウォン。「政治局員候補同志」(妻?)よりは、10人ぐらい後にいる。

Source: KCTV, 2017/12/22
しかし、チョ・ヨンウォンは2列目ながらも「元帥様」に近いところに座っていることに注目しなければならない。「元帥様」が座れと合図をしている左後ろで、ヘラヘラと座るチョ・ヨンウォン(KCTVのウォーターマークの下辺り)。

Source: KCTV, 2017/12/22
後ろではあるが、事実上の序列2位と3位の間に写っている。

Source: KCTV, 2017/12/22
「政治局員候補同志」は、相当に気合いを入れてメモを取っていたが、眠そうな顔をしているシーンも出てくる。

Source: KCTV, 2017/12/22
それとの関係では、動画がHDになったので、会場にいる人々の顔がはっきりと確認できるようになった。目をつぶって聞いているだけなのかも知れないが、居眠りをしているように見える人も写っている。「元帥様」が壇上で一生懸命メモをしているのに居眠りをしていると思われるような態度は、重大な結果を招くことになるのだが。例えば、矢印の人。

Source: KCTV, 2017/12/22
HD化された直後に放送された「第8回軍需工業大会」の映像もそうであったが、解像度が上がったことを強調したいのか、会場の様子を何回も見せるようになった。参加者もうかつに居眠りはできないという恐ろしいHD放送だ。
「政治局員候補同志」の前で止まるカメラ。
Source: KCTV, 2017/12/22
今回は、幹部が次々とベンツで会場に到着する場面が放送されているが、崔龍海だけが「元帥様」と同じタイプのリムジンで到着し、ドアも開けてもらっている。崔龍海が会場に入ってからの場面も長く見せるという、「元帥様」並の扱いとなっており、崔龍海の扱いがこれまでと異なることが分かる。
リムジンから降りる崔龍海。

Source: KCTV, 2017/12/22
会場内を歩く崔龍海。他の幹部にはこのような映像は使っていない。

Source: KCTV, 2017/12/22
「元帥様」の到着シーンは少し引いた映像を使っているが、モデルは異なるが(ホイールの形状が違う)、片側3ドアのリムジンである。

Source: KCTV, 2017/12/22
一方、今回の大会で「元帥様」の左側に座っている事実上の事実上序列3位と思われる朴クァンホ(「党中央委員会第7回第2期全員会議」で政治局員に選出)が到着するシーンも見せているが、片面2ドアのセダン型ベンツで到着しており、明らかな崔龍海との格差を示している。

Source: KCTV, 2017/12/22
崔龍海は「元帥様」の開会の辞に続き、「報告」演説をする。

Source: KCTV, 2017/12/22
これまでの報道ときちんと比較したわけではないが、いつもと違うなと思う点は、主語を「崔龍海同志は」としており、普段使われる「報告者は」という言い方をしていない。しかも、1回ならず、何回もこの言い方をしている。随分、耳障りであることからして、崔龍海の名前を連呼するこの報道原稿には、崔龍海を持ち上げるための意図があるのもと思われる。
昨日の記事に、「軍人は見えない」と書いたが、会場の様子を紹介する映像の中に軍人が写っており、アナウンスも良く聞けば「人民軍」からの参加者があると言っている。

Source: KCTV, 2017/12/22
崔龍海をこれだけ持ち上げ、人民軍からの参加者がいるにもかかわらず、「人民軍総政治局長」という人民軍内の政治部門の最高責任者である黄炳瑞が参加していないのは、やはりおかしい。これまで、黄炳瑞の病気説に偏っていたが、どうも韓国メディアが伝えるのように、処分・格下げされたというのが事実のような気がしてきた。
今回の「大会」では、もう1人、注目すべき人物がいるが、チョ・ヨンウォンである。彼は、「元帥様」の現地指導に頻繁に同行し、そういう顔つきだということもあろうが、いつもヘラヘラとしているように見える。他の同行者が「元帥様」の前で緊張しているにもかかわらず、彼にはそのような様子があまり見えない(繰り返すが、そういう顔だということもあろうが)。
ほんの一瞬しか見せないが、下の写真はかなり決定的である(一瞬に意味がある「朝鮮中央TV」である)。

Source: KCTV, 2017/12/22
あまりにも短いので動画再生ソフトでのキャプチャが上手くいかず、動画を止めてツールで切り取ったのだが、「政治局員候補同志」とチョ・ヨンウォンが一緒に「元帥様」を出迎えている。警護員以外は見えないので、やはりこの2人は相当特別で、「政治局員候補同志」が兄貴の周囲をチョロチョロと動いている映像はこれまでもあったのだが、チョ・ヨンウォンと2人セットで登場するというのは、今回が初めてである。
今までも思っていたのだが、チョ・ヨンウォンを突然これほどまでに重用するようになったのは、彼の実力以上のものがあり、妹(「政治局員候補同志」)の夫だからなのかもしれない。彼の年齢は不詳であるが、禿げ上がってはいるものの、30代後半から40代初めのように見える。
そして、「大会」中も「元帥様」は2回も彼を呼びつけている。

