「北極星-2」型ロケットの動画分析 (2017年5月24日)
22日に打ち上げられた「北極星-2」の発射地点や弾頭部に装着された映像を分析してみた。
まず、カメラが装着されている位置であるが、下の赤い点の部分に下向きに取り付けられているのではないかと仮定する。もし、弾頭が尖端の黒い部分だけということであれば、そこの同じ位置になる。

Source: 『労働新聞』の写真を加工
そして、ミサイルの飛行コースを次のように想定する。東に向かって発射され、500km飛行したとし、中間点が250km、最高点とされる560kmの少し手前で切り離され慣性で上昇を続け、その後しばらく水平飛行状態となり、落下していく。放物線が描けていないが、大体、下のような感じになろう。

Source: Google Earth
「朝鮮中央TV」で公開された弾頭部に設置されたカメラで撮影したと思われる動画は、切り離し時に部品が散乱するような場面から始まる。この際、下向きに取り付けられたカメラは、散乱する部品と切り離しのための爆薬から発生したと思われる煙を撮している。

Source: KCTV, 2017/05/22
その後、煙がなくなり、慣性飛行になり弾頭部の角度が変わり、地球が見えてくる。

Source: KCTV, 2017/05/22
この時に写っている場所をGoogle Earthで調べると、海州市の南方になる。

Source: Google Earth
その後、カメラは西海岸の海岸線に沿って北側を撮影していく。そして、南浦や平壌を撮影する。

Source: KCTV, 2017/05/21

Source: Google Earth
そして、カメラはさらに北を撮影し、定州市沿岸の島を見せる。この映像が長く続いているので、この角度で上昇を続けたのであろう。

Source: KCTV, 2017/50/22

Source: Google Earth
その後、映像が一度カットされ、さらに高度から撮影した映像に切り替えられる。地上から遠隔操作でカメラの方向を変えたり、ズームを調整していなければ、弾頭部はこの角度を保ったまま上昇を続け最高点に達する。

Source: KCTV, 2017/05/22

Source: Google Earth
最高点から、弾頭部は水平飛行に入り、カメラは遼東半島西方の雲や宇宙空間を撮影する。

Source: KCTV, 2017/05/22
高度は違うが、方向的にはこのような感じだろう。

Source: Google Earth
高度をおよそ560kmにするとこんな感じになるが、弾頭部に設置されたカメラはより広角で捕らえているようである。

Source: Google Earth
その後弾頭部は落下フェーズに入り、カメラは宇宙方向に向かう。落下に入り、速度が速まっているのか、地球の動きも速くなる。この後は、真っ黒な宇宙空間を撮すだけなので、ここで動画は終了する。北朝鮮の「科学者・技術者」は、この後、いつまで弾頭部に積まれた送信機が作動し続けるのか、あるいは弾頭部内の熱や振動を測定する機器が積み込まれていたとすれば、そのデータを受信し、再突入に関するデータを収集したはずである。

Source: KCTV, 2017/05/22
発射地点についても、川の流れ、陰の方向などを見ながら特定を試みたが、分からなかった。はじめは、下にあるように空軍基地付近ではないのかと思ったが、山や川の位置が一致しないので、違うようだ。赤でマークしたところには、建物があり「元帥様」の「監視所」には最適だと思ったのだが・・

Source: Google Earth
この基地の過去映像を見ていたら、地面に戦闘機(F-15かF-16のような形?)が描かれていた。どうやら、敵の空港を攻撃する訓練をしたようで、周囲には爆弾でできたような穴が多数ある。

Source: Google Earth, 2011/03/18撮影
<追記 2017/05/31>
38 Northが、発射地点を特定していた。水面の波が川の流れのように見えたので、川の周辺ばかり探っていたが、湖だったようだ。陰の方向、山の位置など全て映像と合致するだけではなく、「元帥様」の別荘も近くにあるようだ。
38 North, Lake Yonphung: Launch Site for the Second Pukguksong-2 Missile Launch, http://38north.org/2017/05/pukguksong2_052317/
ヨンプン湖

