「破壊された軽率な老婆の例に従うつもりか」:文ジェイン政権の外交部長官康京和を非難、南北関係前途多難 (2017年7月6日 「uriminzokkiri」)
7日、uriminzokkiriに文ジェイン政権の新外交部長官康京和を非難するオリジナル字幕付きの動画が掲載された。字幕無しの同動画は少し前に掲載されていた。
Source: uriminzokkiri, 2017/07/06
融和的な文ジェイン政権の発足で、南北関係は改善に向かうのではないかと予測していたのだが、現段階ではその兆候はほとんど見えていない。状況としては、韓国側から秋波を送っても、北朝鮮側が全く乗ってこないと言えるのではないだろうか。
例えば、文ジェイン政権は、ピョンチャン冬期オリンピックを共同開催し、一部の競技をマシンリョンスキー場で開催してはどうかという具体的な提案までした。北朝鮮側とすれば、自慢のマシンリョンスキー場を世界に誇る絶好の機会となるにもかかわらず、「そのような話は、南北間だけですべきではない」と敢えなく拒絶した。
そして、7月4日、「特別重大放送」予告があった日、私は「たかがミサイル発射で特別重大放送などするわけがない」と思い、日が日なので、「元帥様」が南北関係改善に向けた「重大」決定をしたとでも言い出すのではないかと思っていた。ところが、そんなことはまったくなく、新型ミサイル大成功という話だった。
南北関係改善を言い出すと思ったのは、7月4日という日にち以外にも理由がある。
7月2日に放送された「朝鮮記録映画」の中で「元帥様」が「5月1日競技場」で「建設軍人」と記念撮影をするシーンに何回もオリンピックマークが出てきていたし、

Source: KCTV, 2017/07/02
また、3日の「20時報道」で楽浪区域の中学生がサッカー「小組活動」を紹介する報道にもオリンピックマークが出ていた。

Source: KCTV, 2017/07/03
今思えば偶然だったのであろうが、4日の「特別重大報道」前は、南北関係改善と結びつけながら、オリンピックの共同開催に言及するのかとすら思っていた。
韓国側では金大中、盧武鉉時代、北朝鮮側では「将軍様」、「元帥様」時代という視点から、きちんと比較してみる必要があるが、基本的に変わっているのは誰がということではなく、北朝鮮の核・ミサイル能力ではないのだろうか。北朝鮮としては、その向上に自信を持ち、ここで交渉のテーブルにつくよりも、交渉のテーブルにつくにしても、もっと能力を高めてからの方が自らに有利だと判断しているのだと思う。
また、4月に米国が「先制攻撃」を云々しながら、空母を朝鮮半島周辺に集結させたのも安易な行動だったのかも知れない。北朝鮮は、4月の時点では相当の脅威を感じていたはずであるが、結果として米国は何もできなかった。もちろん、周辺国への影響を考えれば、何もしない以外の選択肢はなかったはずだし、それが正しい選択であったことはいうまでもないが、北朝鮮からすれば、「結局、米国は口先だけで何もできない」ということを証明した形となった。これも、北朝鮮に(核・)ミサイル活動を続けても安全だという確信を与えたのであろう。
こうなってくると、やはり中国が重要になる。対米共調と制裁に重きを置く李明博や朴槿恵政権なら難しいかも知れないが、韓国の現政権は対北融和的な文ジェイン政権である。中国は、対北融和的な文ジェイン政権と協調しながら、中国と北朝鮮との経済関係を縮小しつつ、縮小分を北朝鮮が韓国との関係改善の中で確保するよう誘導することはできないのだろうか。それが可能であれば、中国が心配する経済関係縮小による北朝鮮の不安定化は避けられるし、南北関係改善という大きな枠組みの中で、北朝鮮から譲歩を引き出すことも可能であろう。もちろん、北朝鮮は、中国が経済関係引き締めをしても、直ぐには韓国との関係回復に応じない可能性はある。しかし、中国との経済関係が縮小すれば、北朝鮮の経済に少なからぬ影響を与えることは間違いないし、人民生活の質を落とすことに繋がる。中国にしても、南北関係が改善に向かえば、韓国政府も米国を説得してTHAADを撤収させる可能性もある。これは、韓国へのTHAAD配備に強く反対している中国にとって望ましいことであるに違いない。
みんな揃って一斉に北朝鮮を締め付けるのではなく、中国は一方で北朝鮮を締め付け、その逃げ道として南北関係改善の通路は開いておくというやり方はあるのではなかろうか。文ジェイン政権であれば、このアイディアに反対しないはずである。もちろん、問題は「元帥様」ではあるのだが。
Source: uriminzokkiri, 2017/07/06
融和的な文ジェイン政権の発足で、南北関係は改善に向かうのではないかと予測していたのだが、現段階ではその兆候はほとんど見えていない。状況としては、韓国側から秋波を送っても、北朝鮮側が全く乗ってこないと言えるのではないだろうか。
例えば、文ジェイン政権は、ピョンチャン冬期オリンピックを共同開催し、一部の競技をマシンリョンスキー場で開催してはどうかという具体的な提案までした。北朝鮮側とすれば、自慢のマシンリョンスキー場を世界に誇る絶好の機会となるにもかかわらず、「そのような話は、南北間だけですべきではない」と敢えなく拒絶した。
そして、7月4日、「特別重大放送」予告があった日、私は「たかがミサイル発射で特別重大放送などするわけがない」と思い、日が日なので、「元帥様」が南北関係改善に向けた「重大」決定をしたとでも言い出すのではないかと思っていた。ところが、そんなことはまったくなく、新型ミサイル大成功という話だった。
南北関係改善を言い出すと思ったのは、7月4日という日にち以外にも理由がある。
7月2日に放送された「朝鮮記録映画」の中で「元帥様」が「5月1日競技場」で「建設軍人」と記念撮影をするシーンに何回もオリンピックマークが出てきていたし、