Source: KCTV, 2017/12/22
チョ・ヨンウォンが呼びつけられている場面で流れるアナウンスは、以下である(文字は『労働新聞』記事より抜粋)。
***********
朝鮮労働党の百勝の領導と革命の最強の武器である一心団結があり、しっかりとした自立的経済土台と自力更生の闘争伝統があるので、我々の偉業は必勝不敗であるという不滅の信念を植え付けるための思想教養事業を攻勢的に展開しなければならない。
조선로동당의 백승의 령도와 혁명의 최강의 무기인 일심단결이 있고 튼튼한 자립적경제토대와 자력갱생의 투쟁전통이 있기에 우리의 위업은 필승불패이라는 억척불변의 신념을 심어주기 위한 사상교양사업을 공세적으로 벌려야 한다.
困難なときほど、民心を正確に把握し、群衆の中で提起されている問題をその時々に解決してやりながら、異色的な風潮の根を抜くための闘争を高い強度で展開することで、敵共の悪辣な内部瓦解策動を断固として粉砕しなければならない。
어려울 때일수록 민심을 정확히 파악하고 군중속에서 제기되는 문제를 제때에 풀어주며 이색적인 사상과 풍조를 뿌리뽑기 위한 투쟁을 강도높이 벌림으로써 적들의 악랄한 내부와해책동을 단호히 짓부셔버려야 한다.
*************
この内容は、「宣伝・扇動活動」をしっかりとやり、思想を強固にしろと言っているようにも取れるが、だとすると、チョ・ヨンウォンは「宣伝・扇動部」の幹部(副部長?)の可能性があり、さらに序列的には上の「政治局員候補同志」が同部の「部長」である可能性が見えてきた。これも、韓国情報を裏付ける物になりそうな気がする。
お父さんは妹の夫選びに失敗したわけだが、「元帥様」はその轍を踏まないようにしているということを示すためにも、妹の夫を何回も呼びつけて指示を出しているのかも知れない。
2回目。この時のアナウンスは「党と首領の偉大性を習得し・・・」という内容。

Source: KCTV, 2017/12/22
合計3回、「元帥様」が呼びつけているシーンは出てくるが、残る一つは崔龍海と誰か。この時、崔龍海はしばらく座ったまま「元帥様」の話を聞いた後で、立ち上がっている。上の写真に見られる朴クァンホとは「元帥様」に対する態度が明らかに異なる。

Source: KCTV, 2017/12/22
ところで、入場シーンを見ると「政治局員候補同志」の序列が推測できる。並び順からすると、金ヨジョンは14番目にいる。

Source: KCTV, 2017/12/22
また、上記のチョ・ヨンウォンはさらに後ろから出てくる。右側のカーテンの左横でヘラヘラしているのがチョ・ヨンウォン。「政治局員候補同志」(妻?)よりは、10人ぐらい後にいる。

Source: KCTV, 2017/12/22
しかし、チョ・ヨンウォンは2列目ながらも「元帥様」に近いところに座っていることに注目しなければならない。「元帥様」が座れと合図をしている左後ろで、ヘラヘラと座るチョ・ヨンウォン(KCTVのウォーターマークの下辺り)。

Source: KCTV, 2017/12/22
後ろではあるが、事実上の序列2位と3位の間に写っている。

Source: KCTV, 2017/12/22
「政治局員候補同志」は、相当に気合いを入れてメモを取っていたが、眠そうな顔をしているシーンも出てくる。

Source: KCTV, 2017/12/22
それとの関係では、動画がHDになったので、会場にいる人々の顔がはっきりと確認できるようになった。目をつぶって聞いているだけなのかも知れないが、居眠りをしているように見える人も写っている。「元帥様」が壇上で一生懸命メモをしているのに居眠りをしていると思われるような態度は、重大な結果を招くことになるのだが。例えば、矢印の人。

Source: KCTV, 2017/12/22
HD化された直後に放送された「第8回軍需工業大会」の映像もそうであったが、解像度が上がったことを強調したいのか、会場の様子を何回も見せるようになった。参加者もうかつに居眠りはできないという恐ろしいHD放送だ。
「政治局員候補同志」の前で止まるカメラ。
Source: KCTV, 2017/12/22