Source: Google Earth
まず、カメラが装着されている位置であるが、下の赤い点の部分に下向きに取り付けられているのではないかと仮定する。もし、弾頭が尖端の黒い部分だけということであれば、そこの同じ位置になる。

Source: 『労働新聞』の写真を加工
そして、ミサイルの飛行コースを次のように想定する。東に向かって発射され、500km飛行したとし、中間点が250km、最高点とされる560kmの少し手前で切り離され慣性で上昇を続け、その後しばらく水平飛行状態となり、落下していく。放物線が描けていないが、大体、下のような感じになろう。

Source: Google Earth
「朝鮮中央TV」で公開された弾頭部に設置されたカメラで撮影したと思われる動画は、切り離し時に部品が散乱するような場面から始まる。この際、下向きに取り付けられたカメラは、散乱する部品と切り離しのための爆薬から発生したと思われる煙を撮している。

Source: KCTV, 2017/05/22
その後、煙がなくなり、慣性飛行になり弾頭部の角度が変わり、地球が見えてくる。

Source: KCTV, 2017/05/22
この時に写っている場所をGoogle Earthで調べると、海州市の南方になる。

Source: Google Earth
その後、カメラは西海岸の海岸線に沿って北側を撮影していく。そして、南浦や平壌を撮影する。

Source: KCTV, 2017/05/21

Source: Google Earth
そして、カメラはさらに北を撮影し、定州市沿岸の島を見せる。この映像が長く続いているので、この角度で上昇を続けたのであろう。

Source: KCTV, 2017/50/22

Source: Google Earth
その後、映像が一度カットされ、さらに高度から撮影した映像に切り替えられる。地上から遠隔操作でカメラの方向を変えたり、ズームを調整していなければ、弾頭部はこの角度を保ったまま上昇を続け最高点に達する。

Source: KCTV, 2017/05/22

Source: Google Earth
最高点から、弾頭部は水平飛行に入り、カメラは遼東半島西方の雲や宇宙空間を撮影する。

Source: KCTV, 2017/05/22
高度は違うが、方向的にはこのような感じだろう。

Source: Google Earth
高度をおよそ560kmにするとこんな感じになるが、弾頭部に設置されたカメラはより広角で捕らえているようである。

Source: Google Earth
その後弾頭部は落下フェーズに入り、カメラは宇宙方向に向かう。落下に入り、速度が速まっているのか、地球の動きも速くなる。この後は、真っ黒な宇宙空間を撮すだけなので、ここで動画は終了する。北朝鮮の「科学者・技術者」は、この後、いつまで弾頭部に積まれた送信機が作動し続けるのか、あるいは弾頭部内の熱や振動を測定する機器が積み込まれていたとすれば、そのデータを受信し、再突入に関するデータを収集したはずである。

Source: KCTV, 2017/05/22
発射地点についても、川の流れ、陰の方向などを見ながら特定を試みたが、分からなかった。はじめは、下にあるように空軍基地付近ではないのかと思ったが、山や川の位置が一致しないので、違うようだ。赤でマークしたところには、建物があり「元帥様」の「監視所」には最適だと思ったのだが・・

Source: Google Earth
この基地の過去映像を見ていたら、地面に戦闘機(F-15かF-16のような形?)が描かれていた。どうやら、敵の空港を攻撃する訓練をしたようで、周囲には爆弾でできたような穴が多数ある。

Source: Google Earth, 2011/03/18撮影
<追記 2017/05/31>
38 Northが、発射地点を特定していた。水面の波が川の流れのように見えたので、川の周辺ばかり探っていたが、湖だったようだ。陰の方向、山の位置など全て映像と合致するだけではなく、「元帥様」の別荘も近くにあるようだ。
38 North, Lake Yonphung: Launch Site for the Second Pukguksong-2 Missile Launch, http://38north.org/2017/05/pukguksong2_052317/
ヨンプン湖

Source: Google Earth