「朝鮮半島をめぐる無謀な行動は現実としての戦争の危機を高める」:北朝鮮が先にグアムに向けてミサイルを発射すれば中国は中立 (2017年8月10日 「Global Times」)
<追記:2017/08/15 9049>
15日の中国外交部定例記者会見で、外交部報道官は、「北朝鮮がグアムを攻撃した場合、中国は中立を保つか」という質問に対し、下記のように発言した。
***************
2つ目の質問についてですが、そのような仮定的な質問に答えるのは適切ではないし、私も答えたくありません。
On your second question, it is not appropriate for me to answer such a hypothetical question, neither do I want to do so.
Foreign Ministry of PRC, Foreign Ministry Spokesperson Hua Chunying's Regular Press Conference on August 14, 2017
2017/08/15, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/t1484636.shtml
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肯定もしていないし、否定もしていないので、「中立」の可能性は否定されたわけではない。下記の中朝条約第2条に関わる話なので、外交部も容易に発言できないのであろう。
<追記ここまで>
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10日のGlobal Timesに掲載されたReckless game over the Korean Peninsula runs risk of real warという社説の中で以下。
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中国は、これ以上、「米国と北朝鮮に対して引き下がるよう説得はできない。しかし、両国にはっきりと明言しておくが、彼らの行動が中国の国益を危険にすれば、中国は断固たる対応をする。
Beijing is not able to persuade Washington or Pyongyang to back down at this time. It needs to make clear its stance to all sides and make them understand that when their actions jeopardize China's interests, China will respond with a firm hand.
中国は、また次のことも明言しておく。北朝鮮がミサイルを発射し、米国領土を先に脅威に晒し、それに米国が報復をしても、中国は中立を保つ。米国と韓国が北朝鮮政権を転覆、交替させるための攻撃を仕掛け、朝鮮半島の政治情勢の変更をしようとするならば、中国はそれを妨げる。
China should also make clear that if North Korea launches missiles that threaten US soil first and the US retaliates, China will stay neutral. If the US and South Korea carry out strikes and try to overthrow the North Korean regime and change the political pattern of the Korean Peninsula, China will prevent them from doing so.
Global Times, Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war, http://www.globaltimes.cn/content/1060791.shtml
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朝鮮半島のstatus quoが中国の立場であることは従来通りであるが、北朝鮮がグアムに向けてミサイルを発射することは、status quoを変更するという認識から、中朝友好協力相互援助条約第2条のいずれか一方の国が武力攻撃された場合の自動介入条項の対象にならないことを明言した形になる。
一方で、米韓が北朝鮮を攻撃しstatus quoを変更しようとするならば、中国はそれも「防ぐ」としている。「防ぐ」方法については言及されていないので、外交・経済上の措置だけなのか、軍事行動も含むのかは不明である。
この中国の立場表明は、特に北朝鮮に対して強い抑止となると思われる。つまり、中国は、これまでの北朝鮮によるミサイル発射には、核実験と比べれば、比較的寛容な態度であったが、朝鮮戦争につながるような無謀な「方向」に向けての発射をすれば、中国は直接攻撃はしないものの、北朝鮮が攻撃されても傍観するというものである。一方、米国の立場からすれば、北朝鮮を攻撃した場合、憂慮すべき中国の自動介入がないことが確認されたわけで、北朝鮮を攻撃しやすい状況になったといえる。
もちろん、北朝鮮がミサイルを発射してもしなくても、米国が北朝鮮を攻撃すれば、東北アジアは壊滅的な打撃を受けることは依然として変わらない。
15日の中国外交部定例記者会見で、外交部報道官は、「北朝鮮がグアムを攻撃した場合、中国は中立を保つか」という質問に対し、下記のように発言した。
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2つ目の質問についてですが、そのような仮定的な質問に答えるのは適切ではないし、私も答えたくありません。
On your second question, it is not appropriate for me to answer such a hypothetical question, neither do I want to do so.
Foreign Ministry of PRC, Foreign Ministry Spokesperson Hua Chunying's Regular Press Conference on August 14, 2017
2017/08/15, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/t1484636.shtml
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肯定もしていないし、否定もしていないので、「中立」の可能性は否定されたわけではない。下記の中朝条約第2条に関わる話なので、外交部も容易に発言できないのであろう。
<追記ここまで>
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10日のGlobal Timesに掲載されたReckless game over the Korean Peninsula runs risk of real warという社説の中で以下。
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中国は、これ以上、「米国と北朝鮮に対して引き下がるよう説得はできない。しかし、両国にはっきりと明言しておくが、彼らの行動が中国の国益を危険にすれば、中国は断固たる対応をする。
Beijing is not able to persuade Washington or Pyongyang to back down at this time. It needs to make clear its stance to all sides and make them understand that when their actions jeopardize China's interests, China will respond with a firm hand.
中国は、また次のことも明言しておく。北朝鮮がミサイルを発射し、米国領土を先に脅威に晒し、それに米国が報復をしても、中国は中立を保つ。米国と韓国が北朝鮮政権を転覆、交替させるための攻撃を仕掛け、朝鮮半島の政治情勢の変更をしようとするならば、中国はそれを妨げる。
China should also make clear that if North Korea launches missiles that threaten US soil first and the US retaliates, China will stay neutral. If the US and South Korea carry out strikes and try to overthrow the North Korean regime and change the political pattern of the Korean Peninsula, China will prevent them from doing so.
Global Times, Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war, http://www.globaltimes.cn/content/1060791.shtml
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朝鮮半島のstatus quoが中国の立場であることは従来通りであるが、北朝鮮がグアムに向けてミサイルを発射することは、status quoを変更するという認識から、中朝友好協力相互援助条約第2条のいずれか一方の国が武力攻撃された場合の自動介入条項の対象にならないことを明言した形になる。
一方で、米韓が北朝鮮を攻撃しstatus quoを変更しようとするならば、中国はそれも「防ぐ」としている。「防ぐ」方法については言及されていないので、外交・経済上の措置だけなのか、軍事行動も含むのかは不明である。
この中国の立場表明は、特に北朝鮮に対して強い抑止となると思われる。つまり、中国は、これまでの北朝鮮によるミサイル発射には、核実験と比べれば、比較的寛容な態度であったが、朝鮮戦争につながるような無謀な「方向」に向けての発射をすれば、中国は直接攻撃はしないものの、北朝鮮が攻撃されても傍観するというものである。一方、米国の立場からすれば、北朝鮮を攻撃した場合、憂慮すべき中国の自動介入がないことが確認されたわけで、北朝鮮を攻撃しやすい状況になったといえる。
もちろん、北朝鮮がミサイルを発射してもしなくても、米国が北朝鮮を攻撃すれば、東北アジアは壊滅的な打撃を受けることは依然として変わらない。