北朝鮮 ミサイル発射 500キロ飛行と (2017年5月21日 「聯合ニュース」)
21日、北朝鮮が平安南道プクチャン郡付近からミサイルを発射し、500キロ飛んだと『聯合ニュース』が報じた。
『聯合ニュース』、「합참 "北 발사 탄도미사일 500여㎞ 비행"(속보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/05/21/0505000000AKR20170521056100014.HTML?template=2085
予想される飛行コースを描いてみた。北東に飛ばして、日本海の公海に落下させたのではないだろうか。日本海にはカールビンソンが展開しており、それにロナルド・レーガンが合流したとも報じられているので、それらを刺激せぬよう、前回と同じ方向に発射していると推測される。円の半径は500km。平壌により近い場所からの発射している。亀城市付近が前回の発射地点とされている。

Source: Google Earth
『時事通信』、「米空母レーガンが朝鮮半島周辺へ=異例の2隻態勢、合同演習か―北朝鮮けん制強化」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170519-00000067-jij-n_ame
*************
<追記>
『聯合ニュース』を見たら、「東方向に」と書いてあったので、上の予想は外れた。だとすると、2隻の米空母が展開している場所はもっと南方なのだろうか。
**********
飛行高度が分かると、「火星-12」と同じミサイルかどうかが判断できる。飛行距離が短いので、同じであれば、より高い高度に達しているはずである。同じミサイルを続けて2回発射することで、技術的確実性・安定性を確認する目的か、飛行距離を縮めてさらに高い高度にまで打ち上げているのであれば、弾頭の再突入実験の可能性もある。38 Northに掲載されている、「火星-12」の総合評価記事によると、「火星-12」の発射の再突入速度は、シミュレーションによると5.4km/sで、最小エネルギー軌道の再突入速度5.2km/sとほとんど変わらないので、弾頭評価の目的ではなさそう」としている。今回の発射で、さらに高度を上げ、再突入時の速度を上げているのであれば、弾頭部の再突入耐性実験の可能性は高くなる。
38 North, A Quick Technical Analysis of the Hwasong-12, http://38north.org/2017/05/hwasong051917/print/
<追記2>
最高高度は560kmと。
<追記3>
飛行距離も短いし、高度も低いことからすると、新型ミサイルの実験ではなかった可能性がある。すると、明るい時間帯に移動式発射台から発射することで、北朝鮮にミサイル発射兆候探知能力を試す目的があったのかもしれない。特に、韓国に配備されているTHAADがどれほど機能したのか、日本海に展開している米空母の探知能力がどれほどあったのか、そして、日本のスパイ衛星が北朝鮮の発射兆候を把握できていたのかなどを総合的に試そうとしたのかもしれない。
もう一つは、「火星-12」で強い対応に出なかった米国の反応、さらには別記事にも書いたように中国が実施していると思われる輸入緩和措置にどのような影響を与えるのか、そのようなことまで試そうとしたのかもしれない。
『聯合ニュース』、「합참 "北 발사 탄도미사일 500여㎞ 비행"(속보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/05/21/0505000000AKR20170521056100014.HTML?template=2085
予想される飛行コースを描いてみた。北東に飛ばして、日本海の公海に落下させたのではないだろうか。日本海にはカールビンソンが展開しており、それにロナルド・レーガンが合流したとも報じられているので、それらを刺激せぬよう、前回と同じ方向に発射していると推測される。円の半径は500km。平壌により近い場所からの発射している。亀城市付近が前回の発射地点とされている。

Source: Google Earth
『時事通信』、「米空母レーガンが朝鮮半島周辺へ=異例の2隻態勢、合同演習か―北朝鮮けん制強化」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170519-00000067-jij-n_ame
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<追記>
『聯合ニュース』を見たら、「東方向に」と書いてあったので、上の予想は外れた。だとすると、2隻の米空母が展開している場所はもっと南方なのだろうか。
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飛行高度が分かると、「火星-12」と同じミサイルかどうかが判断できる。飛行距離が短いので、同じであれば、より高い高度に達しているはずである。同じミサイルを続けて2回発射することで、技術的確実性・安定性を確認する目的か、飛行距離を縮めてさらに高い高度にまで打ち上げているのであれば、弾頭の再突入実験の可能性もある。38 Northに掲載されている、「火星-12」の総合評価記事によると、「火星-12」の発射の再突入速度は、シミュレーションによると5.4km/sで、最小エネルギー軌道の再突入速度5.2km/sとほとんど変わらないので、弾頭評価の目的ではなさそう」としている。今回の発射で、さらに高度を上げ、再突入時の速度を上げているのであれば、弾頭部の再突入耐性実験の可能性は高くなる。
38 North, A Quick Technical Analysis of the Hwasong-12, http://38north.org/2017/05/hwasong051917/print/
<追記2>
最高高度は560kmと。
<追記3>
飛行距離も短いし、高度も低いことからすると、新型ミサイルの実験ではなかった可能性がある。すると、明るい時間帯に移動式発射台から発射することで、北朝鮮にミサイル発射兆候探知能力を試す目的があったのかもしれない。特に、韓国に配備されているTHAADがどれほど機能したのか、日本海に展開している米空母の探知能力がどれほどあったのか、そして、日本のスパイ衛星が北朝鮮の発射兆候を把握できていたのかなどを総合的に試そうとしたのかもしれない。
もう一つは、「火星-12」で強い対応に出なかった米国の反応、さらには別記事にも書いたように中国が実施していると思われる輸入緩和措置にどのような影響を与えるのか、そのようなことまで試そうとしたのかもしれない。