Source: KCTV, 2017/07/02
また、3日の「20時報道」で楽浪区域の中学生がサッカー「小組活動」を紹介する報道にもオリンピックマークが出ていた。

Source: KCTV, 2017/07/03
今思えば偶然だったのであろうが、4日の「特別重大報道」前は、南北関係改善と結びつけながら、オリンピックの共同開催に言及するのかとすら思っていた。
韓国側では金大中、盧武鉉時代、北朝鮮側では「将軍様」、「元帥様」時代という視点から、きちんと比較してみる必要があるが、基本的に変わっているのは誰がということではなく、北朝鮮の核・ミサイル能力ではないのだろうか。北朝鮮としては、その向上に自信を持ち、ここで交渉のテーブルにつくよりも、交渉のテーブルにつくにしても、もっと能力を高めてからの方が自らに有利だと判断しているのだと思う。
また、4月に米国が「先制攻撃」を云々しながら、空母を朝鮮半島周辺に集結させたのも安易な行動だったのかも知れない。北朝鮮は、4月の時点では相当の脅威を感じていたはずであるが、結果として米国は何もできなかった。もちろん、周辺国への影響を考えれば、何もしない以外の選択肢はなかったはずだし、それが正しい選択であったことはいうまでもないが、北朝鮮からすれば、「結局、米国は口先だけで何もできない」ということを証明した形となった。これも、北朝鮮に(核・)ミサイル活動を続けても安全だという確信を与えたのであろう。
こうなってくると、やはり中国が重要になる。対米共調と制裁に重きを置く李明博や朴槿恵政権なら難しいかも知れないが、韓国の現政権は対北融和的な文ジェイン政権である。中国は、対北融和的な文ジェイン政権と協調しながら、中国と北朝鮮との経済関係を縮小しつつ、縮小分を北朝鮮が韓国との関係改善の中で確保するよう誘導することはできないのだろうか。それが可能であれば、中国が心配する経済関係縮小による北朝鮮の不安定化は避けられるし、南北関係改善という大きな枠組みの中で、北朝鮮から譲歩を引き出すことも可能であろう。もちろん、北朝鮮は、中国が経済関係引き締めをしても、直ぐには韓国との関係回復に応じない可能性はある。しかし、中国との経済関係が縮小すれば、北朝鮮の経済に少なからぬ影響を与えることは間違いないし、人民生活の質を落とすことに繋がる。中国にしても、南北関係が改善に向かえば、韓国政府も米国を説得してTHAADを撤収させる可能性もある。これは、韓国へのTHAAD配備に強く反対している中国にとって望ましいことであるに違いない。
みんな揃って一斉に北朝鮮を締め付けるのではなく、中国は一方で北朝鮮を締め付け、その逃げ道として南北関係改善の通路は開いておくというやり方はあるのではなかろうか。文ジェイン政権であれば、このアイディアに反対しないはずである。もちろん、問題は「元帥様」ではあるのだが。